チワワがなりやすい「てんかん」ってどんな病気?原因や対処法など
チワワがなりやすいと言われている「てんかん」ってどんなものかご存知でしょうか?もし、愛犬がてんかんを起こしてしまった場合どうすればよいか、慌ててしまいますよね。今回はチワワがてんかんを起こした際の原因や症状、対処法などをご紹介していきたいと思います。
目次
チワワがなりやすい「てんかん」とは?
何らかの原因で脳に異常な興奮が起こることで電気信号が乱れ、けいれんや意識障害などの発作が起きてしまうことを「てんかん発作」といい、てんかん発作を「繰り返し」起こす脳の病気のことを「てんかん」と言います。
人もてんかんを発症するため「てんかん」という言葉は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか?日本全国で約100万人もの人がてんかんを抱えていると言われていて、年齢や性別関係なく誰でもかかる可能性のある病気です。犬も同様にこの「てんかん」にかかると言われていておよそ100頭に1〜2頭の割合で発症すると言われています。
てんかんの特徴として、けいれんや発作を繰り返し起こしますが、1回発作が起こっただけでは、てんかんの診断されません。
普段は何事もなく生活できますが、ある日突然、脳から強い信号が送られることで発作が出ます。発作の間隔には個体差があり、毎日起こる犬もいれば1年以上起きない犬もいます。
「てんかん」ってどんな症状?
てんかん発作には、発作の起こり方によって「全般発作」と「焦点性(部分)発作」の2種類に分かれます。
①全身性の発作(全般発作)
犬で最も一般的なてんかん発作のタイプです。全身性の発作を起こしている場合、犬は突然意識がなくなることが多いです。脳全体が異常に興奮してしまい、全身に発作症状がみられ、意識も失ってしまう状態です。全般発作は以下のような様子が見られます。
- 四肢を突っ張るようにする
- 硬直する
- 手足が震える
- 泳いでいるような様子が見られる
- 脱力している など
発症した場合、通常意識はなく飼い主の呼びかけにも正常な反応ができません。失禁・脱糞してしまうことも珍しくありません。数十秒~数分続いた後におさまることがほとんどで、そのあとは何事もなかったかのように過ごす子も多いです。重度の場合は、1日に2回以上発作を繰り返したり(群発発作)、発作が10分以上続いたりします。
②体の一部のみに現れる焦点性発作(部分発作)
部分発作を起こした場合、犬は意識があることが多いです。手足や顔面など体の一部がけいれんを起こしたり、突っ張ったりします。
- 口周りや手足のみなど、一部分の痙攣
- 呼んでも反応しない
- 瞳孔が開く
- 片足を繰り返しあげたりする
- 口をくちゃくちゃさせる
- その場所で、グルグルをまわっている
- よだれが大量に出る など
先ほど、部分発作は意識があることが多いと説明しましたが、部分発作から全般発作に広がった場合は、意識を失うことがあります。
「てんかん」がおこる原因とは?
犬のてんかんの原因は多岐にわたり、遺伝的な要因や脳の損傷、感染症などが関与することもありますが、詳しいことは分かっていません。環境や神経的なものからストレスが蓄積されてんかんが発症することもあります。
犬のてんかんには4種類存在しています。
特発性てんかん
検査をしても脳に異常はないのに発作が起きるてんかんです。現代医学でも未だはっきりとした原因はわかっていません。しかし遺伝的な要素が強いと考えられており、犬のてんかんの多くは特発性てんかんだと言われています。
特発性てんかんを発症しやすい犬種はチワワ、プードル、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ダックスフンド、ビーグルなどです。
1歳~5歳くらいまでの比較的若い年齢の時に発症することが多い傾向にあります。
症候性(二次性)てんかん
水頭症や脳炎、脳腫瘍などのように、脳に何かしら障害がありそれが原因となって引き起こされる場合を指します。後天性のてんかんです。
原因となる病気を治療することで、症状が回復することもあります。
1歳未満の子犬や6歳以上の犬が発症することが多いです。てんかんは脳の病気のため、他の脳の病気と併発する可能性も十分にあります。
潜因性てんかん
事故などの外傷を受け症候性が疑われるものの、明らかな異常がないものや特発性と考えられるが遺伝的素因や発症年齢が当てはまらないものを指します。
非てんかん
てんかん発作は通常、脳の疾患によるものですが、低血糖、腎障害、肝障害、、血液疾患、心臓疾患などが原因となって発作が見られることがあります。この場合は、原因となっている病気の治療が有効的です。
チワワのてんかんの治療法はある?
