banner

banner

【獣医師監修】愛犬の体にできものみたいなものが。良性と悪性の見分け方や原因と治療法を解説

お気に入りに追加

愛犬の体に「できもの」があるのを見つけたらびっくりしてしまいますよね。放っておいてよいのか、すぐに処置するべきなのかの判断も難しいところです。

実はできものには、良性と悪性の2種類があります。悪性のできものは、全身に転移し命に関わる場合もあります。手遅れにならないよう早めの対処が必要です。

ここからは、犬のできものの正体や発生する原因、治療法についてご紹介します。

【獣医師監修】愛犬の体にできものみたいなものが。良性と悪性の見分け方や原因と治療法を解説
【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

あわせて読みたい

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

目次

  1. 犬の体にできものができる原因
  2. 良性か悪性かの判断基準は?
  3. 犬のできものの治療法について
  4. 早期発見できるように愛犬の様子には気を配って

犬の体にできものができる原因

毛並み悪い犬

犬の皮膚に発生するできものには、パピローマウイルスというウイルスが関係していることがあります。このウイルスによって発生するできものは、カリフラワーのような形をしているため心配になる方も多いでしょう。しかし性質は良性で、どこにでも存在している一般的なウイルスです。

では、できものができる犬とできにくい犬の違いはあるのでしょうか?ここからは、できものができる原因についてご紹介します。

原因1:できものができやすい体質だから

皮膚嚢胞(ひふのうほう)というできものは、できやすい体質があるといわれています。この皮膚嚢胞は良性で、特徴としては犬の毛穴の上の方で皮膚のなかに空間ができ、ポケットのようになります。ポケットにふたをするように皮膚が重なってしまうため膨らんで見えます。

この皮膚嚢胞は痛みはありません。しかし、何かのはずみで犬が掻いたり、咬んだりしてしまうと傷口から細菌が侵入していまい炎症を起こすことがあります。

原因2:皮膚の状態が良くないから

犬の皮膚が健康な状態のときは、パピローマウイルスにはかかりにくいといわれています。しかし、栄養が十分でないと、皮膚のバリア機能が十分に働かず、ウイルスに負けてしまうことがあります。

また、洗浄力の強いシャンプー剤を使用すると犬の皮脂を必要以上にとりすぎて、乾燥肌になってしまうことが原因でウイルスに感染してしまうことがあります。なぜなら、乾燥している皮膚表面はバリア機能が正常に働くことができず、ウイルスに侵入されてしまうからです。犬の皮膚に傷があるときも同じく感染してしまうリスクが高くなります。

原因3:高齢期になったから

犬が高齢期になると新陳代謝機能が衰えてしまうため、皮膚が生まれ変わるターンオーバーのサイクルも乱れがちです。このサイクルが乱れてしまうと、皮膚のバリア機能まで低下してしまいます。その結果、できものができやすくなってしまうのです。

良性か悪性かの判断基準は?

身体を掻いている犬

できものには、良性と悪性があります。犬のできもので良性のものは時間が経ってもあまり変わらず、転移の可能性は少ないことが考えられます。できものの性質によっては自然に小さくなっていくこともあります。ただし、急に大きくなったり、自分で掻きこわしたりといった行動をしないかはよく見ておきましょう。

一方、悪性のものは他の臓器に転移を起こしたり、放っておくと命に関わる場合もあるため、なるべく早く治療をすることが大切です。犬に一度に多数のできものができたり、しこりのようにかたい場合は注意が必要です。

犬のできものが良性か悪性かを調べたい場合は、まずは病院を受診し「細胞診」の検査を受けて仮診断をしてもらうのが良いでしょう。ただし、予想されるできものの種類によっては細胞診によって悪化したり、発生部位そのものが細胞診に適さないこともあります。例えば、目の周りや口の中などは、部分的な麻酔(鎮静)や全身麻酔をかけて行わないと検査そのものが困難です。

細胞診を行わない段階で、良性か悪性かを見た目で判断する材料は、色や大きさ、触った感じ、成長速度です。ただし、これはあくまで予測にすぎませんので注意が必要です。良性か悪性かを判断する目安は次のとおりです。

良性の場合

犬のできものが良性と予想される場合の特徴についてご紹介します。ただし、良性のできものであっても触りつづけていると、大きくなってくることがあります。

また、犬が掻いたり、咬んだりして傷口をつくってしまうと炎症を起こすことがあるので、注意しましょう。

  • 色:白色や黄色、うすいピンク色といった明るい色
  • 大きさ:直径1cm以下
  • 触った感じ:やわらかい
  • 成長速度:ほぼ大きくならない

悪性の場合

次に、犬のできものが悪性と予想される場合の特徴についてご紹介します。悪性の場合は、早急な治療が必要です。それほど進行が早く、ときには命に関わる場合があります。

  • 色:黒色、紫色、赤黒色
  • 大きさ:直径1cm以上
  • 触った感じ:かたい、ゴリゴリとした感じがする、しこりのような感じ
  • 成長速度:大きくなる
  • できものから出血、排膿などが見られる
  • 元気、食欲がなくなる

悪性のときに考えられる病気

犬のできものが悪性である場合は、腫瘍の可能性があります。はじめは小さかったイボのようなものが進行するにつれ、大きくなります。次に、代表的な犬の腫瘍を2つ挙げます。

悪性黒色腫(メラノーマ)

発見されたときには、すでに他の組織に転移していることがあるほど進行が早いのが特徴です。悪性黒色腫は高齢犬に発症することが多い病気です。

扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)

