【獣医師監修】犬の白内障手術について|保険は適用される?費用や手術以外の治療法も
もし愛犬が白内障を発症した場合、動物病院などで治療について相談されると思いますが、診察時間内で全てを理解するのは難しいことですよね。白内障を治療する方法としては、病気の進行段階によっては人工レンズを使った手術をするしかなくなる場合もあります。自然に治る可能性は低いので、放置するほど症状は悪化してしまいます。
本記事では、白内障の症状の進行レベルや、手術をする場合に目安となる費用など解説しているので、参考にしてみてください。
犬の白内障の症状と原因について
白内障は、目の中の水晶体が白く濁っていき、視力がどんどん落ちていく病気です。重度のものになると、失明してしまう恐れもあります。犬の年齢が若いうちは発症しないというものでもなく、犬種や年齢問わず発症する可能性があります。
白内障の症状のレベルは4段階
白内障は、その進行具合によって、4つのレベルに分けることができます。
- 初発白内障
- 未熟白内障
- 成熟白内障
- 過熟白内障
1から4に進むほど、症状が悪化していきます。
初発白内障の段階では、少し水晶体が濁る程度なので、飼い主さんが肉眼で観察するだけでは異変に気づきにくいと思います。その後、だんだんと濁りが広がっていき、未熟白内障となります。
未熟白内障から成熟白内障まで進行すると、水晶体が完全に白く濁ります。過熟白内障になると水晶体が溶け出し、他の合併症も起こす可能性がある最も危険なレベルです。
犬が白内障になる原因は老化だけじゃない
犬の白内障は6歳を境目に「若年性白内障」と「老年性白内障」に分けられます。犬が白内障を発症する原因は遺伝によるものがほとんどです。しかし、老化や目の外傷によっても発症することがあります。
さらに、糖尿病を患っている犬の場合は、高い確率で白内障が併発します。もし「白内障かも」と思ったら、他の基礎疾患を抱えていないかどうか、適切な検査を行って確認しておく必要があります。
白内障の治療法|手術をする場合としない場合
犬の白内障の治療法には「外科治療」と「内科治療」の2種類があります。外科治療は目に犬用の人工レンズを入れる手術のことです。内科療法は、目薬や内服薬などを使用した、手術を必要としない治療法となります。白内障の進行の程度によって行うべき治療が変わってきます。
成功率は高い?白内障手術の内容と手順
犬が白内障手術を受ける場合、手術前に、麻酔をかけられるかどうか判断する検査を行います。犬の内臓機能が全身麻酔に耐えられるかどうかや、目の症状の進行具合によって手術が可能かどうかを判断します。ここで問題がなければ、手術に移ります。
手術の内容は、白く濁った水晶体を取り除き、代わりに犬用の人工レンズを入れるというものです。手術時間は約1時間程度と、順調に進めば短時間で終わります。手術の成功率は高いと言われています。
とはいえ、麻酔を使った手術には100パーセントの安全の保障はないとも言われていますので、かかりつけの獣医師ときちんと相談しながら進める必要があるでしょう。
手術後は経過観察のため、数日〜1週間程度の入院が必要となります。家に戻った後は毎日の点眼や、定期的な検診も必要です。手術後には長期的なアフターケアが必要だということを理解しておきましょう。
手術をしない点眼療法の効果は?
犬の白内障の治療には「点眼療法」という手術を必要としない治療法もあります。白内障の症状がまだ軽い場合に、目薬を用いて行う治療法です。
点眼療法はあくまで「進行を遅らせる」ものであって、白内障を治すものではありません。また、白内障が重症化している場合には「手術をしない」という選択をすることもあります。現時点での目の症状について、獣医師とよく相談した上で治療を進めていきましょう。
白内障の手術にかかる費用の目安|保険は適用される?
白内障の治療にかかる費用や、ペット保険が適用されるかどうかについて説明します。手術費用やペット保険の適用については、各病院や保険会社によって異なるものです。あくまで目安として参考にしてください。
白内障手術にかかる費用
犬の白内障治療にかかる費用は、手術を受ける病院によって異なりますが、目安としては、片目の治療で約20万〜30万円と言われます。さらに、手術後の通院費や、処方された薬の料金なども追加でかかります。
手術後には定期的なケアが必要となるので、それに伴った出費の可能性も考慮しておきましょう。
手術費用を捻出できないという場合は、比較的費用を抑えられる治療法を獣医師から提示されるはずです。事前に相談してみましょう。
手術費用にペット保険は適応される?
白内障の手術費用にペット保険が適用されるかどうかについては、保険会社の適用条件によって変わります。例えば、白内障の発症が遺伝によるものだと診断された場合は、保険が適用されないという場合もあります。
加入している保険会社に、保険の適用条件を詳しく確認しておきましょう。また、手術費用負担額も保険会社によって異なります。病気を発症する前の健康なときに、医療費用負担の割合が大きい保険に加入しておくと安心です。
白内障が疑われたら早めに動物病院へ
白内障は時間が経つほど症状が悪化していく病気です。早期に治療を始めれば、それだけ治療の選択肢も広がります。
手術をするべきかどうかの判断は、獣医師とよく話し合って決めましょう。手術費用はペット保険が適用されない場合もあります。加入している保険会社への確認も忘れないようにしてください。愛犬の失明のリスクを減らせるように、早めの受診を心がけましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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