犬にはちみつはNG?おすすめできない理由と食べてしまった場合の対処法
甘くてとろみのあるはちみつは、ホットケーキにかけてもヨーグルトに入れても美味しく、栄養が豊富で体にも良いとされていることから人気の食材です。しかし、赤ちゃんに与えてはいけない、という話があるように、犬にも食べさせないほうがよいとされています。ここでは、犬にはちみつがおすすめできない理由や与えてしまった場合の対処法、考えられる症状について解説します。
目次
犬にはちみつは与えない方がベター
はちみつのおよそ8割はブドウ糖や果糖などの糖類です。そのため、犬に与えると喜ぶかもしれませんが、はちみつを与えるのは控えた方が良いと考えられています。
一番の問題は、はちみつはボツリヌス菌に汚染される危険性がある食品ということで、食中毒を起こす可能性があります。また、アレルギー反応を起こしたり、与える量によっては肥満に繋がることがあります。
はちみつを食べさせないほうがいい理由
犬にはちみつを与えることがおすすめできない理由には、次のようなものが挙げられます。
アレルギーを起こす可能性がある
犬の体質によっては、はちみつに対してアレルギー反応を起こすことがあります。
アレルギーになると身体を痒がったり、軟便になることがあります。
カロリーオーバーになりやすい
はちみつのおよそ8割はブドウ糖や果糖などの糖類です。そのため、犬に与えると喜ぶかもしれませんが、与えすぎると肥満に繋がります。
虫歯の原因になることがある
犬は人と比べ虫歯になりにくいとされています。その理由の1つに、犬は唾液中にアミラーゼという消化酵素を含まないために、口腔内で糖が作られないということが挙げられます。
虫歯菌は糖質をエサにして繁殖しますが、はちみつには糖質が多く含まれているため虫歯になるリスクが高くなると考えられます。
ボツリヌス症を引き起こす可能性がある
犬がボツリヌス菌が混入したはちみつを食べることで、食中毒の一種であるボツリヌス症を発症する可能性があります。通常はちみつは包装する前に加熱処理されていないため、生きたボツリヌス菌が入っていることがあります。
更に、熱に強いため自宅で通常の加熱調理をしたとしても簡単には死にません。耐熱性は120℃で4分とされています。
犬が誤ってはちみつを食べてしまったときの対処法
はちみつを与えても症状が現われない場合は、様子を見ても大丈夫です。体調に変化が見られたら、次のように対処しましょう。
まずははちみつを与えることを止める
体調が悪化する前に、はちみつを与えることを中止しましょう。
身体を痒がるなど、はちみつに対するアレルギー反応であれば、はちみつを与えることを止めれば症状が改善する可能性があります。
よだれや虚脱、呼吸困難などの症状が見られたら
頻繁によだれを垂らしたり歩きづらそうな場合は、ボツリヌス症の疑いがあり、自宅での対処は困難です。早急に動物病院を受診しましょう。
はちみつを食べた直後であれば、吐かせるための処置や胃の洗浄が行われることがあります。必要に応じて血液検査や尿検査を行ったり酸素吸入や薬剤の投与が行われます。
はちみつを食べてしまった場合に考えられる症状
人の場合、1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると乳児ボツリヌス症にかかることがあり、便秘や哺乳力の低下、元気が無くなるなどの症状が現れるため与えてはいけないとされています。
では、犬が摂取した場合にはどのような変化が見られるのでしょうか?
アレルギーの症状
アレルギーになると皮膚を痒がったり、目の充血、軟便、下痢や嘔吐などの症状が見られることがあります。
ボツリヌス症の症状
犬がボツリヌス症を発症した場合、はちみつを摂取した後24〜48時間で中毒症状が現れます。全身の虚脱や瞳孔の散大、嚥下障害により唾液を飲み込めなくなり、よだれを垂らすなどの様子が見られます。
更に嘔吐や全身の衰弱のために誤嚥性肺炎を起こし、最悪の場合呼吸麻痺を起こし死に至ることもあります。
虫歯の症状
犬に虫歯ができると、人と同じように歯が茶色くなり、進行するにつれ黒く変色します。もろくなった歯には穴が開いたり、歯の神経にまで感染が広がり歯髄炎と呼ばれる状態になってしまいます。
栄養ははちみつでなくても補える
はちみつは栄養が豊富ですが、ボツリヌス菌によるリスクがあります。また、8割が糖類であり肥満になりやすいというリスクを考えると与えない方が良いものと言えます。
基本的には質の良いドッグフードをきちんと食べていれば必要な栄養素を摂取できるので、食欲が低下し痩せてきて、何か食べものを食べさせたい時などに参考にしましょう。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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