長毛種の犬はどのくらいいるの?代表的な犬種を小型犬~大型犬までご紹介!上手なブラッシングのコツを伝授!
プードルやポメラニアンなどふわふわな被毛を持つ長毛タイプの犬は、ぬいぐるみのようにかわいくて触り心地が抜群です!ただ、そんな長い毛を持っている犬種ほど、お手入れが大変なイメージがあります。一体、長毛種の犬はどれくらいの種類いるのでしょうか?今回は、犬の被毛の仕組みから、長毛種の特徴、お手入れの仕方を解説します。長毛種の犬種を迎えたいと思っている方は参考にしてみてください。
長毛種の犬を知る前に…犬の被毛の仕組みについて
長毛種の特徴やお手入れの仕方などを紹介する前に、まずは基本的な犬の被毛の仕組みについて理解しましょう。
被毛の構造
犬には、「オーバーコート(上毛)」と「アンダーコート(下毛)」と呼ばれる2種類の毛があります。
人間の毛は基本的にひとつの毛穴から1本しか生えてきませんが、犬の場合はひとつの毛穴からオーバーコートとアンダーコートが一緒に生えており、計7〜15本の毛が生えています。
オーバーコートとは、長く太い毛で外部のさまざまな刺激から肌を守るバリア機能の役割があり、アンダーコートは柔らかく短い毛で体温調節の機能を果たしています。この両方の被毛が生えている犬種を「ダブルコート」といい、オーバーコートしか生えていない犬種を「シングルコート」と呼びます。
毛周期
人間の髪の毛は、4〜6年の成長期を経て、伸びなくなる退行期(2〜3週間)になり、休止期(数ヶ月)になると自然と毛が抜け落ちます。この毛が成長して抜け落ちるまでの周期を毛周期といいます。
犬も人間と同様に4つの期間を経て、毛が生え変わります。しかし、ダブルコートの犬種は、毛周期とは別に季節の変わり目である春と秋の年2回、換毛期という大量の抜け毛が発生する時期があります。一方、オーバーコートしかないシングルコートの犬には、換毛期はありません。
毛の長さ|短毛種と長毛種
犬の毛の長さによって、短毛種・長毛種と分類することができます。中には柴犬や秋田犬・シベリアンハスキーのような犬種の毛の長さ(短毛種と長毛種の中間くらい)を持つ犬を短中毛種と呼ぶこともあります。一般的に毛の長さが3cm前後のコが短毛種、毛が伸びて長くなるのが長毛種となります。
長毛種の犬の特徴について
長毛種の毛を持つ犬の特徴は主に2つです。
抜け毛は意外に少ない
長毛種は短毛種よりも毛が抜けやすいイメージがありますが、実は逆なのです。もちろん長毛種の中でもダブルコートを持つゴールデン・レトリバーやポメラニアンなど、抜け毛が多い犬種もいますが、比較的抜け毛は少なめです。
なぜかというと先程説明した毛周期が理由で、長毛種は毛の成長期が長いため必然的に抜け毛が起こるサイクルも長くなるためです。逆に、短毛種の抜け毛が多いのは、毛周期が長毛種よりも短いためです。
長毛種の中でも抜け毛が少ないのは、換毛期がないシングルコートのプードル、マルチーズ、シーズー、ヨークシャーテリアなどが挙げられます。
寒さに強く暑さに弱い
長毛種の犬は、一般的に寒さに強く暑さには弱い傾向にあります。長毛なうえに毛が密に生えるダブルコートであるならば、さらに暑さは苦手になります。特に日本の夏は、高温多湿になりやすく、熱中症のリスクが高いため、暑さ対策はより入念に行ってあげる必要があるでしょう。
夏の暑さ対策としてサマーカットという極端に毛を短く刈るスタイルが流行していますが、被毛は紫外線や乾燥など外部からの刺激から肌を守る働きがあるため、皮膚が見えるほどの短さにするのはおすすめしません。
長毛種の犬の種類を知ろう!小型犬~大型犬まで
続いて、長毛種に分類される犬種を、小型犬から大型犬までご紹介していきます。短毛種と違って、どの犬種も特徴的な被毛をしています。
【小型犬】ポメラニアン
ポメラニアンは、体重2〜3kgの小型犬で被毛のカラーはバリエーション豊富です。ホワイト、ブラック、ブラウン、チョコレート、レッド、オレンジ、クリームなど様々な色のコがいます。しっぽが背中を向いて丸まっているのもポメラニアンの特徴ですね。
【小型犬】トイプードル
カールした巻き毛と大きな瞳、愛らしい顔立ちがトイプードルの魅力の1つです。スタンダードプードルを小型化した犬種で、原産国は「フランス」と言われていますが、実はそれには諸説があるという点では珍しい犬種と言えます。
