犬の噛む力ってどれくらい?犬の顎や歯の構造・噛む力から考えるおすすめおもちゃ
おもちゃをすぐぼろぼろにされてしまう、おやつの骨やガムもすぐ粉々にされてしまうなんて経験はありませんか?鋭い歯を持つ犬たちですが、噛む力はいったいどれくらいあるのでしょうか?今回は、犬の顎や歯の構造から、犬の噛む力を紐解いていきます。また、どんなに噛まれても長持ちするおすすめの丈夫なおもちゃも併せてご紹介します。
犬と他の動物の噛む力を比較
犬のなかで小さい体格の、体重が10kgである小型犬の噛む力(咬合力)の平均は約100kg。
中型犬は約100〜160kg、体重25kg以上の大型犬は約160〜200kgといわれています。 身体が大きくなればなるほど噛む力も強くなっていくようです。
わたしたち人間の噛む力も体重に比例するとされており、平均約30~60kgとふり幅があります。(※1)思い切り歯を食いしばったときでも70kgほどと記録されており、わたしたちがどれだけ思い切り力を込めても、小型犬の強さにも届きません。
犬と野生動物の噛む力を比較
ブレディ・バー教授の実験ではさまざまな野生動物の噛む力が測定されました。(※2)
野生のイヌ科では、ハイエナ454kg、オオカミ184kg、リカオン144kgという結果があります。ジャーマン・シェパード108kg、ロットワイラー149kgという結果と比べても、少し強い程度であまり差異はありません。ハイエナの数値が飛びぬけて高いのは、他のイヌ科と違い、堅い骨を砕いて食べる生態のためです。
他の動物たちでは、イエネコ100kgに対してライオン313kg。サメ映画などで恐れられるホオジロザメは303kg。動物のなかで最も噛む力が強いワニはなんと2,268kgという脅威の数値がでています。
噛む力の強さは顎の構造と歯がポイント
身体の大きさや体重が噛む力に影響していることは確かですが、ライオンやサメより小さなワニの噛む力は7倍以上もあります。また、同じサイズの犬同士でも犬種によって噛む力に差がありますが、実はこの差には「顎の構造」「歯」が大きく関わっています。
犬の顎の構造
犬の上顎骨と下顎骨は人間の顎と違い、前に細長く突き出しています。このふたつの顎骨を繋げている関節を支えて、動かす役割をもつ咬筋という筋肉が、犬たちはとても発達しています。人間は顎を上下左右に動かすことができますが、犬はこの構造と筋肉の働きによって上下にしか動かせません。
犬の歯
歯(永久歯)の本数は人間28~32本に対して犬は42本と多めです。
犬の歯を機能によって分類すると、前から「門歯」「犬歯」「前臼歯」「後臼歯」となります。犬が獲物に噛み付くときには犬歯で逃がさないように固定し、前臼歯で切り裂きます。飲み込む直前に後臼歯ですりつぶしてから食べ物は喉へと運ばれるのです。
噛む力が強い犬にぴったりの丈夫なおもちゃ
小型犬から大型犬まで、どんな犬でも歯や歯茎の健康、歯磨き、ストレス発散のために「噛む」という行動は欠かせません。ときには家具や大切なものが犠牲になってしまうことも。なるべく長持ちで、犬が気に入ってくれそうなおすすめおもちゃをご紹介します。
王道おもちゃ!プラスチックや縄のおすすめ
ペットショップやネット通販などで気軽に買えて、機能性や安全面もばっちりな王道おもちゃといえば、プラスチック製や縄を編んだもの。ほとんどの犬が怖がらずに受け入れてくれやすい点も飼い主さんの嬉しいポイントです。
噛み心地も良くて一緒に遊べる!ロープおもちゃ
ドギーマン 毎日ハミガキコットンループ
安心素材の100%コットンで小型犬も安心して遊べます。 網目に歯が食い込むことで歯垢も落とし、引っ張りっこで一緒に遊べる一石二鳥!
小~大型犬まで飽きさせない!長持ちおもちゃ
Hartz ハーツデンタルボーン
ベーコンフレーバーが付いているのでおもちゃに興味が薄い犬にも◎。 外枠は丈夫なナイロン製、中央は噛み心地ばつぐんのウレタン製です。
自然派おもちゃ!木や鹿の角、ひづめのおすすめ
見かけることは少ないながらも、犬用の噛むおもちゃとして人気な野生動物の角やひづめ、木からつくられたおもちゃもあります。万が一食べてしまっても問題のないものが多く、つい噛むことに夢中になってそのまま破片を食べてしまう犬にもおすすめです。とくに牛のひづめはおもちゃではなく、おやつとして取り扱われていることもあります。
おやつにもおもちゃにも!鹿の角デンタル
お土産物の歓光堂 鹿角ボーン
北海道の自然で生きている天然エゾジカの角です。 デコボコ構造が歯磨き効果になるうえに、カルシウム豊富でローカロリー
犬の噛む力は人間よりもはるかに強い
わたしたち人間と生活するなかで、犬たちは余程のことがなければ本気で噛んでくることはありません。それには犬と飼い主の良い信頼関係や絆が深く関わっています。生涯の良いパートナーとして、噛まない犬に育て、噛ませない飼い主になりましょう!
下記の資料を参考に執筆しました。
※1 咬合力と顎顔面形態との関係性―簡易型咬合力計を用いて―(臼井暁昭、駿河充城、栗原三郎)/※2 Dangerous Encounter with Brady Barr(邦題:「バー教授の最も危険な調査隊」)
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!