犬の散歩のしつけ方法!散歩中の問題行動と対処法も紹介
犬のしつけは、人と犬がお互いによいパートナーになるために必要不可欠なことです。
愛犬へのしつけをせずにただ可愛いがるだけになってしまうと、犬が飼い主の言うことを聞かなくなり、周囲へ迷惑をかけることにもなりかねません。
とくに愛犬が散歩中に問題行動を起こしてしまうと、ご近所トラブルに発展する恐れもあります。
この記事では、愛犬と幸せに暮らすために、散歩のしつけ方法や問題行動を起こしてしまったときの対処法について紹介します。
犬を散歩させるためにしつけが大切な理由
犬を散歩させるためにしつけが大切な理由は以下の4つです。
- 愛犬の安全を守る
- 周囲の人への迷惑を避ける
- 問題行動を助長させない
- 飼い主と愛犬の仲を深める
それぞれ詳しくみていきましょう。
愛犬の安全を守る
散歩中のしつけが大事な一番の理由は、愛犬の安全を守ることです。
散歩中に犬が飼い主を無視して行動すると、車にひかれたり、拾い食いによる病気になったりする可能性があります。
周囲の人への迷惑を避ける
多くの場合、散歩の際には家の周りや近所の公園などを歩くでしょう。
これらの場所は公共の場所ですので、飼い主としてマナーを守る行動が求められます。
散歩のしつけをしないでいると、通行人に吠えかかったり飛びついたりしてトラブルになる可能性があります。
排泄やマーキングも公共の場ではさせないようにして、環境へ配慮することも大事です。
問題行動を助長させない
犬は本来群れで生活する動物です。
そのため家族の一員となった犬は、飼い主のことを群れの一員だと認識します。
群れの仲間がいつでも言うことを聞いてくれる状態になると、犬は自分が群れのリーダーなのだと思ってしまいます。
こうなると飼い主の言うことを聞かなくなり、ときには吠えたり噛み付いたりと自分勝手な性格になる恐れがあります。
犬は信頼できるリーダーがいるときには従順な動物ですので、愛情を注いでくれるリーダーには誠意をもって応えてくれます。
飼い主と愛犬の仲を深める
しつけが苦手で犬を可愛いがっているだけでは、愛犬との仲を深めることはできません。
先ほども述べたように犬は群れの中で生活する動物です。
犬に主導権を握らせ、自分勝手な行動を許してしまうことは、飼い主にとっても愛犬にとっても幸せなこととはいえません。
飼い主は愛犬の勝手な行動にストレスを感じ、愛犬は飼い主のストレスを感じて不安になってしまいます。
犬の正しいお散歩とは
散歩させるためにはしつけが大切だとお伝えしましたが、そもそも正しい散歩とはどういったものなのでしょうか?
散歩にも適切な頻度や時間帯があるので、以下のポイントに注目してみてください。
- できる限り毎日散歩へ連れて行く
- 散歩の頻度が多すぎるのはNG
- 散歩をする時間帯
それぞれ詳しく見ていきます。
できる限り毎日散歩へ連れて行く
犬は人間以上に運動を必要とする動物です。
歩いたり走ったりすることは健康な体づくりのためになりますし、気分転換としても必要なことです。
私たちが1日中外へ出られない状況に置かれたら気が滅入ってしまうのと同じように、犬にも外出が必要ということです。
散歩を怠るとストレスの原因になり、愛犬が精神的にも不安定な状態になってしまう恐れがあります。
愛犬のメンタルのためにも、散歩にはできる限り毎日連れて行ってあげてください。
とくに大型犬の場合は、雨の日でも散歩に連れて行くべきです。
散歩の頻度が多すぎるのはNG
散歩に行くことは大事ですが、犬種によっては散歩の頻度が多すぎるのもNGです。
チワワのような小型犬は骨格があまり強くないので、適切な距離を超えた散歩をすると身体を壊してしまう恐れがあります。
小型犬と大型犬で必要な散歩の頻度や距離は異なりますが、大まかな目安は以下の通りです。
小型犬 | 中型犬 | 大型犬 | |
散歩の頻度 | 1日1~2回 | 1日2回 | 1日2回 |
時間(1回あたり) | 15~20分 | 20分~30分 | 30分~60分 |
20分~30分の散歩は距離にすると2kmくらいですので、距離を目安にしてみてもいいでしょう。
犬種によっては、ただ歩いているだけだと運動量が足りない場合もあります。
運動が好きな犬ならボールやフリスビーを使って一緒に遊んであげたり、ドッグランなどを利用したりして、全力疾走させてあげると喜んでくれます。
大型犬の場合は、ハードな運動をしすぎると足や関節に大きな負担がかかってしまうことがあるので注意しましょう。
