愛犬の元気がない時に飼い主がすべき対応は?症状別に対応方法を解説
いつも元気ハツラツな愛犬が、なんとなくおとなしい、ぐったりしているように見える、食欲がない、お散歩に行きたがらないなど、なんだかいつもと様子が違うと感じたことはありませんか?いつもと何かが違う、そう感じた時、私たち飼い主はどのような行動をとればいいのでしょうか?
今回は、犬の元気がない時に考えられること、飼い主としてどうすればいいのかなどを症状別に解説します。
犬に元気がない時の原因とは?
一言で元気がないと言っても、さまざまな症状があります。犬に元気がない時は、なんとなく元気がない、グッタリしているなど犬がどのような状態なのかをよく観察することが大切。動物病院へ連れて行くとしても、「いつから」「どのように」元気がないのかを伝えられないと適切な処置をしてもらえない可能性があります。
まずは、次の症状チェック項目で元気のない原因を探ってみましょう。
嘔吐や下痢をしている
犬は人間に比べ、嘔吐することが多い動物です。吐いてしまった後でもケロっと元気に戻るのであればあまり気にする必要はありませんが、元気がない上に嘔吐や下痢をしている場合には消化器の病気が疑われます。
嘔吐や下痢の症状が出る前に、玉ねぎやチョコレートといった中毒を起こすようなものを食べていないか、ボールなどの異物を飲み込んでしまっていないかを疑います。また、梅雨時や夏には熱中症の症状としても嘔吐や下痢をすることがあるので、体温が上昇していないかも確認しましょう。
誤飲や熱中症の疑いがない場合は、ウイルス、寄生虫などによる感染症や内臓疾患などが原因となっている場合があります。また、吐きたいのに吐けないそぶりを見せている場合には、胃捻転の可能性もあるため注意が必要です。嘔吐や下痢が3日以上続く場合は、脱水症状につながることもあるため、動物病院へ連れて行くことがおすすめです。
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食欲がない、食べたがらない
健康な犬たちにとって、一番の楽しみが食事の時間です。そんな大好きなご飯の時間になっても寝ている、ご飯を残す、ご飯を食べない、食べ物を差し出すと顔をそむけるなど、食欲がない、食べたがらない場合は、ストレスや加齢によるものなど病気以外の原因と病気を原因とするものがあります。
ストレスや過労による食欲不振は一時的なもので、一晩経つと食欲が戻ってきたり環境を改善すると元気になってくれたりします。しかし、2日経っても食べたがらない場合は、胃腸炎をはじめ甲状腺機能低下症、腎臓疾患、心臓病、悪性腫瘍などさまざまな病気の可能性も考えられます。
特に、シニアの犬の場合は、重篤な病気が隠れていることも考えられるため、すぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。反対に、成長期で食欲があるはずの子犬が食欲をなくした場合も低血糖などを発症する可能性があるため、動物病院へ連れて行ってください。
また、食べ方がいつもより遅い、固いものを残すなどの症状が見られた場合は、歯周病や口の中に腫瘍ができている可能性もあります。
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歩きたがらない、触ると痛がる
犬は、どこかに痛みがあると今までは大好きだったお散歩に行きたがらなくなります。特に、関節、腰、脊椎などに痛みがある場合や怪我をしている時は歩くことをとても嫌がります。痛みのある場所を触るとキャンと鳴いたり、あまりに痛みがひどい時には震えることもあります。
また、痛みのある場所を舐めていることも多く、被毛が赤茶色に変色していたり、被毛が抜けている時には、怪我をしている可能性や何らかの原因で痺れが出ていることが考えられます。2~3日様子を見て、症状が変わらない場合は獣医師に診察してもらいましょう。
色のついた鼻水が出る、鼻水に血が混ざる
通常、犬は鼻水が出るとすぐに舐めてしまうため、飼い主が気がつくことはあまりありません。しかし、大量に鼻水が出たり、鼻水に色が付いている場合は、ケンネルコフ、肺炎、肺水腫、鼻腔内腫瘍などを発症している可能性があります。
犬の病気には、人間が罹患する風邪はありません。そのため、犬が鼻水が出している場合、経過観察することはお勧めできません。人間と違い犬の鼻の構造はとても複雑なため、全身麻酔をかけて検査をすることもあります。鼻水に異常を感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
息が荒い、苦しそうに息をする、咳をする
