小型犬の平均寿命ってどれくらい?長生きしてもらうためにできること
犬をお迎えするとなったら、これからの生活に思いを馳せてドキドキわくわくするものですが、それと同時にどれくらいの年数を一緒に過ごすことができるのかも気になりますよね。犬の寿命は人間と比べるととても短いので、あっという間に歳を重ねてしまいます。本記事では小型犬の平均寿命と、健康に長生きしてもらうためにできることをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まずはじめに|犬全体の平均寿命について
一般社団法人ペットフード協会の、「2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査」によると、犬全体の平均寿命は14.76歳であり、過去のデータと比べると2010年以来寿命は延びているという結果になっています。
※新しい実態調査が掲載されると前のものは削除される模様。現在リンク先のページは削除されています。(2024/10/11確認)
寿命が延びている要因は?
平均で約15歳と聞くと短いなぁと思ってしまうものですが、これでも犬の寿命は少しずつ延びてきているのです。というのも、1983年(昭和58年)、一般社団法人ペットフード協会の前身である任意団体ペットフード工業会が行った独自調査では、当時の犬の平均寿命は7.5歳でした。今と比べると随分短いですよね。当時の2倍近く寿命が延びている要因として考えられるものは以下の3点になります。
■獣医療の発展
ワクチン接種や予防薬が普及したことで感染症によって命を落とす犬が大幅に減少しました。また、獣医療が発展したことにより病気の早期発見・治療や、以前では難治性とされていた病気も予防や治療が可能になり、平均寿命が延びたと言われています。
■飼育環境の変化
一昔前までは、犬は番犬としての側面が強く、外で飼われていることが多くありました。夏も冬も外で過ごしていて、生活環境や衛生状況はとても良いと言えるものではなく、放し飼いされていた子が庭から飛び出し交通事故に巻き込まれることも少なくなかったと言われています。
しかし、次第に犬は家族だという意識に変わっていったことで、快適で清潔な室内で過ごすことができるようになり、感染症や事故などのリスクが低下したため、寿命が延びたのではないかと考えられています。
■良質なドッグフードの普及
現在では、犬のライフステージに合わせたものや国産・無添加にこだわったもの、アレルギー対応のものなどさまざまな種類のドッグフードが販売されていますよね。その子に合ったドッグフードを選びやすくなったほか、品質の向上や飼い主さんの意識の変化により犬の栄養状態が向上したことも、平均寿命が延びた理由の1つと言われています。
小型犬の平均寿命は何歳?
犬全体の平均寿命は14.76歳でしたが、小型犬はどのくらいなのか気になりますよね。既出の一般社団法人ペットフード協会の調査によると、小型犬の平均寿命は14.28歳(※)です。犬の寿命は身体の大きさによって変わる傾向にあり、超小型犬は15.31歳、中型・大型犬は13.81歳となっています。
身体が大きくなるほど寿命が短くなるのは、成長スピードや身体が大きいことで臓器に負担がかかっているからなどの理由が考えられていますが、はっきりとは分かっていません。
また、同じ小型犬であっても、身体的な特徴や遺伝的に病気を発症しやすいことにより、小型犬の平均よりも短命になるケースもあります。例えば、ミニチュアダックスフンドの平均寿命はだいたい14歳前後と言われていますが、フレンチブルドッグは11歳前後と、犬種によっても差があるのです。
※一般社団法人ペットフード協会「2022年(令和4年)全国犬猫飼育実態調査」:「犬 飼育・給餌実態と支出 p61」による
ギネス記録に認定された小型犬も!
