イングリッシュマスティフの特徴や性格は?飼い方と基本情報
イングリッシュマスティフは闘犬として活躍していた犬種で、勇敢で攻撃性も高いため知名度の割に飼育率が低い犬種でもあります。パワフルでコントロールも難しいため、飼育する前には犬種についてよく知っておくようにしましょう。ここでは、イングリッシュマスティフの歴史や特徴・性格・育て方までをご紹介します。
イングリッシュマスティフのルーツ
犬を飼育する際には、その犬種についてよく理解しておく必要があります。イングリッシュマスティフの歴史や特徴などを知り、本当に飼育できるのかよく考えてみてください。
日本では単に「マスティフ」とも。古い歴史がある犬種
イングリッシュマスティフは、日本では単にマスティフと呼ばれることもあります。
その起源には諸説ありますがその歴史は古く、チベタンマスティフが紀元前700年頃にアッシリアやエジプト、バビロニア、ペルシャなど経てイギリスに伝わったという説があります。2000年以上の歴史を持ち、9世紀後半には密猟者から貴族の所有地や禁猟区を守る番犬として飼育されていました。
名前の由来について
マスティフという名前は、パワフルを意味するマスティーに由来していますが、多くの国では犬を意味する言葉であったそうです。第二次世界大戦ではイギリスで数が激減しましたが、アメリカにかなりの数が持ち込まれたため、絶滅を免れたと言われています。
熊と戦っていたことも
軍用犬としても活躍しており、勇敢でベア・ファイティングと呼ばれる熊と闘う競技に登場することもしばしば。ベア・ファイティングは一時は国技にまでなりましたが、1642年には廃止され、飼育数が減っていたイングリッシュマスティフはドッグショーを機に再興することとなります。
イングリッシュマスティフの性格
イングリッシュマスティフの性格は飼い主に従順で愛情深いと言われています。また勇敢で攻撃的な一面もあるため、飼育には注意が必要となります。
勇敢で攻撃的な一面も
イングリッシュマスティフは闘犬でもあったため勇敢で攻撃的な一面が残っているとも言われており、制御できないでいると大変な問題を起こしてしまいます。しつけは徹底的に行い、一貫した教育を心掛けてください。
飼い主に従順で愛情深い
イングリッシュマスティフは飼い主に従順で愛情深い性格をしています。落ち着きもあり、いかつい顔とは相反して温和な子が多いようです。
イングリッシュマスティフのからだの特徴
イングリッシュマスティフの特徴はがっちりとした体型です。どの角度から見てもスクエア型の頭部に、筋肉質で頑丈な体躯、長方形の位置にある四肢とバランスのとれた犬種です。近年では胴体の太さが重視されており、四肢が長い個体は好まれないとされています。
被毛は短く、カラーは4タイプ
イングリッシュマスティフのカラーは、アプリコットフォーン、シルバーフォーン、フォーン、ダークフォーン・ブリンドルの4タイプで、マズル、耳、鼻、目の周りと顔にはブラックマスクが入っています。
ダブルコートで、密集したアンダーコートと、短毛で硬く真っすぐなアウターコートが特徴的です。
短毛種ですので長毛種ほど抜け毛が多く見えないかもしれませんが、換毛期がありますのでブラッシングは欠かさず行ってください。
大きく筋肉質でずっしりした体型
イングリッシュマスティフの体高はオスで76cm以上、メスで70cm以上が理想とされており、平均は68~80cmほど。体重はオス・メスともに75kgが理想で、平均体重は79~86kg程度です。
がっちりとした体をしており、全体的にバランスのある犬種です。短毛のため、筋肉質の体であることがよくわかります。
大型犬特有の疾患にかかりやすい
イングリッシュマスティフの寿命は8年から10年ほどで、かかりやすい病気としては股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)、胃捻転(いねんてん) 、先天性心疾患(せんてんせいしんしっかん)、眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)、小眼球症(しょうがんきゅうしょう)などがあげられます。
股関節形成不全
股関節形成不全は大型犬に多く発生する病気の一つで、股関節の発育がうまくいかず、成長するにつれ股関節が変形し炎症が起こる病気です。生後4ヶ月~1歳ほどで発症します。
胃捻転
胃捻転も大型犬に多く発生する病気で、食後に運動を行うと起こりやすい病気ですので食後の散歩は避けるようにしてください。胃捻転は重症になると死に至りますので注意が必要です。
先天性心疾患
先天性心疾患は生まれつきの心臓の病気で、動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)、肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう)、心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)などがあります。血液の流れに異常があらわれるため全く症状がない子もいれば生後間で重篤な症状を示す子もいます。
イングリッシュマスティフに合った育て方
イングリッシュマスティフを飼育する場合、環境や運動量、しつけ、ケアの方法などを学んでおく必要があります。
日頃のお手入れでは皮膚病対策を万全に
イングリッシュマスティフはよだれが多く垂れる傾向にあり、定期的に拭って清潔に保ってあげる必要があります。汚れたまま放置してしまうと皮膚病の原因にもなってしまいます。シワの部分は汚れがたまりやすいので固く絞った濡れタオルで定期的に拭ってあげてください。
短毛種のためさほど神経質になる必要はありませんが、運動後などは獣毛ブラシで丁寧にブラッシングしてあげるとよいでしょう。ダブルコートなので換毛期は、特に入念なブラッシングが必要です。
力が強いのでしつけはしっかりと
イングリッシュマスティフは闘犬であったため、力と攻撃力が共に高く、制御が難しく、初心者の飼育は困難です。頭がよく飼い主には従順ですが、幼齢犬の頃からしっかりとしつけを行うようにしましょう。
信頼関係をしっかり築けていないと、しつけで失敗することがあります。愛情を持ってコミュニケーションをたっぷりとり、家族としての信頼関係をしっかり築いていきましょう。
運動量は豊富!ストレスを溜めないように注意
イングリッシュマスティフは運動量も多く必要で、毎日1時間程度の散歩を2回ほど連れて行ってあげる必要があります。運動不足になると肥満になりやすくストレスも溜まりやすいため注意が必要となります。
暑さが苦手なので、夏場は散歩の時間に気を配る必要があります。散歩だけでなく、めいっぱい身体を動かせる外遊びも取り入れてあげると満足してくれるでしょう。
暑いのは苦手、足腰の負担にも配慮を
イングリッシュマスティフは暑いのが苦手な犬種ですので、夏場はクーラーが効いた部屋で過ごすことが必須です。また、よだれをたらしやすいので、掃除が行いやすい床材を選ぶと片付けが楽ですね。
足腰の負担にならないよう、滑りやすい床材は使用せずにマットや絨毯などを敷いてあげるようにしましょう。
また、家族と一緒に過ごすのが大好きなので、スキンシップの時間もしっかり確保してあげてください。
イングリッシュマスティフと過ごす幸せな時間
イングリッシュマスティフはいかつい顔をしていますが、性格は温厚でとても愛情深い犬種です。大型の闘犬であった歴史から攻撃性が高いと言われていますが、しっかりと信頼関係を築くことができれば頼もしいパートナーとなってくれるはずです。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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