寝相で体調が分かることも?犬がしんどい時の寝方を知っておこう
犬は1日の中でも寝ている時間が長い生き物なので、愛犬が眠っている姿はよく見かけますよね。ある時は椅子の下で横になって眠っていたり、ある時は玄関でうつ伏せになって眠っていたりとさまざまな場所・いろいろな体勢で寝ていると思います。そんな犬の寝相ですが、中にはしんどいと感じているときに見られる寝姿があることをご存じでしょうか?今回は体調が悪い時に見られる犬の寝相とあわせてチェックしたい項目についてご紹介します。
犬がしんどいと感じている時の寝相って?
犬は一見寝づらそうな体勢で寝ていることも珍しくはありませんが、つらいと感じているときにはどんな寝相をしているのでしょうか?まずはじめに注意が必要な寝姿をご紹介します。
ぎゅっと丸くなっている場合
丸まって寝るのは犬の一般的な寝姿勢ではあるものの、身体をぎゅっと縮めて震えている、呼吸が早いなどの様子が見られたら具合が悪い可能性があります。病気のほかにも怪我による痛みが原因となっているケースも考えられるので、放置せずに動物病院に連れていきましょう。
元気があってごはんも食べているのにしっぽで顔を隠して丸くなっているという場合、寒さを感じているかもしれません。犬は寒いと感じているときに飼い主さんのそばにくっついて丸まっていたり、同居している他のペットと寄り添って寝ている様子が見られます。特にヘアレスドッグや身体の小さい小型犬、フレンチブルドッグなどは寒さに弱いので、冬でも過ごしやすい環境を整えてあげるようにしましょう。
また、寒くないときに丸まっているのであれば苦手な音が聞こえて恐怖を感じていたり緊張しているのかもしれません。リラックスして寝てもらうためにも、愛犬が不安になっている原因を突き止め取り除いてあげることが大切です。
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ぐったりと横向きになっている場合
リラックスしているときにもよく見られる寝姿ではありますが、手足を投げ出しぐったりとしている様子が見られたら暑さを感じているかもしれません。室内にいても熱中症になるケースもあるので、愛犬がお腹を出してハァハァと荒い呼吸をしている場合には、室温をチェックしてください。
犬の体温はだいたい38~39℃くらいで人間より2~3℃も高く、わたしたちが暑いと感じているときには、犬は倒れてしまいそうなくらい暑いと感じていると言われています。同じ部屋にいても体感温度が異なるので、愛犬の様子をよく観察しておくようにしましょう。フレンチブルドッグやパグなどの短頭種は特に暑さに弱いので、夏場はいつにも増して気を配ることが大切です。
また、具合が悪い時にも横向きになって痛みや不快感を緩和しようとすることもあります。呼吸の仕方や体温、寝ているときの様子などをよく観察して、異変を感じたら動物病院に連れて行くようにしてください。
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寝ているときに動くのは大丈夫?
寝ているのに足をバタバタさせている、尻尾を振っている、身体がピクピクしているなどの様子が見られたら少し心配になってしまいますよね。
人間の睡眠サイクルとは異なり、犬は浅い眠りである「レム睡眠」の時間が長いため、上記のような様子が見られることも珍しくありません。また犬も人と同じで夢を見ることが分かっており、夢の内容に反応して走っているように手足を動かしたり吠えたりすることもあるようです。
しかし、頻繁に手足を激しく動かす、全身が痙攣しているという場合には病気が原因となっている可能性もあります。いつもと違うかもと思ったら念のためかかりつけ医に相談するのが安心です。動画を撮影しておくと診察の助けとなるので、余裕があれば動画を撮っておきましょう。あわせて、どのタイミングで痙攣しだしたのか、持続時間はどれくらいかなども伝えられるとなお良いです。
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寝相以外にチェックしておくポイント
愛犬の寝相に違和感を覚えたときにあわせてチェックしておきたいポイントをご紹介します。
✅睡眠時間に変化はある?
