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パグがかかりやすい病気とは|健康を守るために知っておきたいこと

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大きな瞳に短いマズル、くしゃっとしたしわなど、たくさんのチャームポイントを持つパグ。愛くるしい表情から世界中にファンがいる犬種です。そんなパグを家族に迎えたいと思っている方も多いのではないでしょうか。パグは短頭種特有の病気にかかりやすいため、愛犬にできるだけ健康で長生きしてもらうためには、注意すべき病気について知っておくことが大切です。今回はパグが注意したい病気と、飼い主さんが日頃の生活で気を付けるべきことをご紹介します。

パグがかかりやすい病気とは|健康を守るために知っておきたいこと

目次

  1. パグがかかりやすい病気
  2. パグに長生きしてもらうためにできること
  3. パグは体重管理と温度管理が大切!

パグがかかりやすい病気

パグ

短頭種であるパグは、身体構造上、かかりやすい病気がいくつか存在します。パグが注意したい病気について知っておきましょう。 

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群とは、気管低形成(※1)、外鼻孔狭窄(※2)、軟口蓋過長症(※3)などにより引き起こされる呼吸器疾患の総称です。短頭種はマズルが短く口の中の面積が狭いという構造をしているため、上記のような気道の解剖学的異常が認められます。

呼吸がしづらいことで努力呼吸をしますが、一生懸命呼吸をすることで気管に負担がかかり、喉頭虚脱(※4)、喉頭小嚢の外反(※5)といった二次的な構造変化が起こるケースも。

ガーガー、ブーブーという呼吸音が聞かれたり、寝ているときにいびきをかくことがあるほか、症状の程度によっては咳や嘔吐などが見られることもあります。激しい運動をした後や興奮時、さらには高温多湿の時期に症状が強くなりやすいです。また、肥満により症状が悪化するケースも珍しくありません。重度の場合には呼吸困難や失神することもあります。

短頭種気道症候群は身体の構造上の問題のため、予防することは難しいです。先天的なものなので内科的な治療も行われません。しかし、場合によっては手術によって症状の軽快を図ることもあります。ただし、全身麻酔下での手術となるため、なるべく若いうちに手術を行うかどうかの決断が必要です。また、手術をしたら必ず症状が改善されるとは限らないので、かかりつけ医とよく相談して決めることをおすすめします。

※1気管低形成

気管が十分に成長せず細いため、呼吸がしづらい状態。

※2外鼻孔狭窄

先天的に鼻の穴が狭いことで、鼻呼吸がしづらい状態。

※3軟口蓋過長症

喉の手前にある「軟口蓋」と呼ばれる部分が長いため、気道がふさがれてしまう状態。

※4喉頭虚脱

のどの軟骨が変形してしまい、息を吸う際に気管側に喉頭が入り込んでしまう状態。

※5喉頭小嚢の外反

喉頭小嚢が反転することで気道が狭くなる状態。

パグ脳炎

パグ脳炎はパグでの発症が多いことからパグ脳炎と呼ばれていましたが、チワワ、マルチーズ、ヨークシャーテリア、シーズー、ペキニーズなどの犬種でも発症が確認されています。そのため現在では「壊死性髄膜脳炎」と言われるのが一般的です。脳炎は「感染性」と「非感染性」に分けられますが、犬の場合、非感染性のものが大半と言われています。

痙攣発作や視力の低下・失明、元気不振、食欲減退、斜頸、ふらつきなどの症状が見られ、急速に進行して死に至る場合と、数か月かけて進行する場合があります。

小型犬に多く発症が見られることから遺伝的な要素が関係しているのではないかと考えられているものの、はっきりとした原因は分かっていません。そのため、確実な治療法はないのが実状です。

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犬には体の大きさや犬種ごとに発症しやすい病気や起こりやすい怪我が存在することが多く、パグにも特有の病気がいくつかあります。犬と暮らすうえでは自分の愛犬がどのような病気にかかりやすいのか、また病気を予防するためにはどのような点に気を付けるべきかを知っておくことが大切です。今回は「パグ脳炎」とも呼ばれる壊死性髄膜脳炎について、発症の原因や症状、好発犬種などを解説します。

目の怪我・病気

パグは骨格的に眼窩(眼球が収まっているくぼみ)が浅く、目が突出しているため目を傷つけやすいです。そのため、外傷性の白内障や角膜炎を起こしやすいと言われています。また、眼瞼内反症により持続的に眼球が刺激を受けることで角膜炎や結膜炎、角膜潰瘍を引き起こすケースもあります。

皮膚病

パグは皮膚が弱いと言われているため注意が必要です。魅力の1つでもある顔のしわは食べかすやほこり、皮脂などの汚れが溜まりやすく、放っておくとニオイの原因となったり、皮膚トラブルを起こしてしまいます。そのため、こまめにチェックし、汚れていたらお手入れしてあげましょう。

また、皮脂の分泌が他の犬種よりも多く、皮膚がべたつきやすいので、定期的にシャンプーをしたり、軽い汚れの場合は濡れタオルで拭くなど清潔さを保つことも皮膚病の予防に繋がります。

