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マルチーズの原産国ってどこ?世界最古の愛玩犬の歴史を辿ろう

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「マルチーズ」と聞いてその姿を思い浮かべることができる人は少なくないと思います。小さな身体に真っ白な被毛が印象的ですよね。そんなマルチーズ、どこの国が原産なのかご存知ですか?今回は世界最古の愛玩犬とも言われるマルチーズの原産国や名前の由来など、そのルーツを辿ってみました。

マルチーズの原産国ってどこ?世界最古の愛玩犬の歴史を辿ろう

目次

  1. マルチーズの歴史について
  2. 昔から変わらない姿
  3. マルチーズの原産国は?
  4. 「マルチーズ」という名前の由来は?
  5. イソップ寓話にも登場した?
  6. マルチーズは古い歴史を持つ犬種

マルチーズの歴史について

マルタ島

「犬の貴族」と言われることもあるマルチーズ。その起源を見ていきましょう。

マルチーズのルーツ

マルチーズの歴史はとても古く、一説には紀元前1500年頃までさかのぼると言われています。そのため、確かな記録はありませんが、当時、地中海貿易の主要な中継地であったイタリア・シチリア島の南に浮かぶ島国「マルタ島」に、東地中海南岸(現在のレバノン・シリア・イスラエルの沿岸地域)のフェニキア地域を拠点としていたフェニキア人の水夫が持ち込んだ犬がマルチーズの祖先になったのではないかとの考えが有力なようです。この犬が島の中で発展し、今のマルチーズという犬種が誕生したと言われています。

ちなみにマルチーズの元となったと考えられている犬は多くの船乗りたちのペットとして飼われており、アジアから来た小型犬という説があります。

現在では猫の楽園として有名ですね
現在では猫の楽園として有名ですね

愛玩目的として飼われることはもちろん、船に犬を乗せることは災い除けなどの験担ぎの意味もあったようで、船乗りたちのお供として連れられることが多く、貿易を介してシチリア島から地中海沿岸の国々、そしてヨーロッパへ広まっていったとされています。

紀元前500年頃のギリシャでは壺や皿にマルチーズと思われる姿をした犬が描かれており、死んだあとは専用の墓が建てられ、ローマ人によって詩も詠まれていたようです。

エジプトでは病気を癒す力があると信じられており、王家では歴代、金の器で食事を与えていたとの説も。

15世紀に入るとフランスの貴婦人たちの間でたちまち人気となりました。膝の上で大人しくしていることから「抱き犬」とも呼ばれ、あまりの人気に破格の値段で取り引きされたと言われています。

パリ条約によってマルタ島がイギリス領(※)となった19世紀(1814年)以降にはイギリス王室に献上され、愛犬家としてポメラニアンの繁殖・品種改良に尽力したヴィクトリア女王に可愛がられたことでさらに有名となり、次第に一般市民にもブームが広がっていきます。

世界中で人気となったマルチーズが日本にやってきたのは1960年頃です。日本ではそれまで犬は番犬としての役割が大きく、基本は外飼いでしたが、マルチーズをはじめポメラニアンやヨークシャーテリアといった座敷犬御三家の登場により、次第に室内飼いに変化していきました。

JKC(ジャパンケネルクラブ)の調査によると、1968年(昭和43年)~1984年(昭和59年)までの16年もの間、犬種別犬籍登録頭数が1位であったと言われています。

現在ではトイプードルやチワワ、ダックスフンド、ポメラニアンなどの犬種が上位ではありますが、それでも2009年から2023年までの期間10位以内にランクインし続けており、今もなお人気がある犬種であることが分かります。

※1964年に独立し、現在はマルタ共和国となっています。

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昔から変わらない姿

マルチーズ

フェニキア人の水夫によって持ち込まれた犬はさまざまな国へ広まっていきましたが、その一方でマルタ島に残った犬たちもいました。周りを海で囲まれた小さな島で暮らしていた当時のマルチーズたちは他の犬種と接触する機会が少なかったため純血が守られ、今も昔とほとんど変わらない姿をしていると言われています。

はっきりとした根拠はないものの、今と異なる部分としては、初期のマルチーズは茶色などの毛色の子も存在していた可能性があるようです。ただ、当時は真っ白な被毛が人気であったため白以外の毛色を持つ子の交配が進められなかったことや、島の中で近親交配が繰り返されることで白い毛色で固定されてしまったのではないかと考えられています。

トイプードルやポメラニアンなどの小型化が進められた犬種とは異なり、もとから小さいサイズ感であるため、比較的個体差が少ないようです。また、マルチーズは使役目的ではなく、はじめから愛玩目的で誕生しました。これはとても珍しいことで、上記の理由から「世界最古の愛玩犬」と紹介されることもあります。

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マルチーズの原産国は?

