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【獣医師監修】犬の胃潰瘍について。初期症状は?発症の原因や治療法についても解説

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犬も胃炎や胃潰瘍になることをご存知ですか?

人間の場合、胃潰瘍と聞くとヘリコバクター・ピロリ菌、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ストレスなどが原因ということはよく知られています。

しかし、犬の胃潰瘍は人間とは少し異なり、精神的なことが原因で胃の病気を発症するケースは多くないようです。では、いったい何が原因で、犬は胃潰瘍を発症するのでしょうか?

この記事では、犬の胃潰瘍がどのような病気なのか、原因や治療法、予防法についてご紹介します。

【獣医師監修】犬の胃潰瘍について。初期症状は?発症の原因や治療法についても解説
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目次

  1. 犬の胃潰瘍という病気について
  2. 犬が胃潰瘍になる原因とは
  3. 胃潰瘍を発症した際の治療法について
  4. 犬の胃潰瘍は予防できる?
  5. 胃潰瘍の原因はさまざま

犬の胃潰瘍という病気について

犬

犬の胃では強酸性の胃液が分泌されており、胃に運ばれた食べ物は胃液によって消化されます。

通常であれば、胃の粘膜から出る粘液が胃を保護しているので、胃が胃液によるダメージを受けることはありませんが、何らかの原因により胃酸の分泌量が過剰に増えたりすると、胃そのものが胃酸に消化されてしまい、胃粘膜に潰瘍ができてしまいます。この状態を胃潰瘍といいます。

胃潰瘍が更に進行すると、胃に穴が開く胃穿孔(いせんこう)という状態になることもあるので、注意が必要です。

初期症状とチェック項目

胃潰瘍は胃に痛みを伴うため、初期症状としては背中を丸める、お腹を触ると圧がかかり嫌がる、食欲不振、元気消失、嘔吐といったさまざまな身体症状が見られます。

症状が更に進行すると慢性的な嘔吐が見られるようになり、吐血したり、茶色い嘔吐物を頻繁に吐く、黒い下痢をするといった症状が現れます。嘔吐物や下痢が茶色や黒色になるのは、血液が混ざっているためです。このような消化器症状が続くと、貧血を呈することもあります。

他の犬や人間にうつる?

犬の胃潰瘍は、犬自身の胃液が胃を消化してしまう病気であり、感染性の病気ではありません。そのため、胃潰瘍が他の犬や人間にうつる心配はありません。

犬が胃潰瘍になる原因とは

犬

犬の場合、どのような原因で胃潰瘍を発症するのかをご紹介します。

原因【1】薬剤

犬の胃潰瘍で最も多く見られる原因は、薬剤の投与によるものです。犬に処方される痛み止め・抗炎症薬の中には、胃の粘膜を保護する力を抑える作用のある薬剤があり、このような薬の副作用として胃潰瘍が引き起こされることがあります。

なお、人間の解熱鎮痛剤(非ステロイド性消炎鎮痛剤に分類される薬剤)として有名なイブプロフェンなどは、犬にとって特に危険なので、絶対に与えないようにしましょう。

原因【2】腎不全や肝不全

腎臓が障害を受けて機能しなくなる腎不全や、肝臓が機能しなくなる肝不全は、胃潰瘍の原因になることがあります。どちらの病気も、血液検査などを定期的に行って、早期発見早期治療が大切です。

原因【3】腫瘍、異物

腫瘍が原因になることもあります。腫瘍には良性のものと悪性のものがありますが、犬の胃に発生する腫瘍は悪性度が高いといわれています。

胃に発生する腫瘍の例としては、リンパ腫などが挙げられます。

胃ではない部位に発生する肥満細胞腫(皮膚や皮下に発生、稀に内臓にも発生が見られる)やガストリノーマ(膵臓に発生)も、胃潰瘍を引き起こす可能性の高い腫瘍として知られています。

また、異物の誤飲によって胃粘膜を傷つけてしまうことから胃潰瘍になる可能性もあります。

かかりやすい犬種や年齢は?

犬の胃潰瘍は、犬種や年齢に関係なく発症します。ただし、消化器トラブルの多いゴールデンレトリバージャーマンシェパードドッグは罹患しやすいといえます。原因が腫瘍などの場合は、比較的高齢になってから発症することが多いと考えられます。 

胃潰瘍を発症した際の治療法について

犬

犬の胃潰瘍の診断には、どのような物を吐いたのか、どのような下痢をしたのかが大切な手掛かりになります。飼い主さんはできるだけ、吐物や排泄物を病院に持参しましょう。もし持参が難しい場合は、携帯で写真を撮影しておくと良いでしょう。

吐物が黒味を帯びている場合は胃潰瘍からの出血が示唆されます。また、同様に排泄物に血液が混ざることで排泄物が黒色を帯びることがあります。

犬の胃潰瘍の治療法には、内科治療と外科治療があります。

内科治療

服用中の薬が原因の場合は、投薬を中断したり、腫瘍が原因であればその治療を行います。同時に対症療法として、胃酸の分泌を抑える薬や胃の粘膜を保護する薬を使用したり、脱水の改善や電解質の補正を目的とした輸液療法が行われることもあります。

外科治療

内科療法で状態が改善しない場合には、潰瘍を直接外科手術で切除することが検討される場合もあります。

治療にかかる費用

病院によって幅はありますが、胃潰瘍の精査を行うために、血液検査やX線検査、超音波検査、内視鏡検査などが行われ、2万円以上かかると考えられます。内科的な治療が行われる場合は診察や内服薬の処方など、1度の通院につき5,000~10,000円くらいかかり、外科手術が必要な場合には10万円を超えることもあります。

治療費に不安があれば、動物病院に確認しておくと良いでしょう。

犬の胃潰瘍は予防できる?

犬

胃潰瘍の確実な予防方法はありませんが、他の病気に伴って発症することがあるので、胃潰瘍の基礎疾患となるような病気は早期に治療するように心がけましょう。

胃に負担がかかるような食餌や、誤飲や誤食はすでに潰瘍ができていた場合、さらに病状を悪化させる危険性があるので注意しましょう。

再発する可能性

胃潰瘍は一度発症すると再発する可能性があります。完治した後も、愛犬に変わった様子がないか注意深く観察し、定期受診を指示されていたらきちんと通院を続けましょう。

胃潰瘍の原因はさまざま

犬

犬の胃潰瘍の原因は、薬剤や腫瘍、腎不全や肝不全などさまざまなものが存在します。胃潰瘍を根本的に改善させ、再発を防ぐには原因に合った治療を受けることが必要なので、動物病院できちんと検査を受け、獣医師の指示に従いましょう。

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この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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