犬が口をパクパクする理由を解説!病気が隠れている可能性も・・・
「愛犬が口をパクパクしているけど、どうしたのかな?」と気になったことはありませんか?言葉を話すことができない犬は、仕草や行動で自分の伝えたいことを表現します。犬が口をパクパクするという行動の原因は大きく2つに分けることができますが、中には病気が隠れている可能性もあるため、愛犬が口をパクパクさせていたらそれ以外の行動もよく観察してください。今回は、犬が口をパクパクしている時の理由を詳しく解説します。
目次
犬が口をパクパクする時に考えられる原因は4つ
犬が口をパクパクする原因として考えられるものは、一時的なものと継続的なものの2つに分けることができます。一時的な場合は心理的なことが原因となっている場合が多く、頻繁にパクパクする場合には何らかの病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。
一時的にパクパクしている:心理的なものが原因の可能性
犬は自分の心理状態を仕草や行動で相手に伝えようとします。これを「カーミングシグナル」と呼びますが、口をパクパクする行動はカーミングシグナルの一つと考えられています。
興奮やストレスを感じている
お散歩の前やごはんの前などの気分が高まっているときや、苦手なシャンプー、動物病院などでストレスや緊張を感じたときには口をパクパクして自分を落ち着かせようとすることがあります。ストレスを感じた場合、口をパクパクするほか、あくびをしたりため息をつくことも多いです。
相手に敵意がないことを伝えている
愛犬が他の犬の前で口をパクパクしているときには、相手を落ち着かせようとしていたり、「敵意はないよ」と伝えようとしていると考えられます。
リラックスしている
ため息と同じで、リラックスしているときにも口をパクパクすることがあります。たくさん遊んだ日やごはんを食べて満足しているときに見られるため、愛犬の様子に特段異変がないのであればリラックスしていると捉えてよいでしょう。
カーミングシグナルについて詳しくはこちら
継続的に口をパクパクする:怪我や病気が原因の可能性も
犬が口をパクパクする原因として、口の中や体のどこかに違和感がある可能性が考えられます。興奮時やストレス時などの一時的なものでなく、シチュエーション関係なく頻繁に口をパクパクさせる場合、次のような原因が考えられるので注意深く観察することが大切です。
誤飲した
おもちゃや小さい雑貨など異物を誤飲した場合、飲み込んでしまったものを吐き出そうとして口をパクパクします。よだれが大量に出たり吐こうとする様子が見られたら誤飲の可能性があります。飲み込んでしまったものによっては窒息や腸閉塞を引き起こすこともあるので、早急に動物病院へ連絡しましょう。
口の中に違和感がある
自分の口腔内に何らかの違和感を覚えると、犬は口をパクパクして異物を取り除こうとします。口の周りの被毛の長い犬の場合、自分の被毛が口の中に入りやすいため、短くカットしてあげるのがおすすめです。
また、口の中や歯が痛いとき、歯の生え始めや生え変わりの時期にも口をパクパクすることがあります。
病気の可能性も
何もない虚空を見つめ食べようとしたり、何かを目で追うような様子が見られたら、フライバイト(ハエ追い行動)の可能性があります。常同行動の1つとされ、精神的にストレスを感じているときにこのような行動を起こすことがあると言われています。一時的であれば様子を見ることもありますが、頻繁に繰り返すようであればかかりつけ医に相談してください。
こちらの記事もチェック
犬が口をパクパクする時に考えられる病気とは?
犬が口をパクパクする時は、ストレスなどの精神的な問題以外にも病気の可能性もあります。頻繁に口をパクパクしている時には、以下のような病気が隠れているかもしれません。
てんかんの部分発作
てんかん発作は、脳の中枢神経に激しい興奮が起こることによって引き起こされます。発作の原因には、脳に異常が認められない「特発性」と、脳に異常が認められる「症候性」の2種類があり、発作の種類は脳の一部分に起こる部分(焦点)発作と脳の全体で起こる全般発作があります。
口をパクパクさせる症状が出た場合に考えられるのは部分発作です。視覚の異常から何かが見えているように口をパクパクさせたり、急にぼーっと立ち止まる、尻尾を追いかけるなどの反復行為がみられます。頻繁に口をパクパクしていたり、何かを捕まえようとしているなど、いつもと違う行動が見られたら、早めに動物病院に連れて行きましょう。
詳しくはこちらの記事をチェック
口腔内の病気
犬が口をパクパクしている時に最も考えられるのが口腔内の病気です。代表的な病気として次の2つが考えられます。
口腔内腫瘍
犬は、口の中に良性の腫瘍、悪性の腫瘍、炎症に伴う腫瘤などが発生しやすいと言われています。特に気をつけなければいけないのが悪性腫瘍です。代表的なものとして、悪性メラノーマ、扁平上皮癌、線維肉腫などがあります。特に多い悪性腫瘍がメラノーマで、これはメラニン色素をつくる細胞がガン化したもので、口の中での発生が多いと言われています。転移率が高いことが特徴です。
また扁平上皮癌は、粘膜にできる悪性腫瘍でしこりや潰瘍として現れることが多く、骨への浸潤性が高いことが特徴です。口の中に固く平べったいしこりとなって現れるのが線維肉腫です。
こちらの記事もチェック
歯周病
3歳以上の犬の80%がかかっていると言われている病気が歯周病です。歯周病は、歯垢で繁殖した歯周病菌によって歯茎に炎症が起こる病気で、進行すると歯が抜け落ちてしまいます。人間と違い犬は歯垢が溜まりやすく、わずか3日ほどで歯石が形成されているため注意が必要です。
犬が口をパクパクする以外に他の症状を併発している場合は要注意
犬が口をパクパクさせているのと同時に、他の行動や症状を併発している場合はさらに注意が必要です。行動の状態によっては、大きな病気が隠れている可能性もあるため、早めに動物病院に連れて行きましょう。
病気が隠れている時に見られる症状
犬が頻繁に口をパクパクしているだけではなく、以下のような症状も見られたら注意が必要です。大きな病気が隠れている可能性があるため、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
- 吐きたがる
- 嘔吐
- 下痢
- よだれに血が混じる
- ふらふらと歩きまわる
- 口をもぐもぐさせる
- 顔面や四肢のけいれん
- 尻尾を追いかける
- チック症状(犬の意思と関係なく体が動いたり痙攣したりする)
- 瞳孔が開いたままになる
- 鼻血 など
歯や口腔内の病気の時に見られる症状
頻繁に口をパクパクしている以外にも以下のような症状も見られる場合には、口腔内になんらかの異変が起きている可能性があります。状態が悪化する前にかかりつけ医に相談してください。
- 口をパクパクしながら頭を振る
- よだれが多い
- 口臭がきつい
- パクパクしながらくちゃくちゃと口を動かす
- 口を触ろうとすると嫌がる
- 顔が腫れている
- ドッグフードをポロポロこぼす
- 食欲低下や元気喪失
- テキスト
犬が口をパクパクする時は愛犬の様子をよく観察しよう!
犬が口をパクパクしていたら可愛らしいと思ってしまうかもしれませんが、パクパクには心配のいらないケースだけでなく、重大な病気のサインであったり、早急に処置しなければいけない可能性もあります。
頻繁に口をパクパクしている、触るのを嫌がるというような場合にはなるべく早めに動物病院で検査してもらいましょう。
こちらの記事もチェック!
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。