愛犬がエリザベスカラーを嫌がる・・対処法はある?役割や慣れてもらう方法もご紹介!
犬は怪我をしてしまったときや手術の後の傷口を痛みや不快感などから舐めたり噛んだりしてしまいがちですが、そんなときに役立つアイテムがエリザベスカラーです。避妊・去勢手術のあとに使用することも多いため、1つは持っているというご家庭も多いかもしれません。そんなエリザベスカラー、実際に装着しようとすると嫌がる子はとても多いですよね。そのため、飼い主さんの悩みの種となることも・・。今回はエリザベスカラーの役割や特徴をはじめ、愛犬がエリザベスカラーを嫌がるときの対処法をご紹介します。
エリザベスカラーとは
エリザベスカラーとは、怪我・手術後の傷口や塗り薬を塗布した際に、犬が舐めたり引っ掻いたりするのを防ぐために首元に装着する保護具です。皮膚トラブルを抱えているときや耳の病気・目の病気を悪化させないために使用することもあります。
プラスチック製のものが多いですが、最近では柔らかいソフトタイプ、クッション付きのタイプ、軽量化されたタイプなどさまざまな種類があり、その子に合わせたタイプを選ぶことができるようになりました。
大きな怪我や手術をしなくても、皮膚トラブルや薬を塗布したあとなど、一時的に保護したい場面で役に立つので、1つは持っておくとよいかもしれません。
形は2種類
エリザベスカラーの形は「ラッパ型」と「ドーナツ型」が主流です。ラッパ型はベル型・メガホン型とも言われ、エリザベスカラーといえばこの形を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。患部を舐めたり噛んだりするのを防止してくれる一方で、しっかりガードしてくれる分、重みがあるほか、普段の生活がしにくかったり、動きが制限されることで犬がストレスを感じやすい形でもあります。
ドーナツ型はラッパ型よりも邪魔になりにくく、軽いので、犬の負担になりにくいです。一方でベル型と比べるとガードできる範囲が狭く、足先などは舐めたり噛んだりできてしまうので、患部の位置によっては適しません。
エリザベスカラーは必要なの?
エリザベスカラーを嫌がる子は少なくないので、「本当に装着しなきゃダメなの?」と思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。邪魔そうにしていたり、動きたがらなくなる様子を見ると、つい外してあげたくなってしまいますよね。
人間は「安静にしていてね」をお医者さんに言われたらきちんと守る方がほとんどですが、犬は「治るまで触らないでね」と言われても分からないので、違和感や不快感を覚えたり痛みを感じれば舐めたり足先で引っ掻いたりしてしまいます。
そうすると傷口が化膿したり感染する可能性があるほか、病気の治療中であれば、状態が悪化したり治りが遅くなってしまうことがあるので、エリザベスカラーを装着することが推奨されているのです。
エリザベスカラーを初めて装着した日は外そうとしたり、今まで通りの行動がうまくできないことに戸惑いを見せる様子が見られますが、数日経つと、エリザベスカラーの扱いに慣れ、うまくごはんを食べたりこれまでのように寝る子も多いと言われています。悪化したり治療が長引くことで辛い思いをしてしまうのは愛犬なので、なるべく早く治すためにも、獣医師に指示された期間は装着するようにしましょう。
どれくらいの期間つけておくべき?
エリザベスカラーを装着しておく日数は症状の程度や手術の内容によります。そのため、具体的な日数についてはかかりつけ医に尋ねましょう。
エリザベスカラーは患部の保護のために大切なアイテムではありますが、四六時中装着していると犬にとっては大きなストレスになります。また、首元や耳の付け根など、エリザベスカラーと擦れる部分が毛玉になってしまうことも。
基本的にはごはん中や寝るときも装着したままにすることが望ましいですが、あまり患部を気にする様子がなかったり、飼い主さんが見えていてあげられる状況であれば、一時的に外してもいい場合もあります。
とはいえ何かの拍子に患部を舐めたり引っ掻いてしまうと悪化してしまうリスクが高く、1度外してしまうと「もうつけたくない!」と暴れてしまうケースもあるので、ごはん中は外してもいいか、などはかかりつけ医に相談するようにしてください。
エリザベスカラーを嫌がるときにはどうすればいい?
