犬の熱中症|夏になる前に知っておきたい原因や応急処置、予防法

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犬も人間と同じように熱中症になることがあります。

犬は全身を毛で覆われているうえに、体の一部でしか汗をかけないため体温調節がしにくく、熱中症になりやすいといわれています。

熱中症は重症化すると命を落とす可能性もあるため、特に夏は注意が必要です。

この記事では家族の一員である愛犬を熱中症から守るため、熱中症の原因や症状、応急処置の方法について解説します。

犬の熱中症|夏になる前に知っておきたい原因や応急処置、予防法

目次

  1. 犬の熱中症とは
  2. 犬の熱中症の原因
  3. 熱中症になりやすい犬の特徴
  4. 犬の熱中症の症状
  5. 犬が熱中症になったときの応急処置
  6. 犬の熱中症の予防
  7. まとめ

犬の熱中症とは

暑そうな犬

犬は人間のように汗をかいて体温調節することができないため、パンティング(舌を出してハァハァと呼吸すること)で体温調節をします。

ただ、気温が高すぎるとパンティングだけでは体温を下げられません。

また、パンティングをし続けると脱水症状も加わり、さらに熱中症になりやすくなってしまいます。

熱中症による高体温の状態が続くと、たった3分で体内の臓器に異常が現れます。

その時点で後遺症が残ってしまうほど重篤な状態になっていることも少なくありません。

犬の熱中症の原因

辛そうな犬
sianbuckler

熱中症の主な原因はこの4つです。

  • 過度な運動
  • 高温多湿の環境
  • 暑い時間の散歩
  • 熱放出機能の低下

過度な運動

運動をすると人間同様に犬も体温が上がります。

犬は体温調節がうまくいかないため、休憩せずに運動をし続けることで体温が上がり続け、熱中症を引き起こしやすくなります。

特に気温と湿度が上がってくる5月以降の日中は、短時間であっても注意が必要です。

高温多湿の環境

熱中症にかかる場所といえば、暑い屋外を想像する方が多いかもしれませんが、屋内でも熱中症にかかります。

たとえば、暑い時期にエアコンをつけていない部屋に犬をお留守番させた場合や、自動車内に残した場合なども熱中症にかかる可能性があります。

特に自動車は気温が非常に高くなるため、窓を少し開けていったとしてもほとんど車内の気温は下がらずとても危険です。

「買い物の間だけ」という短時間でも、その間に愛犬が熱中症になる可能性があるため、夏場に車内に愛犬を残していくのは絶対にやめましょう

暑い時間の散歩

人間の身長であれば感じることはあまりありませんが、真夏のアスファルトは50~60℃になるといわれています。

犬は人間より地面との距離が近く、その暑さの影響を受けやすい状態です。

そのため暑い時間に散歩をすることも熱中症にかかる原因となります。

試しに真夏の昼間にアスファルトに触れてみると、愛犬の気持ちがわかるかもしれません。

4、5月ごろでも晴れている場合はアスファルトが熱くなっている場合があるため、昼間の散歩は避けましょう

熱放出機能の低下

犬はパンティングで体温を下げますが、犬種の特性や肥満により体温を下げる力が弱い場合があり、熱中症の危険性が高くなります。

熱中症になりやすい犬の特徴

辛そうなフレンチブルドッグ

以下のような犬種や特徴のある犬は体温調整がうまくできず、熱中症にかかるリスクが高まります。

  • 短頭犬
  • 短足犬
  • 大型犬
  • 北欧犬
  • 毛色が黒い犬
  • 呼吸器や心臓に病気がある犬
  • 高齢犬
  • 肥満犬

短頭犬

パグやフレンチ・ブルドッグ、ボストン・テリア、チワワ、シー・ズーなどがこの犬種にあたります。

鼻から咽頭が狭いため水分を蒸発させ体温を下げる能力が低く、熱中症になるリスクが非常に高い犬種です。

また、短足の犬種も多いため、地面から近くなることでさらに熱中症になるリスクが高まります。

短足犬

ダックスフンドやウェルシュ・コーギー、ペキニーズ、バセットハウンドなどがこの犬種にあたります。

ほかの犬種と比べ地面との距離が近いため、地面からの放射熱を強く浴びてしまい、熱中症にかかりやすいです。

大型犬

大型犬は体の体積が大きいため、小型犬に比べ体温が下がりにくくなります。

そのため熱中症のリスクが高まります。

北欧犬

シベリアン・ハスキーやサモエド・バーニーズマウンテン等がこの犬種にあたります。

もともと寒い場所で生活していた犬種なので暑さに弱い犬種です。

また、寒さをしのぐために毛が密に生えているため体温を逃しにくく、熱中症のリスクも高まります。

毛色が黒い犬

毛色が黒いと日光の熱を吸収しやすく、体温が上がりやすくなるため熱中症にかかりやすくなります。

呼吸器や心臓に病気がある犬

呼吸状態が悪化しやすく、脱水症状になりやすいため熱中症にかかりやすいです。

高齢犬

体力が落ちてきていると熱中症になりやすくなるため、高齢犬も注意が必要です。

肥満犬

脂肪は熱を閉じ込めてしまい、体温を下げにくくするため、肥満の犬は熱中症にかかりやすくなります。

また、「呼吸器や心臓に病気がある犬」と同様に呼吸器や心臓に負担がかかっている可能性があることも熱中症にかかりやすくなる要因の一つとなります。

犬の熱中症の症状

病院で診察をうける犬

では愛犬が熱中症になってしまった場合、どのような症状で見分ければよいでしょうか。

軽度なものから重度なものまでその症状は様々です。

<軽度の症状>

体温上昇によりパンティングが通常よりも早くなり、以下のような症状がみられます。

  • 通常よりも早くパンティングをしている
  • 心拍数が早い
  • 体が熱い
  • 舌や口の中の色が赤い
  • 落ち着きのない様子をみせる
  • よだれが多い
  • 水を飲まない
  • 食欲がない
  • ボーッとしている、フラフラしている

