犬に梨を適切に与える方法|含まれる栄養素やおすすめレシピもご紹介
甘くてみずみずしい梨は、夏の疲れた体に活力を与えてくれる栄養価の高い食材です。そんな梨は犬も食べることができますが、与え方には注意が必要です。
今回は、梨の栄養価や犬に食べさせる際の注意点、梨を使ったおすすめのレシピをご紹介します。愛犬に梨を食べさせる際の参考にしてください。
梨は犬に食べさせても問題ない食材
シャキシャキとした食感で甘くて美味しい梨は、犬に与えても問題なく、むしろ多くの犬は好んで食べたがります。約88%もの水分が梨には含まれているので、夏場の愛犬の水分補給に役立ちます。
梨の栄養素・成分
水分が多い梨には、犬の健康に役立つ以下のような栄養素が含まれています。
カリウム
カリウムは、ナトリウムを排泄する役割があるミネラルの1種です。神経の伝達やエネルギーの代謝、心臓機能のサポートなどに関与しています。
ソルビトール
梨に含まれているソルビトールは、ブドウ糖から合成されてできる糖アルコールの1種で天然の甘味料です。カロリーが低いのが特徴で、果物の中でも含有量がトップクラスです。水分を保持する作用があり、喉の痛みの緩和などに有用な成分として知られています。
アスパラギン酸
アスパラギン酸は、体内でエネルギー源として利用されるアミノ酸の1種です。疲労回復効果や持久力の向上が期待できる成分として報告されています。
プロテアーゼ
消化酵素の1種であるプロテアーゼは、タンパク質を分解する働きがあります。犬は、タンパク質を多く摂取するので、消化しやすくなることが期待できます。
食べさせる際の適量について
犬に梨を与える際の適量は、体重5kgの犬で20g程度(1/12カットした梨の1切れ程度)までとされています。愛犬が欲しがるままに与えてしまうと、あっという間に食べすぎになってしまうので、十分に気をつけましょう。
犬に梨を食べさせる際に注意すること
愛犬に梨を食べさせる際は、以下のことに注意しましょう。
アレルギーに注意する
梨はバラ科の果物です。人間の場合では、バラ科の果物や野菜を食べると口腔アレルギーを起こすことがあります。犬では、このアレルギーは報告されていませんが、嘔吐や皮膚のかゆみなどのアレルギー症状を起こす可能性もゼロとは言い切れません。
初めて犬に梨を与える場合は少量からはじめて、食べた後はしばらく様子を観察するようにしましょう。
芯・種・皮を取り除いてから与える
皮・種・芯は消化しづらく胃腸に負担がかかってしまうので、必ず取り除いて果肉部分のみを与えましょう。
また、のどに詰まらせてしまうことがないよう、ひと口大に小さくカット、もしくはすりおろして与えるなどの配慮も必要です。
未成熟の梨は与えない
スーパーで販売されている梨は、基本的に成熟しているので心配は少ないかと思いますが、未成熟の梨は与えないようにしましょう。というのも、未成熟の梨には「アミグダリン」と呼ばれる成分が含まれているからです。
アミグダリン自体に毒性はありませんが、体内で消化されると「シアン化合物(青酸)」が生じ、中毒症状を引き起こしてしまいます。中毒を起こすと、下痢や嘔吐、呼吸困難、けいれんなどの症状が現れます。
必ず成熟しているもののみを与えるようにしましょう。
食べさせ過ぎない
梨に含まれているソルビトールは、腸の外から水分を取り込もうとする働きがあり、たくさん食べてしまうと下痢をする可能性があります。
加えて、梨には水溶性の食物繊維も多く含まれているので、与えすぎると下痢や軟便になることも大いに考えられます。適量を守って与えるようにしましょう。
持病がある犬には与える前にかかりつけの先生に相談を
例えば梨にはカリウムが多く含まれており、腎臓機能が低下している犬の場合、過剰に摂取することで腎臓に負担を与えてしまう可能性があります。
ほかにも、梨など療法食以外のものを食べることで体に負担がかかってしまう病気もあります。そのため、持病がある場合、必ず与える前にかかりつけの先生に相談をすることをお勧めします。
梨を使ったおすすめレシピをご紹介
通常は生で食べる梨ですが、消化しにくいのが特徴です。そこで、ひと手間加えて、犬も消化しやすいようにしてあげることをおすすめします。
梨とヨーグルトのパウンドケーキ
特別なおやつとして愛犬に作ってあげたい、梨とヨーグルトのパウンドケーキ。整腸作用がある乳酸菌が摂取できるのもポイントです。
<材料>
- 梨(皮・芯・種を取り除いた状態):400g
- ヨーグルト:大さじ4
- 卵:3個
- 米粉:150g
- 太白ゴマ油:90g
*パウンドケーキ型縱8cm×横17.5cm×深さ6cm 1本分
<作り方>
- 梨を1cm角ほどに小さくカットして耐熱容器に入れ、電子レンジで3分ほど加熱する。
- ボウルに卵を入れ、白っぽくなるまで混ぜる。
- ②にヨーグルトと米粉を入れてゴムベラでさっくりと混ぜる。
- ③にゴマ油を入れて、ゴムベラで混ぜ合わせる。
- ④に1を加えて混ぜ合わせ、パウンドケーキ型に流し入れる。
- ⑤を180度のオーブンで40分ほど焼く。
梨のゼリー
ツルンとした食感で、愛犬の食欲が落ちているときなどにもおすすめのおやつです。また、水分補給として与えるのもよいでしょう。
<材料>
- 梨(皮・芯・種を取り除いた状態):40g
- ぬるま湯:200ml
- 粉ゼラチン:4g
<作り方>
- 梨をすりおろす。
- 粉ゼラチンをぬるま湯で溶かす。
- ①を②に入れて混ぜ合わせる。
- 好みの容器に入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
梨のシャーベット
夏の暑い日にぴったりな梨のシャーベット。ひんやりとしたシャーベットは、熱中症対策にも役立ちます。
<材料>
- 梨(皮・芯・種を取り除いた状態):1個
- レモン果汁:小さじ2
- 水:大さじ1~2
<作り方>
- 梨の半分をすりおろし、残り半分を角切りにする。
- ①にレモン果汁をふりかける。水分が少ない場合は、水を大さじ1~2程度加える。
- 好みの容器に入れ、冷凍庫で冷やし固める。2時間に一度程度、シャーベット液が分離しないようにかき混ぜると味が均一になります。
適量を守って愛犬のおやつとして取り入れてみましょう
甘くてみずみずしい梨は、暑い日の水分補給や疲労回復に役立つので、愛犬のおやつにぴったりです。
ただし、梨には食物繊維やソルビトールが豊富に含まれているため、与えすぎには注意が必要です。
上手に取り入れて、愛犬のおやつタイムを楽しくしてあげてくださいね。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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