どんな犬を飼うか考えるときにサイズや外見・フィーリングなどはもちろんですが、抜け毛が多いか、お手入れはどれぐらい必要か?ということも気になりますよね。そこで今回は、毛が短い「短毛種」と呼ばれる犬たちにフォーカスを当て、代表的な短毛種と、被毛の仕組みから短毛種の特徴・お手入れ方法などを説明していきます。短毛種の犬を迎えたいと検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。

短毛種ってどんな犬?代表的な犬種を紹介
犬といえばふわふわなイメージがあるかもしれませんが、毛足の短い犬種もたくさんいます。短毛種の代表的な犬種をサイズごとにみていきましょう。
小型犬|イタリアン・グレーハウンド
イタリアン・グレーハウンドは、スタイリッシュな見た目の小型犬。短毛種の中でも特に短い毛のイメージが強い犬種だと思います。短毛な上に細身の体型もあり、寒さにとても弱い犬種です。冬場や寒い時間帯には暖かい服を着せたり、毛布を置いてあげるなど、常に温度調整ができるように環境を整える必要があります。
小型犬|スムースコート・チワワ
日本での飼育頭数も多いチワワ。被毛の色のバリエーションも豊富ですが、被毛の長さについても短毛種・長毛種の両タイプが存在します。短毛種のチワワはスムースコート・チワワと呼ばれ、長毛種のチワワはロングコート・チワワと呼ばれます。チワワは元々メキシコ原産の短毛種の犬種で寒さに弱いと言われていますが、暑さにも注意が必要です。長毛種のロングコート・チワワはアメリカで進化が進んだと言われています。
小型犬|ミニチュアピンシャー
ドーベルマンを小さくしたような見た目と滑らかで光沢のある被毛が特徴のミニチュアピンシャー。華奢な体つきですが、筋肉質で、かつては番犬やネズミ捕りとして活躍していました。体が小さく短毛なことから寒さに弱いので、冬場はしっかりと寒さ対策をしてあげましょう。
小型犬|パグ
短いマズルとしわがチャームポイントのパグはぶさかわ犬として大人気の犬種です。短毛ではあるものの、ダブルコートなので抜け毛はとても多く、毎日のブラッシングや定期的なシャンプーといった抜け毛対策は必須になります。
小型犬|スムースコート・ミニチュアダックスフンド
ミニチュアダックスフンドの被毛はスムースコート、ロングコート、ワイヤーコートの3種類あり、被毛によって印象が変わる犬種です。スムースは硬くて光沢のある被毛で、まるでベロア素材のような質感をしています。シングルコートではあるものの、毛足が短いことで布製に刺さりやすく取り除きにくいという特徴があり、日頃から抜け毛対策をしっかりしておくことが少しでも掃除の手間を軽減するポイントです。
中型犬|ウィペット
イタリアングレーハウンドに似ているウィペットは短毛の中型犬です。シングルコートなので抜け毛は少ないほうではありますが、毛が生え変わるサイクルが短いので意外と抜け毛が多いと感じることがあるかもしれません。寒さに弱いので、冬場は洋服を着せる、靴を履かせるなどの対策が必要になります。
中型犬|フレンチ・ブルドッグ
フレンチ・ブルドッグも近年よく見かけるようになった、人気急上昇中の犬種。人間のような愛らしい表情と仕草がたまらないと、根強いファンがいます。ポテポテとマイペースに歩く姿はとてもキュートです。
中型犬|ビーグル
ビーグルはスヌーピーのモデルにもなった犬種です。艶がありしっかりとした毛質で、毛玉やもつれになりにくく、トリミングも不要のため、お手入れは比較的楽でしょう。ただし、ダブルコートなので抜け毛はとても多く、抜け毛対策は必須です。
大型犬|ラブラドール・レトリバー
ラブラドール・レトリバーは、小型犬人気の高い日本においても毎年の登録件数が20位以内と絶大な人気を誇る大型犬。盲型犬として活躍していて賢いイメージの鬱よい犬種ですよね。人が大好きで明るい性格の犬種なので、日常的にしっかりコミュニケーション取れる方との相性がいい犬種です。
大型犬|ドーベルマン
警察犬や軍用犬として活躍しているドーベルマンも短毛の犬種です。光沢がある滑らかな毛質が特徴で、しっとりとした触り心地をしています。スムースコートでシングルコートではありますが、毛周期が短いため結果的に抜け毛は多いと感じるでしょう。
大型犬|ダルメシアン
ダルメシアンは滑らかな短毛が特徴でお手入れが簡単だと言われることが多いです。シングルコートなので換毛期はなく、トリミングサロンに連れていく必要はありませんが、短毛種は生え変わりのサイクルが短いため1年を通して毛が抜けます。定期的なブラッシングとシャンプーで日頃から抜け毛対策を行いましょう。
大型犬|ワイマラナー
ワイマラナーはスムースとロングがいますが、スムースが一般的です。きめ細やかで滑らかな被毛は、筋肉質な体のラインを際立たせています。シングルコートのため、犬の中では比較的抜け毛が少ないと言えるでしょう。ただし、体が大きい分、小型犬と比べると抜け毛が多いと感じるかもしれません。
大型犬|ロットワイラー
ロットワイラーはドーベルマンと同じく警察犬や軍用犬などとして活躍している犬種です。光沢があり硬い毛質をしています。毛足は短いですが、ダブルコートであり毛周期も短いので抜け毛は多いです。
犬の被毛タイプの種類と特徴
