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【獣医師監修】フレンチブルドッグの寿命について|長生きしてもらうためにできること

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おおらかで明るい性格と鼻ぺちゃ顔で人気のフレンチブルドッグ。一緒に暮らしている人も多いですよね。愛犬にはなるべく健康で長生きしてほしいものですが、実はフレンチブルドッグの魅力の1つでもある鼻ぺちゃは嗅覚だけでなく寿命にも関わっているということをご存知でしょうか。今回はフレンチブルドッグの特徴であるマズルや平均寿命をご紹介します。愛犬に長生きしてもらうために飼い主さんができることも解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

  1. フレンチブルドッグの特徴の1つである鼻について
  2. フレンチブルドッグの平均寿命はどれくらい?
  3. フレンチブルドッグの寿命が短い理由って?
  4. フレンチブルドッグに長生きしてもらうためにできること
  5. フレンチブルドッグは寿命が短い傾向にあるけれど

フレンチブルドッグの特徴の1つである鼻について

フレンチブルドッグ

フレンチブルドッグと聞いてまず思い浮かぶのがユニークな顔つきではないでしょうか?頭蓋骨の長さと比べて鼻(マズル)が短いことから「短頭種」と言われ、鼻ぺちゃの愛称でも親しまれています。

犬はJKCによってその犬種の生存目的や形態・用途に基づいて10のグループ(「1G:牧羊犬・牧畜犬」、「2G:使役犬」・・など)に分けられていますが、小型犬・中型犬・大型犬というような「サイズ」や「垂れ耳・立ち耳」、「脚長短足」、また今回のような「マズルの長さ」などといった身体的な特徴によっても分類されることがあります。

マズルの長さは頭蓋骨と鼻の長さの比率に応じて「短頭種」、「中頭種」、「長頭種」の3つに分けられますが、フレンチブルドッグの他に短頭種に分類されるのは、

  • ブルドッグ
  • パグ
  • シーズー
  • ペキニーズ
  • ボストンテリア
  • キングチャールズスパニエル
  • チベタンスパニエル
  • ブリュッセルグリフォン
  • ボクサー
  • チャウチャウ

などの犬種です。

また、鼻ぺちゃではありませんが、チワワやポメラニアン、ヨークシャーテリア、マルチーズなどの人気犬種も頭蓋骨の長さと比べてマズルが短いので、短頭種に分類されることもあります。

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鼻ぺちゃ犬、ブヒ犬、ブサカワ犬などの愛称で親しまれている犬種が短頭種です。パグやフレンチ・ブルドッグに代表されるように、瞳が大きく、つぶれたような顔立ちの犬種を指します。 愛嬌のある顔立ちから人気犬種となっていますが、短頭種ならではの病気や問題点も抱えています。今回は、人気の短頭種の犬種の特徴、家庭に迎え入れる場合の注意点、歴史についてご紹介します。

◇中頭種の例:頭蓋骨の長さとマズルの長さが同程度

  • ゴールデンレトリバー
  • ビーグル
  • コーギー
  • 柴犬 など

◇長頭種の例:頭蓋骨よりもマズルが長い

  • ミニチュアダックスフンド
  • コリー
  • ボルゾイ
  • イタリアングレーハウンド など

マズルが長いと嗅上皮の面積が広く嗅細胞の数も多くなるため、長頭種は短頭種と比べるとより嗅覚が優れていると言われています。

フレンチブルドッグの平均寿命はどれくらい?

フレンチブルドッグ

念願のフレンチブルドッグとの暮らし。楽しみな気持ちがある一方で、愛犬と一緒にいられる時間はどれくらいなのかも気になりますよね。

アニコムの「家庭どうぶつ白書2023」によると、フレンチブルドッグの平均寿命は11.2歳となっており、犬全体の平均寿命が14.2歳であることを踏まえると、やや短いと言えます。

また、一般社団法人ペットフード協会の「令和4年全国犬猫飼育実態調査」の主要指標サマリーP38【犬猫 平均寿命の推移】によると、2022年の超小型犬の平均寿命は15.31、小型犬は14.28歳、中・大型犬は13.81歳となっており、この結果と比べてもフレンチブルドッグの平均寿命が短いことが分かりますね。