犬が元気がないだけではなく、苦しそうに息をしている場合は、呼吸器に何らかの問題がある可能性があります。
また、咳をする場合には、心臓病が疑われます。ぐったりして元気がない上に、呼吸が荒い場合は、唇をめくり歯茎が白や紫色になっていないか確認しましょう。歯茎の色が白いまたは紫色をしている時には、酸欠状態であったり貧血を起こしている可能性があります。
このような症状が見られたら、早めに動物病院へいくことが大切です。
特に症状がないけれ愛犬に元気がない場合の原因とは
犬は飼い主が思っている以上に神経質な面があり、嘔吐や下痢などの症状がない場合や病気の可能性がある状態以外にも元気がなくなることがあります。その多くはストレスだと考えられますが、どんな時に元気がなくなるのか状況別にご紹介します。
予防注射後に元気がない
犬によっては予防注射は大きなストレスとなります。特に、神経質な性格の犬は、症状はないけれど元気がなくなることがあります。また、副作用として元気がなくなることもあります。あまりに元気がなく、ぐったりするなどの症状が現れた時には、副作用が強く出ている可能性があるため、獣医師にその旨を伝えて診察してもらいましょう。
飼い主と離れている時に元気がない
ペットホテルやペットシッターに預けられた時に、元気がなくなる犬が多くいます。
この場合は、慣れない環境や飼い主と離れていることへの不安から、大きなストレスを感じている可能性があります。預ける機会が多い場合は、普段から飼い主と離れることに慣れさせておくようにすることが解決方法としてありますが、犬は飼い主との信頼関係を大切にする動物なので、なるべく長期間離れ離れにならないように努力することも大切です。
生活環境が変わって元気がなくなる
犬は、環境の変化に敏感です。引っ越しや結婚、子どもが生まれたなど住環境の変化によって元気がなくなることがあります。特に、引っ越しによってテリトリーが変わることは犬にとって大きなストレスです。
また、新しい環境に馴染むまでも時間を要することがあるため、元気がない、無駄吠えをする、下痢をするなどいつもとは違う症状が見られた場合には、ストレスや不安を解消してあげるように気を配ってあげましょう。
また、結婚や離婚、子供が生まれたなどの家族環境の変化も犬にとってはストレスとなることがあります。犬は仲間意識が強い動物です。家族は自分にとって大切な仲間。家族環境が変わることで、もし犬に元気がなくなってしまったら、犬が仲間外れの気分を感じている可能性が高いので、十分に気をつけることが大切です。
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手術後に元気がない
大きな手術では、全身麻酔を使用するため、術後しばらくはボーッとして元気がなくなることがあります。また、傷の痛みや入院によるストレスから元気がなくなることもあります。手術のあとはなるべく安静にして、元気が回復するまでは様子をよく観察してあげてください。
季節の変わり目に元気がなくなる
室内飼いが増えてきた最近では、季節の変わり目に体調を崩したり元気がなくなる犬が増えてきています。
室内環境が年間を通じて一定の気温である場合、外の気候変化に体がついていかなくなっていることが考えられます。季節の変わり目にぐったりして元気が無くなったり、食欲がなくなる、下痢をする場合には、寒がっていないか、暑すぎないかなどの環境や犬の状態をよく観察してあまりにも体調が悪そうな場合は、動物病院へ連れて行きましょう。
愛犬に元気がない時は、原因を探ることが大切
犬に元気がない原因はさまざまです。お散歩に行ってもいつものように元気よく歩かない、ボール遊びをしたがらないそんな症状が見られることもあります。まずは、なぜ元気がないかその要因を考えてみることが先決です。見過ごしがちな些細なことが要因となっていることもあります。
もし、嘔吐や下痢などの症状が出ている場合は、過去1週間以内に、どんなものを食べたのか、誤飲してしまいそうなものはなかったかなどを細かく思い出すことも必要です。また、あまりに元気のない状態が長く続いていたり、いつもとは様子が違うと感じた場合には、病気が隠れている可能性もあります。
どんな原因にしても、犬に元気がないことはとても心配なことですよね。あまり長い期間、様子見をせずに、元気のない状態が3日以上続くようであれば、動物病院に連れて行くことが大切です。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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