【獣医師監修】目薬を使う前に。サプリメントや食べ物で愛犬の白内障を予防しよう
大切な愛犬が白内障にならないよう、出来る限り予防してあげたいですよね。どれだけ白内障の予防をしても、遺伝によって発症を防げない場合もありますが、この記事では日常でできる範囲の白内障の予防法を紹介していきます。
また、白内障を発症しやすい犬種や、予防法における注意点も解説しているので、参考にしてみてください。
犬の白内障を予防する方法
犬の白内障には予防薬がありません。しかし、病気の進行状況によっては日常の食餌や行動に気を遣うことによって、発症を抑えたり、進行を遅らせる効果は期待できます。すでに発症してしまっている場合は、動物病院での診察が必要となるので注意してください。
バランスの良い食餌と運動で肥満を解消する
バランスの良い食餌と運動で、犬が糖尿病にならないように注意してあげましょう。糖尿病を発症している犬は、高い確率で白内障が併発すると言われています。
糖尿病の原因のひとつとして挙げられるのが「肥満」です。バランスの良い食餌と運動を意識し、肥満を予防することで、結果的に白内障を予防することにも繋がります。
また、すでに肥満になってしまっている子の場合は、ダイエットに努めながら、病院で定期的な血液検査や尿検査を実施しましょう。検査を行うことで、万一糖尿病になってしまった場合でも早期に発見が可能となります。
サプリメントや食べ物で白内障を予防する
白内障は酸化ストレスが原因になる場合があるため、抗酸化作用のある栄養素を含んだ食べ物やサプリメントを食餌に取り入れましょう。
抗酸化作用のある栄養素の例は以下の通りです。
- ビタミンA
- ビタミンC
- ビタミンE
- アントシアニン
- β-カロテン
- アスタキサンチン
ペットフードやサプリメントを選ぶ際の参考にしてみてください。抗酸化作用のある栄養素を含んだ食べ物やサプリメントは老化の予防にもなるので、老犬の場合には特におすすめです。
ブルーベリーは白内障予防になる?
ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」が、水晶体の酸化を抑えてくれると言われています。しかし、科学的なデータは揃っておらず、あくまで民間療法としての効果しか望めません。
白内障の予防としてブルーベリーを食べさせてもいいですが、ブルーベリーには食物繊維が多く含まれており、食べさせ過ぎると下痢を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
また、その子の抱えている基礎疾患によっては、ブルーベリーそのものを食べることで症状を悪化させる場合もあります。摂取させたい場合は、事前にかかりつけの獣医師に相談した上で行うこと、またブルーベリーそのものではなく犬用のアントシアニンの成分の入っているサプリメントなどを用いて摂取することをおすすめします。
ブルーベリーについてはこちらの記事をチェック
犬の目の周りを清潔にする
犬の目の周りを清潔に保つことも白内障予防になります。目ヤニが溜まっていたりすると、犬が自ら目を擦って、目に傷をつけてしまう恐れがあるからです。目に傷ができて、角膜潰瘍の状態になって中のレンズの状態がよく分からないせいで、レンズが白くキラキラとした白内障の状態になっているのに気付くのに遅れてしまうかもしれません。
対策としては、目ヤニが溜まる前に拭き取ってあげるようにしましょう。あまりにも犬が目を擦るようであれば、エリザベスカラーを着けるなどの対策が必要になります。また、目の周りの毛が長い犬の場合は、毛が目に入らないようにカットしてあげましょう。
犬用サングラスで目を守る
強い紫外線や眼のケガが、白内障を引き起こすこともあるという説もあります。散歩をする際は、日差しの強い時間帯を避けるか、犬用サングラスを着用させてあげましょう。犬用サングラスは目に異物が入るのも防いでくれるので、草むらなどで目を傷つける危険も回避できます。
ただし、サングラスを嫌がる子は無理に装着せずに、紫外線の強い日や時間帯は外出を避けるなどの対策を取るようにしましょう。
サングラスについてはこちらの記事をチェック
白内障を予防する方法に関しての注意点
予防法は「治療」ではありません。一度発症してしまったら、どれだけ予防法を続けていても白内障が治ることはないので注意をしましょう。犬に白内障の兆候が見られたら、すぐに動物病院へ連れて行くのが基本です。
また、年齢が若い内に発症する白内障は、症状の進行ペースが早いです。予防しているからといって安心をせず、早期発見できるように常に気を配ってあげましょう。犬が白内障を発症していなくても、動物病院で予防法についての相談をするのもおすすめです。
遺伝による白内障は予防できない
犬が白内障になる原因は、遺伝によるものがほとんどです。原因が遺伝の場合、年齢が若くても発症するという特徴があります。また、遺伝性の白内障は予防によって発症を遅らせることはできても、発症すること自体を防ぐことはできません。
先天的に白内障になりやすい犬種の例が以下の通りです。
- トイ・プードル
- パグ
- マルチーズ
- チワワ
- 柴犬
- ラブラドール・レトリーバー
ここで挙げたのは一例なので、ご自身の愛犬が白内障を発症しやすい犬種かどうかを調べておくことが大切です。定期的な検診に通うことで、早期発見することができます。
目薬による予防は獣医の指導を受けてから
白内障用の目薬を犬に使用する際は、必ず獣医の指導を受けましょう。白内障用の目薬は発症を防ぐのではなく、症状の進行を遅らせるためのものだからです。すでに白内障の兆候がある犬に対して効果を発揮します。
市販品として売られている白内障用の目薬もありますが、使用法を間違えば逆に眼の健康状態を悪くする恐れがあります。必ず獣医指導の下で、現在の健康状態に合わせた目薬を処方してもらうようにしましょう。
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愛犬の白内障を早期発見するために
白内障の予防をしていたからといって、必ず発症しないとは限りません。犬の白内障は、早期発見することで効果的な治療を受けることができます。初期症状を理解し、万が一発症してもすぐに発見できるようにしましょう。
白内障の初期症状は以下の通りです。
- 暗い道を歩きたがらない
- よく物にぶつかる
- よくつまずく
- おもちゃに反応しない
一番分かりやすいのは、目の色が少しでも白く濁っていないかを確認することです。普段と違った動きをするようになったら、まずは目の色を確認してみましょう。
愛犬の目が白いと感じたら動物病院へ
犬の白内障は、一度発症してしまうと手術をする以外に完治させる方法はありません。予防法を続けたからといって、進行を止めることはできないのです。「目が白いかも」と感じたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
また、目の中のレンズが白く見える病気には、白内障とよく似た「核硬化症(かくこうかしょう)」というものもあります。動物病院で行える「スリット検査」によってレンズの透過性などを調べてみないと、正しく鑑別できない場合があります。核硬化症と白内障では、治療法が変わってきますので、見た目だけで判断せずに、きちんと適切な検査を受けましょう。
白内障は症状が悪化すると失明の恐れもある病気です。なによりも早期発見が大切なので、日ごろから愛犬の目の状態には気を配っておくことが大切です。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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