banner

banner

【獣医師監修】マナー違反やトラブルになることも。犬のマウンティングをやめさせるには

お気に入りに追加

立っているときに愛犬がしつこく足にマウンティングしてきたり、ドッグランでよその犬や飼い主さんにマウンティングしてしまい困った、という経験はありませんか?マウンティングをすることは犬にとって特異な行動ではありませんが、人間社会で生活する上では問題になることがあります。

今回の記事では、犬がマウンティングする理由や、マウンティングすることによるトラブル、しつこいマウンティングをやめさせる方法についてご紹介します。

【獣医師監修】マナー違反やトラブルになることも。犬のマウンティングをやめさせるには
話題/ 犬用ベッド徹底比較 犬用ベッドなんでも良いって思ってない?愛犬の寿命にもつながるベッドの選び方教えます。

目次

  1. 犬がマウンティングする理由
  2. マウンティングによって起こりうる問題
  3. 犬のしつこいマウンティングをやめさせる方法は?
  4. マウンティングを放置するとトラブルの元になることも

犬がマウンティングする理由

犬 お座り

マウンティングは乗る、またがるといった意味ある「マウント」が由来といわれています。マウンティングするとき、犬は前足で他の犬や人にしがみつきながら、小刻みに腰を振ります。

マウンティング=オスの性行動というイメージがあるかもしれませんが、実際にはメスもマウンティングをします。

犬はどのような理由でマウンティングをするのでしょうか。

性的な本能

未去勢のオスは、発情中のメスのフェロモンに反応してマウンティング行為に及びます。

この場合、マウンティングを許してしまうと交尾して相手の犬を妊娠させてしまう可能性があるので、すぐに引き離さなければなりません。

遊びや暇つぶし

他の犬や飼い主さんと遊んでいるときに過度に興奮すると、遊びの一環としてマウンティングすることがあります。

暇なときに、構ってほしくて飼い主さんの足にマウンティングしたり、クッションやおもちゃを相手にすることもあります。

ストレス解消

散歩に連れて行ってもらえなかったり、相性の悪い犬と過ごさなければならなかったり、引っ越しなどで家庭環境が変わることでストレスがたまった犬は、ストレスを発散するためにマウンティングすることがあります。

ストレスの原因をできる限り排除し、十分に運動する時間を設けたり、一緒に遊んでストレスが溜まらないよう工夫してあげましょう。

優位性のアピール

犬はマウンティング行為によって「自分の方が上だ」とアピールすることがあります。

飼い主さんとの信頼関係が構築できていない場合に飼い主さんにマウンティングしたり、自分より年下の犬や性格の穏やかな犬にマウンティングすることが多いようです。そして、マウンティングされている犬があまり嫌がらなければ、更にマウンティングを続けてしまいます。

散歩のときに犬が行きたい方向に付き合ってしまう飼い主さんや、おねだりされたときに言うことを聞いてしまう飼い主さんは要注意です。

マウンティングによって起こりうる問題

犬

犬のしつこいマウンティングは、次のような問題やトラブルを引き起こし飼い主さんを悩ませます。

他の犬や人とのトラブル

ドッグランなどでよその犬にマウンティングしてしまうと、嫌がった相手の犬が攻撃的になり、ケンカになることがあります。また、誰にでもマウンティングする場合には、お年寄りや子供に飛びつき転倒させてしまうかもしれません。マウンティングが大きな事故に繋がる前にやめさせましょう。 

見ている人に不快感を与える

マウンティングは、見ている人に不快感を与える行為でもあります。特に、愛犬がよその犬にマウンティングされているところを目撃したら、飼い主さんは気分が悪いのではないでしょうか。

人と共に暮らす上で、マウンティングは不適切な行為になります。

足腰に負担がかかる

マウンティングするとき、犬は後足で立ち上がった姿勢で腰を振るので、足腰に大きな負担がかかります。腰への負担は椎間板ヘルニアの原因にもなります。

陰部を傷付ける

陰部はデリケートな部分です。しつこくこすりつけていると摩擦によってケガをし、出血することもあります。

マウンティングしなければ自然に治ることもありますが、傷から感染を起こして化膿し、治りにくくなってしまうこともあります。このような原因から、さらに「包皮炎」を起こしたり、「陰茎突出」したまま戻らなくなるといったトラブルにもつながるリスクがあります。ひどくなる前に、動物病院で治療を受けましょう。

飼い主の指示に従わなくなる可能性

飼い主さんにマウンティングする場合、優位性をアピールしていることがあります。この状態を放置すると飼い主さんとの信頼関係が崩れ、飼い主さんが指示を出しても言うことを聞かなくなってしまったり、ひどいときには咬みついてくる可能性もあります。「おすわり」「まて」などの基本的なしつけを見直し、理想的な関係を築きましょう。

犬のしつこいマウンティングをやめさせる方法は?

