犬も車酔いをする!車酔いの症状や原因、対策を解説
家族で遠出や旅行するときに、「愛犬だけ留守番させるのはかわいそう」と思う飼い主さんは多いです。
また、最近では犬が泊まれるホテルやドッグカフェが増えていて、愛犬と車でお出かけする方も増えたのではないでしょうか。
そんなときに気になるのが愛犬の車酔いです。
この記事では、犬が車酔いする原因やその症状、対策をご紹介します。
ぜひ愛犬と楽しい旅行をするために参考にしてみてくださいね。
犬の車酔いの症状
犬の車酔いの症状には、初期から重度までいくつか段階があります。
まずは症状を知ることで、いち早く愛犬の異常に気付けるようになりましょう。
初期症状
一番最初に現れる初期症状は主にこの3つです。
- 頻繁にあくびをする
- 落ち着きがなくなり動き回る、そわそわする
- 鳴く、吠える
ストレスや緊張からこのような症状が見られ、不安を感じているサインです。
軽度な症状
軽度な症状はこの4つです。
- 呼吸が荒くなる
- 鼻水を出す
- よだれが大量に出る
- 体が震える
夏場はもともとハァハァと呼吸が荒くなっている犬もいます。
そのため、車に乗り始めたときとどのくらい様子が変わっているかをきちんと見ておきましょう。
重度の症状
重度の場合はあきらかに犬の様子がおかしくなるため、見逃すことはあまりないでしょう。
しかし、重度の症状まで出てしまうと犬の健康面が心配です。
そのため、軽度な症状が出た段階で対応する必要があります。
重度な症状はこの3つです。
- 嘔吐する
- 下痢をする
- ぐったりする
犬の車酔いの原因
ではなぜ犬は車酔いをしてしまうのでしょうか。
原因は主にこの4つです。
- 三半規管と前庭の刺激
- 車への恐怖
- 車のにおい
- 満腹または空腹状態
三半規管と前庭の刺激
犬も人間と同じように車の揺れによって、耳の奥にある三半規管や前庭が刺激を受け、車酔いをします。
三半規管と前庭は普段は体の平衡感覚を保っていますが、体が揺れると刺激を受け、脳へ異常信号が送られることで車酔いを引き起こすのです。
車への恐怖
車に乗り慣れていない犬や、過去に車に乗って吐いてしまったなど嫌な経験のある犬は、車に乗ること自体にストレスや恐怖を感じてしまいます。
このような犬の場合、車があまり揺れていなくても精神的ストレスから車酔いになってしまうことがあります。
怖がりで敏感な犬はそうでない犬に比べて、車への恐怖が原因の車酔いになりやすいです。
車のにおい
犬は人間の100万倍以上の嗅覚があるといわれているため、とてもにおいに敏感です。
人間では感じないような車の芳香剤やガソリン、食べ物、たばこなどさまざまなにおいが犬にとっては刺激となり、車酔いの原因となってしまいます。
満腹または空腹状態
人間が空腹時に車に乗ると気持ち悪くなりやすいように、犬も空腹状態だと胃酸が出てきて吐き気をもよおす場合があります。
満腹時も胃に負担がかかるため、車酔いしやすいです。
犬が車酔いしてしまった際の対処法
車酔いをした場合、どのように対処すれば回復するのかを紹介します。
症状に気付いてすぐにできる対処法もあるため、できるものから試していき、症状の改善に努めましょう。
主にこの4つが効果的な対処法です。
- 車内温度を下げる
- 換気する
- ツボを刺激する
- 適度に休憩をとってあげる
車内温度を下げる
犬も人間と同じように、車内の温度が高すぎると車酔いしやすくなります。
そのため夏は冷房を強めたり、冬は暖房の温度を下げて、車内の温度を下げましょう。
換気する
車の窓を開け、犬に新鮮な空気を吸わせてあげましょう。
ただ窓を開けすぎると犬が顔を出したり、飛び出したりと危険なため、少しだけ開けると安心です。
ツボを刺激する
車酔いを改善させるツボを押してあげることも効果的です。
- 築賓(ちくひん):犬の膝とくるぶしの中間の内側に位置していて、くぼんだ部分が目印です。
- 耳珠(じじゅ):犬の耳の穴のすぐ前にある軟骨の突起部分にあります。
どちらのツボも、親指と人差し指で挟むようにして優しく揉んであげましょう。
耳珠は犬がどのような姿勢でも触りやすい場所にあるため、まずは耳珠を揉んであげても良いでしょう。
車内でいきなりツボを探そうと思っても難しいため、普段のスキンシップのときからツボの場所を意識してみましょう。
適度に休憩をとってあげる
車酔いの原因の一つは車の揺れです。
できれば一度車から降りて外を少し歩かせてみましょう。
真夏で外が暑すぎる場合や、外に出られない状況の場合は、車を止めて犬が回復するまで待つだけでも効果的です。
犬の車酔い予防
犬が車酔いした場合の対処法を紹介しましたが、一番良いのは車酔いしないように予防することです。
車酔いの予防にはこの4つが効果的です。
- 直前にご飯や水をあげない
- 車内を換気する
- 酔い止め薬を飲ませる
- 乗車前に運動させる
直前にご飯や水をあげない
ご飯の直後に車に乗ると、車酔いを誘発するといわれています。
そのため、車に乗る2時間前までには食事を済ませましょう。
量はいつもより少なめにして、犬が満腹の状態で車に乗ることは避けてください。
