banner

banner

【獣医師監修】犬の糖尿病とは?発症のリスクを下げるために知っておきたいこと

お気に入りに追加

糖尿病は人間の生活習慣病としてよく知られている病気ですが、犬も糖尿病になることがあります。愛犬を糖尿病から守るために、飼い主さんとしてできることを知っておきましょう。この記事では犬の糖尿病の原因や治療法、予防法などについてご紹介します。

【獣医師監修】犬の糖尿病とは?発症のリスクを下げるために知っておきたいこと
【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

あわせて読みたい

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

目次

  1. 犬の糖尿病とは
  2. 犬が糖尿病を発症する原因
  3. 犬の糖尿病の治療方法
  4. 犬の糖尿病を予防するには
  5. 健康管理に努め、初期症状が見られたら動物病院へ

犬の糖尿病とは

トイプードル

犬の糖尿病は、膵臓で作られるインスリンの不足、もしくはインスリンの作用不足によって、血液中の糖が持続的に増える病気です。高血糖により尿中にブドウ糖が排出されるため、糖尿病と呼ばれます。

糖尿病は主に2種類あり、ひとつは膵臓からインスリンが分泌されなくなることで糖分が細胞に吸収されにくくなり、血液中の糖が増えた状態でⅠ型糖尿病と呼ばれます。もうひとつは、インスリンに対して身体が反応しにくくなっていることで起こるⅡ型糖尿病です。犬ではⅠ型糖尿病が圧倒的に多く見られます。 

初期症状とチェック項目

犬の糖尿病の初期には、飲水量の増加、尿量の増加、体重減少などが見られます。合併症として白内障や腎疾患、肝疾患、皮膚疾患なども起こることがあります。
症状が悪化すると糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれる状態になり、元気が無くなる、食欲低下、嘔吐や下痢などの症状が現れ、更に進行すると昏睡状態になったり神経症状が現れ、最終的には命を落としてしまうこともあります。ケトアシドーシスになっているかは、尿中のケトンの有無と血液検査、全身症状を見て判断します。

他の犬や人間にうつる?

糖尿病は感染症ではないので、他の犬や人間にうつる心配はありません。

犬が糖尿病を発症する原因

ビーグル

犬の糖尿病の原因は、様々な要因が複合的に関わっていると考えられます。

原因|1.遺伝

特定の犬種に多く見られることから、遺伝が関与していると言われています。

原因|2.肥満

人間の糖尿病と同じように、肥満も原因のひとつとして挙げられます。偏った食餌やおやつの与えすぎには十分注意し、適度な運動を心がけましょう。

原因|3.その他

感染症や、免疫介在性疾患も糖尿病の原因になると考えられています。

かかりやすい犬種や年齢

ミニチュア・ピンシャー、ダックスフンド、ビーグル、プードル、ミニチュア・シュナウザーなどが糖尿病にかかりやすい犬種として知られています。
好発年齢は6才以上の中年齢以降で、特に未避妊のメスは糖尿病にかかるリスクが高いと言われています。

犬の糖尿病の治療方法

犬 注射

食餌療法や運動療法の他、不足しているインスリンを補うため、インスリンを注射します。インスリンの投与は通常1日2回(薬剤によっては1日1回のことも)、必ず、ご飯を食べた後に注射を行う必要があるため、飼い主さんが自宅で注射することになります。

糖尿病は食餌管理も重要であり、食餌療法による改善が期待できます。動物病院ではロイヤルカナンの「糖コントロール」やヒルズの「w/d」などの、血糖値をコントロールする効果が期待できるフードを扱っています。獣医師から指示があればそちらに従って購入しましょう。

治療にかかる費用

糖尿病は症状の程度によって必要な入院日数や治療内容、治療費も大きく変わってくるので、動物病院に直接確認するようにしましょう。 継続的に接種する必要のあるインスリンの値段については、1本あたりおよそ7,000~10,000円が一般的なようです。

犬の糖尿病を予防するには

ミニチュアピンシャー

糖尿病を確実に防ぐ方法はありませんが、犬が糖尿病になりやすい状態を作らないように、生活で気をつけていくことは可能です。
食餌は栄養バランスの取れたドッグフード(総合栄養食)を中心に与えます。脂肪分の多い食餌などは控え、犬が肥満にならないよう注意しましょう。毎日の適度な運動も大切です。
メスでは、若齢期の適切な時期に避妊手術をすることで、糖尿病のリスクを下げることができます。

