犬の「飛びつき」は思わぬ事故にもつながる!犬が人に飛びつく気持ちや理由、対処法を解説
ピョンピョンと足に飛びついている小型犬を飼い主が抱き上げる、そんな光景を目にしたことはありませんか?この体験を日常からしている犬は、飼い主以外にも飛びつくことがあります。飼い主ならまだしも、大型犬に同じように飛びつかれたら恐怖心を感じる方も多いのでしょう。
思わぬ事故につながることもある犬の飛びつき癖。今回は、犬の飛びつき癖にどう対処すればいいのかについて、犬が飛びつく理由から順を追って解説します。
犬の飛びつき|状況別に理由を考えよう
犬はなぜ飛びつくのでしょう?同じ飛びつきでも、飼い主やその家族に対して飛びつく時と、他の人に飛びつくのとでは意味が違うこともあります。まずは、犬が飛びつく理由を大きく6つに分けてご紹介します。
飼い主に飛びつく|嬉しい時、喜びの表現
外出から帰ってきた飼い主や家族に、玄関で飛びつくのは「待ってたよ!」「おかえり!!」という嬉しさの感情表現です。飼い主としては、嬉しい場面ですが、あまりに興奮して飛びついてくる場合は、飼い主といえども怪我をしてしまう可能性があります。また、犬にとっても腰に負担がかかる場合があるので注意が必要です。
飼い主に飛びつく|抱っこしてほしい
小型犬に多く見られる行動ですが、実は大型犬も抱っこしてほしい時に飛びつくことがあります。特に、外出先で恐怖を感じた時や知らない犬から威嚇された時などによく飛びつこうとします。また、小型犬の場合は、歩きたくない時にも抱っこしてほしいと飛びつくことがあります。まれに、飼い主以外にも抱っこをせがんで飛びつくこともありますが、基本的には飼い主に対してする行動です。
飼い主・他の人に飛びつく|顔を舐めたい
犬が相手の口元を舐めることは挨拶の一つ。犬同士で口を舐めているのを見たことがある方もいると思います。
特に、若い犬が年上の犬に対してや上下関係で下になっている犬が目上の犬に対して行う行動で、相手を信頼しているという意味があり、犬にとっては自然な行動と言えます。
家庭犬にとっては飼い主が目上の存在にあたるため、信頼の証として顔や口を舐めようとするのです。また、飼い主と仲の良い友人や自分を可愛がってくれる人に対しても、挨拶として顔を舐めようと飛びつくことがあります。
飼い主・他の人に飛びつく|手に持っているおもちゃやおやつがほしい
手に持っているものが欲しいことからの飛びつきはよくある行動です。持っているものが小さい場合は、飛びつきとともに噛まれてしまうこともある危険な行動です。
他の人や物に飛びつく|本能
走っている電車やオートバイ、自転車に飛びつこうとする犬もいます。動くものに対して反応する狩猟犬、動くものを追う性質の牧羊犬に多く見られる行動です。また、飛びつきながら足を噛む習性を持つ犬種は、走っている人の足やスケートボードなどに対して飛びつこうとします。
他の人や犬に飛びつく|攻撃する
攻撃的な性格の犬は相手の態度や雰囲気を感じ取り、飛びついて襲いかかろうとすることがあります。また、犬同士でも噛みつくために飛びつくことがあります。
犬に飛びつきをやめさせるためには
飛びつきは、大きな事故につながる可能性があるためやめさせる必要があります。ウチの犬は小型犬だから多少飛びついてもいい、可愛いいから飛びついても問題ない、そう思う方もいるかもしれませんが、小型犬、大型犬問わず飛びつきは思わぬ事故を招きます。成犬になっても飛びつきをする場合は、飛びつき癖を直すしつけをすることが大切です。
飛びつき癖を直すのは難しい
子犬の頃にはやって良いこととされていた飛びつきが、成犬になって或る日突然「イケナイ」と言われても、犬は混乱するばかりです。特に、飛びつく=何かして貰えると覚えてしまった犬の場合、なかなか飛びつきをやめさせることができません。これは、要求吠えを繰り返す犬の場合と同じです。犬の要求行動として許してしまっている場合は、飛びつきを全くさせないようにするのは難しいと考えましょう。
飛びつきをやめさせたい時は無視が有効
犬は、無視されることがとても苦手です。大好きな飼い主に無視されることは犬にとっては辛いこと。そのため、犬が何かをして欲しい時に飛びついてくるとわかったら、無視をすることが有効です。また、飛びつきと同時に興奮をしている場合は、まず興奮を収めるようにすることも必要です。
無視の仕方
犬が飛びついてきたら、すぐに背中を向けましょう。もちろん、この時犬の要求を飲んではいけません。飛びつきをやめたら犬の方を向き、また遊んであげます。何度も飛びついてきたら、その度に背中を向けることを繰り返します。この時、犬が興奮しているようであれば、背中を向けたまま犬から離れることも有効です。犬のしつけの基本は、家族全員が同じ行動をとること。犬の飛びつきをやめさせたい場合には、飛びついてきたら家族全員で無視するようにしましょう。
飛びついていい時を作ってあげよう
一度飛びついて良いと学習してしまった犬に、飛びつきを完全にやめさせることはとても難しいことです。無視することを続けていても飛びつきが治らない場合は、「アップ」「抱っこ」などのコマンドで飛びついて良い時を作ってあげてみてください。特に、犬が飛びつきたそうにしていると感じた時は、コマンドで飛びつかせることで、犬は飛びついて良い時といけない時を学習できます。飛びつきをやめさせるためには、飼い主の観察眼も必要だと言えます。
実は癖をつけさせているかも
犬が飛びつくのをやめさせたい、そう思っていませんか。ここで、考えておきたいのは犬が飛びついて良いと思うようになった経緯についてです。成犬が飛びつくのは、犬が「やって良いこと」と認識している可能性が高いのです。
家族に飛びつきを許す人がいる
子犬から成犬に成長する過程で、飛びついてはいけないと教えることが必要ですが、家族の中の誰かが飛びつきを許している場合、犬は飛びつきをやめません。抱っこして欲しい時、歩きたくない時、手の中のおやつが欲しい時など、要求行動の一つとして飛びつきを続けてしまいます。
子犬の頃にしつけをしていない
狩猟犬や牧羊犬ではなくても犬は、本能から飛びつくことをします。子犬は、飼い主やその家族に飛びついて遊ぼうとします。子犬が飛びついてくるのは、本当にかわいいもの。飛びつかれたら、抱き上げたり、遊んであげたり、子犬の要求通りにしていたはずです。この時期に、飛びついて良いと学習してしまった犬は、成犬になっても飛びつきを続ける可能性があるのです。
犬の飛びつきは体格に関係なく危険な行動
大型犬の飛びつきは誰が考えてもその危険度がわかりますが、小型犬の飛びつきでも危険を伴うことはあまり認識されていません。飛びつきは困ると言いながら、飛びつきを許している飼い主も多くいます。小型犬でも、犬が嫌いな人に飛びついてしまったら、びっくりして転倒してしまうことも考えられるのです。また幼い子供の場合でも、驚いて転倒する可能性があります。犬の飛びつきによる事故が多発しています。犬の飛びつきを本当にやめさせたいと考えているのであれば、まずは飛びついても要求を聞き入れてもらえないということを犬に教えてみてください。
この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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