人間の髪の毛は、1ヶ月で約1cm伸びると言われていますが、犬の場合は犬種などの遺伝的要素によって被毛の構造が異なるため、体毛が伸びる犬種と伸びない犬種がいます。毛が伸びる・伸びないにかかわらず被毛のお手入れは必須ではあるものの、トリミングの必要性や抜け毛の量などが違うので、犬種ごとの被毛の特徴について理解しておくことが大切です。今回は毛が伸びる犬種にフォーカスし、毛が伸びる速度や、必要なお手入れやトリミングの際の注意点などをご紹介します。

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被毛の構造によって毛の伸び方は異なる
犬の毛の伸び方は、皮膚を保護する役割のオーバーコートのみが生えている「シングルコート」と、オーバーコートと体温調節の役割を担うアンダーコートが生えている「ダブルコート」とで異なります。
毛が伸び続けるのは「シングルコート」の犬種
毛が伸び続けるのはシングルコートの犬種で、ダブルコートの犬種は一定の長さまでしか毛が伸びません。
ダブルコートの犬種は換毛期があり、春と秋にアンダーコートが大量に抜け落ちて新しい毛に生え変わります。一方、オーバーコートは生え変わりはなく、毎日少しずつ抜け落ちて新しい毛が生えています。このように常に毛が生え変わっているため、一定の長さまでしか毛が伸びることはありません。代表的なダブルコートの犬種は以下の通りです。
・柴犬
・パグ
・フレンチブルドッグ
・ハスキー
・ゴールデンレトリバー など
一方シングルコートの犬種には換毛期がないうえ、毛が抜けづらい性質なため常に毛が伸び続けます。シングルコートの代表犬種は以下の通りです。
・マルチーズ
・ヨークシャーテリア
・プードル
・パピヨン
・シーズー など
犬の毛が伸びる速度は?
犬の毛の伸びる速度は、およそ1ヶ月で1〜1.5cm程度と言われています。ただし人間同様、このスピードには個体差があるので、同じ犬種・年齢であっても「うちのコは伸びるのが早いかも」と感じることがあるかもしれません。
毛が伸びる犬種のお手入れの仕方
ここでは、毛が伸びる犬種に必要なお手入れについてご紹介します。
月1回を目安にトリミング
美しい被毛でドッグショーに出る場合などを除き、基本的に毛が伸びる犬種は月に1回を目安にトリミングをした方がよいでしょう。毛が長くなると毛玉ができやすくなるほか、お尻まわりの毛に便や尿が付いたままになったりしてしまうため不衛生となります。
また、伸びすぎた毛により視界が遮られたり、足元であれば肉球のグリップが効かず転倒したりなど、怪我を負うリスクも高まります。見た目の可愛さだけでなく、衛生面や安全面からも定期的なトリミングは必要です。
定期的なブラッシング
毛が伸びるシングルコートの犬種は毛がもつれやすいので、最低でも週に1〜2回はブラッシングをしてあげましょう。特に動いて擦れやすい耳の付け根や脇の下・内股・尻尾の付け根などは毛玉になりやすい箇所です。多くのトリミングサロンでは毛玉があると追加料金がかかるので、こまめにチェックして整えてあげてください。
また、抜けにくい性質の被毛ではありますが、それでも少しずつ生え変わっているため抜け毛は生じます。ブラッシングをして抜け毛を取り除くと被毛の通気性がよくなり、皮膚病の予防にもなるので、習慣にしましょう。
サマーカットは短くしすぎないよう注意
サマーカットとは、本来の長さよりも被毛を短く刈り込むことです。何センチ以下がサマーカット、という決まりはないので、どれくらいの長さになるかはトリミングする人によって異なることもあります。
伸びた毛をカットすることでお手入れが楽になる、湿気がこもりづらくなり、皮膚病やノミ・ダニなどの寄生の予防になるほか、通気性がよくなり涼しさを感じやすい、毛玉ができにくくなるといったメリットが紹介されることがありますが、バリカンを使って極端に短くカットするのは注意が必要です。
犬の被毛は断熱材のような役割があります。そのため、真夏や真冬に短くカットしすぎると、熱や冷たい空気が皮膚に届きやすくなり、かえって熱中症や冷えによる体調不良を招いてしまうことがあるのです。また、紫外線や皮膚に届きやすくなったり、虫にも刺されやすくといったリスクもあります。短くカットする場合でも、生え際から2〜3cm程度は残すようにしましょう。
また、ダブルコートの犬種ではバリカンを使って毛を刈り込むと生えそろうまでに時間がかかったり、被毛が生えてこなくなったり、毛質が変わってしまうケースも少なくありません。よかれと思ってやったことがトラブルを引き起こすこともあるので、愛犬の被毛についてよく理解し、短くカットする際にはメリットだけではなくデメリットも把握したうえでトリマーさんに相談するようにしてください。
犬をお迎えするときは被毛の構造についても知っておこう
毛が伸びる犬種は抜け毛が少ない点がメリットですが、定期的なトリミングが欠かせません。よってペットサロンにお願いする場合は、当然ながら毎月トリミング代がかかります。一方ダブルコートの犬種は一定以上毛が伸びないものの、換毛期には大量の抜け毛が生じるため、毎日のブラッシングが必要です。 このように被毛の構造の違いにより、必要なお手入れや手間、費用が異なるので、犬を迎え入れる際は被毛についてもしっかりと理解しておくようにしましょう。
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