再発する可能性

犬に多く見られるⅠ型糖尿病は「インスリン依存性糖尿病」とも呼ばれ、基本的に生涯インスリンを注射する必要があります。完治は困難であるため、インスリン注射や食餌療法によって症状をコントロールし、上手く病気と付き合っていく必要があります。

健康管理に努め、初期症状が見られたら動物病院へ

犬

犬の糖尿病の原因はさまざまですが、おやつの食べ過ぎや運動不足による肥満も要因になります。飼い主さんは、愛犬を糖尿病にしないためにも、日頃の生活習慣を見直し、健康管理に努めましょう。

糖尿病の代表的な症状は「多飲多尿」です。もし愛犬がお水をたくさん飲み、尿の量が増えるようであれば糖尿病の可能性があるので、動物病院を受診しましょう。

こちらの記事もチェック

【獣医師監修】犬の慢性腎不全について|初期症状や発症の原因、治療法まで解説します

あわせて読みたい

【獣医師監修】犬の慢性腎不全について|初期症状や発症の原因、治療法まで解説します

犬の慢性腎不全は高齢犬が発症のリスクが高いとされており、ひとたび発症すると完治することはないので、初期症状を見逃さず早い段階から治療を始めることが非常に重要です。今回は犬の慢性腎不全の症状や原因から、かかりやすい年齢、治療法、予防方法までまとめて解説していきます。

【獣医師監修】犬の血糖値の正常範囲を知っておこう|高い・低い場合に考えられる代表的な病気も

あわせて読みたい

【獣医師監修】犬の血糖値の正常範囲を知っておこう|高い・低い場合に考えられる代表的な病気も

皆さんは、犬の血糖値について気にされたことはありますか?子犬の低血糖は危険といった話はよく知られていますが、他にも血糖値が変動する場面はさまざまなパターンがあります。 愛犬の血糖値が正常な範囲よりも高い、または極端に低い場合は、何かしらの病気であることが考えられます。血糖値は、健康のバロメーターとなる重要な数値なので、正常な犬の血糖値を知っておきましょう。本記事では、血糖値が高い・低い場合に疑われる病気についても併せて解説します。

banner

choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

あわせて読みたい

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

病気(内分泌系)に関する記事

【獣医師監修】犬の甲状腺機能低下症とは?早期発見するには定期的な健康診断を

健康管理/病気

【獣医師監修】犬の甲状腺機能低下症とは?早期発見するには定期的な健康診断を

犬の甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが減少することで発症する病気です。中〜高齢の犬に多く見ら...

2024年1月18日

【獣医師監修】犬のアジソン病は何が原因で発症する?治療法や病気との向き合い方を解説

健康管理/病気

【獣医師監修】犬のアジソン病は何が原因で発症する?治療法や病気との向き合い方を解説

犬の身体には、体調や生理機能を維持するために多くのホルモンが内分泌器官から分泌されています。そ...

2024年1月17日

【獣医師監修】犬の糖尿病とは?発症のリスクを下げるために知っておきたいこと

健康管理/病気

【獣医師監修】犬の糖尿病とは?発症のリスクを下げるために知っておきたいこと

糖尿病は人間の生活習慣病としてよく知られている病気ですが、犬も糖尿病になることがあります。愛犬...

2023年12月21日

【獣医師監修】老犬の罹患率が高いクッシング症候群|初期~末期の症状と病気との向き合い方

健康管理/病気

【獣医師監修】老犬の罹患率が高いクッシング症候群|初期~末期の症状と病気との向き合い方

「クッシング症候群」という病名を聞いたことはありますか?内分泌疾患であるクッシング症候群は、シ...

2023年1月13日

犬の糖尿病の症状や種類・治療法を解説|かかりやすい犬種も紹介

健康管理/病気

犬の糖尿病の症状や種類・治療法を解説|かかりやすい犬種も紹介

愛犬が多く水を飲んでいると、体調が悪いのではないかと不安ですよね。 食欲不振や多飲などの症状...

2022年3月29日

もっと見る

関連するキーワード

カテゴリー

人気記事ランキング

Petan独自調査

獣医師監修記事

おすすめ記事

人気のキーワード