犬のワクチンうち忘れでも大丈夫?必要性や予防できる病気も解説

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犬を飼うためにさまざまな準備をして万全の態勢で迎えたはずなのに、ワクチンのうち忘れに気付いてしまったら焦りますよね。

犬のワクチンはうち忘れても大丈夫なのでしょうか?

ワクチンの必要性や予防できる病気、準備や注意点について確認しながら見ていきましょう。

犬のワクチンうち忘れでも大丈夫?必要性や予防できる病気も解説

目次

  1. 犬のワクチンの必要性と種類
  2. ワクチンで予防できる病気
  3. ワクチンをうち忘れても大丈夫なのか
  4. ワクチンを打つための準備
  5. ワクチンを打つ際の注意点
  6. まとめ

犬のワクチンの必要性と種類

ワクチンを打たれる子犬

ワクチンは犬に免疫をつけ、犬自身や家族を特定の病気から守るために必要です。

ペットホテルやトリミングサロンを利用する際に証明書の提示を求められる場合もあり、必要性を感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

ただし免疫がどれだけ持続するかは個体によって異なるため、必ず1年に1度の間隔で接種が必要であるとは言い切れません。

ここではまず犬のワクチンを以下の種類に分けて解説します。

  • 狂犬病ワクチン
  • コアワクチン
  • ノンコアワクチン
  • 単体ワクチン・混合ワクチン

狂犬病ワクチンや混合ワクチンは聞き慣れていても、コアワクチンやノンコアワクチンについて詳しくわからない方は多いのではないでしょうか。

それぞれのワクチンがどんなものか、うち忘れたらどうなるかを見ていきましょう。

狂犬病ワクチン

狂犬病ワクチンは狂犬病を予防するためのワクチンで、生後91日以降の犬は必ず打たなければならないと国で義務づけられているワクチンです。

初回は混合ワクチンとの接種スケジュールを見て接種時期を判断する必要があるため、かかりつけの動物病院に狂犬病注射の接種時期について確認しておくとよいでしょう。

初回のワクチンを接種し犬の登録が終われば、その後毎年4〜6月頃犬を登録した市町村から狂犬病接種についてのお知らせが届きます。

集合注射会場や動物病院で接種してください。

狂犬病ワクチンについてはうち忘れたら20万円以下の罰金がかかる場合があるため、うち忘れたと気付いた時点で動物病院に相談するとよいでしょう。

コアワクチン

コアワクチンは狂犬病と違い義務ではありません。

しかし犬自身や一緒に暮らす家族のために、打つことを強く推奨されているワクチンです。

コアワクチンは以下の病気を対象としています。

  • ジステンパー
  • パルボウイルス
  • アデノウイルス

上記はいずれも感染してしまったら致死率の高い伝染病であり、流行してしまうと多くの動物に被害を与えるものです。

特別な理由がない限り1年に1回の接種をおすすめします。

ノンコアワクチン

ノンコアワクチンはコアワクチンほどではないものの、打つことが推奨されているワクチンです。

ノンコアワクチンは以下の病気を対象としています。

  • パラインフルエンザウイルス
  • コロナウイルス
  • レプトスピラ

ノンコアワクチンも義務ではありませんが、飼育環境や流行している伝染病によって接種した方がいいとされるものです。

例えばレプトスピラはネズミの尿と共に排出され、汚染された土の上を犬が触れることで感染する病気です。

散歩コースにネズミが潜んでいるような草むらがある場合は、接種した方が安全でしょう。

飼い主さんが迷った場合、接種前に動物病院で相談することもできます。

接種に迷っている場合は遠慮なく聞いて、疑問を解消しておきましょう。

単体ワクチン・混合ワクチンとは

ワクチンを調べ始めると、単体ワクチンや混合ワクチンを耳にしたことがあるかと思います。

単体ワクチンは特定の病気のみを予防するワクチンで、混合ワクチンは1回の接種で複数の病気を予防するワクチンです。

単体ワクチンにはパルボウイルスとレプトスピラがあり、混合ワクチンは以下のように予防できる感染症の数によってさまざまな種類があります。

5種

ジステンパー

伝染性肝炎

パルボウイルス

アデノウイルスⅡ型

パラインフルエンザ

6種

ジステンパー

伝染性肝炎

パルボウイルス

アデノウイルスⅡ型

パラインフルエンザ

コロナウイルス 

8種

6種で予防できる感染症

レプトスピラ(イクテモヘモラジー)

レプトスピラ(カニコーラ型)

10種

8種で予防できる感染症

レプトスピラ(グリッポチフォーサ)

レプトスピラ(ポモナ)

