犬の多頭飼い前に確認することや犬の特徴は?実際のエピソードも紹介
犬の多頭飼いは実際に飼って後悔しないように、事前の準備をしっかりと行わなければなりません。
今回は犬の多頭飼いをする前に確認することや多頭飼いに向いていない犬の特徴、メリットやデメリットを解説します。
実例も紹介していますので、最後まで読んでみてくださいね。
犬の多頭飼いをする前に確認すべきこと
犬の多頭飼いをする前に確認すべきこととして、以下の6点があります。
- 飼い主と先住犬との関係
- 犬同士の相性
- 犬の性別
- スペース
- 時間
- お金
順番に見ていきましょう。
飼い主と先住犬との関係
最初に多頭飼いを考える前に確認しておきたいことは、飼い主さんと先住犬との関係です。
後住犬は先住犬のしつけや飼い主さんへの接し方を見て大きくなることが多いです。
そのため、先住犬が飼い主さんを尊敬していなければ、後住犬も飼い主さんを尊敬しないことが考えられます。
自分がまず今一緒に暮らしている愛犬との関係性をはっきりとさせておくと、後住犬ともいい関係を作れるようになるでしょう。
犬同士の相性
犬の多頭飼いをする前に、先住犬と新しく飼う予定の犬との関係を見ておくことは重要です。
相性が合わなければ先住犬にも新しく飼った犬にもストレスがかかり、一緒に暮らしていくのが負担になってしまいます。
多頭飼いの場合、必ずトライアル期間を設けるようにしてください。
保護施設から迎えると決めた場合、トライアル期間を設けている施設も多くあります。
ペットショップやブリーダーから迎える場合もいきなり飼うのではなく、最大2週間程度のトライアルを設けて相性を見るべきでしょう。
いきなり顔を合わせると犬同士が驚いてしまい、攻撃的になる可能性があります。
最初は一日数分程度合わせるところからはじめ、2週間程度かけて徐々に慣らしていきましょう。
犬の性別
犬の性別も確認しておきましょう。
一般的に生後6ヶ月以降のオス同士はうまくいかないといわれています。
メス同士もよくないといわれているため、異なった性別を考えてみてはいかがでしょうか。
もちろん性別を乗り越えていい関係性を築ける犬もいますが、多頭飼いが初めての場合は犬の性別も気にして選んでみましょう。
スペース
犬の多頭飼いをする前に確認することは、犬が過ごすためのスペースがあるかどうかです。
犬同士一緒に過ごして一緒に寝るからスペースを少し増やせばいいだろうと思ってはいけません。
犬もひとりだけで過ごしたいときがあります。
寝るスペースやトイレ、食事などもそれぞれのスペースが必要です。
今と比較して単純に2倍スペースがあるかどうかを確認しておくとよいでしょう。
時間
犬の多頭飼いをする前に、自分自身に2頭の犬を飼うだけの時間があるかの確認も必要です。
多頭飼いで一緒に住む家族が増えると、散歩やしつけ、遊ぶ時間も増えます。
しつけが重要であるのはもちろん、安全に2頭一緒に散歩ができない犬の場合、別々に散歩に行かなければなりません。
飼い主さん自身、犬にかける時間が十分あることを確認しておきましょう。
お金
最後に犬の多頭飼いの前に確認しておきたいのが、お金です。
犬は毎年治療費だけでなく、以下のような予防代もかかります。
- フィラリア予防
- ノミダニ予防
- 混合ワクチン
- 狂犬病ワクチン
- ペット保険代
上記にくわえ、食事やケージも必要です。
特に食事は犬の健康を保つため、犬に合ったそれぞれのフードを準備する必要があります。
多頭飼いする前に必ず上記の予防費用やフード、暮らすための設備が用意できるか確認しておきましょう。
多頭飼いに向いていない犬の特徴
多頭飼いに向いていないであろう犬の特徴は、以下の4点で見分けられます。
- 興奮しやすい
- 臆病で逃げ癖がある
- 依存心が強い
- ほかの犬に友好的でない
多頭飼いをする前に今いる愛犬の性格をしっかりと観察し、理解することが必要です。
もちろん時間をかけてしつけすることにより改善する場合もあります。
しかし、上記の項目で紹介する特徴を持つ犬であれば、本当に多頭飼いしてもいいかどうかといった部分から検討するべきでしょう。
上記の項目に当てはまっていると多頭飼いに向いていない理由を、以下で詳しく解説します。
興奮しやすい
多頭飼いに向いていない犬の特徴は、興奮しやすいことです。
新しく迎えた犬を見る度に興奮し、吠えたり部屋を駆けまわったりしてしまうと新しい犬へのストレスになります。
また、犬自身もケガをしてしまうかもしれません。
