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【獣医師監修】犬の去勢手術におけるメリット・デメリットについて。知っておくべきリスクと各国の見解

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あなたは犬の去勢手術についてどう考えていますか?病気の予防、しつけ、乱繁殖を防ぐなどの観点から、去勢手術を行うべきという考えが最近の日本におけるスタンダードになりつつあります。果たして、去勢手術をした犬は、大人しく飼いやすい健康な犬となるのでしょうか?

今回は、去勢手術が犬に与えるメリットとデメリット・各国における見解の違いなどについて解説します。

【獣医師監修】犬の去勢手術におけるメリット・デメリットについて。知っておくべきリスクと各国の見解
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目次

  1. 犬の去勢についての考えはさまざま
  2. 犬の去勢手術の基本知識
  3. 去勢手術のメリットとは
  4. 去勢手術をすることによるリスク
  5. 去勢しても攻撃性がなくなるとは言い切れない

犬の去勢についての考えはさまざま

シェルティ

日本では、当たり前のように行われている去勢手術。動物病院によっては、パピーの健康診断時に去勢手術をすすめられることがあります。「生殖系の病気予防になる」「おとなしくなる」「マーキングしなくなる」「ストレスが減る」などがメリットとして説明され、獣医師にすすめられるがまま手術をする方も多いようです。

しかし、去勢手術は全身麻酔をかけて行われるため、麻酔のリスク、生殖器以外の病気のリスクなどデメリットも存在するのが事実です。知識のないまま手術をしたことで、後悔する結果となったとしても誰も責めることはできません。

まずは、飼い主さんご自身が正しい知識を持ち、安易な選択に踏み切らないことが大切です。

諸外国で分かれる去勢に関する見解

レスキューされた犬を迎え入れる割合が高いアメリカでは、避妊・去勢手術を条例で定めている州があるほど、犬の去勢手術は一般的な認識として広まっています。

また、キッチンブリーダー、バックヤードブリーダーと呼ばれる悪徳ブリーダーや、野良犬などによる望まれない繁殖を防ぐ手段として、去勢手術が推奨されています。このことを受けて、日本でも去勢手術が当たり前と思われている風潮があります。

反対に、過去には去勢手術が法律で禁止されていたスウェーデンでは、「望まれない子犬」はほとんど生まれませんその背景には、純血種を保護、繁殖を念頭に置いた知識を持つブリーダーのみが繁殖を行っている現状が挙げられます。

また、犬の飼育方法に関しても法律で細かく定められており、犬の去勢手術を推奨していません。

日本の去勢手術事情は?

「かわいい我が子の子犬の顔が見たい」と家庭内で繁殖が行われることもあれば、一方で「去勢手術は子犬を迎えたら必ずするもの」という認識も両立しているのが日本です。

動物保護団体など、犬のレスキューを行っている団体では、「去勢・避妊」を譲渡の絶対条件と掲げているところも多く、最近では「去勢ありき」と考えている方も多いようです。

日本はアメリカの姿勢を踏襲し、純血種をブリーダーから迎えた場合でも、去勢を第一に考えているケースがまだまだ多いことが現状です。

犬の去勢手術の基本知識

子犬

犬の去勢手術は病院によって異なりますが、日帰りまたは1泊2日でおこなわれることが多く、費用は2〜3万円が相場となっています。

動物病院の方針にもよりますが、術前検査や手術後の予後によっては入院が必要となり、これ以上の日数・費用が掛かる場合もありますので費用に関して、手術を決定する前にきちんとかかりつけもしくはお近くの動物病院に事前に確認していただくことをおすすめします。

去勢手術でやること

現在の日本では、全身麻酔による外科手術によって睾丸の摘出が行われる手術が主流です。アメリカでは最新の去勢方法として、手術以外の方法が話題となっており注射や投薬によって行われるため、全身麻酔のリスクから回避できます。

しかし、どちらの方法もホルモンバランスが崩れることに違いはなく、いずれの方法であっても去勢を行うことによるメリット・デメリットは生じてしまいます。

去勢手術のメリットとは

犬 毛布

犬の身体にメスを入れることになる去勢手術ですが、全身麻酔・ホルモンバランスの崩れといったリスク以上に得られるメリットはあるのでしょうか?

生殖に関する精神的なストレスの軽減

去勢していない犬は、野生の本能としてメスのヒートの匂いを敏感に感じ取ります。その犬の気質にもよりますが、メスの匂いが気になって食欲が減退したり、一晩中鳴き続けたりする場合があり、これは犬にとっても大きなストレスとなります。

オスとしての本能が強い場合は、去勢手術をすることによってストレスを軽減できると言われています。

オスならではの病気を予防できる可能性がある

去勢手術によって、前立腺肥大症前立腺ガン精巣腫瘍肛門周囲腺腫など、男性ホルモンが関与する病気の予防になると言われています。

メスの場合、避妊手術はできるだけ早い段階で行ったほうが病気の予防率が上がると言われています。

オスに関しては、手術の時期と予防率の関係性は現段階ではないと言われています。しかし、できるだけ早い時期に行うと、精巣も小さいため傷口が小さくて済むなどのメリットもあります。

マーキングが減る

オスはマーキングをすることで自分のテリトリーを示し、自分の強さを強調する行動であると言われています。去勢手術によってマーキングがなくなると説明する獣医師もいますが、まったくマーキングしなくなるとは言い切れません。

室内でのマーキングは回数が減る可能性があり、メリットとなりますが、外でのマーキングにはさまざまな意味があり、また個体差も大きいことから、去勢したことでマーキングがなくなるとは言い切れません。

去勢手術をすることによるリスク

子犬

去勢手術は飼い主さんの判断によって行う医療行為です。そのため、飼い主さんの去勢手術への知識が大きなカギとなります。去勢手術をする選択をするとしても、しない選択をするとしても、きちんと去勢手術のメリット・デメリット、そしてどんなリスクがあるかを理解したうえで選択をしなければいけません。

ここでは、去勢手術によるリスクについてご紹介します。

麻酔のリスクがある

去勢手術は全身麻酔によって行われます。ほとんどの動物病院で術中に危険な状態に陥らないよう、術前に血液検査やレントゲン検査などを実施することでで全身状態のチェックを行ったり、術中も心電図や呼吸数、酸素の濃度などのモニタリングを行うことで管理をしていることが多いです。

しかし、どんな健康な犬でも麻酔を使用する以上、100%の安全保障というものはあり得ません。全身麻酔はどんな犬にもそのリスクが伴います

太りやすくなる

去勢手術をした犬は、太りやすいとよく言われています。これはホルモンバランスが崩れることによって、基礎代謝が落ちることや食欲が亢進することが原因であると言われていますが、詳細なメカニズムに関してはよく分かっていません。

去勢しても攻撃性がなくなるとは言い切れない

犬 喧嘩

多くの飼い主さんが勘違いしていることに、去勢すると「おとなしくなる」「攻撃性が減少する」という性質上のメリットが挙げられます。しかし、去勢によって性質が変わることはありません。逆に、去勢することによって臆病になったことから攻撃性が増すケースもあります。

去勢をしてしまうと、二度と元に戻すことはできません。なぜ去勢が必要なのか、よく考えてから手術に踏み切ることが、愛犬の健康を守る上で重要なことと言えるのではないでしょうか。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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