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ルーツはどこ?フランスの国犬トイプードルの歴史を辿る

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犬種のルーツを知ることは愛犬の気質や性格などを理解する一助となり、接し方のヒントにもなります。プードルはフランスの国犬とされているものの、ルーツにおいてはさまざまな説がある犬種です。今回は、プードルの歴史を辿りながら、国犬や現在人気の犬種などについても触れていきたいと思います。

ルーツはどこ?フランスの国犬トイプードルの歴史を辿る

目次

  1. トイプードルはどこで生まれたの?
  2. ユニークなカットスタイルがトイプードル作出の理由?
  3. 国犬ってなに?
  4. プードルは今もフランスで人気なの?
  5. 【番外編】日本で人気の犬は?
  6. プードルは古くから愛され続けている犬種

トイプードルはどこで生まれたの?

トイプードル

冒頭でも述べましたが、プードルはその起源についてはっきりとは判明しておらず、原産国の特定が難しい犬種です。フランスの貴族が元となり広く人気を博したことから、フランスが原産と紹介されるケースが多いものの、ドイツのバルビーという巻き毛の犬が元になったと考えられていることから、ドイツを原産としていることもあります。

最近では、ロシアや中央アジア北部が発祥となり、ドイツからフランスに広まっていったのではないかという説が有力になってきました。 

プードルという犬種には大きい順に、公認されているだけでもスタンダードプードル、ミディアムプードル、ミニチュアプードル、トイプードルの4つのサイズがあります。

もともと大型犬ほどのサイズのあったプードルがフランスの上流階級の間で人気となり、愛玩犬として小型化が進んだことで小さいサイズのプードルたちが生まれていったとされています。そのため、トイプードル自体はフランス生まれと言えるかもしれません。

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10年以上にわたり、日本の人気犬種ランキングで1位を獲得している犬種と言えば、トイプードルです。頭が良いのでしつけやすく、愛玩犬としての可愛らしさも兼ね備え、さらに日本の住環境でも飼いやすいサイズであることから、納得の結果ではありますが、プードルには実は6種類の大きさが存在していることを知っていますか?ここでは、プードルの種類ごとの呼び方と大きさをまとめてご紹介していきます。

ユニークなカットスタイルがトイプードル作出の理由?

トイプードル

なぜフランスの上流階級の間で人気になったのかというと、プードルが猟犬として活躍していたころのカットスタイルに由来します。

プードルは得意な泳ぎを活かして、鴨を回収する猟に従事していました。その際に、泳ぎやすいよう、胸元や尻尾の先端などの一部分を除いて刈り上げたカットスタイルが主流だったのです。

コンチネンタルクリップ

→泳ぐために邪魔になる部分を最大限にカットし、心臓や手、足などの部分は体温の低下を防ぐために毛が残されています。プードルといえばこのカットスタイルが思い浮かぶ方も多いのでは?

この独特なカットスタイルが、オシャレだと美意識の高い貴族たちに受けたのです。そして、愛玩犬としてよりオシャレなカットスタイルが模索されるようになりました。

このように、「人気が高まり小型化が進められたことによってトイプードルが作出され、プードルという犬種が世界に広く知れ渡った要因になったのでフランスが原産国」という説も、一理ありますよね。

ちなみにコンチネンタルクリップは伝統的なカットスタイルとして、ショーでの正式なカットスタイルとなっています。コンチネンタルクリップ以外のショークリップ(=ショーに出る際のトリミングスタイル)は、

  • パピークリップ
  • セカンドパピークリップ
  • イングリッシュサドルクリップ

があります。

愛玩犬だけではない幅広い活躍

愛玩犬としてのイメージが強いプードルですが、はじめは使役犬や猟犬として活躍していました。荷車を引いたり、先述した鴨猟に携わっていたのです。イギリスやスペインではトリュフ探知犬としても従事し、物覚えの良さからサーカスに出ていたこともあります。

愛玩犬としての側面が強くなった現在でも、抜け毛の少なさからアニマルアシステッドセラピー犬や警察犬、嘱託警察犬(※)などとしてわたしたちのサポートをしてくれているのです。

トイプードルが警察犬?と思われる方もいるでしょう。小さい体は、大型犬が入れないような場所での捜査における活躍が期待されているようです。その頭の良さや従順さ、体格を活かして今後ますます警察犬としての運用が広がっていくかもしれませんね。

嘱託警察犬とは…普段は一般家庭で暮らしており、警察からの要請があったときに捜査や行方不明者の捜索などに協力する警察犬のことです。もちろん審査に合格した優秀な子が登録されています。

国犬ってなに?

犬 国旗

フランスではプードルが国犬として認定されており、フレンチプードルとの呼び名があることもプードルの原産国説を後押ししている一因ですが、そもそも国犬とはなんでしょうか?