フレンチブルドッグは10歳未満で虹の橋を渡る子も少なくないため、「10歳の壁」と言われていますが、中にはその壁を越えて長生きする子もいます。シニア期を経たその子たちはフレブルオーナーさんたちの中で「フェアリー期」と呼ばれているそうです。

獣医療の発展や高品質なフード、飼い主さんたちの意識の変化により、犬の寿命は一昔前と比べると飛躍的に延びました。犬の寿命は遺伝や個体差、飼育環境などさまざまな要因が絡んでくるのでいつお別れが来るのかは誰にも分りませんが、フェアリー期を迎えるフレブルちゃんたちが今後もっと増えていくと良いですよね。

フレンチブルドッグの寿命が短い理由って?

フレンチブルドッグ

フレンチブルドッグは他の犬種と比べてなぜ寿命が短めなのでしょうか?その理由として以下のようなことが原因ではないかと考えられています。1つずつ見ていきましょう。

マズルの短さ

先述した通り、フレンチブルドッグはマズルが短い短頭種に分類されます。短頭種は鼻が短く口腔の面積が狭いという構造上、外鼻孔狭窄(※1)や軟口蓋過長症(※2)、気管低形成などが見られることが多いですが、これらの呼吸器トラブルの病状によっては早くに死んでしまうことも珍しくありません。

また、短頭種は熱を逃がすのが苦手なので熱中症のリスクも高いです。熱中症は呼吸が荒くなったり、多量のよだれや元気不振などの様子が見られますが、重篤化するとけいれん発作や嘔吐・下痢、さらには意識を失ってしまい、最悪の場合死に至るケースもあります。

呼吸器に問題を抱えやすいことや熱中症になりやすいところが短命の原因の1つであると考えられています。

※1・・・鼻の穴が狭いため鼻呼吸がしづらい状態

※2・・・軟口蓋と呼ばれる喉の手前の柔らかい部分が長いことで気道が塞がれてしまう状態

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短頭種とは短いマズルを持ついわゆる「鼻ペチャ」が特徴の犬種で、フレンチブルドッグやパグ、ペキニーズなどが代表的です。 短頭種は、その短いマズルの特徴から短頭種気道症候群(たんとうしゅ・きどう・しょうこうぐん)という病気になるリスクが高いと言われています。 今回は、短頭種気道症候群の症状や発生のメカニズム、治療法や予防法もあわせて解説します。

肥満による呼吸困難

肥満は足腰へ負担がかかったり心臓病や糖尿病などのリスクが高まるので日頃からきちんと体重管理をすることが大切になりますが、短頭種の犬には病気以外のリスクも潜んでいます。

犬は太るとお腹や首周りから肩にかけて脂肪がつきやすく、この脂肪が気道を圧迫し、呼吸しづらくなってしまうことがあります。短頭種の犬はもともと気道が狭いので、脂肪に圧迫されることでいびきや呼吸状態が悪化し、命に関わる状況に陥ってしまうのです。

フレンチブルドッグは食欲旺盛で、遺伝的に脂肪が付きやすいので、欲しがるままに与えてしまうとすぐに太ってしまいます。愛らしさのあまりおやつやフードを与えたくなってしまいますが、肥満が原因で呼吸困難を起こし突然死してしまうこともあるので、長生きしてもらうためには適切な体重管理が重要です。

特有の体型も関わっているかも

フレンチブルドッグはそのずんぐりむっくりな体型から肥満に気づきにくいところに加え、身体が熱を逃しにくい構造になっているところも健康管理が難しい要因の1つとなっていると言えます。肥満は前述した呼吸困難の他に熱中症のリスクもあがりますが、熱を逃しにくい身体構造であることで熱中症のリスクがさらにあがってしまうのです。犬の熱中症の死亡率はとても高いですが、フレンチブルドッグはその体型から他の犬種よりもさらに熱中症によって死亡する危険が高いと考えられます。

さらにフレンチブルドッグは体型的に背骨に負担がかかりやすいことから、椎間板ヘルニアの好発犬種です。ヘルニアを患うと神経が圧迫され、排尿するための筋肉が動きにくくなってしまうため膀胱炎になりやすくなりますが、放置して腎盂腎炎になってしまうと死亡のリスクも高くなります。

これらの要因によって他の犬種よりも寿命が短くなっている可能性も考えられるでしょう。

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フレンチブルドッグに長生きしてもらうためにできること

フレンチブルドッグ

フレンチブルドッグは身体的な特徴から呼吸器疾患を抱えやすいことが短命の原因と考えられていることが分かりました。愛犬に長生きしてもらうために飼い主としてしてあげられることはなんなのでしょうか?