興奮を抑えようと触れた飼い主さんを噛んでしまう危険も考えられます。
臆病で逃げ癖がある
多頭飼いに向いていない犬の特徴は、臆病で逃げ癖があることです。
新しく迎えた犬を怖がってばかりいるとストレスとなってしまいます。
ストレスはさまざまな病気の元となるものです。
また逃げ癖がある場合、新しい犬から逃げようと家を飛び出してしまう危険も否定できません。
依存心が強い
多頭飼いに向いていない犬の特徴は、飼い主さんへの依存心が強いことです。
今まで独り占めしてきた飼い主さんの愛情がほかの犬に向いてしまうことで、犬はストレスを感じたり攻撃的になったりする恐れがあります。
ほかの犬に友好的でない
多頭飼いに向いていない犬の特徴は、ほかの犬に友好的でないことです。
散歩やドッグランなどでほかの犬を見た際の愛犬のしぐさや行動を見てみましょう。
- 体を強ばらせる
- 吠える
- 唸る
- 歯をむき出す
- 腰が引ける
- 尻尾を後ろ足の間に挟む
- 身を低くして毛を逆立てる
上記のような攻撃や恐怖の仕草を見せる場合、ほかの犬に友好的でない場合があります。
十分なトライアル期間を設け長い時間をかけなければ仲良くできないことが考えられるため、注意しましょう。
犬を多頭飼いするメリットとデメリット
多頭飼いする前の確認をクリアし、先住犬が向いていない犬の特徴に当てはまらない場合、多頭飼いを考えてみてもよいでしょう。
しかし、犬の多頭飼いはメリットもあればデメリットも存在します。
今から紹介するメリットやデメリットを確認し、想像して多頭飼いを検討することが重要です。
犬を多頭飼いするメリット
犬を多頭飼いするメリット5点を見ていきましょう。
愛犬の社会性が身につく
犬を多頭飼いすると、社会性が身につくことがメリットです。
飼い主さん家族だけでなく後住犬と過ごすことは、人間だけでなく犬と関わる力や触れ合う力を発達させてくれるでしょう。
ほかの犬がいてもストレスを感じにくくなれば、動物病院やトリミング、ドッグランなどでの負担が少なくなることも考えられます。
愛犬の寂しさを紛らわすことができる
犬を多頭飼いすると、愛犬の寂しさを紛らわすことができるのがメリットです。
例えば留守をする時間が多い家庭の場合、犬が寂しさを感じている可能性があります。
留守の間犬同士で遊ぶことで、飼い主さんがいなくても寂しさを紛らわせられます。
運動不足が解消される
犬を多頭飼いすると、愛犬の運動不足が解消される点がメリットです。
今まで飼い主さんと遊んでいない時間は寝ていた先住犬も、後住犬が遊びに誘うことで体を動かすようになるかもしれません。
先住犬が高齢の場合は運動量に注意は必要ですが、刺激にもなるためおすすめといえるでしょう。
後住犬は先住犬のまねをするのでしつけが簡単
犬を多頭飼いすると、後住犬は先住犬のまねをするのでしつけが簡単である点がメリットです。
特にトイレやアイコンタクトなど最初に重要なしつけがスムーズに行えると後のしつけが楽になります。
飼い主さんも先住犬の経験から、よりしつけも楽になる場合が多いでしょう。
愛犬に囲まれて楽しい
犬の多頭飼いは、飼い主さん自身が愛犬に囲まれて楽しいというメリットがあります。
そもそも多頭飼いをしようと思ったきっかけは、今いる犬にくわえて新しく犬を迎えたらより生活が楽しくなるからと考えたからではないでしょうか。
寄り添う2頭を見つめたり撫でたりする楽しみは、多頭飼いでしか味わえないメリットですよね。
犬を多頭飼いするデメリット
多頭飼いにはメリットだけでなくデメリットも存在します。
最初に紹介した確認すべきことを怠ることで、デメリットの多い多頭飼いになってしまうかもしれません。
多頭飼いのデメリット3点を見ていきましょう。
犬同士の相性が合わない
トライアル期間を長くとって相性を判断しなければ、2頭と飼い主さん家族が満足のいく生活とならなくなってしまう場合があります。
常にお互いの距離をとり緊張感を持ち、目を離すと攻撃するような関係は疲れてしまいますよね。
犬同士の相性をしっかりと見極め、多頭飼いを行いましょう。
後住犬の影響を受けて先住犬が悪い行動をするようになる
先住犬の影響で、後住犬の社会性がスムーズに身についたりしつけが入りやすいメリットがあります。
しかし、逆に先住犬が後住犬の影響を受けてしつけの入る前の状態になってしまうことも考えなければいけません。
いい面だけでなく、お互いがお互いの影響を受けてしまうことを覚えておきましょう。
