パスタって犬にあげても大丈夫?食べさせるときの注意点と栄養素について解説
パスタはイタリア料理の主食で、私たち日本人の食事にもすっかり馴染んでいる食材です。そんなパスタの主原料は小麦粉。グレインフリーやグルテンフリーのドッグフードがブームとなっている昨今、小麦粉で作られているパスタを犬に与えても大丈夫なのでしょうか。今回は、パスタに含まれる栄養素、犬にパスタを与えるときの注意点などをご紹介します。
結論、パスタは犬に与えても大丈夫!
パスタは、パンなどを作る一般的な小麦ではなく、植物性たんぱく質を多く含んでいるデュラム小麦を粗挽きにしたデュラム・セモリナ粉から作られています。このデュラム・セモリナ粉に水を加えて作られているのが一般的なパスタです。
炭水化物であるパスタは、少量なら犬が食べても大丈夫な食材ですが、犬の体質によっては注意が必要な場合があります。
パスタの栄養素・成分を紹介
パスタの原材料であるデュラム小麦は、一般的な小麦に比べたんぱく質量が多いことが特徴です。また、糖質に加えビタミンBや鉄などが含まれています。
栄養素・成分【1】炭水化物
犬にとってエネルギー源となる栄養素が三大栄養素の一つでもある炭水化物です。炭水化物は、効率よくエネルギーを作り出し、犬の健康を維持するのに役立ちます。
栄養素・成分【2】食物繊維
パスタには、白米にくらべて3倍の食物繊維が含まれています。食物繊維は、腸内環境を整えてくれる犬にとっても大切な栄養素。また、パスタに多く含まれている糖質を体外に排泄する作用もあります。
栄養素・成分【3】ミネラル
パスタには、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、鉄、亜鉛などの主要ミネラルと銅、セレンなどの微量ミネラルが含まれています。主要ミネラルは、犬の細胞機能、神経伝達、骨など体を構成するのに欠かせない栄養素です。
栄養素・成分【4】植物性たんぱく質
たんぱく質は、健康な体を作るために犬にとって必要不可欠な栄養素。犬の体内では生成されないため、食事から摂取する必要があります。
これらのミネラルは摂取バランスが重要で、中でもカルシウムとリンは密接に関わりあっています。
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栄養素・成分【5】ビタミンB群
水溶性ビタミンであるビタミンB群の中でも、パスタにはアミノ酸の代謝を助ける補酵素として働くビタミンB6、赤血球の生成に関わる葉酸やエネルギー代謝に関わるパントテン酸が多く含まれています。
パスタを犬に与えるときの注意点について
日本で販売されている一般的なパスタは、デュラム小麦と呼ばれるタンパク質を多く含む弾力性に富んでいる小麦を使用しています。このデュラム小麦の最大の特徴は、グルテンを多く含んでいること。そのため、犬に食べさせる際には注意が必要です。
注意点【1】小麦アレルギーを起こす可能性がある
昨今増えてきたグレインフリー・グルテンフリーのドッグフードとは、穀物と穀類の胚芽や胚乳から生成されるタンパク質を使用していないドッグフードという意味です。
肉食をメインとする雑食の犬は、穀類の消化が苦手です。また、体質的にグルテン不耐性の場合もあります。小麦などの穀物やパンやクッキーなど小麦粉が含まれている食品を食べることで、消化不良を起こしたりアレルギーを発症する可能性があります。
小麦は特定原材料表示が定められている食品であるため、アレルギーを起こす可能性がある犬にパスタを与えるのはやめましょう。
注意点【2】塩を入れて茹でない
私たち人間が食べる場合は、お湯に塩を入れてパスタを茹でることが一般的です。しかし、犬にパスタを与える場合は、塩分過多となってしまう可能性があるため、パスタを塩茹ですることは避けましょう。
注意点【3】糖質が高い
糖質は犬にとっても大切な栄養素ですが、パスタにはうどんやそばの約1.5倍の糖質が含まれています。犬は、良質なたんぱく質から糖を作り出すことができます。そのため、糖質をあえて摂取する必要がありません。
また、糖の摂りすぎによる肥満や近年増えてきている糖尿病への引き金になる可能性があるため、パスタを与える時は少量にするようにしましょう。
注意点【4】パスタは犬にとって主食にはならない
人間の場合は、主食として米やパスタを食しますが、肉食を主食とする犬にとってパスタは栄養素として必要な食材ではありません。
特に、アレルギー予防としてグレイン・グルテン不使用のドッグフードを食べている犬に、パスタを与えることはおすすめできません。
パスタは、特別な日のトッピング食材と考えておきましょう。
愛犬のためのパスタを使ったおすすめレシピをご紹介!
