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かつては日本にも。犬税を導入している国々について解説

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日本にもかつて、「犬税」というものがあったということをご存知ですか?昭和50年代まで導入されており、その後廃止されましたが、世界では「犬税」という税金が現在も導入されています。今回はこの「犬税」の歴史を解説すると共に、世界の国々での導入事例などをご紹介したいと思います。

かつては日本にも。犬税を導入している国々について解説
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目次

  1. 犬税ってどんな税金?
  2. 犬税を導入している国はどれくらいあるの?
  3. かつては日本でも導入されていた
  4. 日本に再び犬税が導入されたらどうかわる?

犬税ってどんな税金?

犬
alvannee Unsplash

 それにしてもなぜ犬税が存在しているのでしょうか。自治体の税収が足りないから?それとも犬の福祉活動のため?その本質は、人と犬のより良い共生社会を構築するための啓発という意味合いが強いと言われています。 

犬税の歴史

 犬税を初めて導入したのはイギリスだと言われています。元々は、犬が貴族たちの富の象徴として、愛玩犬や狩猟犬として飼われていたところから、贅沢税として設けられました。その後、犬たちは多くの一般民衆にも愛され共に暮らすようになりましたが、犬税だけは過去の名残から残っていた、ということですね。

イギリスでは既に廃止されていますし、世界的に見ても犬税を実施している国は多くはないのですが、例えばドイツのようにほとんどの自治体で実施されている国もあります。

犬税の目的とは?

 犬税を徴収することによって、犬の糞害清掃や収容施設を運営することにも使われますが、目的税ではなく一般財源のため、あくまで公共のために使われることが多く見られます。

その最大の目的とは、犬に対して税金を掛けることによって、例えば安易な飼育や多頭飼いを抑止することにあります。いわゆる犬の増えすぎを防止することによって、行き場のない犬の数を少しでも減らすことに繋がります。 そうすることで犬の殺処分を劇的に減らす効果があるともされています。

犬税を導入している国はどれくらいあるの?

犬
karsten116 Unsplash

 世界で犬税を導入している国々は、ドイツ・オランダ・オーストリア・スイス・チェコ・フィンランド・アメリカの一部の州・中国などがあり、意外と少ない印象です。それでは、それぞれの国においてどのような税制を敷いているのか見ていきましょう。 

ペット王国ドイツ

 世界でも指折りのペット王国だとされているドイツ。殺処分がほぼゼロだと言われていますよね。ドイツでは1810年に犬税が導入され現在に至っています。 

その概要は?

 犬税はドイツのほとんどの自治体で導入されていて、飼育舎は犬が生後3か月になると、地方自治体の税務当局に届け出る義務があります。頭数に応じた累進課税のため、多頭飼いをするほど多くの税金を支払わなくてはなりません。 

犬税に掛かる金額はどのくらい?

 1頭あたりに掛かる税金は、日本円で1〜2万円ほど。闘犬指定犬種となると、その3倍掛かります。また、1頭増えるごとにだんだん税率が高くなっていくため、安易な多頭飼いを防いでいるのですね。 

犬のために税金が使われる国オランダ

 ヨーロッパは一概にペットに対して寛容だとされていますが、オランダの犬事情も同じようなものだと言えるでしょう。 

その概要は?

 オランダの場合は一般財源ではなく、あくまで目的税として使われています。犬の保護施設を運営したり、保護活動費に充てたりしているそうです。また犬や飼い主のためのインフラ整備にも使われていますね。 

犬税に掛かる金額はどのくらい?

 1年間を通して一律となっていて、日本円で5,000円程度です。オランダでは2012年以降マイクロチップが義務化されていて、犬税と相まって安易な虐待やブリーディングの防止に役立っています。 

急速に成長するペット市場を持つ中国

 ここ近年、経済規模の拡大に伴ってペットブームが続いている中国ですが、犬バブルが起こった結果、捨て犬の数も残念ながら急増しています。 

その概要は?

 中国では、犬を登録した際に支払うというシステムです。…といっても広い国土ですから地域によって差があり、やはり頭数の多い自治体ほど税金が高くなる傾向にあるようです。 

犬税に掛かる金額はどのくらい?

 北京では日本円で初年度14,000円ほど、2年目以降は半額程度になります。 経済特区がある広州では、さらに跳ね上がって初年度14万円、2年目以降は8万円程度になります。

かつては日本でも導入されていた

柴犬
cottonbro studio Pexels

 日本では明治時代から昭和50年代まで、犬税が導入されていました。実は江戸時代にも、犬公方として知られた徳川綱吉が犬税を課していたという記録もあり、古くから犬と関わっていた日本人らしい歴史だと言えるでしょう。 

特に税率が高かった狆(ちん)

 犬税があった頃の京都府では、犬種「狆」だけが特別に税率が高かったようです。江戸時代から近代にかけて、上流階級や花柳界で盛んに飼育され、愛された狆は、愛玩犬の代表格だと見なされたのです。

なぜ犬税がなくなった?

 明治時代に府県税としてスタートし、道府県によって課税方法が異なっていました。いわゆる地方税の一部だったのですが、大正13年に大蔵省がまとめた「大正13年度、道府県雑種税課率調」という史料の中には、道府県ごとの課税標準などが明確に記載されていますね。

しかし戦後になって急速にペットブームが進んでいく中で、徐々に犬税は廃止されていき、長野県にある自治体を最後に全廃したという記録が残されています。

日本に再び犬税が導入されたらどうかわる?

犬
Ylanite

 ドイツやオランダのようなヨーロッパ諸国がそうしているように、もし日本に再び犬税が導入されたらどうでしょう?確かに税金の負担はあるでしょうが、悪質なブリーダーや殺処分が減ることにも繋がるかもしれません。

▼下記の資料を参考に執筆しました▼

犬税(国税庁)
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komugi

この記事のライター

komugi

都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!

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