時間とお金がかかる
最初に確認すべきことでも挙げましたが、実際に多頭飼いをすると飼い主さんの想像以上に時間とお金がかかる場合があります。
異なったフードを使っている場合、お互いが取らないように部屋を分ける手間や時間も必要です。
予防だけでなく病気で治療する場合の費用など、さまざまな場面を想定しましょう。
実際の多頭飼いの幸せエピソード
ここからは実際に多頭飼いをしてきた私(30代・女性)の幸せエピソードを紹介します。
多頭飼いをしてよかったことは本当にたくさんありますが、やはり以下の2点が大きいと感じました。
- 留守番中も寂しくなさそうだった
- 高齢犬が若返ったように感じた
順番に紹介します。
実例1:留守番中も寂しくなさそうなのが嬉しかった
私が多頭飼いを検討し始めたのは、仕事が忙しく留守がちになってしまう日々の中で、先住犬が寂しさを感じているのではないかと思い始めたことがきっかけです。
暗い部屋へ帰ると迎えてくれる愛犬の姿に私は救われましたが、愛犬は一日中暗い部屋で私を待っているのだと思うと心が痛みました。
2頭目へかける時間があるのか、相性はどうかなど時間をかけて検討し、トライアル期間も長く設けて迎えました。
今でも仕事は続けていて夜中に帰ることもありますが、とても仲の良い2頭になったので、留守番中も寂しくなくなったようです。
留守中は2頭だけで楽しく遊び、私が帰ってきたらみんなで遊ぶ、そのサイクルが定着してきて毎日とても満たされています。
実例2:高齢犬が新しい犬の刺激で若返ったように活動的になった
長く飼っている高齢犬に老いの影が見え始め、ペットロスになるのが怖く、正直自分のために新しい犬を迎えようと決意しました。
大分運動量の少ない高齢犬だったため、運動量の少なくおとなしいといわれる犬種を選んだのもよかったと思います。
2匹はすぐに仲良くなりました。
嬉しかったのは子犬の若い刺激を受けたからか、高齢犬まで元気を取り戻したかのように活動的になった点です。
年齢差はあれど一緒に遊ぶ姿にこちらもとっても癒やされています。
実際の多頭飼いの失敗・苦労エピソード
実際に多頭飼いをしてきた私(30代・女性)の失敗や苦労エピソードを紹介します。
多頭飼いには上記のような幸せエピソードがある反面、失敗や苦労することも多いと知っておいてください。
- 顔合わせでは仲がよかったが結局悪くなってしまった
- 1頭目を亡くした寂しさからか2頭目も体調を崩してしまった
実例1:顔合わせでは仲がよかったが結局悪くなってしまった
新しい犬にほぼ一目惚れの形で飼うことを決めた私たち夫婦。
最初の顔合わせで仲がいいと判断してしまい、そのまま2頭目を迎え入れました。
ところが実際に暮らしてみると先住犬が後住犬を受け入れられず、姿を見たら攻撃的になったり吠えたりするようになってしまったのです。
最終的には一緒に同じ空間にいても苦にならないレベルにはなったものの、食事や散歩、動物病院に連れて行くのもずっと別々です。
ヤキモチを焼くので2頭それぞれへの愛情配分も難しく、想像していた2頭が一緒に眠る姿などがほとんど見られなかったのが残念です。
実例2:1頭目を亡くした寂しさからか2頭目も体調を崩してしまった
多頭飼いが成功し、とても仲のよい2匹を飼っていました。
フードや散歩、眠る場所まで一緒で2匹が寄り添いお互いを慈しむ姿は見ててとても癒やされていました。
ところが後住犬の方が病気を患い先に他界。
私たち飼い主が悲しいのはもちろんでしたが、先住犬の悲しみは想像以上でした。
食欲不振や脱毛の症状を起こし、元気や覇気も出ない愛情の深さに驚きました。
今は少しずつ元の姿を取り戻してはいますが、まだ後ろ姿が寂しいと訴えているようで、精一杯ケアをしてあげなければと思う日々です。
まとめ
今回は多頭飼いをする前に確認すべきことと向いていない犬の特徴、メリットやデメリット、エピソードを紹介しました。
多頭飼いは良い面ばかりが見えがちですが、その裏ではデメリットや苦労なども存在します。
まずは自分自身の心構えや、先住犬の性格を見極めましょう。
トライアル期間を長く設け、先住犬の気持ちを優先して多頭飼いを検討してみてください。
この記事のライター
satoko
わんちゃん大好きなドッグライターです!愛犬のコーギーに癒される日々を送っています。皆さんにとって有益な情報を発信できるよう頑張ります!
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