とくに身体の出来上がっていない1歳未満の犬では、ハードな運動は病気や障害の原因にもなりますのでやりすぎには注意してください。
愛犬の様子を見ながら、散歩の距離や頻度を調整するようにしましょう。
散歩をする時間帯
散歩をする時間帯も重要です。
犬は身体が毛におおわれていて人間よりも体温が高いので、人間にとっては少し涼しいくらいが犬にとっては心地よい気温となります。
犬は体温調整が苦手で、とくに暑さには弱いので、季節ごとに散歩をする時間帯を配慮してあげてください。
春・秋の季節ですと、日によって暖かい日と肌寒い日があるかと思います。
暖かい日には早朝や夕方の涼しい時間帯に散歩して、肌寒い日には日がのぼった日中の散歩がおすすめです。
これらの季節は犬にとって過ごしやすい季節ですが、そのなかでも快適な時間帯を選んであげると愛犬も喜ぶでしょう。
夏は暑さに弱い犬にとって辛い季節ですので、日が昇り切る前の早朝や日が沈んで涼しくなる20時以降などが散歩におすすめの時間帯です。
愛犬のためにもなるべく涼しい時間帯を選んであげましょう。
冬は日中の暖かい時間帯に散歩するのがよいです。
1日2回の散歩であれば10時と15時など、間隔をあけて散歩するのがおすすめです。
犬の散歩のしつけ方法
犬の散歩でしつけをするには、どのようにすればよいのでしょうか?
散歩のしつけにおいて重要な2つのポイントを説明していきます。
ハーネスではなく首輪を使用する
犬の散歩にハーネスを使用している人もいるかと思いますが、しつけをするのであれば首輪がおすすめです。
ハーネスは首を締めないので愛犬への身体的な負担が少ないというメリットがありますが、その分リードを使った犬のコントロールがしづらいというデメリットがあります。
締めつけが弱いため、自分の行きたい方向に飼い主を引っ張る「引っ張り癖」がつきやすくなってしまいます。
一方、首輪はリードを使った指示が犬に直接伝わりやすいというメリットがあります。
まずは首輪で愛犬のしつけをしてから、散歩に慣れてきたところでハーネスを検討してみるのがよいでしょう。
ただし、生まれつき呼吸器官が弱かったり、首に怪我をしたりしているような場合は、首輪ではなくハーネスを使うようにしてください。
犬の要求に従わない
犬が散歩中に自分の行きたい方向へ飼い主を引っ張ることもありますが、犬の要求に従わないことも大切です。
先ほども述べたように、犬は主従関係を大事にする動物です。
要求をすべて聞いてしまうと、犬は自分がリーダーだと勘違いして言うことを聞かなくなってしまいます。
群れのリーダーは飼い主であると理解させるためにも、犬の要求には従いすぎないようにしましょう。
他人からおやつをあげてもらう
犬の散歩には「運動不足解消」の他にも「社会性を身に付ける」という目的もあります。
他の犬や飼い主以外の人間と触れ合い、社会勉強をするのです。
社会性が不十分な場合、散歩中に犬や人間を見ると吠えかかるといった問題行動につながってしまいます。
こういったことを避けるためにも、散歩中に知り合いや犬好きの人に出会ったら、自分が普段愛犬に与えているおやつを渡し、「あげてもらっていいですか?」とお願いするようにしてください。
子犬の頃から、他人の手からでもおやつを食べるように慣れさせておけば、人間に対する恐怖心がなくなり、吠えかかるようなことはなくなります。
ただし、愛犬に与えるのはあくまで「普段飼い主が与えているおやつ」です。
人間用の食べ物をおやつとして与えようとしてきた場合は、毅然とした態度で断りましょう。
また、愛犬にアレルギーがある場合は、犬用のおやつであっても断るべきです。
散歩中の問題行動と対処法
実際に起こりえる散歩中の問題行動には、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、散歩中によく見られる5つの問題行動と、その対処法について説明していきます。
①人への飛びつき
犬が人に飛びつく理由はさまざまですが、主な原因は興奮状態にあることです。
散歩中に好きな人や犬に出会ったり、好きな食べものを持っているのに気づいたりすると嬉しくなって飛びつくことがあります。
また、見知らぬ人に恐怖を感じたときにも、威嚇や警告の意味で追い払うために飛びつくことがあります。
これらの飛びつきは興奮している状態のときに起こるものなので、対処するためには犬を落ち着かせることが必要です。
興奮状態にある犬を落ち着かせるのは難しいですが、普段からおすわりや待てを習慣づけておくと、いざ飛びつきが起きたときに愛犬を落ち着かせられます。
