犬に眉毛はある?本当の眉毛と模様の違い【カットのポイントを解説】

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「犬に眉毛はある?」「犬の眉毛はどこ?」と疑問に感じていますか?

結論として、すべての犬に眉毛はあります。

ただし、「本来の眉毛」と「眉毛のような模様」があり、あなたが思い浮かべている「犬の眉毛」は眉毛ではない可能性が高いです。

本記事では、犬の眉毛とは?犬の眉毛の役割は?といった、犬の眉毛に関する疑問の解消はもちろん、お手入れする場合のカット方法も分かりやすく紹介します。

犬に眉毛はある?本当の眉毛と模様の違い【カットのポイントを解説】

目次

  1. 犬にも眉毛はあるの?
  2. 犬の眉毛の役割とは
  3. 眉毛がある犬種は?
  4. 犬の眉毛をカットする際の注意点
  5. 犬の眉毛お手入れ時のポイント
  6. 【まとめ】犬の眉毛には大切な役割がある!カットする場合は細心の注意を払って!

犬にも眉毛はあるの?

犬の眉毛
PicsbyFran

まず結論ですが、すべての犬に眉毛はあります。

”犬の眉毛”と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、黒柴やブラック・タンといわれる毛色の犬にあるいわゆる「まろ眉」だと思われます。

しかし、「まろ眉」は見た目がいかにも眉毛っぽいですが、本当の犬の眉毛ではありません。

実は、「まろ眉」は「タン・マーキング」という名称で、茶色や黄褐色の単なる”模様”にすぎません。

では、「犬の眉毛はどこにあるのか?」という疑問がわきますよね。

犬の本当の眉毛は、目頭(目頭)の上のあたりに左右対称に生えています。

犬を飼っている人は、愛犬をよく観察してみてください。

ヒゲに似た太くて硬い長い毛が2~3本生えていることに気が付くはずです。

目の上のヒゲによく似た毛が本当の犬の眉毛で、「眼窩上毛」(がんかじょうもう)という正式名称がついています。

「眼窩上毛」は、哺乳類がもつ毛状の感覚器官の1つで、きちんとした役割を持っています。

犬の眉毛の役割とは

犬の眉毛の役割

人間の眉毛には、汗やゴミを眼に入りにくくしたり、光を遮ったりする役割がありますが、犬の眉毛の役割とはやや異なる点があります。

犬の眉毛の主な役割は以下の2つです。

  • 感覚機能
  • 感情表現

感覚機能

犬は眉毛で、平衡感覚(バランス感覚)・幅(自分が通れる幅か確認)・温度・風向き・気圧の変化などを察知します。

つまり、犬の眉毛は、周囲の情報収集をする感覚器官としての役割を持っているのです。

とはいえ、犬は聴覚・視覚・嗅覚が優れているため、あまり眉毛の感覚には頼っていません。

そのため、たとえ眉毛がなくても問題なく生活ができると考えられています。  

感情表現

犬は、眉毛を上に動かしたり、寄せたりすることで感情表現をします。

犬の眉毛の毛根には神経が分布していて鋭い感覚機能があり、犬は眉毛を思いどおりに動すことができるのです。

どんな感情のときにどのように眉毛を動かすのか、例を交えて解説します。

眉毛を寄せたとき

犬が眉毛を寄せたときに考えられる気持ちは、2つあります。

  • 怒りの気持ちを表現
  • 悲しい・寂しいを表現

1つ目は、眉毛を寄せて牙をむいている場合は怒りを表現しています。

ヴゥーと唸って牙をむき出しにする行為は威嚇行為で、眉毛が寄っていることが多いです。

例えば、大好きなおやつ・おもちゃを取られそうになっている場面を思い浮かべてみてください。

ヴゥーと牙をむいて怒っているときには、だいたい眉毛が寄っているでしょう。

2つ目は、眉毛を寄せて目が垂れている場合は、悲しいときや緊張しているときに多い様子です。

例えばいたずらをして叱られたときやお留守番で寂しい気持ちのときに多く見られます。

しょんぼりした表情は、眉毛を寄せることでより悲しげに見えますよね。

右の眉毛を上げたとき

右の眉毛を上げるのは、「警戒」を表現していて、知らない人に会ったとき・苦手なものや嫌いなものを見たときに多く見られる表情です。

例えば、犬嫌いな人に出くわしたとき・苦手なお風呂に連れていかれたとき・苦手な爪切り・ブラシ・ドライヤー等のお手入れ道具を見たときなどは、右の眉毛がピクっと上がります。

右の眉毛を上げたときは、ネガティブな気持ちを表現していることが多いでしょう。

左の眉毛を上げたとき

左の眉毛を上げるのは、「ポジティブな気持ち」を表現しています。

例えば、おやつをくれる近所のおばさん・いつも遊んでくれる人・飼い主が帰宅したときなど、犬の眉毛に注目してみてください。

きっと左の眉毛があがっているでしょう。

犬の眉の毛根には、神経が広がっているため毛を自由自在に動かすことが可能です。

そのため、さまざまな感情を眉毛で表現できます。

愛犬の眉毛の動きをよく観察すれば、「怒っている?」「嬉しい?」「悲しい?寂しい?」など気持ちを読み取りやすくなるかもしれませんね。

眉毛がある犬種は?