皮膚や口の中の粘膜に発生する腫瘍です。膀胱に発生することもあります。進行すると肺やリンパ節から全身に転移します。

犬のできものの治療法について

寝転がっている犬

犬のできものの性質によって治療法が大きく変わります。ここからはできものの性質別の治療法についてご紹介します。

良性の場合

良性であれば経過観察を行い、自然に治るのを待つ場合もあります。良性のできもので掻きこわしなどによる二次感染を伴っていなければ、痛みは感じないことが多いです。

しかし、できものが発生している部位によっては、犬が気になり咬んだり、掻くことがあります。その結果、細菌による二次感染が起こってしまい炎症を起こしてしまうことがあります。

犬ができものを気にしている、ずっと舐めているまたは噛んでいるなら手術で取り除くことも選択肢のひとつです。

手術方法

できものの手術方法は、全身麻酔を使用する方法麻酔を使用しない方法があります。

全身麻酔を使用する方法は、メスを使用してできものを切り取る、または医療用の穴開けパンチで元から切り取るというものです。全身麻酔を使用しない方法は、できものの根元に糸を巻き付け血流をとめ壊死させるというものです。

どちらの方法を選択するかは、できものの性質や発生部位、病院の方針によって異なります。手術を実施する前にしっかりと説明を聞き、納得してからおこないましょう。

悪性の場合

まずは犬のできものの組織を切り取り、病理検査を実施します。その結果で手術をするか、どのような薬を使用するかという治療方針が決まります。

悪性腫瘍であると確定した場合は外科手術のほか、抗ガン剤放射線治療を行うのが一般的です。

治療について説明されるときは、愛犬がより快適に過ごすためには何ができるかといったことも相談してみましょう。

早期発見できるように愛犬の様子には気を配って

子犬

犬のできものは放っておいても問題が起きにくい良性のものと、すぐに対処しなければならない悪性のものがあります。良性のできものと悪性のできものは、それぞれに特徴があるため、判別することができる場合があります。しかし、中には難しいこともあるでしょう。

そんなときは、犬のできものについてかかりつけの獣医師に相談をしてみましょう。できものの早期発見ができるよう、日ごろから全身をチェックすることを毎日のケアとして取り入れたいものですね。

こちらの記事もチェック

【獣医師監修】犬が飼い主さんの体に顔をうずめる行動について|良い理由と悪い理由をそれぞれ解説

あわせて読みたい

【獣医師監修】犬が飼い主さんの体に顔をうずめる行動について|良い理由と悪い理由をそれぞれ解説

犬は飼い主さんの足の間や脇の隙間に顔をうずめることがあります。飼い主さんからすれば、かまってほしいのかなと思いますよね。 この記事では、犬が顔をうずめる理由や心理について解説していきます。理由の中には悪いものもあるので、愛犬の心理状態を見分ける参考にしてください。

【獣医師監修】病気が潜んでいることも。犬のお腹に湿疹がある場合に考えられる原因とは?

あわせて読みたい

【獣医師監修】病気が潜んでいることも。犬のお腹に湿疹がある場合に考えられる原因とは?

犬のお腹にプツプツとした赤い湿疹があると、何かの病気なのではないかと心配になりますよね。併発している症状によっては、肌荒れなどの単純な皮膚炎ではなく、ほかの病気の可能性も考えられます。今回はお腹にできた湿疹について、考えられる原因を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

banner

choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

あわせて読みたい

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

腫瘍・できものに関する記事

【獣医師監修】犬の組織球腫とは。自然に消える?かかりやすい犬種や治療法を解説

健康管理/病気

【獣医師監修】犬の組織球腫とは。自然に消える?かかりやすい犬種や治療法を解説

犬の疾患のひとつ「組織球腫」について耳にしたことはあるでしょうか?おそらく、実際に自分の愛犬が...

2024年4月23日

【獣医師監修】犬のリンパ腫について|初期症状や発症の原因、治療法などを解説します

健康管理/病気

【獣医師監修】犬のリンパ腫について|初期症状や発症の原因、治療法などを解説します

皆さんは悪性度が高いことが多い腫瘍のひとつである「リンパ腫」をご存知でしょうか?犬に発生する腫...

2024年4月5日

【獣医師監修】犬の扁平上皮癌とは?発症の原因を知って愛犬の健康を守ろう

健康管理/病気

【獣医師監修】犬の扁平上皮癌とは?発症の原因を知って愛犬の健康を守ろう

犬の扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)は、身体のさまざまな部位に発生する悪性腫瘍です。症状の進...

2024年1月5日

【獣医師監修】犬も前立腺癌になる?治療方法や予防方法は?初期症状や原因もあわせて解説します

健康管理/病気

【獣医師監修】犬も前立腺癌になる?治療方法や予防方法は?初期症状や原因もあわせて解説します

犬の前立腺とは、膀胱の根元の位置に存在しており、前立腺液を分泌する器官です。もちろん前立腺はオ...

2023年12月26日

【獣医師監修】犬のメラノーマ(悪性黒色腫)は予防できる?腫瘍の特性や治療法などもあわせて解説します

健康管理/病気

【獣医師監修】犬のメラノーマ(悪性黒色腫)は予防できる?腫瘍の特性や治療法などもあわせて解説します

メラノーマ(悪性黒色腫)とは、身体の色素をつくるメラニン細胞の「メラノサイト」ががん化した腫瘍...

2023年12月18日

もっと見る

関連するキーワード

カテゴリー

人気記事ランキング

Petan独自調査

獣医師監修記事

おすすめ記事

人気のキーワード