そのため飛びつきをやめさせるためには、まず「おすわり」や「待て」を覚えさせましょう。
飛びついたら叱ることと、飛びつきをやめられたら褒めてあげるのも忘れないでください。
②引っ張り癖
散歩中に飼い主を引っ張って、自分が行きたい方向へ連れ回そうとするのが引っ張り癖です。
犬は好奇心が強い動物なので、興味のあるものを見かけるとすぐにそちらへ向かってしまいます。
愛犬に引っ張られたら、まずは落ち着いてその場で立ち止まるようにしましょう。
犬が飼い主を引っ張るときは、自分に主導権があると考えています。
そのときは犬と目線を合わせず、自然に方向転換することで主従関係をはっきりさせましょう。
それでも引っ張るときには叱ることも必要です。
飼い主が止まったとき、愛犬が自然に歩調を合わせられたなら褒めてあげましょう。
③吠えかかり
散歩中に、他の犬や人に対して吠えてしまうこともあります。
この吠えかかりが起こってしまうのは「子犬の頃の社会化不足」が大きな原因です。
子犬の頃に社会と馴染む経験が不足している犬は、さまざまなものに過度の恐怖心をもってしまい、自分の身を守ろうとして吠えるようになってしまいます。
小さい頃から色々な音を聞かせたり、色々なところへ連れていったりしてあげて、多くの犬や人と触れ合わせてあげてください。
また、自分の要求を通そうとして吠えることもありますが、このとき要求を聞いてはいけません。
飛びつきと同じように警戒状態や興奮状態になると吠えることもあるので、愛犬の性格とどんなときに吠えるのかをよく観察して対処していきましょう。
④拾い食い
犬は好奇心旺盛で狩猟本能もあるので、道に落ちているものでも気になったら口に入れてしまいます。
散歩中に落ちているものには、有毒なものや怪我に繋がりかねない危険なものもあるので拾い食いには注意しましょう。
散歩中にもおやつやご褒美をあげて、愛犬とのコミュニケーションをしっかりと取るようにすると、落ちているものへの意識を逸らせます。
万が一拾い食いをしてしまったときには、無理やり取ろうとしてはいけません。
無理に奪おうとすると、犬は拾ったものを取られると思いこんで飲み込んでしまうからです。
そういうときは、焦らず、おやつと交換で吐き出させてください。
可能ならば、普段から"飼い主の許可が出たものを許可したときに食べる"というしつけをしておきましょう。
⑤頻繁に立ち止まったり、歩かなくなったりする
犬は、普段と違う景色を警戒する習性があります。
交通量が多い場所や大きな音のする工事現場などで立ち止まってしまうのは、この習性のためです。
このように立ち止まってしまうのは、犬が本能的に恐怖を感じて、身の安全を確保したいと思うのが原因になります。
これらの対処法としては、おやつやおもちゃなどで誘導するのが有効です。
その場から少しでも離れられれば、犬も気分が変わって散歩を続けてくれるでしょう。
また、犬が立ち止まるときには行きたくないことをアピールしている場合もあります。
このとき、歩かないからといって抱っこしては駄目です。
立ち止まれば抱っこしてもらえる、と勘違いさせてしまいます。
犬に主導権を渡さないためにも、歩くまで根気よく待ったり、お利口に歩いたときにはおやつをあげたり褒めたりしてみてください。
しつけが上手くいかないときはしつけ教室の利用も検討しよう
犬の散歩のしつけ方法や散歩中の問題行動と対処法についてご紹介しましたが、それでも解決しないという場合もあると思います。
犬にも個体差があり、しつけが難しい子もいます。
そういったときは、しつけ教室の利用を検討してみてもよいでしょう。
お金はかかってしまいますが、専門家による効果的なトレーニングが受けられることで、悶々と悩んでいた問題が短期間で解決されることもあります。
自力でのしつけでは限界、と感じたら、専門家の手を借りるのも有効な手段です。
まとめ
運動不足解消、ストレス発散、社会勉強と、犬にとって散歩はなくてはならないものです。
犬種や個体差によってしつけに苦戦することもあるかと思われますが、決して諦めず、粘り強く続けてみてください。
どうしても無理な場合は、早めに専門家の力を頼ってくださいね。
この記事のライター
おもち
パグ沼にはまり愛犬への想いがとまらないフリーライター。はじめて犬を飼う方にも分かりやすく役に立つ記事をお届けできたらと思います。
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