【小型犬】マルチーズ
マルチーズは、純白で滑らかな被毛が特徴的な犬種です。体は2〜3kg程度の小型犬で、毛色はほぼ真っ白。ややベージュがかったコもいます。素直で陽気な性格から不動の人気を誇る犬種となっています。
【小型犬】シーズー
丸顔でコロンとした体型が特徴的なシーズー。家族のことが大好きな性格で室内飼い向きの生粋の愛玩犬と言えます。少し下顎の出るアンダーバイトの口元を持っているのも特徴の1つです。
【小型犬】ヨークシャーテリア
チワワと同じく、世界最小の犬種としてギネスブックに登録されたことがある犬種がヨークシャーテリアです。体重は3.1kg以下となっていますが、稀に少し大きめのコもいます。絹のような直毛の被毛が特徴的となっています。
【中型犬】ボーダーコリー
運動神経抜群の犬種は?と言われたら、真っ先に名前が挙がるボーダーコリー。アジリティなどのドッグスポーツ大会では上位入賞に名を連ねる賢さと運動神経の良さを持っています。被毛のカラーもバリエーション豊富で見ていてとても美しいですよね。
【中~大型犬】ラフ・コリー
ラフ・コリーは、犬をあまり知らない方でも映画やアニメなどで見たことがある!と答える犬種かもしれません。名犬ラッシーの犬種としても有名なラフ・コリーはとても豊かでボリューミーなロングコートの持ち主。飾り毛がコリーの容姿を惹きたてますよね。
【大型犬】スタンダードプードル
その見た目からは想像もつきませんが、実は狩猟犬の歴史をもつスタンダードプードル。被毛のアレンジが豊富に楽しめますが、基本的には1色だけで構成されるシンプルな毛色の持ち主です。抜け毛は少ないですが、定期的なブラッシングが推奨されます。
【大型犬】ゴールデンレトリーバー
日本の人気ランキングで唯一の大型犬としてランクインしている犬種でもあるゴールデンレトリーバーは、黄金色に光り輝く被毛が特徴的です。密に生えているアンダーコートとサラサラのストレートorウェーブがかったオーバーコートのダブルコートの長毛種ですね。
長毛種の犬の上手なお手入れ方法について
長毛種は、短毛種に比べるとお手入れの時間がかかります。その分、ボサボサだった被毛がお手入れしたことによってサラサラふわふわになったときの喜びは長毛種を飼っている方しか味わえないことでしょう。ここでは、長毛種のお手入れ方法を紹介していきます。
トリミング
長毛の全ての犬が定期的なトリミングを必要とするわけではありません。 しかし、プードルやマルチーズ、ヨークシャーテリア、シー・ズー、コッカー・スパニエルなどは、カットしてあげないと毛が伸び続けるため定期的なトリミングが必要とされています。
上記のような犬種でないとしても毛玉ができやすく、自宅でのお手入れが難しいと感じる場合は、シャンプーとブローのみでもトリミングサロンにお願いできるため、相談してみるといいでしょう。
ブラッシング
長毛種のブラッシングには、スリッカーやピンブラシ、コームなどのブラシを使い分けします。 ブラッシングのやり方としては、最初に全体をスリッカーブラシで根本から梳かして毛玉の有無を確認します。このとき、皮膚を傷つけないよう力をいれないことが重要です。
毛玉になってしまった部分は、手でほぐしながら毛玉の根本からスリッカーブラシで解きましょう。毛玉を取りやすくしてくれるスプレーや静電気を抑えて、ブラシの入りをよくしてくれるグルーミングスプレーなどを使うと、お手入れがぐんと楽になりますので、活用するといいかもしれません。
また、最後の仕上げとしてコームを使うとふわふわつやつやの美しい毛並みに仕上がりますよ。
長毛種のお手入れは入念に
長毛種は、毛が絡まって毛玉になることも多いため、定期的で丁寧なブラッシングが必要です。シャンプーも毛が長いため、短毛種のようにすぐには乾きません。トリミングが必要な犬種もいるため、短毛種よりも時間とお金がかかると言えるでしょう。長毛種の犬種を迎えたい方は、日々のお手入れを苦にせずに、コミュニケーションの一貫として楽しんでおこなってあげられるかどうかを考慮しましょう。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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