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シニア犬(老犬)の幸せのために飼い主が知っておくべきこととは

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「あれ?名前を呼んだのに反応しない」犬と暮らしていると、ある日突然そんな日がやってきます。「うちの子はまだ顔も白くなっていないし、お散歩も元気に行っているから大丈夫」そう考えていても、年を重ねた犬の「老化」は日に日に進んでいるのです。

そんなシニアになった愛犬の幸せな毎日に必要なことは、愛犬の身体の変化を知ること、そしてどんなことを幸せだと感じるのかに気がつくこと、その上飼い主に何ができるかを考えることの3つです。今回は、この老犬の幸せを叶えるために飼い主さんが知っておきたい3つのことについて詳しくご紹介します。

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目次

  1. 老犬の身体の変化について知ろう!
  2. 老犬のために飼い主が意識したいこと
  3. 老犬の幸せのために飼い主ができること
  4. 愛犬との幸せな時間を最期まで大切にする

老犬の身体の変化について知ろう!

老犬
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 人間の4~6倍のスピードで時間が流れている犬。気がつけば、あっという間にシニアの仲間入りをしてしまいます。「でも、うちの子はまだまだ元気いっぱいだからシニアとは言えないです」という声がよく聞こえてきます。

しかしある日突然なんでもないところでつまづいたり、物にぶつかったり...。老犬になると日常の行動に変化が現れます。

その変化の主な原因は身体機能の衰えです。中でも、次にあげる代表的な5つの変化を見逃さないようにしてあげてください。 

名前を呼んでも反応しない

 今まで、雷や花火の音が怖かった犬が、雷が鳴っても反応しなくなったり、名前を呼んでも「ご飯よ!」と声をかけても気がつかないという時があります。このように耳がよく聞こえてないと感じることが増えたら、シニアのサインの一つ、聴力の衰えかもしれません。 

昼間もよく寝るようになる

 基本的に、犬は1日の大半を寝て過ごすことが多い動物です。個体差や生活環境の違いもありますが、成犬の平均睡眠時間は12~15時間と言われ、子犬や老犬はさらに睡眠時間が増える傾向にあります。

特に、玄関のチャイムが鳴っても瞬時に反応せず寝ていることが多くなったり、外の音に反応せずに寝ているなどは、シニアのサインと考えられます。

白い毛が増えてくる

 シニアの犬になると、顔の毛の一部が白くなってくることも特徴のひとつです。そして体全体の被毛にも白い毛が混ざるようになることもあります。顔の毛が白くなることは、若い犬にも見られることがあるため、一概にシニアのサインとは言えませんが、多くの場合は、加齢によって顔が白くなります。

また、同時に毛のパサつきや被毛の退色などが見られるようになることもあります。犬のシニアサインはまず顔からと言われているので、顔に白い毛が目立つようになってきたら、シニアの仲間入りをしたと考えましょう。

物にぶつかる

 犬も年齢とともに視力が低下してきます。また白内障などの目の病気を発症することもあります。おもちゃやボールを見失ったり、振り向きざまに電柱や家具にぶつかったりし始めたら、視力が低下しているサインです。 

散歩に行きたがらない

 散歩が大好きで、散歩時間が近くなるとソワソワしたり、リードをくわえて持ってきたりしていた犬が、散歩の時間になっても起きようとしない、散歩に行きたがらなくなったら、シニアのサインと考えましょう。

シニアになると、足腰の筋力が弱り立ち上がるのに時間がかかる、階段や段差を避ける、長距離のお散歩や走ることを嫌がり始めます。

老犬のために飼い主が意識したいこと

老犬
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 犬が歳を重ねてくると、今までと同じように暮らせなくなったことへの不安が行動や表情へ現れるようになります。歳を重ねた犬が幸せと感じるために最も大切なことは、いつも一緒にいてあげること。体の不調や不安を抱えている犬にとって、飼い主の笑顔が一番の幸せを感じることなのです。 

「この子はもう老犬だから」と口にしないことが大切

 若い頃は元気いっぱいやんちゃで手に負えなかった犬でも、歳を重ね老犬となってくると優しく穏やかな表情に変化してきます。この穏やかな表情が老犬のたまらない魅力です。

そんな老犬となった愛犬が、ボールを見失ったり、歩くのを嫌がった時に「もう老犬だから」という言葉を口にしてはいけません。犬は加齢によって思うように動けなくなった自分の体に不安を感じていたり、イライラしている可能性もあります。そんな時に、自分のいちばんの理解者であると信じている飼い主から、諦めのような言葉が出ることは、犬にとってもとても辛いこと。