地中海

マルチーズの歴史を見てみると、マルチーズの原産国はマルタ共和国なのかな?と思いますが、多くのサイトがマルチーズの原産国を「イタリア」として紹介しています。

一方で、JKC(ジャパンケネルクラブ)のマルチーズのページを見てみると、マルチーズの原産国は「地中海沿岸地域」と広い範囲で紹介されています。

マルチーズはとても古い歴史を持つ犬種ではありますが、その古さゆえに正確な証拠がない部分も多いため、具体的な地域は断定できないと言えそうです。

ただし温暖な地域出身であることは変わりないため、被毛のタイプは「シングルコート」になります。

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「マルチーズ」という名前の由来は?

マルタ島

「プードル」はドイツ語のプーデルン(「水の中でバチャバチャと音を立てる」という意)、「チワワ」はメキシコのチワワ州、「ポメラニアン」はドイツ北東部~ポーランド北西部に広がるポメラニア地方など、犬種名の由来はさまざまです。

では、「マルチーズ」という名前の由来はなんなのでしょうか?

原産地が由来?

「マルチーズ(Maltese)」とは英語で「マルタ人」や「マルタ語」を意味しますが、「マルタ原産の犬、マルタの犬」という意味も持っています。そのため、マルタ島が由来となって、「マルチーズ」という犬種名がついたというのがよく紹介されている説です。

一方で、JKC(ジャパンケネルクラブ)のマルチーズのページを参照してみると、

マルチーズという犬種名は、この犬種がマルタ島を起源とするという意味ではない。なぜなら、形容詞の「マルチーズ」とは、隠れ家または港を意味するセム語の「málat」に由来しているからである。このセム語は多くの海運地域の名称をルーツとする。即ち、Mélédaのアドリア島、Melitaのシチリア及びマルタ島である。

出典: www.jkc.or.jp

となっています。

「マルチーズという犬種名は、【マルタ島】がルーツだからついた」というわけではないと説明されていますね。マルチーズの祖先は中央地中海の港や臨海都市の港の倉庫に出現するネズミを捕まえるために利用されていたことがあるようで、「港」を意味するセム語の単語「málat」が由来となっているという説もあります。

このようにマルチーズの犬種名の由来ははっきりとは判明していません。

ちなみに現在ではマルタ共和国で純粋なマルチーズを見かけることは滅多にないようですよ。

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イソップ寓話にも登場した?

物語

マルチーズの歴史を検索してみると、イソップ寓話に2度登場したと紹介しているサイトが多く見られます。

イソップ寓話とは、アイソーポス(イソップ)という人物によって作られたとされるたとえ話(訓話)の総称です。アイソーポスが実在した人物かどうかは実は分かっていませんが、これらの寓話が語られたのは紀元前6世紀頃と言われており、「北風と太陽」や「うさぎとかめ」などのお話は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

このイソップ寓話の中に「マルチーズは長い船旅をする船乗りのペット」という記述があるとのことなので調べてみたところ、イソップ寓話の教訓No.91「じゃれつく驢馬(ろば)と主人」にはマルチーズが登場していることは確認できましたが、船員のペットとして紹介されている寓話を見つけることはできませんでした。

イソップ寓話は話数が多いので、確認できなかったお話には登場しているのかもしれません。

No.91「じゃれつく驢馬(ろば)と主人」のお話はこちら

マルチーズは古い歴史を持つ犬種

マルチーズ

マルチーズはとても古く長い歴史を持つ犬種であるがゆえに、確かな証拠が残っていない部分も多く、ルーツや犬種名の由来など、「こうではないか?」という予想が多分に含まれ、また、その予想も複数あることがほとんどです。ただし、分からないということは、それだけ古くから存在していたということの裏返しであるとも言えます。

そう考えるといっそう愛犬の存在が愛おしく感じますよね。たまには愛犬を通して悠久の歴史に思いを馳せてみるのも、素敵な時間を過ごすことができそうです。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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