ラム肉を犬に食べさせても平気?気になる栄養素と与える際の注意点3つ
犬にラム肉を与えてもいいのか疑問に思ったことのある飼い主さんもいるのではないでしょうか。ラム肉は犬に食べさせても大丈夫な食材ではありますが、与える際にはいくつかの注意点があります。
ここでは、ラム肉の栄養素や犬に与える際の注意点、ラム肉を使ったおすすめレシピをご紹介します。
犬はラム肉を食べてもOK!
ラム肉はドッグフードのベースにも使用されることのある、犬に与えても良い食材です。羊肉は大きく分けて「ラム」と「マトン」という呼び名で区別されており、ラム肉は生後1歳未満の仔羊のお肉のことを指します。1歳以上のマトン肉に比べると柔らかく、独特の臭みもありません。
ラム肉の栄養素・成分を紹介
ラム肉の栄養素・成分についてご紹介します。(※)
ビタミン
ラム肉にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEが多く含まれています。
ビタミンB1、ビタミンB2には栄養素の代謝をサポートしたり、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。ビタミンEは活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンで、身体の機能を正常に保つ働きがあります。
水溶性ビタミンについてはこちらの記事をチェック
鉄
鉄はミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在します。鉄が不足するとヘモグロビン量が減り、赤血球の数が減るため、酸素の供給が十分にできずに「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる状態になります。
たんぱく質
たんぱく質は筋肉・臓器・皮膚などの体を構成する成分で、体のほとんどの部位に関与する、とても重要な成分です。炭水化物、脂質と共に、エネルギーを産生する栄養素のひとつでもあります。
たんぱく質はアミノ酸と呼ばれる成分が鎖状に繋がってできたものですが、ラム肉の赤身の部分にはアミノ酸由来の「L-カルニチン」という脂質代謝に関与する成分が多く含まれていることがわかっています。また、L-カルニチンはアンチエイジングの効果も期待できるといわれています。
たんぱく質の役割についてはこちらの記事をチェック
ラム肉を与えるメリットは?
ラム肉を犬に与えることのメリットはなんでしょうか?
消化に適している
良質なたんぱく質が多く、犬の消化吸収に適している食材です。
貧血予防
鉄分が多く含まれているので、貧血防止・造血作用が期待できます。
身体を温める作用
ラム肉に含まれるL-カルニチンには身体の新陳代謝を促し、冷えを防ぐ働きがあります。
活力
必須アミノ酸が豊富に含まれているので、疲れやすい犬や高齢の犬に与えると効果的です。
コレステロールの減少
不飽和脂肪酸により、悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。
脂肪の燃焼
L-カルニチンは脂肪の燃焼を促進するとされています。
犬にラム肉を与える際の注意点3つ
犬に与えることのできるラム肉ではありますが、与える際には次のような注意点があります。
【1】加熱して与える
生のラム肉は、肉類の中では寄生虫や細菌の数が少なく、牛肉と同様新鮮なものであれば食べても問題ないとも言われていますが、寄生虫感染や細菌感染を起こす可能性は否定できません。そのため、健康状態が良い成犬であれば問題ないかもしれませんが、特に免疫力が不十分な子犬や高齢犬、病気などで免疫力が低下している犬に食べさせる場合は加熱してからのほうが安心です。鮮度が落ちた場合は、健康な成犬であっても火を通して与えるようにしましょう。
【2】与える量に注意
ラム肉に限りませんが、犬に食べ慣れない食材を与えると消化不良を起こすことがあります。犬は欲しがるかもしれませんが、まずは少量与えて下痢や嘔吐などの異常が現れないか確認しましょう。
また、消化不良を起こさなかったとしても、ラム肉はとても低カロリーというわけではなく、脂質も多く含まれているため、与えすぎれば肥満の原因となったり、栄養バランスが崩れてしまうことも考えられます。与える量は加減し、細かく刻んで与えましょう。
【3】与えた後は様子を観察する
上述したとおり、犬にラム肉を与えた後は下痢や嘔吐などの症状が現れることがあります。また、体質によってはアレルギーを起こすこともあります。食物アレルギーでは主に口や目の周り、耳、脇、足先などの皮膚にかゆみが生じる様子が現れます。
これらの症状が現れた場合にはラム肉を与えることを中止し、症状の程度によっては動物病院を受診する必要があります。ラム肉を与えた後は、犬の様子に変化が無いか観察しましょう。
【4】肝臓に疾患がある場合は与えない
肝臓の機能を回復するためには肝臓の負担を減らすことが大切ですが、ラム肉に含まれるL‐カルニチンは肝臓で合成されるため、肝臓に疾患がある犬には与えないほうがよいでしょう。
ラム肉を使ったおすすめの犬用レシピ
新鮮な生のラム肉を入手することは難しいですが、最近ではインターネットで冷凍のラム肉を手軽に購入することができます。ここでは、愛犬のためのラム肉を使ったおすすめレシピを3つご紹介します。
ラム肉と野菜のポトフ
まずは、水分補給にもなるポトフです。
<材料>
- ラム肉・・・40g
- キャベツ・・・20g
- じゃがいも・・・30g
- さつまいも・・・30g
- 水・・・150cc
<作り方>
- 全ての材料を食べやすいサイズに細かく切る。
- 鍋にじゃがいも、さつまいも、水を入れて火にかける。
- 具材に火が通ったらラム肉、キャベツを入れる。
- キャベツがしんなりするまで煮込んだら完成です。人肌程度に冷まして与えましょう。
ラム肉とかぼちゃ、大根の雑炊
次に、かぼちゃや大根を使った雑炊です。
<材料>
- ラム肉・・・30g
- かぼちゃ・・・20g
- 大根・・・20g
- 炊いたお米・・・50g
- 水・・・100cc
<作り方>
- 鍋にかぼちゃ、大根、水を入れて具材に火が通るまで煮込む。
- 炊いたお米、ラム肉を入れて更に5分ほど煮込む。
- 冷まして完成です。
ラム肉のミンチふりかけ
最後は、ラム肉だけで作れる100%お肉のふりかけです。
<材料>
- ラム肉・・・好きなだけ
<作り方>
- ラム肉をフードプロセッサーでミンチにします。
- オーブンのトレーにクッキングシートを敷き、ミンチ肉を平らに並べます。
- 170度で30分加熱します。焦がさないよう、途中で様子を見ながら時間を調整します。
- オーブンから取り出し、キッチンペーパーに広げて油をとりながら乾燥させ、完成です。
ラム肉は適切な量を守って
ラム肉は犬に積極的に与えた方が良い食材、というわけではありませんが、トッピングをひと工夫したいときや、病気などで食欲が低下しているときにはおすすめできる食材です。鶏肉や豚肉などと比べ入手しにくい食材ではありますが、上手に使えれば手作りごはんのレパートリーが増えるかもしれませんね。与える際には愛犬の健康を損ねることの無いよう注意点を守り、適度な量で与えましょう。
<参考文献>
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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