パスタは、犬にとって絶対に必要な食材ではありません。また、与えすぎは肥満につながる可能性もあるため、食欲がない時や誕生日など特別な日のスペシャルメニューとして、ごく少量をレシピに加えてあげてください。
レシピ【1】ミネストローネ
野菜をたっぷり使ったミネストローネは、人にも犬にも優しい一品です。スープは水分補給にもなるので、水を飲まないコやフードのふやかしにもおすすめです。
材料
- にんじん 1/4本
- ジャガイモ 1個
- セロリ 1/4本
- パプリカ 1/2個
- しめじ 1/4パック
- スパゲティ 10g
- トマトの缶詰 1缶(200g程度)
- 水 1カップ
- オリーブオイル 適量
作り方
- 野菜はすべてさいの目に切る。
- 鍋にオリーブオイルを入れ、固い野菜から順番に入れて炒める。
- 野菜がしんなりしたら、缶詰のトマトをつぶしながら汁ごと入れて全体をざっと混ぜ合わせる。
- 水を入れ、煮立ったらアクを取り、スパゲティを2〜3cm程度の長さに折りながら加える。
- 蓋をして、弱火で10分程度煮込んですべての材料が柔らかくなったら出来上がり。
レシピ【2】鶏団子のスープパスタ
鶏ひき肉だけではなくイワシや白身魚でも作れるレシピです。ミンチを団子状に丸めてお鍋に入れていけば美味しい出汁も出るので、食いつきも抜群です。スープを取る必要がないお手軽レシピです。
材料
- 鶏ひき肉 100g
- にんじん 1/4本
- 小松菜 1束
- 舞茸 1/4パック
- 片栗粉 小さじ1
- 溶き卵 1個
- ショートパスタ 10g
- 水 200cc
作り方
- 鶏ひき肉をボウルに入れ、片栗粉をまぶしよくこねる。
- 野菜は一口大に切っておく。
- 鍋に水を入れ、沸騰したら丸めた鶏ひき肉をスプーンなどで落としていく。
- アクを取り除き、鶏団子が浮いてきたらショートパスタを入れる。
- パスタが柔らかくなったら、野菜を入れ柔らかくなるまで煮る。
- 最後に溶き卵を回し入れ火を止めて出来上がり。
レシピ【3】カリカリショートパスタ
手作りのおやつはちょっと難しそう、と思っている方でも簡単に作れるパスタを使ったおやつです。ショートパスタは、リボン型、シェル型をはじめハロウィン用やディズニー型などさまざまな形が選べるので、好みのタイプを選んでください。
材料
- ショートパスタ 適量
- オリーブオイル 適量
- シナモン、粉チーズ、きな粉などお好みで
作り方
- ショートパスタは茹でずに、熱したオリーブオイルでカリッと揚げる。または、オリーブオイルをパスタに絡め、アルミホイルを敷いたオーブントースターのトレイに乗せてカリッとするまで3分程度焼く。
- 熱いうちにお皿に移し、好みのトッピングをふりかける。
パスタを犬に与える時は、肉や野菜をメインにしよう!
ディズニー映画「わんわん物語」で、コッカースパニエルのレディと野良犬のトランプがスパゲティを食べるシーンは、犬好きの方なら誰もが記憶に残っているのではないでしょうか?
しかし、実際には犬がパスタを主食とすることはありません。甘みのあるパスタは、犬が喜ぶ食材ですが、あくまでも脇役です。
また、小麦アレルギーがある場合には、パスタを与えることでアレルギー症状を発症する可能性があるため注意が必要です。
<参考文献>
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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