愛犬に安心して眠ってもらうために|最適な寝床はクレート?ベッド?設置場所はどこがいい?
犬は1日のうちの半分以上を睡眠に充てるので、快適な寝床を用意してあげることは質の高い睡眠を確保するためにとても重要になります。犬を自宅に迎える前に用意するべきアイテムの1つに寝床があるので、事前に購入する飼い主さんがほとんどだと思いますが、その際にクレートがいいのか柔らかい素材でできたペットベッドのほうかいいのか迷ったことはありませんか?そこで本記事では寝床の必要性や最適な寝床、寝床を設置するにあたって避けた方が良い場所などをまとめました。
犬の睡眠時間と寝床の必要性について
そもそも犬に寝床は必要なのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、冒頭でもお話ししたとおり犬の睡眠時間は人間よりも長いので、長時間身体を預けることになる寝床の環境はとても大切です。まずは犬の睡眠時間がどれくらいなのかをご紹介します。
- 子犬:約18~19時間
- 成犬:約12~15時間
- シニア:約18~19時間
上記は一例ではありますが、どのライフステージでも1日の半分は寝ているということが分かります。犬は睡眠の80%が眠りが浅い「レム睡眠」、20%が眠りが深い「ノンレム睡眠」であると言われており、犬の睡眠に関する研究では「16分眠って5分の覚醒を繰り返している」という結果もあるほど浅い睡眠を繰り返していることから、これだけ長い時間眠る必要があるのです。
また、身体の大きさでも睡眠時間は異なるとされており、小型犬・中型犬・大型犬ごとの睡眠時間は以下のようになっています。
- 小型犬:約10~15時間
- 中型犬:約10~15時間
- 大型犬:約18~20時間
大型犬は小型犬や中型犬と比べて体が大きいことから体力を消耗しやすく、回復するのに時間がかかるため睡眠時間が長いのではないかと考えられています。
しかし同じサイズ分類同士であっても犬種によって睡眠時間に多少差があるとも言われています。また、狩猟犬や牧羊犬としてのルーツを持つ犬種は他の犬と比べて睡眠時間が短いという説もあります。このように犬の睡眠時間については分かっていないことも多いので、上記はあくまで目安として参考程度に留めてくださいね。
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寝床を用意してあげた方がいい理由
浅い睡眠を繰り返している犬には、睡眠の質を高めるためになるべくリラックスできる快適な寝床を用意してあげるのが望ましいです。犬がまだ外に巣穴を掘って暮らしていたころとは異なり現在では外敵に襲われる心配はなくなりましたが、犬が眠りたいと思った時に明るい部屋やテレビ・人の話し声などが聞こえる室内でも落ち着くことができる場所を確保してあげることは十分な睡眠時間を確保するために重要になります。
また、犬は縄張り意識が強いですが、自分だけの空間(テリトリー)を用意してあげることで家全体を警戒して守る必要がなくなり落ち着きやすくなるので、その意味でもクレートやベッドといった愛犬専用のエリアを用意してあげることが大切なのです。
最近ではお手入れの楽さと寝心地を兼ね備えた高機能なベッドもたくさん販売されているので、愛犬に合った寝床を用意してあげましょう。
クレートと犬用ベッド、最適なのはどっち?
犬の寝床の主な候補となるのがクレートと犬用ベッドだと思います。大きな違いは柔らかさや形ですが、どちらの方が寝床として最適なのでしょうか?
愛犬の好み次第
犬が安心できるのであればクレート、ベッドどちらでも大丈夫です。もちろんそれぞれにメリット・デメリットはありますが、寝てくれなければ意味がありません。自分専用のスペースとして安心できる空間を作ってあげることが大事なので、愛犬の好みに合わせてあげましょう。
ただし、災害時や動物病院、トリミングサロンなどに行く際、さらにはペットホテルに預ける際には犬はクレートのような空間で過ごすことになるので、ベッドを用意してあげる場合でもクレートに慣れるトレーニングを日頃からしておくことをおすすめします。
クレートトレーニングについてはこちら
ベッドを破壊してしまう場合はどうしたらいい?