2023年1月19日に、「存命中最高齢の犬|oldest dog living」としてギネス記録に認定されたチワワがいます。アメリカのオハイオ州に住むチワワのスパイクは、2022年12月7日の時点でなんと23歳と43日でした!スパイクは地元の食料品店の駐車場に放置されており、のちの家族となるリータさんに出会った時点で10歳だったそう。正しくはミックス犬のようなのでチワワよりも身体は大きめですが、一般的なチワワの平気寿命である13~16歳を大きく上回り長生きしているのは、家族からの大きな愛情が重要なポイントかもしれませんね。
ちなみに、全犬種の中での「存命中最高齢の犬|oldest dog living」の記録と「史上最高齢の犬|oldest dog ever」の記録を持っているのは、2023年2月1日時点で30歳266日だったラフェイロ・ド・アレンティジョのボビです。
愛犬に長生きしてもらうためにできること
大切な家族である愛犬にはできるだけ長生きしてほしいですよね。ここでは愛犬に長生きしてもらうために飼い主さんができることをご紹介します。
定期的な健康診断
犬種によって遺伝的に発症しやすい病気があります。愛犬がかかりやすい病気を把握し予防に努めることはもちろん、早期発見・早期治療に繋げることができるように定期的に健康診断を受診するようにしましょう。若くて健康なうちでも年に1回の受診が目安です。シニア犬は体調を崩しやすく、状態が悪化するのも早いので、特に具合が悪そうに見えなくても年に2回は健康診断を受けることをおすすめします。
普段から愛犬の様子をよく観察し、異変を感じたらすぐに動物病院に連れて行くようにすることが大切です。ワクチン接種によって予防できる病気も少なくないので、必須である狂犬病のワクチン以外にも、混合ワクチンの接種も検討しましょう。ドッグランやトリミングサロン、ドッグカフェなど、多くの犬が集まる場所では接種証明書の提示が必須というケースも多くあります。
適度な運動
小型犬は身体の小ささからお散歩する必要がないと紹介されるケースもありますが、決してそんなことはありません。お散歩は気分転換やストレス解消になり、歩くことで筋力維持や肥満予防などの効果が期待できます。また、他の犬や人と触れ合うことは社会性を育むためにも必要です。
高齢になるに伴い認知症を発症する犬も多いですが、お散歩で外の空気に触れたり、いろいろなニオイを嗅いだりすることは脳へのよい刺激にもなります。
犬種によってお散歩時間の目安はありますが、個体差もあるので、愛犬に合ったお散歩時間を見つけましょう。
バランスの良いドッグフード
犬はライフステージによって必要な栄養素が変わります。そのため、成長段階に応じてドッグフードを変えるようにしましょう。
また、人間と同じで肥満は大敵です。犬は与えられた分だけ食べてしまうので、愛犬に合ったご飯の量を把握し、適量食べさせることが体重管理、健康管理に繋がります。
総合栄養食と書かれたドッグフードには犬に必要な栄養素がすべて含まれているので、食べたそうにしているからといって人間の食べ物を与えるのはやめましょう。
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飼い主さんの行動にも注意
喫煙の習慣がある場合、たばこの煙を犬が吸ってしまうことでガンを発症してしまうことがあります。愛犬がいる部屋では吸っていないとしても、たばこの有害物質は洋服や髪、壁、カーテンなどに付着しており、その残留物を身体の中に取り込んでしまう三次喫煙となってしまうのです。
また、鼻の粘膜が刺激され呼吸器に異常をきたすといびきの原因となることもあります。愛犬に長生きしてもらうためにも、飼い主さんの健康のためにも禁煙するのが望ましいと言えますね。
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小型犬は比較的長寿だけれど
犬の寿命は身体の大きさや犬種によって異なりますが、個体差もかなりあります。したがって、必ずしもこの年数しか生きられないわけではありません。平均寿命を超えて長生きしてくれることも大いにあります。
しかし、飼い方次第で寿命を縮めてしまうケースがあることも事実です。人間の食べ物を与えたり、愛犬の前で喫煙するのは避けるようにしてください。また、しつけるために大きな声で叱ったり叩いたりするのは犬に大きなストレスがかかりますし、信頼関係の構築も難しくなるでしょう。長生きしてほしくないと思っている飼い主さんはいないと思いますが、普段の何気ない行動が愛犬の健康を害してしまうこともあるため、注意しなければいけないことを押さえておくことも大切です。
また、将来的に交配の予定がないのであれば、早めに避妊・去勢手術を検討することをおすすめします。手術を受けることで、生殖器関連の病気に罹患するリスクを低減させることができたり、発情期によるストレスを減らすことができるからです。ただし、全身麻酔による身体の負担などのデメリットもあるため、かかりつけ医とよく相談して判断しましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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