軽度の症状の時点で涼しい場所に移動し、体を冷やすなど応急処置が必要です。

<重度の症状>

さらに悪化すると以下のような症状がみられます。

このような症状が現れた場合はかなり危険な状態なので、一刻も早く応急処置をし、動物病院を受診しましょう。

対処が遅れると体に機能障害が出たり、最悪の場合死に至るケースもあります。

  • 嘔吐や下痢をする
  • 吐いたものや排泄物に血が混じる
  • 筋肉が痙攣する
  • 歯茎が白くなる
  • 舌や粘膜が青紫になる
  • ぐったりして起き上がらない
  • 意識がなくなる

犬が熱中症になったときの応急処置

倒れている犬

このような症状が現れた場合、動物病院に連れていく前に少しでも早く応急処置をし、犬の体温を下げましょう。

応急処置のポイントは「体を冷やす」ことと、「水分を与えること」で、具体的には以下のような応急処置を行います。

  • 犬を日陰で涼しく換気の良い場所に移動させる
  • 水を飲む場合は飲ませる(無理には飲ませない)
  • 犬の体に水をかけ、風をあてる
  • 氷と水をビニールに入れたものや保冷剤を頭と首筋、のど、お腹、脇の下、内ももにあてる(冷やす場所は太い血管がある場所にし、冷やしすぎには注意する)

自宅の場合はお風呂場や庭の日の当たらない場所で水をかけ、氷を体にあてながらうちわや扇風機、エアコンなどで犬の体に風を送りましょう。

重度の症状がみられる場合は脳が腫れて脳障害を起こすこともあるため、頭にも氷をあてて冷やしましょう

外出時の場合はすぐに水や氷が手に入らないことが多いため、地面が暑い場所を避け、日陰に犬を寝かし、あれば水に濡らしたタオルを犬にかけて水と風をあてると効果的です。

応急処置が済み、犬の症状が落ち着いたとしても自己判断はせず、必ず動物病院を受診しましょう。

見た目に異常は現れていなくても、体の機能にダメージが残っている場合があります。

動物病院に移動する途中も犬の体を冷やしながら移動しましょう。

犬の熱中症の予防

水を飲む犬

応急処置についてご紹介しましたが、そもそも熱中症にならないことが一番です。

ではどのような点に気を付ければ熱中症を予防できるのでしょうか。

主にこの5つのポイントに気をつけましょう。

  • 暑い日の長時間散歩を避ける
  • こまめに水分補給をする
  • 夏は温度管理を徹底する
  • 車に乗せるときは事前にエアコンを点けておく
  • 外出時に水分を携帯しておく

暑い日の長時間散歩を避ける

暑い日は地面からの放射熱や照り返しが強く、人間が感じている何倍も犬は暑さを感じます。

そのため気温が高い日は、早朝または日が沈んで気温が下がってからの散歩を心がけ、長時間の散歩は避けましょう。

夕方になって気温が下がったと感じても、アスファルトはまだ熱いままのことが多いです。

そのため、日が沈んですぐではなく、気温が上がる前の早朝または夜間に散歩しましょう。

また、犬の首に巻く保冷剤もあるため、外出時にそのようなグッズを使うことも効果的です。

こまめに水分補給をする

脱水症状は熱中症にかかるリスクを高めます。

少しの散歩であっても犬が飲む用の水を持っていき、こまめに水を与えましょう。

夏は温度管理を徹底する

外出時だけでなく、屋内にいる場合も熱中症に注意が必要です。

特に犬をお留守番させる場合はエアコンの操作ができないため気温が高くなりすぎることがあります。

そのため必ずエアコンをつけてお留守番させましょう。

また、日当たりの良い部屋の場合はカーテンを閉めることでも部屋の気温上昇を防げます。

車に乗せるときは事前にエアコンをつけておく

夏の車内は想像以上に暑くなります。

人間はクーラーが効くまで我慢できるかもしれませんが、犬は人間に比べ体温調節が苦手なため、車内を冷やしてから車に乗るようにしましょう。

また、犬を後部座席やゲージに入れて車に乗せる場合は、きちんと犬がいる場所までクーラーが届いているか、直射日光が当たっていないか確認することも注意が必要です。

外出時に水分を携帯しておく

先ほどもお伝えしたように、熱中症の予防には水分補給も効果的です。

外出時にはなかなか水が手に入らないこともあるため、すぐに水分補給ができる容器に水を入れて外出しましょう。

車でのお出かけの場合は、飲んだ後に容器に水が戻るタイプのものを選ぶと、場所を選ばずに水分補給が可能です。

まとめ

水場で遊ぶ犬

夏はレジャーに出かけることが多く、愛犬と一緒に思い出作りをする方も多いでしょう。

しかし、愛犬の体調に注意をしないと楽しい思い出にはなりません。

愛犬の健康を守ることができるのは飼い主さんだけです。

熱中症の予防方法はどれも特別なものではなく簡単にできることなので、「ちょっとのお出かけだから大丈夫」と考えずきちんと対策しましょう。

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