安心して眠れるようにするために、愛犬が落ち着くことができる空間づくりは大切です。しかし、中にはクレートで寝てくれなかったり用意したベッドを破壊してしまう子もいますよね。
1匹1匹性格や好みなどは異なりますし、強制することでストレスの原因となったり噛みちぎったベッドの切れ端を誤飲してしまう心配もあるため、寝ない・壊すというような場合には無理強いする必要はありません。愛犬がベッドを破壊するため撤去してしまったという飼い主さんたちは、ベッドの代わりにタオルや毛布を入れて自分の好きなようにさせているというケースも多いです。タオルなども噛んでしまう場合には誤飲を防ぐために与えないほうがいいですが、愛犬の状態や様子をみて臨機応変に対応しましょう。
寝床を設置する場所も重要
愛犬の睡眠の質を高めるためには寝床だけでなく寝床をどこに設置するのかも重要です。どんなに高機能なベッドを用意してあげても、ベッドが置いてある場所が悪ければ良質な睡眠がとれなかったり、ベッドで眠ってくれないということにもなりかねません。ここでは寝床を設置する際に気をつけるポイントをご紹介します。
配線類から離して
犬の寝床を設置する際にはできるだけ配線類の近くは避けるようにしてください。足にコードが絡まって転倒してしまう恐れがあります。小型犬は骨が細いので転倒した拍子に脱臼や骨折をしてしまうかもしれません。
また、配線を噛んで感電してしまう可能性もあるので、寝床はできるだけ危険因子を排除した場所に設置しましょう。やむを得ず近くに置くのであれば、配線をまとめて愛犬の届かない高いところに置くか、配線カバーなどを活用して物理的に噛めないようにしておくことをおすすめします。
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冷暖房が直風の場所は避ける
ペットを飼っている方であれば24時間空調を管理しているという人が多いと思いますが、寝床は冷暖房の風が直撃しない場所に設置してあげましょう。
部屋の構造や家具の配置によって致し方なく直風になってしまうという場合には、犬が寒さや暑さを感じたときに自分で調整できるよう逃げ場を作ってあげることをおすすめします。
また、直射日光が当たってまぶしさを感じやすい場所や冷気を感じやすい窓際も避けた方が良いです。
静かな場所を選ぶのがおすすめ
家族が過ごす部屋と寝床を分けた方がいいという訳ではありませんが、人通りが多い場所や出入口付近、テレビなどの音がダイレクトに聞こえる場所は落ち着いて眠れないので避けるほうが良いでしょう。
その子の性格や犬種の特性によっては景色がよく見える場所や外の物音が聞こえやすい場所も避けるのが無難です。
近くにトイレを置かない
犬は綺麗好きと言われており、寝床の近くでは排泄しない傾向にあります。そのため、せっかくトイレトレーニングが完了しても寝床が近くにあることによって排泄を我慢する・トイレで排泄しなくなる、もしくは寝床で寝なくなるなどが考えられます。
寝床はできるだけトイレと離して設置するようにしてください。
良質な睡眠には寝床の環境が重要!
犬は眠りが浅いため、長時間眠る必要があります。人間と同じで犬も睡眠不足は身体によくありません。そのため、愛犬の睡眠を妨害しないことはもちろん、寝心地の良い寝床を用意して質の高い睡眠をとってもらうことが大切です。
最近では足腰や関節への負担を軽減する効果が期待できるベッドもたくさん販売されているので、購入する際には見た目の可愛さよりも機能性やお手入れのしやすさを重視して選ぶことをおすすめします。
「うちの子は破壊魔だから布製のベッドは不安・・」という場合には、引っかき・噛みつきに強いベッドを探してみてください。
また、良質な睡眠には寝床だけでなく温度管理や安心できる場所、清潔さなども重要になります。愛犬が気に入る寝床を用意してあげることはもちろん、寝床周りの環境にも気を配るようにしましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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