パグがかかりやすい皮膚病は以下の通りです。

  • 膿皮症

皮膚に細菌が感染することで生じる皮膚病です。常在菌であるブドウ球菌による感染が一般的で、かゆみや脱毛、発疹のほか、色素沈着や皮膚がめくれるなどの症状も見られることがあります。皮膚のバリア機能が低下することでブドウ球菌が異常に増殖し発症しやすくなると言われているので、定期的なシャンプーやノミ・ダニの予防、湿度管理、健康的な食事などを意識することが大切です。

  • アトピー性皮膚炎

花粉・ハウスダストマイト、カビなどの環境アレルゲンが原因の皮膚炎で、生後半年~3歳ころまでの比較的若齢で発症しやすいです。遺伝や体質が大きく関わっていると考えられており、生涯付き合っていく必要があります。

  • 食物アレルギー

食べ物が原因となって生じます。皮膚のかゆみのほか、下痢や嘔吐などの消化器症状も伴うのが特徴です。犬種や性別、年齢に関係なく発症する可能性がありますが、1歳未満での発症が多い傾向にあると言われています。

  • マラセチア皮膚炎

常在菌であるマラセチア菌が何らかの理由により異常に増殖することで引き起こされます。強いかゆみや脱毛、皮膚の赤み、皮膚のべたつき、独特な臭いといった症状が特徴です。予防法としてはシャンプーや保湿、バランスの良い食事などが挙げられますが、サプリメントを取り入れることが推奨されることもあります。

パグはマラセチア菌のえさとなる皮脂の分泌量が多いことに加え、皮膚が乾燥しやすく外部からの刺激に弱いためマラセチア皮膚炎になりやすいですが、再発・慢性化しやすいので、なるべく予防したい病気です。

外耳炎

パグは先天的に耳道が狭いことや耳の中に被毛が詰まってしまうことなどが原因となり、外耳炎を起こしやすいと言われています。主な症状は、耳を痒がる、耳から異臭がする、耳を地面に擦り付ける、耳垢が増えるなどです。外耳道の洗浄や点耳薬を使っての治療が一般的ですが、外耳炎は再発しやすく、慢性化すると難治性となり手術が必要になるケースもあります。

外耳炎を予防するためには、耳のお手入れを定期的に行い、耳の中を清潔に保つことが重要です。食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を患っている場合、外耳炎を発症しやすいとされています。

パグに長生きしてもらうためにできること

パグ

飼い主として、愛犬にはできるだけ長生きしてほしいですよね。ここでは飼い主さんが普段の生活で行うべきことをご紹介します。

体重管理

パグは食欲旺盛のため太りやすいと言われています。肥満は心臓病や糖尿病などの病気の原因となるほか、呼吸のしづらさに拍車をかけたり、足腰に負担がかかるためパテラやヘルニアを引き起こしてしまうことも珍しくありません。もともとがっしりとした体格をしており、肥満だと気づきにくいケースもあるので、愛犬の適正体重を把握して日頃から体重管理をすることが重要です。

また、パグは必要な運動量は多くはありませんが、肥満予防はもちろん、ストレス解消や筋力の維持のためにもできれば毎日運動をするようにしましょう。激しく動いたり興奮すると呼吸しづらくなってしまうので、無理のない範囲で行うのがポイントです。

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健康診断の受診

どんなに気をつけていても病気になってしまうことはあります。しかし、早期に発見することができれば治療の選択肢が広がったり、完治する確率も高くなるでしょう。そのため、半年に1回のペースで健康診断を受診するのが望ましいです。

一昔前までは子犬と老犬は1年に2回、健康な成犬は1年に1回が目安と言われていましたが、最近では成犬であっても半年に1回の受診が推奨されています。犬の1年は人間の数年に当たるので、半年に1回でも多すぎるということはないのです。

温度管理に注意

頭蓋骨の長さに比べてマズルが短い特徴を持つ犬は短頭種と呼ばれますが、短頭種は身体構造上、熱を逃がすのが苦手なため、暑さに特に弱いです。暑さの厳しい夏場はお散歩の時間帯に気を付けてください。犬は人間よりも地面からの照り返しによる影響を受けやすいので、犬用カートを活用するのも1つです。

また、室内であっても直射日光のあたる場所で長時間過ごしていたり、室温が高いと熱中症になることがあります。できればエアコンを使って24時間空調管理するのが理想です。湿度も影響するので、温度だけでなく湿度にも気を配るようにしてください。熱中症は重度になると死に至ることもあるため、注意しましょう。

パグは体重管理と温度管理が大切!

パグ

ずんぐりむっくりとした体型は愛らしく、よく食べる姿は飼い主としては嬉しいものですが、人間だけでなく犬にとっても肥満は万病のもとです。特にパグは小型犬で短頭種のため、肥満によるひざや腰への負担、呼吸状態の悪化も懸念されます。健康で長生きしてもらうためには、適正体重を維持することがとても大切です。

また、パグは熱中症にも注意しなければいけません。室内にいても熱中症になることもあるので、温度と湿度には気を付けるようにしましょう。お留守番時は暑い・寒いと感じたときに犬が自分で避難できる空間を作っておくことも必要です。

日頃の健康管理とあわせて定期的に健康診断を受診し、病気の早期発見に繋げましょう。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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