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【獣医師監修】マルチーズは涙やけに注意しよう|原因や改善・予防方法を解説します

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マルチーズはピュアホワイトのシルキーコートが魅力的な犬種ですが、真っ白であるがゆえに涙やけやよだれやけが目立ちやすく、拭いても綺麗に取れないため悩んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか?涙やけの原因はさまざまで、それぞれアプローチの仕方が異なります。今回はマルチーズの涙やけの原因や日々の生活の中でできる工夫についてご紹介します。

【獣医師監修】マルチーズは涙やけに注意しよう|原因や改善・予防方法を解説します
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目次

  1. はじめに|「涙やけ」ってどんな状態?
  2. 涙やけの原因ってなに?
  3. 涙やけのケア・予防方法が知りたい!
  4. マルチーズは目元のケアも忘れないで

はじめに|「涙やけ」ってどんな状態?

マルチーズ 涙やけ

「涙やけ」とは、目から溢れた涙が酸化や細菌繁殖、紫外線によって赤茶色に変色し、被毛に色素沈着してしまっている状態を指します。そのため、1度変色してしまうと拭くだけでは綺麗にとることは難しく、細菌が繁殖することでニオイの原因にもなりますが、涙やけ自体は病気ではありません。

ただし、涙やけを放っておくと皮膚の炎症や痒みを引き起こすこともあるので、愛犬の目から涙が溢れていることに気がついたらこまめに拭き取ってあげるほか、原因を突き止めるために動物病院を受診することをおすすめします。

■涙やけを起こしやすい犬種 

  • トイプードル
  • チワワ
  • ポメラニアン
  • マルチーズ
  • シーズー
  • パピヨン
  • ヨークシャーテリア
  • 日本スピッツ など

目が出ている短頭種の子や顔周りの被毛が長い子は涙やけを起こしやすいと言われています。

涙やけの原因ってなに?

マルチーズ 涙やけ

涙やけは目から常に涙が溢れて目の周りが濡れている状態が続くことで、涙が酸化したり細菌が繁殖して被毛が色素沈着してしまう状態ですが、涙が過剰に分泌されてしまう原因としてはさまざまなものが考えられます。 

子犬の場合、目の周りの筋肉が未発達であるために涙がまぶたに留まっていられず、涙やけが生じてしまうのではないかと考えられていますが、基本的には大きく先天的な原因・後天的な原因に分けられるので、それぞれ見ていきましょう。

先天的な原因

遺伝的な要因や生まれつきなどの理由によって涙の分泌が多くなり、涙やけを引き起こしてしまうことがあります。主な原因をご紹介します。

1.鼻涙管閉塞・流涙症

「鼻涙管」と呼ばれる目から鼻にかけての涙の通り道が先天的に細い子は、「鼻涙管狭窄・閉塞※1)」が起こりやすいです。涙やけの主たる原因とされており、鼻涙管が狭窄もしくは閉塞してしまうことによって涙が鼻へうまく流れず過剰に溜まり、目から溢れて「流涙症※2)」となります。

目から常に涙が溢れてしまうので、そのまま放っておくことで涙やけとなってしまうのです。

※1鼻涙管狭窄・閉塞 

鼻涙管が細くなってしまったり、閉塞してしまう状態です。生まれつきという場合もあれば、炎症や外傷、異物によって鼻涙管が塞がれることで後天的に引き起こされることもあります。

鼻涙管閉塞の治療は、涙点に細い管を入れて洗浄し、詰まりを解消する鼻涙管洗浄が行われます。これによって狭窄や閉塞が改善されれば流涙症は解消されますが、詰まりが取れなかったり、再び詰まってしまう場合には定期的に鼻涙管洗浄を繰り返さなければいけないケースも。

性格にもよりますが、全身麻酔下での処置となることがほとんどのため、避妊・去勢手術の際に同時に行われることもあります。ただし、全身麻酔によるリスクや身体への負担を考えると、鼻涙管閉塞による涙やけの影響が見た目(色素沈着)のみである場合には、治療を行わないことが多いです。

※2:流涙症 

涙が過剰に溜まり常に溢れてしまう状態で、目の周りが濡れたようになっていることが多く、涙やけの原因となります。流涙症の原因としては炎症や異物、腫瘍などで鼻涙管が閉塞して涙がうまく排泄できないケースのほか、眼球への刺激や眼疾患、アレルギーなどで涙が作られすぎているケースが考えられ、原因に応じて治療が行われます。 ただし、先天的に鼻涙管が細いなど、その子の状況によっては生涯にわたってケアが必要になる可能性があることも留意しておきましょう。

