【獣医師監修】犬が自分の尻尾を噛む理由と対処法について
愛犬が自分の尻尾を噛んでいる場合、複数の原因が考えられ、何かしらのトラブルを抱えている可能性があります。放っておくとエスカレートしてしまうこともあるので、早めに対処することが大切です。この記事では、犬が自分の尻尾を噛む理由や対処法について解説します。
犬が自分の尻尾を噛んでしまう原因
犬が自分の尻尾を噛んでいるのは、何らかの問題があるサインです。適切に対処するために、まずは尻尾を噛む理由を知っておきましょう。
1.皮膚炎を起こしている
皮膚炎による強い痒み、違和感によって気にして噛んでいる可能性もあります。 考えられる原因ですが、例えば細菌感染、ノミ・ダニなどの外部寄生虫の感染などが挙げられます。
ノミ・ダニの好適な環境条件は、気温18〜27度、湿度70%くらいです。そのため、4〜11月は月1回のペースで駆除薬を投与することが推奨されています。また、よく空調の効いた室内では、寒い季節であってもノミは繁殖します。心配な方は通年で駆除薬を使用して予防をするようにしましょう。
2.ストレスが溜まっている
ストレスが溜まっていると、自分の尻尾を追い回して噛むことがあります。ストレスの原因はさまざまですが、ストレスになりやすい要因としては、以下が挙げられます。
ストレスの要因(例)
- 退屈
- 運動量が足りていない
- コミュニケーション不足
- 社会化不足
- 引っ越しなど、生活環境の大きな変化
尻尾を噛んだからといって、ストレスの原因が取り除けるわけではありませんが、不満、不安、恐怖などの気持ちを紛らわせようとして、尻尾を噛む行動を取ってしまうこともあります。
病気が原因の場合も
犬は以下のような病気が原因で、尻尾を噛むこともあるので注意が必要です。
神経症状
神経症状により、異常な興奮を起こして尻尾を追いかけて噛むことがあります。
急に起き上がって尻尾を噛んだり、飼い主さんが呼びかけても止めることが出来ないくらい執着して噛んでしまう場合は、無意識下での神経症状による可能性があるので、早めに獣医師に診てもらった方がよいでしょう。
皮膚病
皮膚病により尻尾に炎症が起きている可能性もあります。放置していると二次感染を引き起こし、治るまでに長く時間がかかってしまいます。何度も尻尾を噛む場合は、炎症が起きていないかチェックしましょう。
常同障害
ストレスにより気を紛らわせるために、一時的に尻尾を噛むことは決して珍しいことではありません。しかし、1日に何度もみられるようであれば、常同障害が疑われます。
常同障害とは、ストレス状態がずっと続いたり、過度の不安でどうしたらよいかわからなくなったときなどに、常に同じ行動(今回の場合は尻尾を噛む行動)を繰り返していないと気持ちが落ち着かなくなってしまう精神疾患です。
常同障害の治療は、薬物療法や行動修正法により回復を図ります。尻尾を噛みちぎってしまうこともあるので、早めに動物病院を受診しましょう。
常同障害により尻尾を噛む行動が多い犬種
常同障害により尻尾を噛む行動は全ての犬に起こり得ますが、以下の犬種に多く見られる傾向にあります。
- 柴犬
- ポメラニアン
- ジャックラッセルテリア
- ミニチュアブルテリア など
詳しくはこちらの記事で解説しています
尻尾を噛んでしまう際の対処法
尻尾を噛む場合は、以下のように対処してやめさせるようにしましょう。
エリザベスカラーを装着する
エリザベスカラーを装着して、尻尾を噛むことができないようにするのも1つの対処法です。強い痒みを伴っている子の場合は頻繁に噛もうとすることが多いので、エリザベスカラーでガードすることによって、尻尾が傷つくのを防げます。
柔らかい素材のものやクッションタイプなどを選んであげれば、違和感が少なく、ストレスになりにくいでしょう。ただ、尻尾への執着が強い子や、体が柔らかい子の場合は、柔らかいエリザベスカラーだと尻尾をガードする能力が足りない場合があります。そういった場合は、硬くて丈夫なプラスチック製のものを選んであげましょう。
ストレスの原因を取り除く
ストレスが原因と思われる場合は、ストレスの原因を取り除くことで、尻尾を噛まなくなることが期待できます。
運動不足の場合は、散歩時間を長くする、定期的にドッグランで思いっきり走らせるなどの工夫をしてあげましょう。特に、狩猟犬や牧羊犬として活躍していた犬種などは運動欲求が高いので、運動量が足りないとストレスになりやすいです。
また、留守番が多い場合や、生活環境に大きな変化があった場合は、愛犬が不安な気持ちにならないよう、積極的にコミュニケーションを取るように心がけることが大切です。
ストレスの原因を探り、その原因に応じて対処するようにしましょう。
愛犬が尻尾を噛む場合は早めに対処を
愛犬が自分の尻尾を噛んでいるときは、要注意です。軽視せずに適切に対処して噛む行動をやめさせるようにしましょう。
また、ストレスにより常同障害に発展し、出血するほど執拗に尻尾を噛む場合は、飼い主さんの対処だけで治すのは難しいため、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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