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【獣医師監修】愛犬がなかなか寝ない・・犬に睡眠薬を飲ませてもいいの?注意点や副作用の心配はある?

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「なんだか最近愛犬の寝つきが悪くなった」、「夜中に起きてきて鳴くから眠れない・・」ということはありませんか?愛犬が寝ないと心配になりますし、夜鳴きや徘徊などの行動が加わると飼い主さんも寝不足になってしまいますよね。わたしたち人間は眠れない日々が続いた場合、市販薬を服用したり病院で睡眠薬が処方されるケースもありますが、犬の場合はどうなのでしょうか?今回は犬に睡眠薬が処方されるケースと飲ませる際の注意点、さらには副作用の可能性についても解説していきます。愛犬の寝つきが悪くなって困っているという飼い主さんは目を通してみてくださいね。

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目次

  1. シニア期に入った犬が寝ないのはなぜ?
  2. 犬に睡眠薬が処方されるケースとは
  3. 犬の睡眠薬に副作用はある?
  4. 愛犬の寝つきが悪くなったらかかりつけ医に相談しよう

シニア期に入った犬が寝ないのはなぜ?

老犬 寝ない

犬の睡眠時間の長さは「子犬≒老犬>成犬」という傾向にあり、成犬期がもっとも短く(約12~15時間ほど)、高齢になるにつれて再び寝ている時間が長くなっていくのが通常です。しかし、シニア期に入ったにも関わらずなかなか寝ないことが増えたり、夜間徘徊や夜鳴きをしたりすることがあります。老犬が寝ない場合に考えられる原因にはどんなものがあるのでしょうか。 

昼間に寝すぎている

シニア期に入ると体力が落ちるためお散歩に行きたがらなくなったり、遊ぶことへの興味が薄れて日中寝ている時間が増える子は少なくありません。しかし、いくら睡眠時間が長くなるとはいえ、昼間に寝ている時間が長すぎると生活リズムが崩れて夜眠れなくなり昼夜逆転してしまうことがあります。

愛犬が夜になってもなかなか寝ないと「どうしたのかな?」と心配になってしまいますが、以前と比べて昼間に寝ている時間が長くなっていないかを思い返してみてください。明らかに寝ている時間が増えたという場合には、日中寝すぎていることが原因となっている可能性が高いです。

要求がある

トイレシートが汚れていて気持ちが悪い(取り替えてほしい)、トイレに行きたいけど場所が分からない、暑い・寒い、のどが乾いたなどの理由から飼い主さんを呼ぶために起きていることがあります。シニアになると今まで出来ていたことができなくなることも珍しくないため、飼い主さんに伝えたいことがあって起きているのかもしれません。

不安を感じている

人間と同じで犬も年を重ねるとストレスに対する感受性が高くなることに加え、視覚や聴覚が衰えるので、不安を感じやすくなると言われています。特に甘えん坊な子や寂しがりやな子は不安感から寝つきが悪くなる傾向が強いようです。

「飼い主さんがいない状況だと寝ない・夜鳴きをする」が、「飼い主さんの姿が見えると鳴き止む・撫でたり近くにいると寝る」という場合には不安感が原因となって起きている可能性が考えられます。

認知症

昼夜逆転だけでなく、夜中にうろうろ歩き回ったり、夜鳴き続ける様子も見受けられるという場合には、認知症が原因かもしれません。要求からくる吠えは自分の要求が通れば吠えるのを止めることが多いですが、認知症からくる吠え(夜鳴き)は認知機能の低下による体内時計の乱れなどが原因であり、一旦鳴き止んでも再び鳴き始めることが多いです。

認知症について詳しくはこちらの記事で解説しています

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また、不眠や徘徊、夜鳴きなどは認知症の症状であるケースのほかに、脳腫瘍などの別の病気が原因となっていることもあります。高齢だから、と決めつけるのではなく、1度獣医師に相談することをおすすめします。

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犬に睡眠薬が処方されるケースとは

睡眠薬

老犬はさまざまな理由から寝ないことがあるということが分かりましたが、睡眠薬が処方されるのはどのような場合なのでしょうか?

徘徊や夜鳴きがひどい場合

昼間に寝すぎて夜寝ずに徘徊する、認知症が原因で夜鳴きが続くなどの理由で飼い主さんが眠れなくなったりストレスを抱えて健康を害する可能性がある場合、睡眠薬が処方されることがあります。

また、夜鳴きによる近隣トラブルを避けるために処方されるというケースもあります。

病気が原因で眠れない場合

何らかの病気が原因となってなかなか寝ることができない状態が続く場合、「眠れない」という状況を改善し犬の負担を軽減するために睡眠薬が処方されることがあります。

ただし、徘徊や夜鳴きが続いて飼い主さんの生活に支障が出る場合も、病気が原因となって犬が眠れない場合も、まずは生活リズムや生活環境の改善を試みたり、病気そのものへの治療が行われることが一般的です。

 状況によってははじめから睡眠薬が処方されることもありますが、基本的に睡眠薬が処方されるのは最終手段であり、まずは「病気が原因なのか」、「薬を服用させてもよい状態なのか」などを判断するためにいろいろな検査が必要になるケースがほとんどです。

睡眠薬を飲ませる際の注意点

犬 睡眠薬

当たり前のことではありますが、必ず獣医師からの指示と用法容量を守りましょう。薬はその子の年齢や体重、犬種、持病などの健康状態、他に服用している薬やサプリメントの飲み合わせなどを考慮したうえで処方されています。

