犬はちくわを食べても大丈夫?栄養素や注意点についても紹介
料理をしていると愛犬がちくわを欲しそうにこっちを見ている…。
思わず「ちょっとだけ」と与えてしまいそうになりますが、ふと「ちくわは犬が食べても良いのかな?」と気になったことはないでしょうか?
ちくわは「高たんぱく低脂肪」かつ鉄分も豊富なので、人間にとっては栄養バランスの良い食材です。
調理せずに食べられるのでおやつとしてお子さんにあげたり、お弁当のおかずに使ったりする方も多いでしょう。
ですが犬に与えるのは大丈夫なのでしょうか?
この記事では犬にちくわを与えても問題がないのか、ちくわの栄養素や注意点をご紹介します。
犬にちくわを与えても大丈夫?
結論からいうと、犬にちくわを与えても問題ありません。
ちくわには塩分や添加物が含まれていますが、食べ過ぎに気を付ければ犬が食べても問題ない食材です。
ただ、犬の基本的な食事はドッグフードなので、食べすぎには注意が必要です。
ドッグフードには必要な栄養素が含まれています。
そのため、いくらちくわが高たんぱく・低脂肪・鉄分豊富な食材だとしても塩分や添加物の摂りすぎになる可能性もあるため与えすぎるとよくありません。
与える場合は普段の食事のトッピングとして少しだけ混ぜてあげる、少しだけおやつとしてあげる程度にしましょう。
また、毎日与えてしまうとちくわの味に慣れてしまい、普段のドッグフードを食べなくなる可能性もあります。
そのため与えるのであれば「たまに」を心がける必要もあります。
犬にとって良いちくわの栄養素
ちくわはスケソウダラ、イトヨリダイ、エソ、ホッケなど様々な種類の白身魚のすり身からできています。
ちくわに含まれる犬にとって良い栄養素は主にこの3つです。
- たんぱく質
- 多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸)
- 鉄分
たんぱく質
水を除くとたんぱく質は犬の体の50%を占めており、筋肉や血液、内臓、皮膚や被毛などの源になっている重要な栄養素です。
たんぱく質が不足してしまうと子犬は成長が不十分になり、成犬は体が機能しなくなったり、抜け毛が多くなったりと全身に影響が出ます。
また、病気を防ぐ免疫抗体も減ってしまうため病気にかかりやすくなってしまいます。
多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸とは脂肪を構成している脂肪酸のうち、植物や魚の脂に多く含まれるものです。この多価不飽和脂肪酸は体内で合成することができないため、食事からの摂取が必要です。
多価不飽和脂肪酸という言葉を聞いたことがなくても、「オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸」は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
このオメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸で多価不飽和脂肪酸は構成されています。
オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸
オメガ3脂肪酸は青魚や亜麻仁油などに多く含まれ、酸素を体内に運搬する働きがあります。
オメガ6脂肪酸は肉や卵、乳製品に多く含まれ、アレルギーの改善や皮膚・被毛を健康に保つ役割や、血中コレステロール値を下げる効果があります。
鉄分
鉄分には酸素の運搬、鉄分の貯蔵、酸素の貯蔵という3つの役割があります。
鉄分が不足すると貧血気味になるため、歩行がふらついたり、疲れやすくなり息切れを起こしたりするかもしれません。
また、鉄分は細胞の働きにも影響を与えているため、不足するとさまざまな臓器に不調が現れ、被毛のツヤがなくなったりぼさぼさになってしまいます。
犬にちくわを与えるときの注意点
一見、犬に必要な栄養素が含まれていて、与えるといいことばかりのように見えるちくわですが注意点もあります。
ちくわを与えるときの注意点はこの4つです。
- 塩分過多
- 魚アレルギーの可能性
- 添加物の摂取
- 偏食になる可能性
塩分過多
成犬の一日あたりの塩分摂取推奨量は体重1kgあたり0.127g程度だといわれています。
愛犬の体重が5kgの場合は2.54gです。
5本入りのちくわ1本あたりには0.25gのナトリウムが含まれているため、たくさん与えても問題ないように感じるかもしれません。
しかし、ドッグフードにも塩分が含まれているため与えすぎるとすぐに塩分過多になってしまいます。
塩分過多になると内臓に負担がかかり、心疾患や心不全を引き起こす可能性があります。
安心してちくわを与えたいなら、塩抜きをすると良いでしょう。
<塩抜きの方法 >
- ちくわを小さく切る
- 沸騰したお湯で1分程度茹でる
- ザルに移しお湯を切り、水に1分程度浸す
- よく水を切り、熱くないをの確認し犬に与える
塩分が心配な方や、塩抜きが面倒な方は犬用のちくわがあるためそれを与えると良いでしょう。
魚アレルギーの可能性
今まで愛犬に魚を与えたことがない場合は、魚アレルギーに注意する必要もあります。
アレルギーは生まれつきの「先天性」のものと、長い期間同じ食材を食べると発症する可能性のある「後天性」のものがあります。
ちくわを含め、初めて食べる食材を与える場合には少量から始め、食後は体調に変化がないか見ておきましょう。
アレルギーの場合には以下のような症状が現れます。
- 下痢・嘔吐
- 元気がなくなる
- 皮膚のかゆみ
- 目の充血
- 抜け毛が増える
- 顔や耳の内側、口周り、股の内側、目の周りなどが赤くなる
- 足の裏や指の間を執拗に舐める、噛む
