犬の肥満にはさまざまなリスクがある!原因と予防法について解説

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フードやオヤツの与えすぎ、運動不足などで肥満になる犬が増えています。

肥満になると足腰に負担がかかるだけでなく、さまざまな病気の原因となります。

健康的な生活を送るためには、犬を肥満にさせないことが大切です。

今回は犬の肥満の基準、その原因と対策方法について解説します。

犬の肥満にはさまざまなリスクがある!原因と予防法について解説

目次

  1. 犬の肥満の判断基準
  2. 犬の肥満の原因
  3. 犬の肥満から生じる症状と病気
  4. 犬の肥満の予防法
  5. まとめ

犬の肥満の判断基準

犬の肥満の判断基準
Joa70

犬の肥満とは、人間と同じように脂肪によって体重が増加している状態のことです。

しかし犬種や性別、体格によって肥満の基準は異なるため、その判断は困難であるといえます。

ここでは、犬の肥満の一般的な目安として用いられる、適正体重と適正体型の2つの評価軸についてそれぞれ解説します。

適正体重

まずは体重を測定しましょう。

体重の測定を定期的に行えば、普段生活しているなかで気づくことができない変化を数値で把握できるため、異変に素早く対応できます。

理想的な体型時の体重を「適正体重」として、そこから10~15%を超える体重の増加を肥満とする場合が一般的です。

また、ここでの「適正体重」の定義についてですが、超大型犬種を除き、多くの犬は1歳の時点から体格は大きく変化しません。

そのため、愛犬が1歳のときの体重と比較して増加していた場合、肥満の可能性があると考えて良いでしょう。

適正体型

適正体型を判断する指標として、ボディ・コンディション・スコア(Body Condition Score:BCS)があります。

スコアは5段階評価で、理想的な体型である標準体型をBCS3とし、スコアが小さいほど痩せ気味、スコアが大きいほど太り気味であるといえます。

BCSでのチェックポイントは肋骨と腰椎、骨盤です。

以下に、BCSを判断する体系の目安を紹介します。

BCS

出典:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るため

犬の肥満の原因

犬の肥満の原因
AmberShadow

そもそも、犬はなぜ肥満になるのでしょうか。

犬の肥満にはさまざまな原因が考えられますが、犬の肥満は大きく分けて飼い主による原因と病気による原因があります。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

飼い主による原因

犬の体重が増加し、肥満状態になるのは、食事による摂取カロリーが一日の消費カロリーを上回っていることが主な原因です。

その具体的な状況について解説します。

ドッグフードの食べすぎ

愛犬にあった栄養バランスのよいドッグフードであっても、与えすぎると肥満の原因となります。

与えた途端に食べてしまったからといって、ドッグフードを補充するのはやめましょう。

すぐに食事が終わってかわいそうと思われるかもしれませんが、犬は人間に比べて消化液が強くすぐに消化されるので、心配する必要はありません。

また、ドライフードは「つい、多めに出てしまった」ということもあり、与える量にばらつきが出やすいので注意が必要です。

おやつの食べすぎ

ドッグフード同様、おやつも与えすぎると肥満の原因となります。

かわいい愛犬が「おねだりしてくるから」「おいしそうに食べるから」といっておやつを与えていると、積み重ねで肥満に至ってしまいます。

運動不足

食事やおやつの量が適切であっても、運動不足により消費カロリーが少なくなると、肥満になることがあります。

また、犬は太れば太るほど体が重くなって動きたがらなくなるため、毎日のお散歩を嫌がったり、外出するのを拒んだりするようになります。

それにより、さらに運動不足の状態が重なり悪循環となってしまうのです。

ストレス

犬の肥満の原因の根底に、ストレスがあります。

家での退屈な生活が続くと、刺激のないことがかえってストレスになり、刺激不足によって食べることだけが楽しみである生活に陥ってしまいます。

飼い主が時間を確保できずに散歩や遊びの時間が減り、食べることだけが生きがいになると、どんどん体重が増加してしまうでしょう。

去勢、避妊手術

去勢や避妊手術をすると、犬は太りやすくなります。

その原因は2つありますが、まず手術をすると性ホルモンの影響を受けなくなるため活動量が減り、消費エネルギーが減ります。

一方で性ホルモンのなかに食欲を抑制させる働きをもつものがあるのですが、去勢や避妊手術によってそのホルモンが減少してしまうのです。

つまり食欲が増加するのにも関わらず、消費エネルギーが落ちることにより、太りやすくなるのです。

病気による原因

犬は病気によって太ることもあります。

病気が原因で太る場合、犬は急激な体重増加をすることが多いです。

食事量をきちんと管理して、適度な運動をしているにもかかわらず太る場合は病気の可能性があります。

動物の病気を診断する目安として、食欲の変化があげられますが、以下で述べる病気はいずれも食欲が落ちることがないため見過ごされやすいです。

そのため、気づいたときには深刻な状況になっていることもあります。

それぞれの病気の症状を確認して、早期発見に役立ててください。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

クッシング症候群とは、腎臓のそばにある副腎から分泌される「コルチゾール」というホルモンが過剰分泌することにより、体に悪影響を与える病気です。

犬でよくみられるホルモン異常の病気ですが、症状が進行すると免疫力が低下します。

皮膚炎や膀胱炎などにかかりやすくなったり、糖尿病などの病気を併発したりするので注意が必要です。

クッシング症候群になると、犬のお腹が張り、たるんだような体型になります。

症状としては、多飲多尿、毛が抜けて薄くなる、足腰が弱くなる、ことが挙げられます。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症とは、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの分泌が少なくなることによって起きる病気です。