犬は体調が思わしくないときに寝ている時間が長くなることがあります。そのため、いつもは起きてくる時間なのに起きてこない、声をかけるまで寝ているなどの様子が続くのであれば病気が原因となっているかもしれません。犬は成犬でも12~15時間ほど眠る生き物ではありますが、いつもより寝ている時間が長くなったなと思ったら愛犬の様子を気にしておくようにしましょう。
また、寝ている時間が極端に短くなったという場合には、運動不足で疲れていないため眠れない、寝床の環境が悪くて眠れない、お腹が空いていて眠れない、怪我や病気による不快感で眠れないなどの理由が考えられます。睡眠不足はストレスや食欲不振、イライラなどの原因にもなるので原因を突き止め解消してあげるようにしてください。
睡眠時間はライフステージや犬種、身体の大きさなどによっても差があるので判断が難しいところもありますが、いつもよりも睡眠時間が長い、短いなどの様子が見られたら注意深く観察して、異変を感じたら獣医師に相談することをおすすめします。
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✅呼吸の仕方や回数は?
◆仕方
犬がハッハッと口を開けて呼吸している姿を見たことがある人は多いと思いますが、犬は基本的には鼻で呼吸をしており、口呼吸では肺まで空気が十分に届かないと言われています。(哺乳類で口呼吸ができるのは人間だけなんだとか)
犬は皮膚に汗腺がなく、鼻と足の裏(肉球)という限られた場所にしか汗をかきません。そのため体温調整が苦手であり、暑さを感じた時や運動後などには舌を出して荒い呼吸をすることで(パンティング)体温を下げようとしています。
したがって、安静時にパンティングをしているのであれば、病気や怪我による痛みが原因で呼吸が早くなっている可能性があります。また、緊張しているときや不安を感じているときにもパンティングをすることがあるので、その場合には原因を突き止め対処してあげましょう。
極度に丸まっていたり横向きで寝ている際には、呼吸の仕方がおかしくないかチェックしてください。
◆回数
皆さんは愛犬の呼吸数を把握していますか?犬の正常な呼吸数は1分間で10~30回程度だと言われていますが、小型犬は大型犬と比べて呼吸数が多い、子犬は成犬よりも呼吸数が多いなどの違いが見られるので、愛犬の安静時の呼吸数を把握しておくようにしましょう。
犬の身体を横から見たときの胸の動きを見て測ります。上下して「1回」というカウントです。寝ているときが数えやすいかもしれません。10秒間測って6倍する、15秒間測って4倍するといった方法で1分間の呼吸数を算出してみてください。同じ条件で何回か測ってみるとより正確な数値が分かるでしょう。
見るだけではよく分からないという場合には、胸やお腹に手を当てると分かりやすいかもしれません。
安静時の呼吸数を把握しておくことで、「いつもより多い」という判断ができるようになります。心タンポナーデや僧帽弁閉鎖不全症などの病気は呼吸数の増加が見られることもあるので、安静時の愛犬の呼吸数を知っていればこれらの病気の早期発見に繋げられる可能性も0ではありません。日々の健康管理の一環として定期的に測定することをおすすめします。
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✅普段と違うところはある?
声をかけても起きない、舌の色がおかしい、突然いびきをかくようになったなど、いつもとは明らかに違う様子が見られた時には緊急性が高い可能性があります。すぐにかかりつけ医に相談しましょう。
また、愛犬が辛そうに横になってる場合であっても、無理に抱き上げたり体勢を変えないようにしてください。変な体勢であっても痛みや不快感がある状況ではその体勢でいるといくらかマシなのかもしれません。寝やすい体勢にしようとすることでかえって痛みを感じ、噛みついてしまう可能性もあります。獣医師の指示を仰いで行動するようにしましょう。
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日頃から愛犬の寝相を観察しておこう
いろいろな体勢で寝ている犬ですが、寝相にはその時の体調や心理状態が反映されると言われています。そのため、いつもと違う体勢で寝ている場合や少し違和感を覚える寝相である場合には具合が悪いのかもしれません。普段から愛犬の様子をよく観察し、異変を感じたらすぐにかかりつけ医に相談しましょう。
また、寝相以外にも睡眠時間の変化や呼吸の仕方・呼吸数も「いつもと違う」という判断の参考になります。動物はどこか痛くても、なんだか調子が悪いなぁと感じていてもわたしたちに直接伝えることができないので、飼い主さんが察知してあげなければいけません。体調が悪いことを隠そうとする子も少なくないので、普段から日頃から愛犬の様子をよく観察するようにしてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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