病院により扱っている混合ワクチンは異なり、取り寄せになる場合もあります。

接種前には打ちたい予防接種の在庫があるかどうか確認しておくとよいでしょう。

ワクチンで予防できる病気

ワクチンと注射器

ワクチンの必要性や種類を紹介しましたが、ワクチンで予防できる病気にはどんなものがあるのでしょうか。

それぞれの病気についての概要を見ていきましょう。

狂犬病

狂犬病とは狂犬病ウイルスによって引き起こされる感染症です。

ウイルスを保有する犬や猫、コウモリなどの野生動物に咬まれたり引っかかれたりすることによりできた傷口から侵入し、感染します。

  • 発熱
  • 食欲不振
  • 不安
  • 興奮
  • 水を怖がる
  • 異常な量のヨダレ
  • 麻痺や幻覚・精神錯乱

狂犬病に感染して発症すると上記の症状が現われます。

治療法は存在せず、100%死亡する恐ろしい病気です。

人にも感染する人畜共通感染症のため、狂犬病を発生させないようにワクチンは絶対に行いましょう。

ジステンパー

ジステンパーは犬ジステンパーウイルスによる感染症です。

感染経路はジステンパーに感染した犬のくしゃみや咳を浴びることによる飛沫感染と、目やにや尿などに触れることによる直接感染があります。

  • 黄色味のかかった鼻水・目やに
  • 発熱
  • 食欲不振・元気消失
  • 神経症状
  • 鼻や肉球が硬くなる
  • 視神経炎や網膜の異常
  • 下痢や嘔吐