2.小涙点症・涙点閉鎖症

涙は上下のまぶたの目頭側にある「涙点」と呼ばれる穴から鼻涙管を通って鼻に流れていきますが、生まれつき涙点が小さい場合や欠損している場合、涙がうまく吸収されないので目から溢れ涙やけを引き起こします。

治療方法としては外科手術によって涙点を開けるという方法もありますが、こちらも全身麻酔下で行われるため、犬への負担は大きいです。

3.眼瞼内反症

眼瞼内反症とは、先天的に瞼が内側に反っていることで、慢性的にまつ毛が眼球に当たっている状態です。眼球への刺激から涙が分泌され続けるので流涙症を引き起こし、涙やけが生じることがあります。

放っておくと炎症を起こしたり、結膜炎や角膜炎、角膜潰瘍を引き起こすこともあるため、瞼の状態がおかしいと感じたらかかりつけ医に相談しましょう。

後天的な原因

涙が過剰に分泌される原因には、後天的なものもあります。1つずつ見ていきましょう。

1.老廃物の蓄積

消化に悪いドッグフードの摂取運動不足水分不足などにより身体に老廃物が溜まって鼻涙管が詰まり、涙がうまく流れることができずに目から溢れて涙やけを引き起こすことがあります。

目やに、尿の色が濃い・ニオイが強い、体臭・口臭がきついなどの様子が見られたら身体に老廃物が溜まっているかもしれません。

2.眼球への刺激

逆さまつげ自身の被毛ゴミやほこりが刺激となって涙の量が増え、涙やけが生じている可能性もあります。

また、顔を掻いたり何かにぶつかった際に角膜に傷がつくと角膜潰瘍となり、普段より目やにや涙が増えるので、涙やけを引き起こすことがあります。 

3.眼疾患

結膜炎や角膜炎、緑内障、ブドウ膜炎などの目の病気を患っている場合、痛みを伴うため涙の分泌量が増え、涙やけになることもあります。

目の病気には失明してしまうものもあるので、目をしょぼしょぼさせている、目を気にして擦ったりしている、目やにが増えたなどの様子が見られる場合には注意が必要です。

4.アレルギー

花粉やハウスダスト、食べ物などに対するアレルギーで涙の分泌量が増え、涙やけになることもあります。

また、柔軟剤香水たばこの煙などが涙やけの原因となっていることもあります。

5.マイボーム腺の機能不全

まぶたにあるマイボーム腺という組織は、眼球の表面が乾燥しないように脂を分泌して涙が零れ落ちないように保持する働きを担っていますが、細菌感染や加齢などによってその機能が不十分になると涙が目に留まっていられなくなります

そのため、目の下が常に濡れている状態になり、涙やけとなってしまうことがあります。

涙やけのケア・予防方法が知りたい!

マルチーズ 涙やけ

涙やけの原因はさまざまであり、先天性の場合には予防することが難しいですが、マルチーズは被毛が白いため特に目立ちやすく、変色した被毛が気になる場合の対応としてはカットが基本となるので、できれば色素沈着を防ぎたいですよね。ここでは、涙やけを予防する方法や日常生活での工夫をご紹介します。

涙はこまめに拭きとろう

愛犬の目から涙が溢れていることに気づいたら、その都度拭き取ってあげるようにしましょう。涙は透明ですが、放っておくことで酸化して変色したり、細菌が繁殖してニオイの元になったりします

目の周りはデリケートなので、コットンやガーゼなどの柔らかい素材のもので優しく拭き取ってください。目やにが固まっている場合はぬるま湯や専用のローションなどでふやかしてから取り除きます。 

涙やけ対策として涙やけクリーナーなどのケア用品も数多く販売されています。商品によっては色素沈着の改善が期待できるものもあるので、気になる方はチェックしてみてくださいね。選ぶ際には香り付きのものや漂白剤が含まれているものは避けましょう