たまにそんな言葉を口にしている飼い主さんもいらっしゃいますが、私は横にいる犬がとても寂しそうな表情をしていると感じてしまいます。

犬は何歳になっても飼い主を喜ばせたい動物です。たとえボールを見失うことがあっても、「老犬だから」と諦めの言葉を口にせず、一緒に探してあげられるだけの優しさを持って接してあげることが大切です。 

老犬だからと家に閉じ込めないで

 犬はどんなに歳をとっても、外の空気を吸い、匂いを感じていたい動物です。老犬になったからといって、お散歩の距離を短くしたり、大好きだった場所へのお出かけもしなくなってしまっては、生きがいがなくなってしまいます。

歩くのが難しい場合は、抱っこやカートで自然の中へ連れ出してあげてください。たとえ今まで通り、土の匂いを嗅ぐことができなくても、大好きな飼い主と一緒のお出かけは犬にとって幸せなのです。

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シニア期に入った愛犬が前足をしょっちゅう舐めていて困る、そんなお悩みはありませんか?それはもしかすると、老犬のストレスサインかもしれません。若い頃はドッグランやハイキングなどアウトドアで思いっきり遊んでいた犬も、シニア期に入ると、圧倒的に室内にいる時間が増えてきます。1日中静かに寝ているからそっとしておこうと考えがちですが、実は、そんな老犬にもストレスが溜まっている可能性があるのです。 今回は、老犬のストレスサインとはどんな行動なのか、そしてストレス解消のためにできる5つのことについてご紹介します。

失敗をしても怒らない

 「最近、トイレを失敗することが増えてきた」、「ご飯をポロポロこぼすようになった」今までできていたことが、ある日を境にできなくなってしまう老犬。トイレの失敗には、ついつい声を荒げてしまいがちですが、犬も失敗したくてしているわけではありません。失敗したことを、一番悔しく思っているのは犬自身なのです。

足腰が弱っていたり、口の中に違和感があったりと、体のどこかに不調があることが原因で、今までできていたことができなくなっているのです。それは、犬にとっても不安なこと。たとえ失敗をしても、決して怒らないでいてあげましょう。

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老犬になると、それまでは粗相など一度もしたことがなかったような犬でも、トイレを失敗してしまうようになることがあります。認知症などを患っていれば、ある程度の粗相は仕方のないことですが、そうではない場合にもトイレに行こうとして間に合わなくて粗相をしてしまった、ということもあります。トイレの問題は、飼い主さんにとっても大きな負担となりますが、愛犬がトイレを失敗しないように室内の環境を少し工夫したり、サポートを行なうだけで改善されることもありますので、対策を知っておきましょう。

老犬の幸せのために飼い主ができること

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 愛犬がシニアの仲間入りをしたと感じたら、まず少しでも楽に暮らせるように生活環境を工夫してあげることが大切です。また、体の不調を感じているところはないか、皮膚にトラブルはないかを体をよく触って確認してあげましょう。 

滑らない床にしてあげて

 加齢によって足腰が弱くなったシニアの犬は、立ち上がるのに時間がかかったり、上手く立ち上がれなくなることがあります。特に、フローリングなどの滑りやすい床は犬にとって大きな負担となります。

また、歩いていても滑ってしまい、思わぬ怪我をすることもあります。犬が生活するスペースには、滑りにくいフロアマットなどを敷き、段差の少ない空間を作ってあげましょう。

歯のトラブルがないかこまめにチェックを

 3歳以上の犬の80%以上が歯のトラブルを抱えていると言われています。理由は、犬の口腔内は弱アルカリ性のため歯垢が溜まりやすく、すぐに歯石が形成されてしまうからです。歯石が溜まることで歯肉炎や歯周病を発症してしまいます。老犬に口腔内のトラブルが多いのはこういった背景があるからです。

食べながらぽろぽろとこぼしてしまう、以前より口臭がきつくなったと感じたら、歯科を専門に行っている動物病院で診察してもらいましょう。

食べることは年齢関係なく、犬にとって最大の楽しみであり、長生きの秘訣でもあります。愛犬がおいしく楽しく食べることができるよう口腔内の環境を整えることはとても大切なことです。飼い主がこまめに口腔内をチェックしてあげましょう。

