犬のしつけ「ホールドスチール」とは?目的や効果、しつけ方法や注意点を解説
犬のしつけ方法のひとつ「ホールドスチール」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?別名「拘束静止法」とも言い、犬を背後から抱え込み動きを静止させることで、服従本能や信頼関係を育てるしつけのことを指します。ここでは「ホールドスチール」のやり方や注意点について解説します。
目次
ホールドスチールとは?どんな目的で行うしつけ?
ホールドスチールとは?
ホールドスチールとは、犬を背後から抱え込み動きを静止させることで、服従本能や信頼関係を育てるしつけのこと。犬の性格によってはこのしつけの方法が合わない子もいますが、効果が期待できる子に対して適切に使うことができれば、愛犬との信頼関係をより深めることができるでしょう。
ホールドスチールの目的
犬の動きを制御するホールドスチールのしつけをする目的は「飼い主に安心して体を預け、信頼関係を築くと共に、服従本能を育てて強化すること」です。座っている犬を背後から抱え込む方法で動きを制御しますが、これは犬同士で自分が優位であることを示す方法であるマウンティングと同じ意味があり、飼い主さんと犬の主従関係を確率させる効果が期待できます。
ホールドスチールのしつけの効果
ホールドスチールのしつけには次のような効果が期待できます。
人に触られることに慣れる
ホールドスチールや、同時に行うと効果的なタッチングのしつけでは、犬と密着したり身体の色々な部分を触ることでどこを触っても抵抗しないように慣れさせます。これが習得できれば、動物病院やトリミングサロンで触られても大人しくいい子でいられるようになります。
飼い主への服従心を高められる
ホールドスチールでは犬を背後から抱き抱えますが、犬が多少抵抗しても飼い主さんは屈しない姿勢をとることで、飼い主が犬よりも優位であると理解させます。そのため、飼い主への服従心を高め、言うことを聞くようになるといった効果が期待できます。
強制的に静止させることで、興奮を抑えて落ち着かせることができる
ホールドスチールのしつけに成功していれば、犬のテンションが上がっていて落ち着かせたいときに動きを静止させることで犬は落ち着きを取り戻すことができます。
ホールドスチールのしつけを行う際の注意点
ホールドスチールやマズルコントロールといった犬の動きを制御するしつけ方法は、犬の性格や様子を見極めた上で行えば効果が期待できますが、犬の元々の性格や、飼い主と犬の関係性によっては逆効果になってしまう可能性があります。
無理やりすぎると信頼関係を損なうリスクも
拘束されることが嫌いな犬の場合、大暴れして抵抗するかもしれません。このような場合に力ずくで無理やり押さえつけたり、痛い思いをさせると犬との信頼関係が損なわれてしまうことがありますので、注意するようにしましょう。
ホールドスチールのしつけ方法とステップアップ
ホールドスチールのしつけにはいくつかの方法がありますが、基本的には犬の動きを封じ込めるということには変わりはありません。ホールドスチールと一緒にマズルコントロールやタッチングをしつけることで、飼い主との主従関係をより確立することができるでしょう。
ホールドスチールのやり方
飼い主さんは犬の背後に立ち、膝を地面に付けて座ります。自分の股の間に犬を挟み、ゆっくり背中側から抱きしめます。人に触られることに慣れていない犬の場合、この時点で抵抗したり暴れることがありますが、ここで簡単に解放してはいけません。ここでの大切なポイントは「無言で行うこと」です。犬が動かなくなれば、前足を持ち、伏せの姿勢にさせます。
抵抗に応じると逆効果!
犬が抵抗したとき、かわいそうだから、犬に嫌われたくないからとすぐに離してしまうと、犬は「暴れれば解放される、飼い主さんは自分の思い通りにしてくれる」と覚え、しつけが逆効果になってしまいます。興奮がおさまるまで抱きしめたままの体勢でじっとしていましょう。上手にロックできれば、犬は抵抗を諦め、静止するでしょう。
ホールドスチールができたら、マズルコントロールも
ホールドスチールが出来たら、一緒にマズルコントロールを行いましょう。犬をロックした状態で、マズル(くち)を手のひらで包むように持ちます。そして、マズルを上下左右に動かします。犬の最大の武器である口の自由を奪われてる状態なので、ホールドスチールと合わせて行うことでより飼い主が優位であると示すことができます。
タッチングもできるようにしておこう
タッチングにも、飼い主さんへの服従心や信頼関係を強める効果が期待できます。身体のどの部分を触っても抵抗しないようにしつけることで、病気になったときに動物病院で治療をスムーズに進めることができたり、トリミングサロンなどでも大人しくいい子でいられるようになります。
身体の色々な場所を触ってしつけますが、特に敏感な足先や耳、尾などの身体の先端部を優しく触ってみましょう。鼠蹊部(脚の内側やももの付け根)も敏感な部分です。
気長にチャレンジ!ホールドスチールで信頼関係を深めよう
ホールドスチールのしつけを習得し主従関係を確立できれば、愛犬は今まで以上に飼い主さんを信頼し、コマンドなどをよく聞くようになるでしょう。また、病気や怪我をしたときに飼い主さんや他人に身をゆだねることが出来れば、スムーズに治療を受けることができます。犬に信頼してもらうには、決して無理をせず正しい方法でしつけることが大切です。ぜひ気長にチャレンジしてみてください。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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