ドーベルマンの被毛のお手入れの仕方や抜け毛対策などについて知るためには、まず被毛の特徴を理解する必要があります。ここでは毛色や被毛の構造についてご紹介します。

ドーベルマンのカラーは、ブラック・タンとブラウン・タンの２種類のみがJKC（ジャパンケネルクラブ）で認められています。 ブラック・タンは、ブラック地にタン（赤褐色）が両頬、眉上、胸元などに入っているカラーで、人気色です。 ブラウン・タンは、やや明るめの茶色にタンがブラック・タンと同じように部分的に入ります。ブラック・タンに比べるとまだまだ希少なカラーです。 

ドーベルマンのコートタイプは、短く硬い毛が密集した滑らかなスムースコートです。艶があり、つるっとした手触りで撫で心地がよいです。抜け毛がほとんどなさそうに見えて意外と多いのがこのコートタイプで、撫でているときに短い毛が抜け落ちることも珍しくありません。

また長毛種に比べて紫外線が直接肌に当たるので皮膚トラブルを起こしやすいです。夏などは特に日差しが強い時間帯を避けて散歩に行くなどの配慮が必要になります。

抜け毛は多いものの、長毛種のように毛が絡まって毛玉になるという心配はなく、トリミングも必要ありません。 

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犬の被毛には、「ダブルコート」と「シングルコート」という二種類の被毛タイプがあります。ダブルコートは、皮膚を保護する役割をもつオーバーコート（上毛）と体温調節の役割をもつアンダーコート（下毛）の2重構造になっています。

一方のシングルコートは、オーバーコートのみしか生えておらず、ドーベルマンはこのシングルコートです。そのため年2回の換毛期はありませんが、短毛種のため生え変わりのサイクルが早く、1年を通して毛が抜けるので、抜け毛が少ないという実感はわきにくいでしょう。 

シングルコートについて詳しくはこちらで紹介しています

換毛期のあるなしに関わらず、実は犬の毛は一年中生え変わっています。人間と同じで毛周期があり、成長期・退行期・休止期・新生期のサイクルで毛が生え変わっているので、換毛期のないシングルコートの犬種も抜け毛が出ないというわけではないのです。

換毛期や毛周期についてはこちらの記事をチェック

ここでは、ドーベルマンの抜け毛対策、寒さ対策について紹介します。 

先ほども述べた通り、ドーベルマンは換毛期があるダブルコートではありませんが、毛が短いことで生え変わりのサイクルが早いので、年中抜け毛があります。短く鋭い被毛は、服などの繊維に絡みつくとなかなか取り除くことができないため、定期的なブラッシングとシャンプーによって抜け毛を減らしましょう。

また、ブラッシングに加えて、部屋に落ちている抜け毛をこまめに掃除をすることも必要です。ウェットタイプのワイパーや粘着ローラー、掃除機を使って、抜け毛が繊維の奥に入り込んでしまう前に取り除きましょう。粘着ローラーである程度取り除いてから掃除機をかけるようにすれば目詰まりの心配もありません。

抜け毛は放置するとハウスダストの原因やダニの住処にもなります。ダニは犬にも人間にも害があるので、ほこりや汚れが溜まりやすい隅や家具の下なども意識して掃除しましょう。最近では犬の抜け毛の掃除に役立つ便利なグッズがたくさん販売されているので、自分の家に合ったお掃除グッズを探してみてください。

身体の一部分だけ脱毛していることに加えて、皮膚が赤くなっていたり、身体を痒がる様子などが見られたらアレルギーやノミダニによる感染症の可能性もあります。ドーベルマンは皮膚が弱いので、愛犬の様子がおかしいと感じたら獣医師へ相談しましょう。

抜け毛が少ない犬種が知りたい場合はこちらの記事をどうぞ

抜け毛の原因は換毛期だけじゃない？

短毛でシングルコートのドーベルマンは、保温の役割を持つアンダーコートが生えていないため、体温調節が苦手で特に寒さに弱い犬種です。

強面で体が丈夫なイメージがありますが、寒さによってブルブルと震えてしまうこともあります。屋外で飼育している場合でもできれば冬場は暖房の効いた室内に入れてあげ、場合によっては犬用ヒーターや毛布、湯たんぽなども活用しましょう。嫌がらないのであれば洋服を着せてあげるのも有効です。暖かい機能がついた洋服やもこもこで防寒性に優れた洋服なども販売されているので、上手に活用して寒い冬でも快適に過ごせるようにしてあげましょう。

寒さ対策はこちらの記事もチェック

ここでは、家庭で定期的に行う必要のある被毛のお手入れ方法について紹介します。 

被毛が短いため、ブラッシングも難しいことはありません。ラバーブラシや獣毛ブラシなどソフトタイプのブラシを使って優しくマッサージしてあげながら行うと血行も良くなり、皮膚の健康に役立ちます。外の汚れを落とすこともできるので、できれば毎日の散歩後にブラッシングを行いましょう。

長い毛が皮膚を保護してくれる長毛種とは違い、短毛種は皮膚疾患にかかりやすいです。ドーベルマンは、皮膚が敏感なため頻繁に行いすぎるとかえって肌トラブルの原因になります。そのため、シャンプーの頻度は月1～2回程度にしましょう。シャンプーを行う前にブラッシングで抜け毛を取り除いておくとよいです。

シャンプー後はしっかり乾かして風邪や皮膚トラブルを防ぎましょう。もしも、毎日の散歩などでの汚れが気になる場合は、蒸しタオルなどで拭いてあげるだけでも十分です。

シャンプーの手順に関してはこちらの記事をチェック

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ドーベルマンは、短毛種のためトリミングが必要な犬種ではありませんが、プロにお手入れしてもらうことで皮膚の異常の有無などをチェックする機会にもなります。また、大型犬なので、自宅でのシャンプーが広さの問題等で難しいという場合も利用するとよいでしょう。必ずトリミングサロンでのお手入れが必要というわけではありませんが、おすすめのメニューや頻度、料金の目安について紹介するので、サロンにお願いするかどうかぜひ参考にしてみてください。

ドーベルマンは、被毛が長く伸びることがないためカットの必要はなく、トリミングサロンではカットが含まれないシャンプーコースをお願いすることになります。 サロンによっても異なりますがコースには、基本的にシャンプーに加えて爪切りや耳掃除、足裏のバリカン、肛門線絞りなどが含まれています。 

シャンプーの回数が多いと必要な皮脂まで洗い流してしまうため、月1回〜2ヶ月に1回程度の頻度を目安に訪れましょう。 

料金は、トリミングサロンによってまちまちですが、約8000円程度かかります。トリミングの料金は体の大きさによって変わってくるため、大型犬のドーベルマンは中・小型犬よりも高めの価格になります。 

ドーベルマンは、抜け毛の多いダブルコートでもなければ、短毛なので日頃のお手入れは楽な犬種です。しかし、さっぱりとした見た目以上に抜け毛があるため、抜け毛が少ない犬種と考えて飼い始めると大変と感じるかもしれません。定期的なお手入れを欠かさず行い、洋服を着せるなどの対策を講じれば、床に落ちる抜け毛の量を減らすことができます。抜け毛と上手に付き合い、愛犬との生活を楽しんでくださいね。

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