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シニアの愛犬の口臭がひどい場合、何らかの病気が潜んでいる可能性が高いため、早めに対処する必要があります。今回は、老犬の口臭の原因と考えられる病気、取るべき対処法について解説します。

クッションやベッドは柔らかすぎないものを

 犬はふかふかのクッションが大好きです。しかし、どんなにお気に入りのふかふかクッションでも、足腰が弱っているシニアの犬には負担となります。おすすめは、立ち上がる時にしっかりと足腰を踏ん張れる設計のクッションやベッド。

寝ている時間が長くなるシニアの犬にとって、ふかふかよりも体に負担のかからない低反発仕様などを選んであげることが大切です。

食事は食べやすい工夫を

 犬は加齢とともに、内臓の機能が衰えてきます。今まで食べていたフードやおやつでも、消化の負担となる可能性があります。なるべく消化の良い食事を考えてあげることも飼い主の役目です。

ドッグフードをお湯やスープでふやかしてあげる、手作りのトッピングを加えてあげるなどの工夫をしてあげましょう。また、老犬は一度にたくさん食べられなくなることもあります。その場合は、1日量を数回に分けて、食べきれる量を与えるようにすることも大切です。

愛犬が療法食を食べている場合は、自己判断でトッピングをせずかかりつけの獣医師に相談してからおこないましょう。

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愛犬が年齢を重ねて老犬と言われるような年齢を迎えた時には、食事の量や回数について考えなくてはならなくなります。また、年齢に見合ったドッグフードを選ぶことが必要とされます。 現在食べているドッグフードから、新しく選んだドッグフードに切り替える時には、どのような方法を取っていますか? ドッグフードを切り替える時には、上手に切り替えてあげないと思わぬ体調不良を引き起こしてしまうことがありますので、ここで紹介するドッグフードの切り替え方法を是非参考にしてみてくださいね。

マッサージでリラックスさせてあげよう

 老犬に多く見られるのが関節炎など足に関するトラブルです。また、加齢によって筋肉量が減ってくることで、歩きが遅くなったり、お散歩を嫌がるようになる場合があります。

運動をしないことで、硬くなってしまった筋肉や痛みのある足は、優しくマッサージしてあげることがおすすめです。また、脇の下や首の周りをマッサージして、リンパの流れを良くしてあげましょう。

マッサージをすることでリンパ液の循環をよくし老廃物の排出を助けることができます。その結果、免疫力を高めたり、むくみの解消やストレスを軽減することができます。体をあまり動かさないシニア期の犬には有効です。

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老犬になると歩く速度が遅くなり、階段の昇り降りが辛くなるなど、足腰の衰えが気になってきます。 体力自体の衰えも出てきますので、段々と静かに寝ている時間が増えてくる老犬は、なおさら筋力が落ちてしまいます。特に足の老化はあっという間に進んでしまいますので、寝たきりになってしまわないようにケアをする必要があるでしょう。

愛犬との幸せな時間を最期まで大切にする

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 どんなにやんちゃだった犬でも、歳を重ね、顔に白い毛が出始める頃になると、だんだんと穏やかな表情になってきます。よく「あんなに活発だったのに!」と寂しがっている方がいますが、筆者はこの穏やかな表情になったシニア期の犬が大好きです。1日でも長く一緒にいたいと思うのは飼い主の親心というものですが、犬は自分の運命を素直に受け止めている動物です。

飼い主にできることは、少しでも楽しく美味しく、毎日を快適に過ごさせてあげること。寝てばかりだからと言って、1日中家に閉じ込めたりせず、新鮮な外の空気や景色を感じられるように、お天気の良い日にはカートや車で外に連れて行ってあげてくださいね。

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愛してやまない愛犬たちは年を重ねて老犬になるにつれて体や行動が少しずつ変化します。老犬になると、若い頃のように元気いっぱいに遊ぶことは叶わなくなってきますが、しかし老犬には老犬ならではの可愛い魅力がたっぷりあります。ふとした瞬間にこれまで見たことのない愛犬の姿を新しく発見して愛おしくなることも。今回は、愛犬がシニア・高齢犬になって可愛いと感じるポイントを10個お伝えいたします。まだ愛犬がシニアと呼べる年齢にない方も、老犬の可愛いポイントを確認しながら犬のシニア期に備えてみてください。

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komugi

この記事のライター

komugi

都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!

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