ジステンパーを発症すると上記の症状を示します。

初期は風邪と間違いやすいため重篤化してから気付くことも多く、注意が必要な感染症です。

伝染性肝炎

伝染性肝炎は犬アデノウイルスⅠ型による感染症です。

感染した犬の唾液や尿などの分泌物が口に入ることによって感染します。

空気感染はありません。

  • 発熱
  • 食欲不振・元気消失
  • 鼻水・嘔吐
  • リンパ節炎
  • 気管支炎
  • 肺炎・肝炎
  • 腹痛・血便
  • 肝炎性ブルーアイ

伝染性肝炎を発症すると、上記のような症状を示します。

治療を行い回復した後も長い間ウイルスが存在し排出されつづけるため、多頭飼育の家庭では集団感染とならないように注意しなければなりません。

アデノウイルスⅡ型感染症

アデノウイルスⅡ型感染症は、アデノウイルスⅡ型によって引き起こされる感染症です。

感染した犬の尿や唾液触れることで感染します。

  • 発熱
  • 食欲不振
  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 短く乾いた咳

アデノウイルスⅡ型感染症を発症すると、上記のような症状を示します。

単独では軽い症状で済む場合が多い病気ですが、ほかのウイルスとの混合感染で重症化するため注意しなければなりません。

呼吸器疾患であるケンネルコフの原因ともなるため、症状が出たら早めの治療が肝心です。

パルボウイルス感染症

パルボウイルス感染症は、パルボウイルスのにより引き起こされる感染症です。

糞便中に潜んだウイルスを経口接種することにより感染し、喉のあたりで増殖したあと血流に乗り全身へと広がります。

  • 急激な嘔吐
  • 水のような下痢
  • 血便
  • 発熱や嘔吐
  • 元気消失

パルボウイルスを発症すると上記のような症状が現われ、進行すると白血球の減少や嘔吐下痢が続くことによる脱水がみられます。

子犬は特に致死率が高く、危険な感染症です。

コロナウイルス感染症

コロナウイルス感染症は、犬コロナウイルスが引き起こす感染症です。

ウイルスを含んだ糞便を口にすることにより感染します。

  • 嘔吐や下痢
  • 元気消失
  • 食欲不振

単独では発症しても比較的軽度の消化器症状で済むこともありますが、子犬は重篤化しやすいため注意が必要です。

またほかのウイルスと混合感染した場合症状が重くなることがあります。

パラインフルエンザ

パラインフルエンザは、パラインフルエンザウイルスにより起こる感染症です。

感染した犬の咳やくしゃみで飛んだ飛沫を吸うことにより感染します。

  • 鼻水
  • 発熱
  • 元気消失

パラインフルエンザは感染すると上記の症状を示しますが、治療の必要のない軽度で済む場合も少なくありません。

しかし混合感染により症状が重くなる場合も考えられるため、早期の治療が必要です。

レプトスピラ感染症

レプトスピラ感染症は、レプトスピラ細菌により引き起こされる感染症です。

保菌したネズミの尿や糞などに汚染された土に触れることによる経皮感染や、経口感染が感染経路と考えられています。

  • 発熱
  • 黄疸
  • 腎不全
  • 出血

上記のほか肝臓や腎臓に障害が現われる場合もあり、ひどければ死に至ることもある恐ろしい病気です。 

ワクチンをうち忘れても大丈夫なのか

驚く女性

ワクチンの種類や予防できる病気について見てきましたが、ワクチンをうち忘れてしまってもすぐに打てば問題ありません。

安全にワクチンを接種するために、念のため獣医師に忘れていた旨を伝えると安心です。

一度もワクチンを打ったことのない子犬の場合、初年度のワクチンプログラムを組んでもらいましょう。

いつも打っている飼い主さんで、今回たまたま忘れてしまったという方も心配ありません。

ワクチンは1年に1回の接種が勧められていますが、1年ちょうどで免疫がすべてなくなるわけではないためです。

この後紹介するワクチンを打つ際の注意点を踏まえてワクチンを打ちましょう。

ワクチンを打つための準備

病院の受付

これまでの内容を見て初めて子犬を飼った方でワクチンの必要性を感じていただけたら、ワクチンを打つための準備を確認しておきましょう。

狂犬病ワクチンの場合は犬の登録

狂犬病予防注射を打つために、市町村への犬の登録が必要です。

登録にかかる費用は3,000円程度みておくとよいでしょう。

お住まいの市町村や保健所などで手続きができるため、新しく犬を飼ったらなるべく早めに行う必要がありますが、市町村に委託された動物病院では登録を代行してくれるところもあります。

初回の接種と共に手続きをするだけなので、手軽に済ませたい方にはおすすめです。

登録が終わると犬の鑑札が発行されます。

鑑札は犬の一生に一度しか発行されない物であるため、大切に保管しておきましょう。

また狂犬病ワクチンを接種すると注射済票が発行されます。

注射済票は狂犬病ワクチンを打った証明となるため、こちらも次回接種までなくさないように保管してください。

ワクチンの費用

ワクチンの費用は病院ごとに異なりますが、目安としては以下のようになっています。

  • 狂犬病ワクチン(集合注射):3,000円
  • 狂犬病ワクチン(動物病院):3,000~4,000円
  • 混合ワクチン(6種):5,000~6,000円
  • 混合ワクチン(8種):7,000~8,000円

上記はあくまで目安であるため、接種前に動物病院に確認しておくとよいでしょう。

いつどのワクチンを受けたいのか、取り扱いワクチンの種類や在庫があるかどうかも確認しておくと安心です。

ワクチンを打つ際の注意点

ワクチンの注意点

最後にワクチンを打つ際の注意点は以下の3つです。

  • 狂犬病ワクチンと混合ワクチンを一緒に打つのは避ける
  • ワクチンは犬の体調がよい日に行う
  • 接種当日は安静にし、副反応に注意する

順番に見ていきましょう。

狂犬病ワクチンと混合ワクチンを一緒に打つのは避ける

狂犬病ワクチンと混合ワクチンの接種時期が重なっている場合、一緒に打てば一度に済むと考える飼い主さんも多いかと思います。

しかし犬の負担を考えて、一緒に打つのは避けましょう。

理由としては同時接種の安全性が確認されていないことと、副反応が出てしまった場合原因の特定が難しいことが挙げられます。

狂犬病ワクチンを先に打つのであれば1週間空けて混合ワクチンを、混合ワクチンを先に打つのであれば1ヶ月空けてから狂犬病ワクチンを接種してください。

ワクチンは犬の体調がよい日に行う

ワクチンは犬の体調のよい日に行いましょう。

ワクチンには弱毒化や無力化されたウイルスが含まれるため、少量でも犬の身体に負担をかけてしまいます。

元気や食欲が普段と比べて落ちているように見え、嘔吐や下痢などがある場合は獣医師と相談して見送ることも考えてください。

接種当日は安静にし、副反応に注意する

ワクチンを接種した当日は激しい運動を避けて安静を保ち、副反応が起こらないか観察しましょう。

ワクチン接種で起こる副反応として考えられるのは、顔面膨張や接種部位の赤みや痒み、嘔吐です。

特に打ってすぐはアナフィラキシーショックの危険を考えて、20~30分は病院内や病院近くで様子を見てください。

副反応は接種後半日以上経ってから出る場合もあるため、何かあった場合でもすぐに受診できる午前中に接種するのがおすすめです。

また同じくストレスのかかるトリミングや旅行の予定は接種後1週間は避けるようにすると愛犬にかかる負担が少なくなります。

まとめ

夫婦と愛犬

今回はワクチンについて必要性と種類、予防できる病気の概要や準備、注意点について解説しました。

ワクチンは病原体を体に入れるものなので愛犬を心配するあまり打たせたくない飼い主さんも少なくありません。

しかしかかってしまった感染症の重篤化を防ぐためや、周りへの感染拡大を防ぐために重要です。

うち忘れてしまった場合でもすぐに接種すれば問題ないため、獣医師と相談して適切な時期に必要なワクチンを打ってあげましょう。

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