【獣医師監修】犬も便秘になる?対処法や考えられる病気を知っておこう
愛犬が便秘を起こして心配になった経験はありますか?
犬が排便しない状態が続いていたら、実は便秘になっている可能性があります。犬もさまざまな原因により便秘になることはありますが、人間と同じで便秘の状態が続くのは好ましくありません。本記事では、犬が便秘になる理由や考えられる病気、対処法と予防法についてご紹介していきます。
犬は何日排便がないと便秘?
犬が1日に排便する回数は1~2回程度が一般的ですが、与えている食餌、飲水量、運動量、体質によっても異なります。例えば、1日に5回以上する子もいたりと個体によってさまざまです。特に子犬のうちは1日の排便回数が多く、成長と共に自然と減っていきます。では、犬は何日排便がないと便秘とされるのでしょうか?
2日以上排便がないのは便秘?
人間の場合は、一般的に3日以上排便がないと便秘と呼び、中には1週間以上も便秘が続く方も少なくありません。
犬の場合は明確な基準はありません。排便がない以外に、いきんでいたり、吐き気、食欲不振などが見られる場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
変化に気付くための記録をとる
毎日排便していた子が、2~3日間排便がないだけでも異常とされますので、異変に気付くための猶予はあまりありません。
個体によって排便する回数や頻度は異なるため、毎日愛犬がどのくらいの回数をしているのか記録しておきましょう。そうすることで普段よりも排便の回数が急に増えたり、減ったりする異変にすぐに気付くことができます。
犬が排便しない原因と対処法
愛犬が元気で食欲もあるのに排便しない原因として、水分不足やトイレの環境が適切でない、運動不足などの可能性があります。ここでは原因とともに自宅で行える対処法についてご紹介していきます。
1.水分を補給させる
犬の1日の水分摂取量は、食事や運動量、環境などによって異なりますが、大体の目安として体重1kgあたり40〜60mlと言われています。それだけの量の水を飲んでいないと、慢性的な水分不足になります。
元々あまり水分をとらない犬もいますし、気温が低くなると水分が不足していても、なかなか自分で飲んでくれないこともあります。こういった場合は、水を飲ませるのにも工夫が必要です。
対処法としては、ドックフードにぬるま湯をかけてふやかす、鶏肉などの茹で汁を混ぜて風味を追加させる、水分の多いウェットフードを混ぜるなどの方法があります。
2.運動させる
運動不足が続くと腸の動きが悪くなり、便が出にくくなってしまいます。
そんなときは、散歩の時間を少し長めにしてみましょう。雨や雪などの悪天候で散歩に行けない日は、室内での運動時間を増やしてあげるとよいでしょう。運動することで腸の動きが活性化されるため、排便しやすくなります。
また、ストレスが便秘の原因になることもあります。散歩や運動を行うことで便秘解消とストレス発散をすることができるので、まさに一石二鳥です。
3.トイレ環境を確認
愛犬が排便しないのは、トイレ周りの環境に原因があるかもしれません。神経質な犬は、汚れたままのトイレが嫌で排泄したくても我慢してしまうこともあります。
また、トイレトレーの置かれた場所が、人の出入りが多かったりすると、落ち着いて排便することができないため我慢してしまうこともあります。
こんなときは、トイレの場所を落ち着いて排泄できるところに移動させたり、トイレをこまめに掃除して清潔に保つなどして快適に排便できる環境にしてあげましょう。
犬が排便しないときに考えられる病気
犬が急に排便しなくなったときには、病気が原因の場合も考えられます。ここでは犬が排便しないときに考えられる病気について紹介します。
異物誤飲
誤飲は、病気ではありません。しかし、誤飲することで消化管にさまざまな病気を引き起こしてしまうことがあるため、注意が必要です。もし犬が、消化できない異物を誤飲してしまい、うまく排泄されない状態が続くと便秘だけでなく、腸閉塞や腸重積など重篤な状態になる危険性もあります。
もし食べてはいけないものを誤飲したときや中毒性の物質を舐めたりしたときは、すぐに病院にいきましょう。誤飲したものの量や、誤飲した正確な時間も伝えられるようにしましょう。また、便と一緒に排泄される場合も多いため、誤飲後は排泄物のチェックも欠かさずに行いましょう。
特に、子犬は好奇心旺盛でなんでも口にしてしまうため、誤飲事故が多く発生します。犬が誤飲をしないように、日頃から犬が届くところに余計なものは置かないようにしましょう。
前立腺肥大
前立腺肥大は、6〜7歳以上の去勢していないシニア犬に多く発症すると言われている病気です。前立腺肥大は、雄犬に限定される病気です。
膀胱の下にあり尿道を囲むように存在する前立腺が肥大することで直腸が圧迫され、便が出づらくなります。また、尿道も狭くなるため便だけでなく、尿が出にくくなり、少量ずつしか出すことができなくなります。予防のためには、繁殖の予定がない場合、1歳頃までには去勢手術を受けておくことが望ましいです。
腫瘍・ガン
直腸内や直腸付近などの消化器官での腫瘍やポリープ、リンパ節の肥大などがあると便秘になることがあります。
なぜなら腫瘍やポリープによって便の通り道である腸が圧迫されるため、便が肛門まで到達できないからです。そのため、便秘やしぶり(便が出ないのにもかかわらず排便の姿勢をすること)の症状が起こります。
犬の便秘を予防する方法は?
犬の便秘は、日頃から予防策をとることである程度は解消することができます。便秘になるとお腹が張ってガスが溜まる、排泄したいのに出せないなど、つらいことばかりです。愛犬にそんなつらい思いをさせないために便秘の予防法を2つご紹介します。
フードの内容を確認
犬が排便しなくなった場合、まずはあげているフードの内容を確認してみましょう。トウモロコシや小麦など穀類の割合が多いと消化しづらく体質に合っていないフードの場合、便秘になる可能性があります。
その場合は、野菜などの食物繊維が多く含まれるものや、肉類中心の消化器のことを配慮したフードに変えてみると良いかもしれません。
マッサージ
人間の便秘にもマッサージが効果的なように、犬の便秘にも効果があります。マッサージすることによって、腸の動きを活発にすることができるからです。
愛犬が便秘のときは、お腹をやさしく手のひらでマッサージしてあげましょう。愛犬とのスキンシップを楽しみながらマッサージするとリラックス効果もあり、ストレスの緩和にもなります。
便秘の状態が続くなら動物病院へ
犬も人間と同じように数日便秘が続くと、苦しい思いをします。便秘には、病気が隠れていることもありますから、ただの便秘と思わずに、しっかりと食欲や水を飲む量、元気の有無も含め愛犬の様子を観察しましょう。便秘の状態が続いているようなら、早めに病院を受診して原因を精査してもらいましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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