甲状腺機能低下症により体重が増加すると、動きが鈍くなったり、疲れやすくなったり、元気がなくなったりします。

さらに体毛が左右対称に抜け落ちる、皮膚の色素沈着や乾燥といった症状も見られます。

発症がシニア世代に多いため、この病気でよく見られる症状は加齢のせいだと思われがちです。

食欲も落ちず体重も増加するため放置されやすい病気なので、覚えておきましょう。

肝臓疾患

肝機能に異常が生じて肝臓が肥大化すると、お腹が膨らみます。

肝臓に疾患がある犬は、活動が鈍く、ぼんやりしていることが多くなります。

食事や運動面で肥満の原因がないのに愛犬のお腹が膨らんでいる場合は、一度病院で診察してもらうのが良いでしょう。

循環器疾患

心不全によって腹水がたまると、お腹が張って太ったように見えます。

また、体調が悪いにもかかわらず、腹水によって体重が増加することもあります。

犬の肥満から生じる症状と病気

犬の肥満から生じる症状と病気
Republica

犬が肥満になると、次のような深刻な症状や病気にかかるリスクがあります。

足腰への負担

体重が増えると、当然それを支える足腰への負担が大きくなります。

そして、足腰への負担が大きくなると、骨や関節の病気を引き起こす原因になったり、症状を悪化させたりすることになります。

具体的には捻挫や骨関節炎、椎間板ヘルニアのリスクが高まるでしょう。

これらは重症化すると歩行困難になってしまうこともあります。

特に、胴が長く足の短いミニチュアダックスフンドやコーギー、バセットハウンドなどは足腰への負担が深刻になりやすい犬種です。

寿命の短縮

犬も人間同様、肥満により寿命が短くなります。

ある研究(※)によると、家庭で飼育されている12犬種で、適正体重の犬と過体重の犬の寿命を比較したところ、12犬種すべてにおいて過体重の犬の方が約数ヵ月~2年半も平均寿命が短かったことが報告されています。

(※) Association between life span and body condition in neutered client‐owned dogs, Carina Salt, Penelope J. Morris, Derek Wilson, Elizabeth M. Lund, Alexander J. G

呼吸器の問題

肥満が原因で首のまわりに脂肪がつくと、気道が圧迫され、呼吸がしづらくなります。

咳やいびきの原因となったり、呼吸のしづらさから体温を下げることが難しくなり、熱中症などにかかりやすくなることもあります。

糖尿病

肥満になると、血糖値を下げるインスリンの働きを弱めます。

血糖値の上昇が抑えられなくなってしまい、血糖値が常に高い状態になると糖尿病を発症します。

糖尿病になると、網膜症や白内障など、さまざまな合併症を引き起こすこともあるので注意が必要です。

シュウ酸カルシウム尿路結石

肥満により内臓脂肪が増えると、尿路を圧迫し、尿の通路を塞いだり炎症を起こす原因となったりと、病状を悪化させる可能性があります。

犬の肥満の予防法

犬の肥満の予防法
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犬は肥満が原因で寿命が短くなったり、深刻な病気にかかったりします。

大切な愛犬と楽しく健康な生活を送るためにも、きちんと予防をしましょう。

少し意識を変えるだけで、犬の肥満のリスクを抑えることができるので、ぜひ実践してみてください。

食事を見直す

まずは、日頃の食生活を見直しましょう。

現状のドッグフードは愛犬に合っているか?量や回数は適切であるか?おやつを与えすぎてはいないか?など、一度食生活を見直してみると良いでしょう。

注意点としては、ドッグフードの量です。

ドッグフードに表記されている量の目安は、あくまで一般的な目安に過ぎないため、愛犬の犬種や月齢、体格に合わせて適切な量を与えるようにしましょう。

また、食事に関して自分ではわからない場合は、獣医師さんに相談してみてください。

人間用の食事は与えない

犬が欲しがるからといって、人間用の食事を与えるのはやめましょう。

嗜好性のよい人間用の食事は犬にとっても魅力的なものです。

しかし、人間用の食事はドッグフードに比べてカロリーが高く、塩分や糖分、脂分が多く含まれています。

犬と人間とでは必要な栄養素が違うため、人間にとっては栄養バランスの良い食事であっても、犬にとっては栄養バランスの悪い食事になってしまいます。

愛犬には人間の食事ではなく、"犬の栄養バランス"を考慮した食事を与えましょう。

適度な運動をさせる

カロリーを消費するためには、運動が最適です。

毎日のお散歩だけでなく、休日は広い公園やドッグランに連れていき、思う存分走り回りましょう。

運動を通じて、愛犬とコミュニケーションをとることができ、より良い関係性を築くことができますよ。

スキンシップやコミュニケーションを増やす

散歩や運動も大切ですが、飼い主さんやほかの人たちと触れ合う刺激も大切です。

おもちゃで遊んであげたり、一緒にゲームをしたりなど、スキンシップやコミュニケーションになるようなことを毎日行いましょう。

定期的に体重、体型を確認する

愛犬と日頃からずっと一緒にいると、小さな変化に気づくことが難しくなります。

そのため、飼い主さん自身は気にかけているつもりでも、いつの間にか肥満気味になってしまうことがあります。

それを防ぐためにも、冒頭で述べた、適正体重、適正体型のチェック項目を定期的に振り返りましょう。

まとめ

まとめ
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本記事では、近年増加している「犬の肥満問題」について、犬の肥満の基準、その原因と対策方法について解説しました。

犬は一旦体重が増加すると、減らすのが難しくなります。

肥満状態にならないためにも、今回述べた予防法をしっかりと実践し、適正体重を保ちましょう。

愛犬に健康で長生きしてほしいと思うのであれば、飼い主さんがしっかりサポートしてあげてくださいね。

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