特にアレルギー症状の初期はかゆみが現れることが多く、犬はかゆい所を掻いたり噛んだりするため、放っておくとどんどん悪化してしまいます。
そのため、このような症状がみられる場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
食品添加物の摂取
加工食品であるちくわには食品添加物が含まれています。
多くのちくわに使われているのはソルビン酸カリウムという食品添加物です。
細菌やカビの発生・増力を抑える働きがあるため保存料として用いられます。
ちくわだけでなく、かまぼこやはんぺんなどの練り物に使われることが多い食品添加物です。
ソルビン酸カリウムは単体でも危険性があるといわれていますが、ほかの食品添加物との組みあわせにより発がん性があると指摘されています。
特に危険視されているのは、ハムやソーセージなどに含まれている亜硝酸との組み合わせです。
ちくわに含まれている量では、その心配はないといわれています。
そのため少量であれば与えても問題ないとされていますが、心配な方は無添加のちくわも販売されているのでそちらを探してみても良いでしょう。
無添加とはいえ、塩分が含まれていることには変わりはないので与える場合は少量を心がけてくださいね。
偏食になる可能性
ちくわは人間の食べ物のため、味や風味がしっかりつけられています。
犬にとっては普段のドッグフードよりも格段に美味しいと感じるため、ちくわを日常的に与えると、ドッグフードを食べなくなってしまうかもしれません。
ドッグフードには犬に必要な栄養素がバランスよく配合されているため、食べなくなってしまうと栄養が不足し健康に害が及ぶこともあります。
このことからも、ちくわを与える際には少量をたまに与えるようにしましょう。
与えても良い量の目安は摂取カロリーの20%以下となります。
病気を患っている犬には与えない
ちくわには塩分が含まれているため、心臓病を患っている犬には与えないようにしましょう。
塩抜きせずに与えてしまうと血圧が上昇し、心臓に負担を与えてしまいます。
また、肝臓は体内にたまった余分な塩分を体外へ出す役割がありますが、肝臓を患っていると塩分をうまく体外へ排出できません。
そのため、肝臓に疾患がある犬の場合もちくわを与えないようにしましょう。
ちくわ以外の魚肉加工食品を与えても良いのか
ではちくわ以外の魚肉加工食品はどうなのでしょうか?
かまぼこ
かまぼこもちくわと同じように白身魚のすり身が原材料です。
そのため犬に与えても問題ありませんが、同じように注意点もあります。
ちくわと同じように与えすぎると塩分過多や添加物の心配があり、魚を食べたことない犬は魚アレルギーを引き起こす可能性があります。
また、しっかりと味付けされているため偏食にならないように気を付けることも必要です。
魚肉ソーセージ
魚肉ソーセージは魚のすり身に豚脂、魚油などを加えて作られています。
こちらも少量であれば与えても問題ありません。
包装のビニールごと食べてしまわないように注意しましょう。
鯖缶
こちらも与えすぎなければ問題ありません。
ですが人間用に味付けされているため、与えるのであれば犬用のものを与えたほうが良いでしょう。
魚そのものの場合
もし魚肉加工食品ではなく、魚そのものを与える場合には以下の点に注意が必要です。
- 骨を飲み込まないように取り除く
- 味付けをしない
- 寄生虫がいる場合があるためしっかりと加熱してから与える
- 初めて食べる場合は少量から与える
食べ過ぎると黄色脂肪症という病気になることがあります。
この病気は魚に含まれるDHAやEPAの過剰摂取で体内のビタミンEが不足してしまうことにより起こる病気です。
発熱、食欲の低下、体の痛み、お腹や足の付け根の脂肪が硬くなるなどの症状がみられます。
まとめ
このように犬がちくわや魚肉加工食品を食べること自体には問題はありませんが、食べすぎると悪影響を及ぼすため、与え方には工夫が必要です。
また、初めて食べる場合にはアレルギーの症状が出ないか、食後の犬の様子をしっかりと見てあげなければいけません。
犬はいい匂いがするとなんでも欲しがります。
思わず食べさせてあげたくなりますが、欲しがるものを与えることが愛情ではありません。
かわいい愛犬にいろいろなものを食べさせてあげたいと思ったとしても、あくまでも人間の食べ物は犬が食べるために作られているわけではないため不必要に与えない方が良いでしょう。
こちらの記事もチェック!
この記事のライター
momo
動物に関わる仕事がしたいと思い、トリマーを目指して勉強中です。犬にまつわる疑問などについて発信していきます。
注意が必要な食べ物に関する記事
食べもの
犬にトマトを食べさせても⼤丈夫?栄養素や与える際の注意点について
トマトは抗酸化作用が強く、ビタミンやミネラルが豊富な上に、料理の幅を広げてくれる美味しくて人気...
2023年4月13日
食べもの
犬にヤクルトを飲ませてもいいの?賛否両論の理由と注意点を知っておこう!
腸内環境を整えるために、乳酸菌飲料「ヤクルト」を飲んでいる方もいるかと思います。腸内の良い菌を...
2023年12月15日
食べもの
犬にゼリーをあげても大丈夫?主な成分や食べさせる際の注意点を解説
つるっとした食感でのど越しのよいゼリーは、手軽に食べられる人気のおやつですよね。フルーツゼリー...
2023年12月6日
食べもの
甘酒って犬が飲んでも大丈夫?作り方や注意点などを徹底解説!
甘酒は、人間にとっては甘くて美味しい飲み物ですが、果たして犬にも与えてよいものなのでしょうか?...
2023年4月27日
食べもの
犬が「ごま油」を舐めちゃった!体への影響と注意点について
芳ばしい香りで食欲をそそるごま油は様々な料理で活躍するため、常備しているご家庭も多いと思います...
2023年4月27日