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【獣医師監修】犬がゼリー状の下痢をした場合に考えられる3つの原因や病気と対処法

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犬は下痢や軟便、嘔吐などの消化器のトラブルで動物病院を受診するケースが多いです。愛犬の便に透明・半透明のゼリー状のものが混ざっていて、驚いた経験のある飼い主さんは少なくないと思います。ここでは、犬がゼリー状の下痢をした場合に考えられる原因や病気、必要な対処法についてご紹介します。

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目次

  1. ゼリー状の下痢をした場合に考えられる3つの原因
  2. ゼリー状の下痢をした場合に考えられる病気
  3. 様子がおかしいと感じたときの対処法
  4. 異変を感じたら早めに動物病院へ

ゼリー状の下痢をした場合に考えられる3つの原因

犬 眠い
Dina Nasyrova Pexels

犬の下痢に透明や半透明のゼリー状のものが混じることがあります。これは炎症を起こした大腸の粘膜が剥がれ落ちたもので、大腸炎で見られることが多い症状です。ではなぜ大腸炎になるのでしょうか。

1.病気によるもの

犬は細菌やウイルス、寄生虫などの感染症やアレルギー、腫瘍など、様々な病気が原因で下痢になったり、ゼリー状の粘膜便が出ることがあります。病気が原因である場合の多くは食欲不振や嘔吐、発熱などの下痢以外の症状を伴うことが多いので、愛犬の様子を良く観察して早めに対処することが大切です。 

2.食べ慣れない食事

個体差はありますが、犬にいつもは与えていない食べ物を与えたり人の食べ物を与えると、腸内環境の乱れにより大腸炎になることがあります。

また、ドッグフードを変えたことによる消化不良や食物アレルギーを起こすこともあります。急にフードを変えると胃腸に負担がかかるので、変えるときには今まで与えていたフードに新しいフードを少しずつ混ぜ、1週間から10日くらいかけて徐々に新しいフードの割合を増やして切り替えましょう。食物アレルギーの症状が疑わしい場合は、元のフードには含まれておらず、新しいフードに含まれている食材は何かを探してみましょう。詳しく調べるためには、動物病院で食物アレルギーを調べるための血液検査を受けると良いでしょう。

3.ストレス

犬はストレスが原因で下痢になることがよくあります。犬に見られるストレスサインとしては、下痢や嘔吐、食欲不振などの消化器症状、身体を執拗に噛んだり舐め続ける、しっぽを追ってくるくる回るといった行動が見られます。

ストレスの原因はその子によって異なりますが、よくある原因としては、長時間の留守番や運動不足、引っ越しや家族構成が変わるなどの環境の変化、体調不良などが挙げられます。できる限り疑わしい原因を早く見つけて、取り除いてあげましょう。

ゼリー状の下痢をした場合に考えられる病気

犬 寝てる
Kai-Chieh Chan Pexels

先述したように、犬の下痢がゼリー状の場合、その多くは大腸炎によるものです。大腸炎を起こす病気は様々ですが、ここでは3つの病気についてご紹介します。 

下痢や嘔吐、血便が見られる

下痢や嘔吐、血便などが見られるときには消化管寄生虫感染の可能性もあります。 

消化管内寄生虫感染症

犬の消化管に寄生する虫には回虫(かいちゅう)や鉤虫(こうちゅう)、鞭虫(べんちゅう)、瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)などがあります。

犬で最も多く見られるものは回虫です。回虫は成虫になると5〜20㎝くらいになる白いひも状の虫で、母犬から母乳を介して子犬に感染したり、回虫の卵が含まれる感染犬の便を口から摂取することで感染します。また、人間に感染するおそれもあるので注意が必要です。寄生虫の疑いがあれば、動物病院で検便を受けましょう。

慢性的な下痢や嘔吐、体重減少

下痢や嘔吐が長く続き、体重減少が見られるときには炎症性腸疾患の可能性があります。 

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患(IBD)は、免疫の異常が関与していると疑われている原因不明の慢性消化器疾患です。2〜3週間以上にわたりの慢性的な下痢や嘔吐、体重減少、食欲不振などの消化器症状が現れる病気で、確実に予防することは困難と言われています。一般的な治療をしても治らなかったり、一時的に改善した後すぐに再発するような場合は、様子を見ずに動物病院を受診しましょう。

長期的な下痢や皮膚の痒みを伴う

長期的に下痢や軟便が続いたり、皮膚を痒がっている場合には食物アレルギーの疑いがあります。  

食物アレルギー

犬の食物アレルギーは、食べ物に対して身体が過敏な反応を起こす病気です。発症すると口や目の回りが痒くなる、脱毛するといった皮膚症状や、下痢、嘔吐などの消化器症状が見られます。

犬種としてはフレンチブルドッグや柴犬、ダックスフンドなどによく見られるようです。

様子がおかしいと感じたときの対処法

薬
Pixabay Pexels

急な食事の変更などによる一過性の下痢であったり、軟便に一時的にゼリー状の粘液が付着した場合はとりあえず様子を見ることも可能ですが、ゼリー状の粘液が混じった下痢をしているときは病気が潜んでいる可能性があります。まずは一度、動物病院で診察を受けるようにしましょう。

動物病院を受診する

犬がゼリー状の下痢をする原因は様々で、寄生虫が原因であれば駆虫薬の投与、食物アレルギーがあれば食事をアレルゲンが含まれていない療法食に変えるなど、原因に合った治療が必要になります。まずはきちんと検査を受け、原因を特定することが大切です。

症状に対する治療としては、下痢止めや整腸剤を使用したり、脱水症状が見られる場合には輸液で脱水を改善することもあります。

自宅でできる対処法

獣医師から自宅でのケアについて指示があればそれに従いましょう。飼い主さんにできる自宅での対処法には次のようなものがあります。 

生活環境の見直し

消化不良の原因としてストレスが疑われる場合は、生活環境を見直しましょう。

ストレスの原因となっている環境を改善することが効果的です。室内犬は、飼い主さんの構いすぎがストレスになることもあります。愛犬と適度な距離感を保つことも大切です。

食事の改善

状況にもよりますが、一般的に犬が消化不良で下痢を起こしているときは半日〜1日程度食事の量を制限し、胃腸の回復を促します。量を制限すると同時に、食事の内容も工夫してみましょう。ウェットフードなど柔らかく口当たりの良いものを選択するか、ドライフードを与える場合はお湯でふやかして与えると良いでしょう。その後はいつも与えているフードを徐々に増やしていきます。

消化器の健康を考えて作られた、専用の療法食への切り替えが推奨されることもあります。与えるフードについては、獣医師とよく相談しましょう。

乳酸菌などを取り入れる

乳酸菌製剤やオリゴ糖など、整腸作用が期待できる薬やサプリメントを日頃から取り入れることで、腸内環境が整いやすくなります。サプリメントは人用、犬用と様々な種類が存在します。人用のものを犬に使うことができる場合もありますが、自己判断で使用せず、必ず獣医師と相談の上、適切なものを選択しましょう。

異変を感じたら早めに動物病院へ

犬 寝てる
Barnabas Davoti Pexels

下痢がゼリー状のときは、単純な消化不良で起こっていることもあれば、細菌やウイルス、寄生虫などの感染症、消化管の腫瘍など重い病気が隠れている場合もあります。病気によっては治療が遅れることで治りにくくなったり重症化してしまうこともあるので、まずは早めに動物病院を受診し、原因に合った治療を受けましょう。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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