一時的に涙が多く分泌されている場合や先天性のもので手術するほどでもないという場合にはこの対応でも良いですが、涙によってかぶれなどの炎症が起きている場合には、こまめに拭くことでさらに状態が悪化してしまうケースもあります。皮膚の状態によっては炎症を治すことが先決となるので注意が必要です。また、目に異物が入っている、何らかの疾患が原因となっているなどの場合には拭き取るだけでは根本的な改善は見込めないので、まずはかかりつけ医に相談することをおすすめします。

老廃物を溜めないようにしよう

身体に老廃物が溜まってしまうことで鼻涙管が詰まり涙やけを引き起こす可能性があるため、老廃物が溜まらないような生活習慣を意識するようにしましょう。

マルチーズは小柄ながらも活発な性格をしているので、日々のお散歩が欠かせません。運動不足は代謝が悪くなり老廃物が蓄積してしまうだけでなく、ストレスによる問題行動の原因ともなるので、毎日運動する時間を設けるようにしてください。

また、1日に必要な水分量をしっかりとらせることも重要です。体内の水分には老廃物を尿として身体の外に排出する役割を担っています。飲水量はその日の行動などでも変化するので、必要な水分量は目安として把握し、臨機応変に対応するようにしましょう。

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私たち人間はもちろん、犬やその他の動植物が生きるためには、水分の摂取が必要不可欠です。暑い時期になると、犬もたくさん水を飲むようになりますが、1日にどれくらいの水分を摂取する必要があるのかご存知でしょうか? 愛犬が水を飲まない場合、または大量に飲んでいる場合のどちらも病気の可能性があるため注意が必要です。犬は肉球にしか汗をかかないため、舌を出して水分を蒸発させるか、老廃物とともに尿として水分を排出するしか手段がありません。 今回は犬の水分補給について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

消化に悪いドッグフードによって老廃物が溜まってしまうこともありますが、すでに涙やけを引き起こしている場合でも、「ドッグフードを変えたら改善された!」という声もあります。そのため、今与えているドッグフードに特にこだわりがないのであれば、無添加のフードや消化に良いフードに変更することも検討してみてください。

ドッグフードについて

ドッグフードは毎日食べるものなので、何を与えるかはとても重要です。涙やけは粗悪なドッグフードが原因という意見もあります。上述した通り涙やけの原因はさまざまなので、すべての涙やけの原因がドッグフードであると断言することはできませんが、フードを見直すことで改善が期待できるかもしれません。

以下にドッグフードを選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。

良質なたんぱく質が含まれているもの

動物性のたんぱく質(肉や魚など)が豊富に含まれているドッグフードは消化吸収しやすく、老廃物が溜まりにくいのでおすすめです。

なるべく無添加のもの

添加物の中には必要なものもあるため、何が添加されていて、何が添加されていないのかをチェックしましょう。毎日与えるドッグフードは犬にとって必要のない添加物(発色剤、合成着色料、甘味料など)が含まれていないものを選ぶのが望ましいです。BHABHTエトキシキン亜硝酸ナトリウム没食子酸プロピルなどの添加物は長期的に摂取することで涙やけや下痢などのリスクを伴う懸念があるので、避けることをおすすめします。

また、主食だけではなく、ご褒美として与えることの多いおやつに含まれている成分にも注意しましょう。

腸内環境を改善する成分が入っているもの

乳酸菌オリゴ糖などの成分は腸内環境を整え、老廃物の排出を促してくれます。腸内環境が整うことで便通が良くなるので、涙やけの改善が期待できるかもしれません。

穀物不使用のもの

ドッグフードに入っている穀物は消化しやすいように加工されていますが、犬は肉食寄りの雑食で、穀物の消化があまり得意ではないと言われています。「今与えているドッグフードに穀物が含まれていて、涙やけを起こしている」という場合には、フードの変更を検討してみましょう。

ただしドッグフードを変更する際には、1~2週間かけて少しずつ新しいフードの割合を増やし、徐々に切り替えるようにしてください。

アレルゲンとなりやすい食物が含まれていないもの

先述した通り、アレルギーが原因となって涙が過剰に分泌されているケースもあります。そのため、アレルゲンとなりやすい食べ物が入っていないドッグフードを選ぶことで、涙やけを予防することができるかもしれません。

また、愛犬が何に対してアレルギー反応を示すのかを知っておくと、ドッグフードやおやつを選ぶ際の参考になります。動物病院で検査することができるので、あらかじめアレルギー検査をするのも1つです。

