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【獣医師監修】犬もノロウイルスに注意が必要?愛犬に感染させないために飼い主が知っておくべきこと

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冬季に流行するノロウイルス感染症は、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす人間の感染症です。毎年猛威を振るい、乳幼児から高齢者まで感染しますが、犬も感染する可能性はあるのでしょうか?

そこで今回は、ノロウイルスの原因や症状と、人間から犬への感染について最新情報をもとに、飼い主さんとして知っておきたいことを解説していきます。

【獣医師監修】犬もノロウイルスに注意が必要?愛犬に感染させないために飼い主が知っておくべきこと
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目次

  1. 人間におけるノロウイルス感染症について
  2. 人間から犬へノロウイルスが感染するとしたら、原因は?
  3. 犬のノロウイルス感染症の治療法はある?
  4. 人間から犬へのノロウイルスの感染を予防するために
  5. 愛犬に感染させないように気をつけましょう

人間におけるノロウイルス感染症について

犬

ノロウイルス感染症とは、ノロウイルスが原因で引き起こる感染症です。1年を通して発生しますが流行時期は寒くなる時期、つまり冬季で、11月頃から3月にかけて多発します。カキなどの貝の生食や加熱不十分な調理物がときに感染源となり、食中毒の原因ともなります。

ノロウイルスは感染力が強いのが特徴です。10~100個程度の少量のウイルスが体内に侵入しただけでも感染してしまいます。(※1)

人間での主な症状

ノロウイルス感染症の主な症状は、水溶性の下痢や吐き気、激しい嘔吐、腹痛、発熱などです。多くの場合は数日以内で回復します。(※1)

人間から犬にうつる?

ノロウイルス感染症は、これまで犬にはうつらないと考えられてきました。しかし、最近、海外で人間から犬へのノロウイルス感染が見つかった事例があります。

2018年にタイで、人間のノロウイルス(遺伝子タイプGII.Pe-GII.4)が犬に伝播したと考えられる事例がありました。下痢を起こしていた数頭の犬と同じ敷地内に住む子ども2人から、ノロウイルスが見つかったのです。子どもたちは、犬が下痢をする2週間前に下痢と嘔吐を起こしていました。

そこで、犬から検出されたノロウイルスと子どもから検出されたノロウイルスを調べてみたところ、非常に類似していることがわかったのです。このことから、この事例ではノロウイルスが人間から犬に伝播して発症した可能性が疑われています。

しかし、人間から犬への感染について今の段階ではまだはっきりとしたことはわからず、あくまで感染する可能性があるという段階にあります。日本ではまだ事例はありませんが、タイの事例では犬の症状も人間の場合と同様、発熱、水溶性の下痢、軽度の脱水であったとのことです。(※2)

人間から犬へノロウイルスが感染するとしたら、原因は?

犬

本当に人間から犬へノロウイルスが感染するのかはまだはっきりとわかっていないですが、もし感染するのであれば原因として考えられるのは基本的に人間の場合と同じように、以下の内容が想定できます。

汚染された手指などを介して感染

ノロウイルスは、感染した人間の便や嘔吐物に含まれています。そのため、排便後に手洗いが不十分で手指にウイルスが付着し、その手で愛犬と直接接触すると感染するかもしれません。

感染した人間の嘔吐物による飛沫感染や空気感染

感染した飼い主さんやご家族の嘔吐物を処理するときに愛犬が近くにいて、飛び散った飛沫に含まれるウイルスを吸い込んでしまうと感染するかもしれません。また、処理がしっかりとできていなかった嘔吐物が乾燥し、その粒子が空気中に漂ってそれを吸い込むことでも感染することも考えられます。

かかりやすい犬種や年齢

ノロウイルス感染症にかかりやすい特定の犬種や年齢は、明確になっていません。先述のような犬への感染事例はあるものの世界的に見て少ないので、人間から犬に感染する可能性は低いと考えられています。

犬のノロウイルス感染症の治療法はある?

犬

まだ明らかではありませんが、人間と同じように急性胃腸炎を引き起こす可能性が考えられます。その場合の治療は、ノロウイルス感染症の特効薬はないので、急性胃腸炎の対症療法により回復を図ることになるでしょう。下痢や嘔吐により脱水症状が見られるときは、水分と電解質を補給するために輸液療法が行われます。

治療にかかる費用

急性胃腸炎になった場合にかかる治療費は、症状の程度などにより異なりますが、通院2回・治療回数2回で2万円程度と考えられます。この費用には診察料、血液検査料、注射料、皮下点滴料、内服薬代が含まれます。重度の場合で入院することになった場合はさらに2万円程度かかると見込まれます。

人間から犬へのノロウイルスの感染を予防するために

手洗い

人間から犬に感染するかはまだ明らかではありませんが、少なからず感染の可能性を示す事例があるので、気をつけるに越したことはありません。

万が一飼い主が感染したら

飼い主さんがノロウイルス感染症にかかった場合は、直接接触により愛犬に感染するかもしれないので、愛犬との接触を避けたほうが賢明です。

また、トイレの後には石けんで手洗いを十分に行いましょう。石けん自体にはノロウイルスを直接殺菌する作用はありませんが、手についている汚れとともにウイルスの数を減らすことができますので効果的です。手を洗った後は、家族と共有している手拭きタオルは使わず、ペーパータオルを使用した方が安心です。

そして、嘔吐物を処理する際は使い捨てのビニール手袋やマスクをつけて行い、嘔吐物を拭き取ったらしっかりと消毒をしておきましょう。

人間から犬への感染は非常にまれですが、万が一飼い主さんやご家族が感染した際は、できるだけ愛犬と接触しないように気をつけて、感染させないように努めましょう。

再発する可能性

人間のノロウイルスに対する免疫は6ヶ月~2年程度と考えられており、毎年感染することも考えられます。犬の場合はまだわかりませんが、気をつけておきましょう。(※3)

愛犬に感染させないように気をつけましょう

犬

万が一愛犬が感染したとなると、急性胃腸炎になる可能性が考えられます。1日1回の下痢や嘔吐であれば、人間の場合と同じように数日で回復するでしょう。

しかし、下痢や嘔吐が1日数回と多く続く場合は、脱水症状や体内の電解質が失われてしまうので、注意が必要です。

しかし、ノロウイルスの人間から犬への感染はまだ明らかではないですし、日本では事例もないので、過度に心配する必要はないでしょう。ノロウイルスが原因かどうか特定するのは困難ですが、もし愛犬が急性胃腸炎の症状を起こした場合は、放っておくと重症化する可能性があります。早めに病院を受診しましょう。

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この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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