犬 お座り

飼い主さんにマウンティングし始めたときにやめさせずに放っておいたり、クッションやおもちゃへのマウンティング行為を見て見ぬふりをしていると、どんどん癖になってしまいます。マウンティングが習慣化すると、避妊・去勢手術をしてもゼロにはならないと言われているので、繁殖を望まないのであれば適切な時期に避妊・去勢手術を受けましょう。

次に、しつこいマウンティングをやめさせる方法についてご紹介します。

他の犬やクッションにマウンティングする場合

散歩中に他の犬にマウンティングしそうになったときには、リードを短く保持し「おすわり」などの指示を出し、落ち着かせましょう。マウンティングの癖のある子は、ノーリードで遊べるドッグランであっても、他の子がいるときはリードを付けておき、いざというときに引き戻せるようにしましょう。

クッションでマウンティングする場合は暇つぶしであったりストレスを発散していることが多いので、代わりのおもちゃを与えてクッションを取り上げ、隠してしまいましょう。

飼い主さんにマウンティングする場合

飼い主さんにマウンティングする場合の対処法は主に2つあります。

無視をする

飼い主さんに構ってほしくて、気を引くためにマウンティングしている場合には、反応してはいけません。声をかけたり騒いでしまうと、犬にとっては「相手にしてもらえた」というご褒美になってしまいます。

犬がマウンティングしても無反応を貫き、他の部屋や犬から見えない所に行きましょう。

マウンティングすると飼い主さんがいなくなってしまう、と学習させることが大切です。

指示を出し、落ち着かせる

優位性のアピールや、性的な意味でマウンティングする場合は「おすわり」「まて」「ふせ」などの指示を出し、犬を落ち着かせましょう。そして、マウンティングせずにきちんと指示に従ったら、ご褒美のおやつを与えたりして褒めてあげましょう。

興奮がひどいときには、一旦「ハウス」と指示を出し、クールダウンさせても良いでしょう。

マウンティングを放置するとトラブルの元になることも

犬 散歩

マウンティングが癖になってしまうと、他の犬とのケンカの原因になったり、飛びつかれた人が転倒して怪我をするかもしれません。マウンティングは犬の自然な行動だからと容認するのではなく、マウンティングしないようきちんとしつけたり、適切な時期に避妊・去勢手術を受けましょう。

こちらの記事もチェック

【獣医師監修】犬が「ため息」をつく理由とは|ストレスが原因?ため息のメカニズムを解説します

あわせて読みたい

【獣医師監修】犬が「ため息」をつく理由とは|ストレスが原因?ため息のメカニズムを解説します

お散歩から帰ってきた後や眠る前などに、犬が「フーッ」とため息をつくのを聞いたことはありませんか?人間の場合は、疲労やストレスが溜まったとき、一息つきたいときなどに「はぁ」「ふう」と思わずため息をついてしまいますが、犬のため息にはどんな理由があるのでしょうか?今回は、犬がため息をつく理由と、ため息のメカニズムに迫ります。

【獣医師監修】発情期を迎えるのはメスだけ?発情時の特徴から避妊・去勢手術まで

あわせて読みたい

【獣医師監修】発情期を迎えるのはメスだけ?発情時の特徴から避妊・去勢手術まで

犬は成長するにつれて、オスもメスも発情期を迎えるものと思われがちですが、実はオスに「発情期」はありません。メスの場合は、個体差はあるものの、子犬から成犬になるにあたって性的に成熟して何度も「発情期」を迎えます。 今回は、犬の発情・発情期について、オスとメスの違いや、発情時の特徴や期間、避妊/去勢手術のメリットやデメリットなど、飼い主さんが知っておきたい犬の発情についてまとめてお話しします。

愛犬の寿命に繋がる!?犬用ベッド徹底比較 2024年最新版 床ずれの防止、腰の負担予防など愛犬の健康のために考え抜かれた犬用ベッドを徹底比較!
choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

【petan編集部企画】ペットベッド「DoggyBaseとは?」

あわせて読みたい

【petan編集部企画】ペットベッド「DoggyBaseとは?」

獣医師監修に関する記事

【獣医師監修】大型犬に多い股関節形成不全症について知っておこう|原因・症状・診断方法から治療方法まで

健康管理/病気

【獣医師監修】大型犬に多い股関節形成不全症について知っておこう|原因・症状・診断方法から治療方法まで

「股関節形成不全」という病気をご存じですか?大型犬が多く発症し、遺伝的な原因と環境的な原因があ...

2023年12月4日

【獣医師監修】犬のしゃっくりの原因とは。自宅でできる対処法を紹介

健康管理/病気

【獣医師監修】犬のしゃっくりの原因とは。自宅でできる対処法を紹介

みなさんは愛犬がしゃっくりをしているのを聞いたことがありますか?私たち人間はなにかの拍子にしゃ...

2023年10月26日

【獣医師監修】犬は子宮蓄膿症を発症しやすい?原因を知って予防に努めましょう

健康管理/病気

【獣医師監修】犬は子宮蓄膿症を発症しやすい?原因を知って予防に努めましょう

皆さんは「子宮蓄膿症」という病気をご存知でしょうか? 子宮蓄膿症は、避妊手術を受けていない中...

2023年10月16日

【獣医師監修】犬のアカラス症をご存知ですか?症状や知っておきたい予防方法を紹介します

健康管理/病気

【獣医師監修】犬のアカラス症をご存知ですか?症状や知っておきたい予防方法を紹介します

犬のアカラス症という病気は、皮膚病の1種で、年齢や犬種を問わず起こる可能性があります。厄介なこ...

2023年9月26日

【獣医師監修】犬が甘噛みをするのはなぜ?癖にさせないためのポイントと噛んできたときの対処法

飼い方/育て方

【獣医師監修】犬が甘噛みをするのはなぜ?癖にさせないためのポイントと噛んできたときの対処法

「愛犬の甘噛みがなかなか直らない」と困っている飼い主さんは多いのではないでしょうか。そこまで痛...

2023年9月20日

もっと見る

関連するキーワード

カテゴリー

人気記事ランキング

Petan独自調査

獣医師監修記事

おすすめ記事

人気のキーワード