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パピヨンは他の犬種と比べて人気がない?その理由と真相を探ってみた

小さいながらも優美な見た目で、上品な印象のパピヨン。愛玩犬として、マリーアントワネットをはじめ中世ヨーロッパの貴族たちに寵愛されていました。当時の肖像画や絵画にはパピヨンがとても多く描かれていることから、その人気ぶりを伺うことができます。そんな歴史のあるパピヨンですが、現代では「他の犬種と比べて人気がない」という声もあるようです。本記事ではパピヨンの基本情報をはじめ、パピヨンが人気がないと言われる理由について考察してみました。

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パピヨンについて

パピヨンが人気がないと言われる理由について考察する前に、まずはパピヨンの基本情報についてご紹介します。

原産国

パピヨンの原産国はフランスもしくはベルギーです。ルーツについて詳しいことは分かっていませんが、祖先犬はスペイン産のトイ・スパニエルではないかと考えられています。イタリアで繁殖が行われ、フランスに入り、王侯貴族たちに寵愛されていました。マリーアントワネットは処刑される寸前まで愛犬のパピヨンを抱いていたという逸話もあります。

犬種名の由来

耳の飾り毛が蝶のように見えることからフランス語で「蝶」を意味する「パピヨン」と名づけられました。そのため、バタフライスパニエルと呼ばれることもあります。

パピヨンといえば飾り毛が美しい立ち耳が特徴ですが、実はパピヨンは垂れ耳が主流だったということをご存じでしょうか?立ち耳のパピヨンが出現した理由については、「18世紀末頃から突如立ち耳の個体が現れ、選択交配された結果、現代では一般的な姿となっているパピヨンが誕生した」、「小型化するためにスピッツ系の犬と交配が進められたことで、立ち耳のパピヨンが誕生した」など諸説あり、はっきりとしたことは分かっていません。

国によっては立ち耳と垂れ耳で別犬種として区別しているようです。垂れ耳のパピヨンはフランス語で尺蛾を意味する「ファレーヌ/ファーレン」と呼ばれています。

サイズ

パピヨンは体高が約20~28㎝、体重は約3~5㎏で、超小型犬に分類されます。体長は体高よりも長めな傾向にあるので、やや大きい印象を受けるかもしれません。

体高を見ても分かる通り個体差が大きく、成長後のサイズが予想しにくい犬種と言われています。

被毛

パピヨンはシングルコートが一般的ですが、スウェーデンをはじめとする北欧のパピヨンは寒さに適応するためダブルコートのようです。

毛色は白地であればすべての色が認められます。パーティカラー、トライカラーのように2~3色で構成されることが多いため、バリエーション豊かな犬種です。

ただし、ジャパンケネルクラブの定めた犬種標準では、体や脚はホワイトの割合が多いほうが好ましいとされ、頭部に関しては大半がホワイトだとドッグショーで欠点となると記載されています。

パピヨンはなぜ人気がないと言われるの?

中世ヨーロッパでは上流階級の人々に愛され、数多くの絵画にも描かれているパピヨン。

現代でもその優雅な見た目と賢さで多くの人に親しまれていますが、なぜか「人気がない」と言われることもあります。日本スピッツのように「よく吠える」というイメージが原因で数が減ったという話も聞かれませんが、なぜそのように言われてしまうのでしょうか?ここでは、考えられる理由を推測してみました。

意外と運動量が多い

パピヨンはジャパンケネルクラブで「9G:愛玩犬」に分類されており、愛らしい見た目も相まって抱っこして過ごすことを好むイメージが強いかもしれませんが、実はとても活発で運動が大好きな犬種です。トイプードルと同じでサーカス犬として活躍していた子もいるほど運動神経がよく、海外ではドッグスポーツの大会で活躍している子も少なくありません。そのため、大人しそうというイメージで迎えてしまうと運動量の多さに戸惑ってしまう可能性があります。