「短毛種」と言っても、具体的にはどのような定義があるのでしょうか?毛の長さの種類や犬の被毛の仕組みを理解していきましょう。
毛の長さの種類には短毛種・長毛種・短中毛種がある
一般的に毛の長さが3cm前後の犬種が短毛種に分類されています。短毛種の犬の毛は一定の長さ以上に伸びることはありません。見た目の通り、手で触ったときにも滑らかでツルっとした毛質をしている犬種が多く、撫でていても気持ちがよいです。短毛種の多くはアンダーコードがなく、”抜け毛が少なくてよさそう”と思うかもしれませんが、生え変わりのサイクルが短いため、実は長毛種よりも短毛種の方が抜け毛は多くなります。撫でていると短い毛がポロポロと抜け落ちることも珍しくありません。
長毛種は、その名の通り長めの被毛を持つ犬種を指します。毛が伸びていくので、トリミングが必要なことが多いです。ヨークシャー・テリア、シーズー、プードルなどが長毛種に属します。毛が絡まりやすく汚れも付着しやすいため、日々のブラッシングは欠かせません。一方で毛周期が長いため、意外なことに抜け毛はあまり気にならないケースも多いです。
短中毛種とは、短毛種と長毛種のちょうど間くらいの毛の長さを持つ犬種で、柴犬、秋田犬、シベリアンハスキーなどが該当します。アンダーコートがある犬種が多く、換毛期でなかったとしてもほぼ一年中抜け毛が抜けるため、抜け毛の量は多いです。
毛の生え方には2種類の被毛タイプがある
犬には、「オーバーコート(上毛)」と呼ばれる長く太い毛と、 「アンダーコート(下毛)」と呼ばれる短く柔らかい毛の2種類の毛があります。「オーバーコート(上毛)」は皮膚を保護する役割があり、 「アンダーコート(下毛)」保湿や保温の役割をします。
犬にはオーバーコートだけを持つ被毛タイプと、オーバーコートとアンダーコートの両方を2重構造で持っている被毛タイプがあります。オーバーコートのみの被毛タイプがシングルコート、オーバーコートとアンダーコートの2重構造の被毛タイプがダブルコートです。
シングルコートの犬種は日常的な抜け毛は多いですが、一気に生え変わる換毛期はないので、まとめて抜け落ちることはありません。一方で、ダブルコートの犬種は換毛期という生え変わりの時期があり、春と秋の年2回、大量の抜け毛が発生します。ただし換毛期以外の時期の抜け毛はシングルコートよりも控えめです。
~犬の毛周期~換毛期とは?
毛周期(ヘアサイクル)とは、毛が生え変わる周期のこと。 人間の髪の毛の場合、毛周期は、成長期で5年前後、退行期の2~3週間を経て、数ヶ月の休止期からなっており、寿命は約4~6年です。
一方の犬は犬種や個体による個体差があり、人のように明確な周期は分かっていません。オーバーコートは年単位で成長し、アンダーコートは年1~2回の定期的な換毛期と呼ばれる時期に生え変わると言われています。
短毛種は一定の長さから毛が伸びなくなります。つまり、毛周期が短いサイクルであるということです。毛周期が短いため、必然的に長毛種よりも抜け毛が多くなります。長毛種は、毛の成長期が長く続くため、抜け毛が少なくなっています。
短毛種は寒さが苦手で日光に敏感
保湿や保温の役割を持つアンダーコートを持たない・短い場合が多い短毛種は寒さが苦手な傾向があります。短毛種は南方の暖かい地域原産の犬種が多く、元来は被毛で防寒する必要がないのでアンダーコートがない犬種が多いのです。
特に短毛種の中でも小型犬やシングルコートの被毛タイプを持つ犬種、完全室内飼いの犬は寒さが苦手な傾向にあります。 そのため、暖房器具や毛布などを活用するとともに、冬場は洋服を着せるなどして体温が逃げないように整えてあげなければいけません。
短毛種の犬のお手入れ。簡単だけど日常的なお手入れが必要不可欠
短毛種は抜け毛は多いですが、長毛種のように毛が絡まったり毛玉ができやすいということはないため、日頃のお手入れは比較的簡単です。トリミングも必要ありません。ただし、紫外線のダメージなどは受けやすいので、皮膚と被毛の健康を保つために、日常的なお手入れは不可欠です。
シャンプーで清潔に
実は、短毛種は長毛種よりも皮膚疾患にかかりやすいと言われています。長毛種は長い毛が皮膚の保護の役割を果たしていますが、短毛種にはそれがありません。そのため、月1~2回のシャンプーで余分な皮脂や汚れを落とし、皮膚を清潔に保つ必要があります。また、シャンプーやブラッシングをする際には、皮膚の状態をよくチェックして異常がないかどうか確認しましょう。
抜け毛対策をしっかりと
短毛種で抜け毛が多いダブルコートの場合、定期的にブラッシングをしてあげて、抜けかけた古い毛を取り除いてあげる必要があります。ブラッシングをする際は、皮膚を傷つけることがないようにマッサージしながらブラシでやさしく撫でてあげましょう。
短毛種の犬も愛情を込めて日ごとのお手入れを!
定期的なトリミングや丁寧なブラッシングが必要な長毛種に比べると、お手入れが簡単な短毛種。ただ、同じ短毛種でもシングルコートとダブルコートの犬種ではお手入れの頻度や注意すべきポイントは変わってきます。愛犬の被毛タイプにあったケアをして、被毛と皮膚の健康を守りましょう。
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