【獣医師監修】犬が尻尾を丸めるときの気持ちとは。尻尾から愛犬の心理を読み取ろう
犬は、さまざまなボディランゲージによって感情を表しますが、尻尾を丸めるのも感情表現のひとつです。どのようなときに尻尾を丸めるのかを知っていれば、愛犬の気持ちを汲み取り、適切に接してあげることができます。今回は、犬が下向きに尻尾を丸めるときの心理について解説します。
犬が尻尾を丸めるときの心理状態
犬の感情は尻尾にもよく表れ、嬉しいときに尻尾を左右に大きく振ったりするのは、一般的に知られています。では、下向きに尻尾を丸めているときは、どんな心理状態なのでしょうか?
服従・降参の合図
尻尾を丸める仕草には、服従や降参の合図の意味もあります。他の犬の前で尻尾を丸める姿を見せる場合は、「攻撃するつもりはありませんよ」という気持ちの表れです。
また、飼い主さんに叱られているときに、尻尾を丸めて股の間に巻き込んでしまうこともあります。これは、「もう許して」という降参の気持ちが込められています。必要以上に叱ると信頼関係が崩れる原因になるので、このような状態になっていたら叱るのをやめるようにしましょう。
不安や恐怖、警戒の気持ちの表れ
犬が尻尾を丸めて股の間に巻き込んでいるときは、不安や恐怖、警戒といったネガティブな気持ちになっているときです。
例えば、以前散歩中に自分より大きな犬に吠えられ、怖い思いをした経験などがあると、遠くから他の犬が近づいてくると怯えて尻尾を丸めてしまうことも少なくありません。
また、社会化不足の場合も、インターホンや外の世界のさまざまな音、家族以外の人などに対して、見ない・聞き慣れないものに対して過度に不安な気持ちになり、尻尾を丸めることがあります。
いずれにせよ、尻尾を丸めるときは非常に怯えている状態なので、とにかく落ち着かせてあげることが大切です。
尻尾が下がっている場合もネガティブな感情のサイン
尻尾が下がっているときも、不安や恐怖などのネガティブな感情を抱いているサインです。怯えてその場で動けなくなってしまう犬もいれば、あまりの不安や恐怖で攻撃的な態度を取る犬もいます。
他の犬や見知らぬ人を傷つけてしまわないよう、愛犬を安心させて平常心を取り戻すように心がけましょう。
尻尾を下げて震えているときは病気の可能性あり
不安や恐怖の対象となるものが見当たらない環境にいるにもかかわらず、愛犬が尻尾を下げて震えている場合は、以下のような病気の可能性があるので注意が必要です。
- 椎間板ヘルニア
- 馬尾症候群
- 尻尾の骨折
- 変形性脊椎症 など
痛みを伴うことからうずくまっている、抱き上げようとすると「キャン!」と鳴くなどの様子が見られます。尻尾だけでなく身体全体を観察し、いつもと違うと感じる点があれば動物病院を受診しましょう。
尻尾を丸める愛犬に対して飼い主さんができること
犬が不安や恐怖、警戒の気持ちから尻尾を丸めるとき、飼い主さんはどのように対応すればよいのかを覚えておきましょう。
社会化トレーニングをする
社会化不足により、さまざまなことに過剰に反応して怖がる場合は、社会化トレーニングを行って怖がりを克服していきましょう。本来、警戒心が芽生えてなく適応力が高い子犬の社会化期に、いろんな経験をさせて他の犬や家族以外の人、外の世界の音などに慣れさせます。
しかし、社会化期を過ぎても、社会化トレーニングをしてさまざまなことに慣れさせ、恐怖心を克服することは可能です。ただし、生後6ヶ月頃からは警戒心が強くなっていくので、特に成犬の場合は、怖がりな性格を克服するのに時間がかかります。
社会化不足の犬においては、他の犬や人への接し方、散歩時の歩かせ方など、気をつけるべきことがあり、その犬の性格やペースに合わせて徐々にトレーニングをする必要があります。そのため一度、獣医師やプロのドッグトレーナーなどに相談して、やり方を教えてもらってから取り組むほうが安心と言えるでしょう。
社会化について詳しくはこちらの記事で解説しています
他の犬から違うことに意識を向けさせる
散歩中などに他の犬が怖くて尻尾を丸める場合は、愛犬の意識を違うことに向けさせるようにしましょう。そのためには、ボーロなどのひと口サイズのおやつや、ジャーキーなどの小さくちぎって与えられるおやつを活用するのがひとつの手です。
まず他の犬が道路の向こう側からやってきた際に、愛犬にアイコンタクトを取りながらオスワリをさせましょう。そして、犬が通り過ぎるまで少しずつおやつを与えます。こうすることで、おやつのほうに意識が向き犬に対して無関心になるので、不安や恐怖の気持ちになってしまうのを防げます。
尻尾の動きで愛犬の気持ちを汲み取ろう
犬の尻尾の動きに込められた意味を知っておくと、愛犬の気持ちを察してあげられます。尻尾を丸めて股の間に巻き込んでいるときは、とても怖がっている状態なので、落ち着かせることを最優先に考えてあげましょう。
また、尻尾が下がっているときもネガティブな感情の表れですが、ブルブルと震えている様子も見られる場合は、病気の可能性もあります。何かおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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