効かないからといって自分の判断で量や回数を増やしたり、市販の薬を与えるということは絶対にしてはいけません。わたしたち人間に薬が効きはじめるタイミングや効果が持続する時間に違いがあるように、犬にも個体差があるので、あまり効果を感じることができなかったり、反対に効きすぎてしまうことももちろんあります。

犬に睡眠薬として処方される薬剤の中でもベンゾジアゼピン系の薬剤は『過剰に摂取させると重篤な中毒症状が発生する可能性がある』という報告(※)もあるので、自己判断は禁物です。

睡眠薬が処方される場合の多くは、はじめは最低用量で効果の弱いものから処方され、「どのくらいの時間で効き始めたか、何時間くらい眠っていたか」を問診して次の用量を決定していきます。そのため、睡眠薬を飲ませた時間や効果が現れはじめたと思われる時間、効果が持続していると思われる時間、眠っている時間、体調の変化などは記録しておき、次回受診する際にかかりつけ医に報告しましょう。また、何らかの症状が見られた場合には重症化する前にすぐに動物病院に相談してください。

睡眠薬は効き目に個体差がかなりあることや、副作用として肝臓や腎臓に負担がかかってしまい薬の種類を変更しなければいけないケースもあるので、その子に合った用量を決定するまでに時間がかかります。不眠は愛犬にとっても飼い主さんにとっても辛いものなので、一刻も早く解決したいと思ってしまいますが、心持ちとしては、初回に処方された薬で劇的に効果が見られるとは思わないようにすることが大切です。

また、飲み合わせにも注意が必要です。現在他に薬やサプリメントを服用しているのであれば、必ず事前にかかりつけ医に伝えてください。睡眠薬を処方された後に他の薬やサプリメントを追加したいという場合にも、必ずかかりつけ医に相談しましょう。

※「犬におけるベンゾジアゼピン系薬剤の毒性」より

後述するジアゼパムはベンゾジアゼピン系薬剤に含まれます。

犬の睡眠薬に副作用はある?

老犬

どのような薬であっても副作用の可能性はあります。睡眠薬を服用した場合に見られる副作用は嘔吐下痢震え痙攣低血圧食欲増進・不振元気がないなどさまざまです。 

老犬は体調を崩しやすく、また悪化もしやすいので、副作用としてどのような症状が表れることがあるのか、副作用が見られた場合にはどうしたらいいのかなど、服用させる前にかかりつけ医に聞いておきましょう。

薬を初めて飲ませる際には、何か起きた時に夜間でも対応可能かあらかじめ確認しておくことが大切です。また、その日は変わりなくても次の日に様子が急変する可能性もあるため、翌日が休診ではない日を選んで飲ませることをおすすめします。

主作用自体にも注意が必要

睡眠薬を飲ませるにあたっては副作用だけでなく主作用自体にも気をつけなければいけません。睡眠薬を飲ませると当然犬は眠ってしまいますが、薬が効いている間は食餌が摂れないため、脱水や栄養不足には注意が必要です。

また、身体をゆすっても起きないこともあります。呼吸をしているのであれば問題ないことがほとんどですが、舌が紫になっているなど普段とは違う様子が見られたらすぐに動物病院へ連絡してください

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動物病院で処方されることがある薬(一例)

  • ジアゼパム:抗不安薬。脳の活性性を落とし不安を和らげる作用がある。抗てんかん薬として使われることも多い。
  • アセプロマジン:鎮静薬。嘔吐防止効果もあり。麻酔や手術の前に投与されることが多いが、日本では販売されていないため、取り扱いのない動物病院もある。
  • トラゾドン:抗うつ薬。セロトニンを増やし、不安感を和らげる効果が期待できる。レスリンやデジレルのジェネリック商品。人のうつ病に対する治療薬で犬猫も服用可能。

愛犬の寝つきが悪くなったらかかりつけ医に相談しよう

老犬

これまで飼い主さんのライフスタイルに合わせて夜にまとめて睡眠をとっていた子も、加齢に伴いだんだんと睡眠時間が長くなっていき昼間に寝ていることも増えますが、それは正常なことです。 

しかし、夜になってもなかなか眠らないという場合には、寝すぎのほか、何らかの要求がある、不安を感じている、病気などさまざまな原因が考えられます。また、原因が1つではなくさまざまな要因が絡み合っているケースも珍しくありません。そのため、あらゆる可能性を考慮しながら対処法を見つけていく必要があります。一方で、愛犬が寝ないときに加齢からくる行動なのか、認知症の症状の1つなのか、はたまた他の病気が原因なのかについて飼い主さんが見分けるのは難しいのも事実です。

認知症による日々の行動の変化は高齢によるものだと見過ごされてしまいがちですが、認知症は早期に気づいて治療介入することができれば進行を遅らせることができます。認知機能が低下することで自分が何をしているのか分からなくなっており、不安な気持ちで過ごしているので、心理的に不安定な状態でいる時間を短くしてあげるためにも、愛犬の様子に異変を感じたら1度かかりつけ医に相談してみましょう。セルフチェックできるサイトもあるので活用してみるのもおすすめです。 

 愛犬に睡眠薬を飲ませることには抵抗があるかもしれませんが、まずはできることから取り入れてみて、それでもなかなか改善が見られないという場合にはかかりつけ医と相談の上、睡眠薬の使用も検討してみてはいかがでしょうか。 

認知機能不全症候群セルフチェックのサイトはこちら

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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