小型犬は1日2回、各20~30分程度の時間が推奨されることが多いですが、パピヨンと暮らしている飼い主さんの中には1回1時間お散歩するという方もいました。パピヨンはいたずら好きな一面も持ち合わせているので、運動欲求が満たされていないと体力が有り余って物を破壊する、吠える、噛むなどの問題行動に発展するケースもあります。

見た目の「上品さ」や「おとなしい印象」からは想像しにくいかもしれませんが、パピヨンは小型犬の中では必要な運動量が多い犬種です。そのため、弾丸のように走り回るパピヨンを見かけたり、「手に負えない」と困っている飼い主さんの話を聞いて、「想像と違う・・」とギャップを感じ、嫌厭されてしまうのかもしれません。

賢いがゆえにしつけが難しいかも

パピヨンは見た目の可愛らしさに反して、とても賢い犬種です。物覚えがいいことに加え、飼い主さんに対して愛情深く忠実な性格をしているので、しつけはさほど大変ではないと言われています。しかし、頭がよく物覚えがいいということは、好ましくないことや間違って教えてしまったことも学習してしまいやすいということです。

また、賢い犬ほど自我が強い傾向があり、油断すると「飼い主より自分が上」と認識して言うことを聞かなくなってしまうこともあります。

初めて犬を飼う人が「小型犬=簡単に飼える犬」と思って迎えると、自我の強さや自己主張に手を焼いてしまう可能性があるほか、少しでも甘やかしてしまうと「要求吠え」をするようになることも。

犬のしつけに慣れていない人や自信のない人にとっては、その賢さが逆に「扱いにくい」と感じられることがあるかもしれません。

警戒心が強い一面も

パピヨンは明るく好奇心旺盛な性格ですが、警戒心が強い一面もあります。そのため、子犬期の社会化が不足してしまうと、来客やすれ違う犬、物音などに過剰に反応して吠える子に育ってしまう恐れがあります。

一般的に小型犬はよく吠えると言われることが多いため、吠えているパピヨンを見て、「扱いにくいうるさい犬」と認識され、悪い印象を持たせてしまっている可能性もあります。

被毛のお手入れが大変そうというイメージ

パピヨンの魅力の1つでもあるふわふわの被毛は、毛が絡まりやすく、定期的なブラッシングが必要です。そのため、被毛のお手入れを面倒に感じる人や忙しい人には負担に感じられることがあります。基本的にはシングルコートなので抜け毛は少なめですが、できるだけお手入れの頻度が少ない犬種を求めている場合には、パピヨンは選ばれにくいかもしれません。

パピヨンは人気がないわけではない

パピヨンは小型犬でありながら運動量が多かったり、賢いがゆえの懸念点もありますが、被毛のお手入れが極端に大変だったり、むやみやたらに吠えるといったことはあまりなく、飼う上で特別大きな問題がある犬種ではないと言えるでしょう。

ジャパンケネルクラブ(JKC)の2024年の犬種別犬籍登録頭数を見てみると、パピヨンは17位で3,635頭となっています。トイプードル(※1)やチワワ(※2)といった高い人気を誇る犬種と比べるとたしかに頭数は少ないですが、「人気がない」と言えるほどの数でもないですよね。これは単純に出生頭数が少ないことも一因であると考えられます。

パピヨンはその優雅な見た目で、古くから多くの人々に愛されてきた犬種です。「人気がない」と言われることもありますが、これは犬種そのものに問題があるのではなく、人間が犬に求めているものとのギャップや誤解が影響しているのではないでしょうか。

今回はパピヨンが「人気がない」と言われてしまう理由として考えられるものをいくつか挙げましたが、これらは犬種の特性を理解し適切に対応する、もしくは自分のライフスタイルやニーズに合った犬種を検討し直すことで解決できるものです。

「人気がない」と感じられるのは、犬種への理解が不足していたり、人間が求める条件とのミスマッチが原因であり、パピヨン自体はとても魅力的な犬種です。日々のしつけやコミュニケーションを大切にし、きちんと信頼関係を築くことができれば、よいパートナーとなってくれるでしょう。

2024年の犬種別犬籍登録頭数

※1トイプードル:73,125

※2チワワ:47,313

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