その国を代表する犬のこと

国旗や国歌、国鳥や国花のように、国犬は「その国を代表する犬、象徴である犬」ということを表しています。国が法律によって定めたり、民間組織が決めます。1国、または1地域で1犬種のみ選ばれますが、その国らしい犬が複数いる場合には、2つ以上の犬種が公認されることもあります。

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日本の国犬は非公認?

国犬には、

  1. 公式に指定されている場合
  2. 愛好家などによる非公式の場合

があります。

国犬の扱いは国や地域によって異なるため、正式な国犬が認定されていない場合、仮で公認されるケースや、国民の間で愛されている犬種が国犬として広く認知されることもあります。

みなさんは日本の国犬をご存知でしょうか?日本犬だし、よく見かけるから柴犬が国犬なのでは?と思う方も多いと思います。実は日本の場合、正式には定められておらず、国犬は非公式となります。

国際的に公認されたはじめての日本原産種ということで、ではないかとする説と、天然記念物に指定され、海外での知名度の高さや人気さから秋田犬が国犬とする説があり、見解が分かれています。

ちなみに、日本の国花は?と聞かれたら桜と答えてしまいそうですが、正式に定められてはいないのです。しかし、昔から馴染みのある花として「桜」と「菊」が日本を代表する花として認められているようですよ。この他にも菌や石などもあるので、気になる方は調べてみてくださいね。

プードルは今もフランスで人気なの?

凱旋門 フランス

フランスの国犬であるプードルは、今現在フランスで人気の犬種ランキングに入っているのでしょうか?SCC(ソシエテセントラルドッグ:フランスの犬舎クラブ)の発表によるとのよると、2022年の人気犬種は以下のようになっています。

【フランスの人気犬種ランキング】

  1. オーストラリアン・ シェパード
  2. ゴールデンレトリバー
  3. スタッフォードシャー・ブル・テリア
  4. ベルジアン・シェパード
  5. ジャーマン・シェパード
  6. ラブラドール・レトリバー
  7. キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
  8. イングリッシュ・コッカー・スパニエル
  9. アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
  10. イングリッシュ・セッター

このランキングを見てこう思いませんでしたか?「プードルが入っていない」と・・

中世ではあれだけ人気だったプードルですが、現在はオーストラリアンシェパードが5年連続1位という結果に。ただ、ランキングにこそ入っていないものの、今でも人気がある犬種ということには変わりがないようですよ。このランキングはフランス全土のものですが、首都では小型犬の人気が集中しているようなので、パリではトイプードルを見かけることもあるかもしれませんね。

【番外編】日本で人気の犬は?

チワワ

JKC(ジャパンケネルクラブ)では毎年、犬種別犬籍登録頭数を発表しています。これはその年に生まれ、血統書が発行された犬の数を表しています。

2023年に発表された2022年(1月~12月)の犬種別犬籍登録頭数を見てみると、1位のプードルの頭数はなんと83,916頭!

その内訳は、

  • スタンダードプードル  2,016頭
  • ミディアムプードル 195頭
  • ミニチュアプードル 271頭
  • トイプードル 81,434頭

となっており、なかでもトイプードルの登録数が群を抜いて多いことが分かります。

次に、10位までの犬籍登録頭数を見てみましょう。

【日本の人気犬種ランキング】

  1. プードル 83,916頭
  2. チワワ 48,445頭
  3. ダックスフンド 28,702頭
  4. ポメラニアン 19,433頭
  5. ミニチュア・シュナウザー 12,184頭
  6. フレンチ・ブルドッグ 11,846頭
  7. マルチーズ 9,011頭
  8. ヨークシャー・テリア 8,957頭
  9. 柴 8,568頭
  10. シー・ズー 7,686頭

こちらでもプードルの数は圧倒的です。そして大半が小型犬で、中型犬はフレンチブルドッグと柴(※柴犬の大きさについては曖昧なところが多いですがここでは中型犬とします)のみということも分かります。柴犬はよく見かけるので多いと思っていましたが、登録数は意外と少なく、9位という結果でした。

日本では住環境や運動量の少なさなどから小型犬の人気が高い傾向が続いていますね。

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プードルは古くから愛され続けている犬種

トイプードル

発祥の地こそ分かっていないものの、紀元前30年ごろのローマ皇帝の記念碑にプードルのような犬の彫刻があったことや、ドイツのアルブレヒトデューラー、スペインのゴヤなどにも描かれていることから、幅広い地域で人々のそばに存在していたことが分かります。

人間の歴史や役割にあわせてプードルは身体の大きさを変え、古くからわたしたちのパートナーとして生きてきたと思うとなんだか愛おしい気持ちになりますね。現在もさまざまな場所で活躍しているプードルは、これからもわたしたちを支えてくれる存在といえるでしょう。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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