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【獣医師監修】犬の胃腸炎の原因とは?症状や治療法、予防のために日頃からできることを解説します

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胃腸炎は、腹痛や嘔吐などを伴う症状が出て、とてもつらい思いをする病気というイメージが強いですよね。そんな胃腸炎は、実は犬の胃腸の病気の中では最も発症率が高いのです。この記事では、胃腸炎を発症する原因、症状と治療法をご紹介します。

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目次

  1. 犬の胃腸炎について|原因は?
  2. 犬の胃腸炎の症状
  3. 愛犬が胃腸炎になってしまった場合の治療法は?
  4. 胃腸炎が疑われる症状が出たら動物病院へ

犬の胃腸炎について|原因は?

犬

犬の場合でも人間と同様で、胃腸炎は「胃腸に炎症を引き起こす消化器の病気の総称」です。厳密には胃炎と腸炎があり、胃に炎症が生じた場合は「胃炎」となり、主に嘔吐の症状が出ます。一方で、腸に炎症が生じた場合は「腸炎」となり主に軟便や下痢の症状が出ます。

その中でも「急性」と「慢性」に分けられ、1週間以上症状が続くものは「慢性」、それ以内で症状が治まるものは「急性」と呼ばれています。急性の場合は慢性の場合に比べて症状が激しくなる傾向があります。

胃腸炎になる原因は大きく2種類

原因によって、胃腸炎は大きく2種類に分類されます。まずは、種類ごとに胃腸炎の原因を見ていきましょう。

1.感染性の原因

まずは、感染源となる病原体に感染することで胃腸炎を引き起こす、感染性の原因が挙げられます。感染性の原因には、細菌真菌ウイルス原虫寄生虫などさまざまなものがあります。
細菌としては、「サルモネラ」や「カンピロバクター」のような、犬の体外から侵入してきて腸の粘膜で悪さをするものがよく知られています。またウイルスとしては、「パルボウイルス」や「コロナウイルス」「ジステンパーウイルス」などの名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
細菌とウイルス以外にも、さまざまな病原体が感染することで胃腸に炎症を起こすこともあります。

2.非感染性の原因

もうひとつは非感染性の原因です。なかでも、異物の誤飲や誤食が最も多い原因として挙げられます。他にも、腐ったものや脂肪が多いものを食べた時、食べすぎや食べ慣れないものを食べた時、そして精神的なストレスなどさまざまな原因が存在します。食物アレルギーが原因であることもあれば、薬剤の副作用などが原因となることもあります。

犬の胃腸炎の症状

犬

犬が感染性の胃腸炎になると、「嘔吐」や「しぶり(排泄したくても出ない)」そして「下痢」などの症状が主に見られます。「血便」や「粘液便」など便に異常が見られることもあるので、便の様子がおかしくないか、日ごろからチェックすることが大切です。また、下痢がひどいときは脱水症状を起こし、食欲がなくなったりぐったりとして元気がなくなることもあります。

ここで気を付けなければならないのは、嘔吐物や排泄物の取り扱いです。愛犬が感染性の胃腸炎だった場合、サルモネラやカンピロバクターなどの細菌はしばらく生き続け、家族に感染する可能性があるので、嘔吐や下痢を繰り返すときにはその処理に気を付けましょう。処理の後はしっかりと手や環境を消毒しましょう。

こんな生活環境には注意が必要!

サルモネラの主な感染経路は、汚染した食品や水を口にすることによる経口感染です。卵が良く知られていますが、実はそれ以外にもお肉からの感染も考えられるので注意が必要です。
また、犬がカンピロバクターに感染しやすい条件に、劣悪な衛生状態や多頭飼育があげられます。カンピロバクターに感染した犬は、腸の中で毒素が出るので水のように緩かったり粘液性の下痢をすることがあります。
愛犬に与える食餌は鮮度を保つように心がけ、生活スペースを清潔に保つことはもちろん、免疫力が低下していると感染症にかかりやすいので、日ごろからの健康管理に努めることが大切です。

愛犬が胃腸炎になってしまった場合の治療法は?

犬

実際に愛犬が胃腸炎になってしまった場合、どのような治療を行うことになるのでしょうか。

急性胃腸炎の治療法

急性胃腸炎の場合は、その名のとおり急激に症状が進行するので、まずは対症療法をとることが治療の中心となります。もし異物を飲み込んでいる場合は、早急に異物を取り除く措置が取られます。
嘔吐や下痢が激しく脱水症状を起こしている場合には、水分や栄養を補うことを第一に行います。軽い脱水であれば皮膚の下に点滴する皮下補液を選択しますが、中程度~重度の脱水の場合は静脈点滴を選択します。

静脈点滴を選択する場合は、基本的に3日くらいは入院という形になる可能性があります。

胃腸炎を予防することはできる?

乳酸菌製剤の「ビオフェルミン」は腸内細菌のバランスを整える効果があります。また食物繊維などと一緒に摂取すると、腸内で発酵して腸の中が酸性化することで腸内の悪玉菌の増殖を抑制できるとされています。愛犬に繊維質の多いものとビオフェルミンをいっしょに与えることで、腸内環境が改善する効果が考えられますね。
このほかにも、フラクトオリゴ糖には腸内の善玉菌の増殖を促進させる効果があるので、こちらも腸内細菌のバランスを整えることが期待できます。

胃腸炎が疑われる症状が出たら動物病院へ

犬

犬が胃腸炎になる原因には色々ありますが、急性胃腸炎の場合はまず脱水状態を緩和させて腸内環境を整えることが大切です。放置してしまうと最悪の場合、死に至ることもある病気なので、甘く見ずに愛犬の様子がおかしいなと思ったら、かかりつけの動物病院を受診するようにしましょう。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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