普段から様子をよく観察しておこう

犬は言葉を話せないので、体調が悪いときでも飼い主さんに訴えることができません。そのため、普段から愛犬の様子をよく観察し、「なんかいつもより元気ないかも?」、「呼吸が早い気がする」というちょっとした変化に気づいてあげることがとても大切です。特に短頭種は呼吸器疾患を患いやすいですが、呼吸がしづらいのはとても苦しいですよね。

病気を早期発見するためにも、日頃から愛犬の様子をよく見ておくようにしましょう。また、1年に1回は健康診断を受診することをおすすめします。犬は私たち人間よりも早いスピードで歳を重ねるので、シニアになったら半年に1回は動物病院で診てもらうと安心です。

しっかり温度管理をしよう

犬は汗をかく部位が少ないため熱を発散するのが得意ではありませんが、フレンチブルドッグをはじめとする短頭種は他の犬種と比べて特に熱を逃がすのが苦手なので、夏場は温度管理を徹底するようにしましょう。できればエアコンなどを使って24時間空調管理してあげるのが望ましいです。

また、お散歩などの外出時にも工夫が必要になります。早朝や夕方など気温が高くない時間帯を狙ったり、冷感タイプの洋服を着せたりしてあげるなどの対策をしてください。場合によってはバギーを活用して、地面から物理的な距離をとるのも暑さ対策になります。

先述した通りフレンチブルドッグは熱を逃しにくい構造をしているので、屋外だけでなく室内であっても直射日光を避けることがとても大切です。

手術も選択肢の1つ

外鼻孔狭窄や軟口蓋過長症などの身体的な特徴による呼吸のしづらさは、飼い主さんの気遣いだけではフォローしきれないこともあります。これらは手術をすることで呼吸が楽になることが期待されますが、全身麻酔下の手術となるので、短頭種が他の犬種と比べて麻酔のリスクが高いことも踏まえると躊躇してしまう飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。

根本的に改善したいという場合には事前に手術適応であるかの判断の元、手術を行う必要があります。若齢期を過ぎると全身麻酔のリスクがさらに高くなることから、なるべく若い年齢のうちに手術をするかどうかの決断が必要です。一方で手術をすれば必ず改善するとも言い切れません

避妊・去勢手術と同時に行われることもありますが、手術する部位が全く異なるため、同時に行うか別日に行うかは獣医師によって判断が分かれるところでもあるので、かかりつけ医とよく相談しましょう。

また、状況によっては同時に手術を行うのが難しかったり、1回あたりの麻酔の時間が長くなってしまうという懸念もあります。リスクをしっかりと理解したうえで、手術という選択肢もあるということを覚えておくと良いかもしれません。

フレンチブルドッグは寿命が短い傾向にあるけれど

フレンチブルドッグ

今回はフレンチブルドックの平均寿命と短命の理由についてご紹介しました。せっかく迎えた愛犬と過ごせる時間が他の犬種よりも短いと思うとショックを受けてしまいますが、外鼻孔を広げる手術や軟口蓋を切除することで呼吸のしづらさを軽減してあげられることもあります。

また、フレンチブルドッグの中には平均寿命を大きくこえて長生きした子も少なくありません。個体差もあるので、どんなに大切に育てていても10年と少しという短い期間で虹の橋を渡ってしまうこともありますが、必ずしも短命と決まったわけでもないので、一緒にいれる時間はたくさんコミュニケーションをとり、しっかり健康管理を行いましょう。

短頭種との暮らしは他の犬種とはまた違った注意点がありますが、愛嬌のある彼らは飼い主さんであるあなたにたくさんの笑顔をもたらしてくれるはずです。短頭種の特性をしっかり理解して元気なシニアライフを送れるようにしてあげたいですね。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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