ただ、空腹の場合でも車酔いしやすくなるため、「早めに」「少なめに」ご飯をあげておくことがポイントです。
車内を換気する
車内の芳香剤やタバコの吸い殻など、においを発するものは車に乗る前日までには降ろしておき、乗車中も窓を少し開けておくなど換気を心がけましょう。
真冬や真夏などで常に換気することが難しい場合は、たまに窓を開け、新鮮な空気を取り入れるようにしましょう。
できるだけ車内のにおいを抑えることで、犬が車酔いをしにくくなります。
酔い止め薬を飲ませる
上記のような対策をしても車酔いしてしまう場合は、酔い止め薬を飲ませても良いでしょう。
あまり知られていないかもしれませんが、犬専用の酔い止め薬があります。
服用する場合には獣医師に相談のうえ処方してもらい、用法容量を守って使用しましょう。
間違えても人間用の酔い止めの薬を犬に飲ませてはいけません。
乗車前に運動させる
乗車前に疲れさせると、車の中で寝てくれるかもしれません。
時間がある場合や長時間のドライブを控えている場合は、車に乗る前にたくさん運動させると良いでしょう。
車に慣れさせる方法
愛犬が車に慣れてくれるとお出かけがしやすくなります。
愛犬が初めて車に乗る前や車を怖がる場合は、以下のような順番でトレーニングして少しずつ車に慣れさせましょう。
もしトレーニングを進めていくなかで、呼吸が荒くなったりよだれの量が増えたりなど車酔いの症状が見られた場合は、焦らず一つ前のトレーニングに戻ってください。
少しずつ車への苦手意識をなくしてあげましょう。
ステップ1:止まった車に乗せて5分間様子を見る
車内にしっかりとクレートを固定し、5分ほど犬の様子を見ます。
これだけでも車酔いの症状が見られたり、いつまでもそわそわして落ち着かない様子だったら一度車から降ろします。
リラックスしたところでもう一度チャレンジしてみましょう。
どうしても5分間車の中で落ち着いていられない場合は、まずは「車に乗るといいことがある」と思わせることが必要です。
車の中で遊んだり、おやつを与えてみたりすると良いでしょう。
ステップ2:車にエンジンをかける
車の中で落ち着いて5分過ごせるようになったら、次はそのままエンジンをかけてみます。
車を動かすのではなく、エンジンをかけるだけにして、振動で車酔いの症状が出ないか5分ほど様子を見ます。
この場合も車酔いの症状が出た場合は一度車から降ろしてあげ、リフレッシュした後で再チャレンジしましょう。
エンジンをかけたまま5分間異常なく過ごせた場合は「車に慣れてきた」証拠です。
ステップ3:近所をドライブして徐々に距離を長くする
エンジンをかけた状態で5分間過ごせたら、ここで初めて車を発進させます。
まずは5分ほどのドライブをし、車酔いの症状が出なければ徐々に距離を伸ばしていきましょう。
運転手以外にもきちんと犬の様子を見てくれる人も一緒に乗り、常に車酔いの症状が出ていないか確認すると安心です。
また、ある程度の距離を運転して大丈夫そうだからといって、いきなり長時間のドライブをすると車酔いをしてしまう可能性があります。
慣れていたとしても、時々休憩を挟みながらドライブすることが大切です。
愛犬とのドライブで車酔い以外に気をつけること
愛犬とドライブする場合には、車酔い以外にも気を付けるべきことはいくつかあります。
飲み水を用意する
気温の高い夏場だけでなく、乾燥する冬場ものどが渇きやすくなります。
犬ののどが渇いている様子であれば、すぐに水をあげられるように用意しておきましょう。
飲み残した水がそのままボトルに戻っていく水飲みボトルもあるため、ドライブの際には用意しておくと便利です。
直射日光に気を付ける
車内の犬の居場所は直射日光の当たらない場所にしましょう。
直射日光が当たると体温が上がりやすくなるため、車酔いだけでなく熱中症になってしまう可能性があります。
車用のカーテンや、窓に貼り付けるサンシェードがあると良いでしょう。
トイレグッズを用意する
小まめにトイレ休憩できない場合は、トイレシートやトイレトレーなど、お出かけ用のトイレグッズを用意しておきましょう。
万が一車内を汚してしまったときのために、ペット用のウェットティッシュも一緒に用意しておくと車内や犬のおしり拭きに使えるので便利です。
まとめ
愛犬とドライブできるようになると、できるのは旅行や遠出だけではありません。
動けない状態になったり、年を取って長距離を歩けなくなったりしたときの愛犬を動物病院に連れていくときも安心です。
ですが、すべての犬にとって、必ずしもドライブが始めから楽しいものとは限りません。
愛犬が車に慣れるまでは焦らず、少しずつトレーニングを積んで愛犬も飼い主さんも楽しんでお出かけできるようになりましょう。
飼い主さんと愛犬がお互いドライブを楽しめるようになると、もっともっとたくさんの思い出が増えていきます。
愛犬にドライブを楽しんでもらい、かけがえのない思い出をたくさん増やしましょう。
この記事のライター
momo
動物に関わる仕事がしたいと思い、トリマーを目指して勉強中です。犬にまつわる疑問などについて発信していきます。
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