『盲導犬クイールの一生』|物語のあらすじと盲導犬の一生について
盲導犬を題材にした本や映画は多くあります。そのなかの一つ、『盲導犬クイールの一生』はその題名の通り、クイールが生まれてからその生涯を閉じるまでの一生が描かれた物語です。多くの人と出会い、愛され、そして別れを経験しながら成長するクイールが丁寧に描かれている本作は、命の大切さを感じられる感動作。今回は、心を揺さぶられる実話『盲導犬クイールの一生』のあらすじや、物語を楽しむ上で知っておきたい盲導犬にかかわる人々を詳しくご紹介します。
目次
『盲導犬クイールの一生』幼少期から老年期までのあらすじ
上記でご紹介した通り、盲導犬はさまざまな人たちと関わり、愛されながら育ちます。 盲導犬クイールのけなげさや人との絆、深い愛情を感じられるおすすめ映画です。
幼少期 ブリーダーさんからパピーウォーカーさんへ
クイールのブリーダーである水戸さんは、自宅で生まれた子犬たちを盲導犬にしたいと盲導犬協会に相談します。5匹生まれた子犬の中でもクイールはとてもマイペースな性格で、盲導犬には向かないと思われましたが、トレーナーの多和田さんはこの子を立派な盲導犬に育てようと決意します。
その後、クイールはパピーウォーカーの仁井さんのもとで子犬の時期を過ごします。無邪気なクイールは仁井さん夫婦を困らせることもありましたが、ここでいろいろな経験を積み、愛情たっぷりに育てられたことで、人が大好きで素晴らしい犬に成長します。
訓練士さんによる盲導犬訓練を経て、パートナーさんとの出会い
大きく成長したクイールは仁井さんと別れ、盲導犬の訓練所で訓練士の多和田さんとトレーニングを始めます。
ほかの子たちよりも訓練に多くの時間がかかってしまいますが、もともと素直な性格のクイールは見事盲導犬として働けるようになります。
そんな時、出会ったのがこれからパートナーになる渡辺さんでした。ですが、渡辺さんはまさかの犬嫌い。はたして二人の距離は縮まるのでしょうか?
盲導犬引退後はPR犬に。老年はパピーウォーカーさんのもとへ
渡辺さんの病気が発覚し、わずか2年ほどで盲導犬を引退することになったクイール。 ですが、その後も盲導犬の啓蒙活動をするPR犬として活躍します。
年を取り、最期の時が近づいたとき、クイールはパピーウォーカーだった仁井さんのもとへ引き取られます。そして、その先にあるものとは・・・?
『盲導犬クイールの一生』本からドラマ化、映画化へ
盲導犬クイールの一生は、クイールが生まれた時からその写真をずっと撮り続けてきた写真家の秋元さんの写真と、石黒さんの文章で構成された本として出版されましたが、その内容の素晴らしさから後にNHKドラマや映画化もされた有名な物語です。
お子さんにも分かりやすい内容で、読書感想文にもよく選ばれる一冊です。
盲導犬にかかわる人たち
盲導犬は、多くの人たちの協力を得て一人前になり、そこから本格的に盲導犬として働くことになります。
盲導犬にかかわる人たちは、盲導犬として活躍する犬を繁殖させる「繁殖飼育ボランティア」、盲導犬候補の子犬を約10ヶ月間預かって愛情いっぱいに育てる「パピーウォーカー」、盲導犬として仕事ができるようにトレーニングする「盲導犬トレーナー」、人生の大半を一緒に生活する「盲導犬オーナー」、盲導犬が引退した後のお世話をする「引退犬飼育ボランティア」、残念ながら盲導犬としての適性がなくキャリアチェンジをする犬のお世話をする「キャリアチェンジ犬飼育ボランティア」等々、本当に色々な方たちの協力の下で盲導犬たちは育てられています。
お仕事中の盲導犬を見かけたら優しく見守ろう
クイールのオーナーだった渡辺さんがクイールと一緒に行動している時に困ったことがあったとおっしゃっていました。それは、周りの人たちの行動です。
頑張ってお仕事をしてくれている盲導犬を街で見かけると、「いつもお仕事がんばってるね、お疲れ様」と声をかけてナデナデしてあげたくなってしまいますが、不用意に近づいたり触ったりするのはNGです。
彼らがハーネスをつけて外にいる時はお仕事中のサインです。その時には盲導犬オーナーさんに事故や危険がないよう常にアンテナを張っている状態。そんな時に声をかけたり触ったりすると、気が散ったり集中力が切れてしまうこともあるので、盲導犬を見かけてもそっと優しく見守るようにしましょう。
困っているように見えた時にだけ、盲導犬オーナーさんに「何かお手伝いできることはありますか?」とお声がけするのがスマートです。
『盲導犬クイールの一生』から私たちにできることを考える
盲導犬として仕事をすることは、多くの人のサポートや協力の上に成り立っています。もちろん盲導犬自身の頑張りが一番ですが、そのほかにもパピーウォーカーや引退した後の余生を一緒に過ごす家族など、本当にたくさんの人たちと関わりながら、日々お仕事をがんばってくれています。
逆に言うと、私たちでも何らかの形で盲導犬の活動をサポートができるということでもあるので、興味のある方はぜひボランティアとして関わってみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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