エリザベスカラーは患部を保護するために役立つアイテムではありますが、首回りに装着することでごはんが食べにくかったり、水が飲みにくかったり、遊んでいるときに邪魔になったり、家具などにぶつかりやすくなったりと、装着を嫌がる子は少なくありません。愛犬にとってエリザベスカラーが邪魔だということは理解しつつも、飼い主としては傷口の悪化はなんとしても防ぎたいものです。ここでは、愛犬がエリザベスカラーを嫌がる場合の対処法をいくつかご紹介します。
愛犬に合ったものを選んであげる
エリザベスカラーには素材や形がいくつかあります。ぶつかったときに大きな音がする、寝づらいなどの理由からプラスチックのラッパ型のエリザベスカラーを嫌がってしまうのであれば、別の素材、形のエリザベスカラーを使用してみるとすんなりと受け入れてくれるかもしれません。
ただし、先述した通り患部の位置によっては舐めたり噛んだりできてしまうので、愛犬の状況によっては別のものを選ぶことが難しい場合もあります。
とはいえ、エリザベスカラーが愛犬にとってあまりにもストレスになっており、食欲低下や元気不振などの様子が見られるようであれば、かかりつけ医にアドバイスをもらいましょう。
生活環境を整える
エリザベスカラーをつけていることでごはんが食べにくくなったり、ものにぶつかりやすくなったりします。そのため、フードボウルを食べやすい位置に調整してあげたり、カラーがぶつかっても動かないようフードボウルの下に滑り止めシートを敷いてあげたり、障害物になりそうなものは避けておくなど、愛犬がなるべく過ごしやすいように工夫してあげましょう。
術後ウェアという選択肢も
最近ではエリザベスカラーのほかにも術後ウェアというアイテムもあります。洋服タイプなので動きやすく、行動もほぼ制限されないので、エリザベスカラーよりも受け入れやすい傾向にあるようです。普段から洋服を着ている子であれば、ウェアタイプのほうがよいかもしれません。多頭飼いの場合は、他の犬に舐められるのを防ぐこともできます。
ただし、服の上から執拗に舐めたり噛んだりする場合や患部が足先というような場合には術後ウェアでは保護できないので、注意が必要です。カラーとウェアのメリットデメリットを把握して、愛犬に合ったものを選ぶことが大切なので、使用する前にはかかりつけ医に相談しましょう。
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普段から練習しておく
対処法ではなく、どちらかといえば予防法になりますが、あらかじめ慣れる練習をしておくのも効果的です。避妊去勢手術をしない場合、エリザベスカラーが必要になる状況にならないことが1番ですが、場合によっては突然の怪我や病気によって活用せざるを得ないこともあります。
エリザベスカラーをつけなければいけない状況は、犬にとって不快感や痛みがある状況ですが、そんなときに見たこともつけたこともないエリザベスカラーを装着されたらよりストレスが溜まってしまいます。
お散歩デビューの前に少しずつ首輪やリードの感触の練習をするように、エリザベスカラーも子犬のうちから少しずつ練習しておくとよいでしょう。また、あらかじめ避妊去勢手術をすると決めているご家庭であれば、術後に装着しなければいけない可能性は高いので、手術の予定日の前から練習しておくことで装着に対する抵抗感を軽減することができるかもしれません。
ブラッシング・シャンプーに慣れてもらうときやクレート・サークルトレーニングなどと同じで、「エリザベスカラーを付けるといいことがある」と認識してもらいましょう。掃除機やドライヤーの音が苦手な子へのトレーニングと似ていますが、まずは「エリザベスカラーは怖いものではない」と認識してもらうために、愛犬の近くに置き、存在に慣れてもらいます。怖がる素振りがなければ、エリザベスカラーをお皿のようにしておやつを置き、食べてもらいましょう。それもできるようになったら、おやつに気を取られている間に首に巻いてみてください。はじめはほんの一瞬巻いてみて、少しずつ装着する時間を延ばしていきます。
留める部分がボタンだと大きな音が鳴って苦手に感じる子もいるので、マジックテープやひもで調整できるタイプもおすすめです。ただし緩くなって外れてしまうこともあるので、こまめに様子を見るようにしてくださいね。
なるべくストレスの少ないエリザベスカラーを選ぼう
怪我や手術後は、患部を舐めたり噛んだりしないようにエリザベスカラーをつけて保護しますが、嫌がる子は少なくありませんよね。しかし、悪化を防ぐためにもエリザベスカラーを使用して傷口を保護するのが望ましいです。
とはいえ、エリザベスカラーをあまりにもストレスに感じ、食欲が低下したり遊ばなくなるなどの様子が見られたら、相当なストレスを感じていると考えられます。基本的には数日でエリザベスカラーの存在をしぶしぶ受け入れたり、扱いがうまくなって普段のような生活ができるようになる子が多いと言われていますが、あまりにも愛犬に負担がかかっている様子が見受けられたら、かかりつけ医に相談してみましょう。別の素材でできたエリザベスカラーや術後ウェアの検討のほか、飼い主さんが様子を見ていられるごはん中に限り外してもいいなどの許可がおりるかもしれません。
エリザベスカラーは、愛犬の怪我や手術後の傷を保護するために欠かせないアイテムなので、愛犬がなるべくストレスを感じないエリザベスカラーを選び、装着している間は不便を感じないよう生活をサポートしてあげられるとよいですね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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