眉毛が長い犬(ヨークシャテリア)

すべての犬に眉毛があるとお伝えしましたが、”眉毛の見た目”で2種類に分類できます。

それぞれご紹介しますね。

眉毛が長い、または濃い犬種

眉毛が長いまたは濃い犬種の代表は、以下の3種類です。

  • ミニチュアシュナウザー
  • ヨークシャテリア
  • ワイヤーフォックステリア

どの犬も毛がふさふさしていて、目の上にある毛が長いのが特徴的です。

特にミニュチュアシュナウザーは、全体の毛色はグレーで、目の上あたりに白色のもさもさした毛があり、おじいさんのような見た目が愛らしいですよね。

もさもさの毛の由来は、ミニチュアシュナウザーの歴史に関係があるようです。

ミニチュアシュナウザーは過去、ネズミの駆除犬として活躍していた時代がありました。

ネズミが嚙みついて攻撃してくることがあったので、顔を守るためにもさもさの毛が生えたという説があります。

ただ可愛い見た目なだけではなく、環境に適用した結果、長い眉毛が生えるようになったということですね。

眉毛のような模様がある犬種

眉毛のような模様(タン・マーキング)のある代表的な犬種は以下の6種類です。

  • ミニチュアダックスフンド
  • ドーベルマン
  • 柴犬
  • チワワ
  • ミニチュアピンシャー
  • アメリカンコッカースパニエル

どの犬も、茶色や黄褐色の模様(タン・マーキング)を持つ犬種です。

まろ眉の部分が目のように見えることで、敵の攻撃から身を守るカムフラージュの役割があるともいわれています。

ただし、人間からしてみれば、まろ眉は犬の眉毛そのもの。

模様がある本来の意味とは違いますが、「まろ眉」の模様は見た目がとても可愛らしく、犬の可愛いチャームポイントの1つですよね。

犬の眉毛をカットする際の注意点

犬の眉毛をカットする時の注意点
Cparks

犬の眉毛をカットする際の注意点として、『犬の眉毛は基本的にカットしても大丈夫だが、眉毛をカットしない方が良い犬もいる』という点を覚えておきましょう。

先程、犬の眉毛には周囲の情報収集をする『感覚機能』の役割があることを紹介しました。

ただ、視覚・聴覚・嗅覚が優れているので、仮に眉毛がなくなっても特に問題ないといわれています。

よって、眉毛をカットすることも問題ないです。

しかし、『障害がある犬』は別です。

視覚・聴覚・嗅覚に障害を持っている犬の場合は、健常な犬と違って、眉毛を『感覚機能』として役立てている可能性があるからです。

特に、視覚に障害がある場合、眉毛から得る情報に頼っていることが多いと考えられます。

眉毛をカットするかしないかは、犬の状態によって判断すると良いですね。

犬の眉毛お手入れ時のポイント

犬の眉毛を切るときのポイント

実際に犬の眉毛をカットするときのポイントを紹介します。

大切な愛犬を傷つけないように、きちんとポイントをおさえましょう。

カットする道具に注意する

眉毛をカットする際には、使用する道具に注意しましょう。

  • バリカンではなく人間用の小さな眉ばさみ等を使用
  • 毛抜きで眉毛を抜くのは絶対禁止

毛根部分にふくらみがあるため、バリカンで眉毛を切ろうとすると、皮膚を傷つけてしまう可能性が高まり、危険です。

また、毛抜きで眉毛を抜くのは傷みを伴うので絶対にやらないでください。

できるだけ犬に負担をかけないような意識を持つことが大切です。

マズル部分を固定する

マズルとは、口のまわりから鼻先にかけての部分のことです。

マズル部分をきちんと押さえて、犬が動かないように固定しましょう。

犬を後ろから抱きかかえるようにして、利き手ではない手で押さえるとカットしやすいですよ。

とはいえ、やんちゃな犬や怖がりな犬は特に、刃先が見えたりハサミの音を聞いたりするたびに動いてしまって、眉毛のカットは難しいと思われます。

1人で対応するのが無理な場合には、複数の人で「切る人」「押さえる人」と担当を分けてカットに臨むのが良いでしょう。

【まとめ】犬の眉毛には大切な役割がある!カットする場合は細心の注意を払って!

すべての犬に眉毛がある事実に驚いた人が多いのではないでしょうか?

また、眉毛だと思っていた部分が模様だったことを知り、驚いた人もいるでしょう。

人間と違って、犬の眉毛には大切な役割があります。

カットすることは基本的に問題ないですが、特別な理由がない限りカットしない方が良い場合が多いかもしれません。

もし、眉毛をカットする場合には、使用する道具とカット方法に注意して切るようにしてくださいね。

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しょうこ

この記事のライター

しょうこ

ちょっぴりわんぱくなワンコとの暮らしを満喫中。趣味のカメラで愛犬の写真を撮り癒される日々。上手な育て方のコツや関わり方のポイントなどをお届けできればと思います。

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