ただし、ドッグフードの変更は眼疾患や物理的な刺激などの可能性を排除してから行う対処法になります。「アレルギーかもしれない」と考えてまずフードを変更するのではなく、悪化する前になるべく早い段階でかかりつけ医に相談してください。

■食物アレルギーの原因になりやすい食べ物

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犬の涙やけの原因は、鼻涙管が詰まる・目のトラブルで涙の分泌量が多くなる・アトピーやアレルギーなど様々なものがあります。毛色が白っぽいコは特に涙焼けが目立ちやすいので、気になる飼い主さんもいらっしゃいますよね。涙やけを改善するためには、小まめに拭いてあげる等の日頃のケアも大切ですが、食事を変えて内側からケアするという方法もあります。今回は、犬の涙やけ対策として、食事を変えるというアプローチ方法に焦点を当てて、ドッグフードの選び方のポイントと、涙やけ対策に良いとされている原材料が使われているドッグフードをご紹介します。

手作りごはんは水分を多くとれることや保存料を使わず作れるなどの観点からおすすめされていますが、特定の栄養素(銅や亜鉛、脂溶性ビタミンAなど)の不足や、カルシウムとリンの摂取バランスの崩壊、与えてはいけない食材の把握など注意しなければいけないことも多いです。ネット上にはたくさんの犬用ごはんのレシピが紹介されていますが、望ましい栄養バランスの基準を満たしたごはんを作ることはとても難しいので、基本的には市販のドッグフードを与えることをおすすめします。

被毛をカットしよう

マルチーズは被毛が伸び続ける犬種なので、顔周りの被毛が伸びて眼球に入ってしまうことがあります。慢性的に刺激を受けることで涙が産出されやすくなり、涙やけとなってしまうケースもあるので、目に被毛が入っていないか定期的にチェックするようにしましょう。目の周りの被毛を数本抜くだけで改善することもありますが、素人が動く犬を保定して目の周りをカットしたり毛を抜いたりするのは難しく目を傷つけてしまう危険も伴うので、トリミングサロンで短くカットしてもらうか、動物病院で処置してもらうのが安心です。

愛犬の様子をよく観察しよう

日頃から愛犬の様子をよく観察し、異変を感じたらすぐに動物病院に連れて行くようにしてください。早期に発見できれば治療の選択肢が広がったり、病気の重症化を防ぐことができることがあります。

春や秋など特定の季節だけくしゃみをしているという場合には、花粉によるアレルギー反応が出ているかもしれません。なるべく花粉を家の中に持ち込まないよう、お散歩などから帰ってきたら手足を拭く、すぐにブラッシングする、出かける前に洋服を着せておくなどの対策をとりましょう。空気清浄機を活用するのも効果的です。

逆さまつげや異物によって涙が出ている場合には、除去することで改善が見込めますが、飼い主さんが取り除こうとすると目を傷つけてしまう恐れもあるので、動物病院で処置してもらってくださいね。

マッサージで改善することも?

目元を温めたりマッサージすることで、涙の分泌量の減少や涙やけの改善が見られたというケースもあるようです。愛犬が嫌がる場合は無理に行う必要はありませんが、触っても嫌がらないのであれば、目元のマッサージも試してみてください。

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マルチーズは目元のケアも忘れないで

マルチーズ 

マルチーズは被毛のお手入れに注目されがちですが、毛色が薄いことで涙やけが目立ちやすいので、目元のケアも忘れずに行うようにしましょう。先天性の場合には予防することは難しいですが、日頃から適度な運動や栄養バランスのよい食事を意識し、目の周りが濡れていることに気づいたらこまめに拭き取ってあげてください。

涙やけ自体は病気でなくても、何らかの病気が原因となって引き起こされていることもあります。放っておくと皮膚の炎症やニオイの元になったり、かゆみを引き起こしてしまう可能性があるほか、目の病気が進行してしまう恐れもあるので、色素沈着しているだけだからと軽視するのではなく、原因を突き止めるためにも獣医師に相談することをおすすめします。

一方で、生きていれば汚れがついたり目やにが出たりするのは当然のことでもあります。目の周りの皮膚は特にデリケートなので、こまめに拭き取るあまりかえって刺激となる可能性も0ではありません。皮膚が炎症を起こしていないのであれば神経質になりすぎないことも大切ですよ。

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