てんかんは基本的に完全に完治することは難しいとされています。そのため生涯にわたって治療が必要となる場合が殆どです。
ただ治療をしない場合、発作の度に脳の神経細胞がダメージを受け続けてしまいます。そのため発作を繰り返し過ぎるとボケ(認知症)が早く出てしまうことがあります。てんかんは治療しないまま放置してしまうと、発作の頻度や強さが増していき、治療もしにくくなります。
そのため、定期的な検診や継続的な薬の服用が重要になってきます。
てんかんの基本的な治療は内服薬でコントロール
基本的な治療はてんかんの発作を抑える内服薬を用います。
てんかん発作の回数を減らすことを目的としていて、抗てんかん薬の投与です。発作頻度が月に1回未満の場合は、通常投薬はしません。また、完全に発作をなくすことは難しく発作が現れるのを抑えられるようになるまで数年かかることもあります。薬を飲みながら定期的に血液検査を行い、基本的に薬は一生涯必要になります。
脳に腫瘍や炎症などが見られる症候性てんかんの場合は脳の手術をおこなう場合もあります。
チワワにてんかんの発作が見られた時の対処法
残念ながら現時点ではてんかんの発症を予防する方法はありません。てんかんは強いストレスや天候の変化が引き金になることもあるとされています。「症候性てんかん」については、基礎疾患の治療をしっかりとしていくことが大切です。
では突然、愛犬にてんかんの発作が見られたら飼い主さんはどうしたら良いのでしょうか?
スペースを確保して、できれば様子を記録する
発作が起きた場合、周りの家具などに頭をぶつけないよう出来るだけ周囲の者や家具をどかしてあげましょう。愛犬の周りをタオルなどで囲って怪我をしないようにしてあげることも効果的です。
心配で抱きかかえたり、ゆすったりしてしまいたくなりますが、症状が悪化してしまったり新たな発作を誘発してしまう場合があるので、声をかけたり触ったりせず落ち着いて状況や様子、発作が起きた時間や、何分発作していたかなどできるだけ記録しましょう。
できれば動画を撮影しておくと、どのようなときに発作が起こりやすいか、発作の前兆はあるかといった特徴がつかめるかもしれません。
動物病院に相談する際に状況が伝わりやすいため、可能であれば動画を撮影することをおすすめします。
通常、発作は2~3分で治まります。発作が落ち着いてから動物病院へ連れて行ってください。発作後は何事もなかったかのように動きだすことがほとんどですが、発作が10分以上続いたり、意識が戻らないうちにまた発作が起きるようであれば、すぐに動物病院に連絡をとり、指示を仰ぎましょう。
「てんかん」と上手に付き合っていく必要がある
チワワのてんかんは予防や完治が難しい病気ですが、発作をうまくコントロールできれば、ワンちゃんの生活の質を維持しながら生涯付き合える病気でもあります。
てんかんの症状はさまざまで、ある日突然起こるので、飼い主さんは不安なことが多いと思いますが、慌てず落ち着いて対処しましょう。
発作が起きた場合はむやみに触ったり声をかけず、発作が治まるまで様子を見ながら待ってあげましょう。いつも以上にひどい、止まらない場合はすぐ病院に連絡して診察を受けることが重要です。定期的に通院して薬を飲ませ、できるだけストレスとならない空間を作り、興奮させないことが大切です。
日頃から愛犬の様子をよく観察して、すぐに異変に気づいてあげられるようにしましょう。
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この記事のライター
ずーこ
動物全般が大好きで現在は猫を飼ってます!犬もだいすきなのでpetanでは犬に関する様々な情報を発信していきたいと思います!!
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